山種美術館で開催中の「福田平八郎 ✕ 琳派」へ行ってきました。 どの作品もそこにある。 描かれているのではなく、 そこに「ある」リアルを感じた。 画家自身は、 「リアルを信念として貫く方向を辿った」という。 この日ワタシが感じたリアルは 「福田平八郎」の信念だったのだと思うと 会ったことのない画家が すぐ隣で絵筆を持っているような姿が見えてきた。 「牡丹」の前に立ったときは、 藪漕ぎをしながら険しい山道を登った先に この牡丹の花が目の前に現れたようで ひと時、山の中にワープした気分でした。 実際は、山の中にある牡丹ではないのでしょうが、 ワタシの中ではそう見えていたのです。 「紅白餅」の絵は、…
令和6年9月29日から同年12月8日までの間、山種美術館にて、「福田平八郎&琳派」の美術展が開催されました。 山種美術館というと、日本絵画の展示が中心というイメージです。私が以前にこちらの美術館を訪問したときは、東山魁夷の絵画が展示されていました。 福田平八郎は、京都の学校へ入学しているものの、実は大分県の出身で、九州ともゆかりが深い画家さんです。 ホームページにょれば、大正期はモティーフを入念に観察し、写実的に表した作品を生産していたましたが、昭和に入ると単純な色面と大胆な構図による独自の芸術を確立したと記載されていました。 実際に、竹や鮎のモティーフがとても多かったです。 展示室内は写真撮…
美術館をハシゴ。涼しくなって来たので奥様も同行。 一つ目は東中野の東京黎明アートルームで開催中の「暁斎&三彩」。 &www.museum-art.torek.jp 東京黎明アートルームに行くのは今回で2回目。東中野駅から徒歩10分ほど、閑静な住宅街の中にある。場所がちょっと目立たないせいか空いていて、ゆっくりじっくり静かに美術を堪能できるお気に入りの美術館だ。今回の展示物は、唐三彩・河鍋暁斎・その他でそれぞれ1/3ずつ(暁斎が若干少なめか)といった感じだったが、私の一番のお目当ては河鍋暁斎。以前東京国立博物館で観た「地獄極楽図」がなかなか強烈でそれ以来気になっていた。 今回の暁斎の展示で印象に…
梶よう子『広重ぶるう』は、ベロ藍に魅せられた歌川広重を描いている。阿部サダヲ主演で TV ドラマにもなっている。歌川広重がどんな生涯を送ったのか、この小説とドラマで知ったようなものである。 広重ぶるう (新潮文庫 か 79-10)作者:梶 よう子新潮社Amazon www.nhk.jp 太田記念美術館で「広重ブルー」という展覧会が開催されており、さっそく見に行った。 Web サイト(チラシ)から、展覧会の概要を引用する: 風景画の巨匠、歌川広重(1797~1858)。その作品は今も高い人気を誇りますが、とりわけ空や海の深く美しい青が印象的です。これは1830年頃から浮世絵に用いられたベロ藍(プ…
山種美術館は、渋谷区広尾にある日本画専門美術館。 9月29日~12月8日 「福田平八郎×琳派」展 1,400円 この一枚だけが撮影OKだった。「彩秋」 筍や鮎もよかったが、やはり「牡丹」は圧巻だった。その色彩とみずみずしい質感に心奪われる。 併設のカフェ「椿」で冷抹茶セット 1,450円
こんにちは。 前回は、日本画家児島虎次郎氏の残した絵をひとつの材料に、絵画における「光」の描き方の奥深さについて触れました。「光」を描くことが芸術表現上いかに重要なのかは、例えばクロード・モネが晩年に描いた連作「ルーアン大聖堂」にも現れています。この一連の作品には、異なる時間帯にまったく同じ角度から聖堂を描いた作品が数点あるのですが、それらは微妙に色遣いを変化させることによって、見事に聖堂やその周辺にこぼれる「光」の様子を時間帯ごとに描き分けているのです。その繊細さこそが「光」のもつ多様性を表現するのに肝要なのです。 さて、「光」と同じように、形が定まらない上に、基本的に無色透明であるために、…
少し前に放送されたNHK『日曜美術館』で、 日本画家の福田平八郎を初めて知りました。紹介された作品をみて、私、一目惚れです。 肉眼で見てみたい!! ということで、 大分県立美術館(OPAM)の福田平八郎展へ行ってきました。 せっかく遠くまで行くのだから100%楽しみたい。 観光もしたいし、 美味しいもの食べたいし、 移動中の山や緑も楽しみたい。前後の予定とか天気とか体力とか金額的なこととか いろいろ条件を考えてしまい、 天秤にかけてあきらめてしまうこともあるのだけど、今回は大雨予報だって、絶対見た~い。 日頃の行いがいいせいかww、日中は雨降らなかったOPAM3階。なだらかな曲線の天井と天窓。…
すこし前に日本画家・福田平八郎のことを書きました。 hapo-mina.hatenablog.com この時に「漣」という作品を見て、 そのタイトルが「さざ波」でも「さざなみ」でもなく 漢字で「漣」だということに まさに! 押し寄せてくるようだと感じました。 絵のすごさと、タイトルとの相乗効果、 どの文字を使うかによっても 印象は変ってくるのかもしれません。 それで、ふと思ったのですが 福田平八郎の作品のタイトルを現代書家が書き 一緒に展示したら楽しそうです。 ブースの正面には「漣」の絵があり 左右には書道家の「漣」を展示する。 カラフルな「竹」の絵には 有名な書家の作品ではなく 伸びやかな子…
レキシの「salt & stone」(「hey hey hey hey hey 平八郎」という歌詞)を脳内で口ずさみながら中之島美術館に向かった。同時開催のモネ展があいかわらずばかみたいに混んでいる。チケットを館内で買うのにも行列だし、買ったチケットを持って館外に出さされて美術館の外周をぐるっと囲んで並ばされている。見た感じ、展示室に入るまでに最大で2時間ぐらいかかりそうなのだが、ほんとにみんなそんなにモネに興味があるんですか? 対して福田平八郎展は、事前にチケットを買っておけば入館から展示室まで2分である。2分の内訳の80%ぐらいは長いエスカレーターの搭乗時間である。展示室フロアに上がるエス…
こんにちは。 来週はゴールデン・ウイークに突入しますね。既に定職をもっていない私のような人間にとってはあまり関係のない話ですが、昨年以上に関西を訪れる観光客の数も増えるのでしょうね。最近は、一時減っているように見えた中国からの方も徐々に増加しています。 そんなわけですから、関西在住の方で、近場への観光を考えている方は、混みあう前にお出かけになることをお勧めします。 かく言う私は、先日、大阪中之島美術館で「没後50年 福田平八郎」という展覧会を見てきました。同美術館では同時開催でモネ展もやっていて、そちらは平日にもかかわらず、とんでもない行列ができていて、ぎょっとしたのですが、福田平八郎の方はさ…