星新一の「ステキな世界」 星新一のショートショートに「マネー・エイジ」というお話があります(『ボッコちゃん』所収)。 主人公の女の子「あたし」が暮らす世の中は、なんでもお金で解決できます。お休みの日にお父さんに遊びに連れて行ってもらうはずの約束を破られたから、泣きべそを見せて金貨1枚をゲット。学校の前でいじめっこにからまれたら銀貨1枚わたして何事もなく通過。バスで立っているおばあさんに席を譲ったら代わりに銀貨2枚をもらいます。何のためにいくら支払えばいいのか、相場が決まっているのです。大人はみな「計算機」をもっていて、どんなときにも、必要な価格がすぐわかるようになっています。 お詫びも、感謝も…