結婚生活

結婚後に利用できる主な制度について 結婚後には、国や地方自治体からさまざまな支援制度を活用することができます。 これらの制度を知っておくことで、新生活をより安定して送ることができます。 1. 住宅に関する支援制度 新婚夫婦の多くが直面する住宅の問題。 例えば、新築やマンション購入時に利用できる「住宅ローン減税」があります。 これは、住宅ローンの返済額の一部が所得税から控除される制度です。 また、自治体によっては「新婚世帯家賃補助制度」があり、 家賃の一部を補助してもらえることも。 たとえば、月々の家賃が8万円の場合、2万円程度の補助を受けられる地域もあります。 2. 子育てに関する支援制度 将…

「宇宙食でいいよね」そんなふうに言っていた。宇宙食を食べたことはないけれど、私たち夫婦の意見は一致していた。それほど「食べること」に執着がなかった。「空腹を感じなければ、食べなくてもいい」──それが、ふたりの共通認識だった。 …少し矛盾しているけれど。私たちは美食家ではなかったけれど、美味しいものは食べたかった。ただ、話題の店にわざわざ出向くことはない。夫は新しい店を嫌い、外食もいつも決まった店だった。もちろん行列店には並ばない。「待つこと」ができない人だったから。 義母は料理が得意だった。懐石料理を自分で作り、見た目も鮮やかで品があった。夫のお弁当は、幕の内弁当ではなく“松花堂弁当”。職場で…

結婚生活でのストレスの原因と対処法 1. コミュニケーションの不足 夫婦間でのコミュニケーション不足は、多くのストレスの原因となります。 例えば、「言わなくても分かるはず」という考えは、 期待と現実のギャップを生み出してしまいます。 対処法として、毎日10分でも話す時間を作ることをおすすめします。 スマートフォンを見ながらではなく、お互いの目を見て会話することで、 相手への理解が深まります。 2. 家事の偏り 共働き世帯が増える中、 家事の負担が一方に偏ることでストレスが生まれやすくなっています。 まるでお母さんと子供の関係のように、「やってあげている」「やってもらっている」 という意識が生ま…

子どもたちがまだ結婚を意識する前から、私たち夫婦は、折に触れてこう言い聞かせてきた。「離婚だけはダメだからね」その教えは、ちゃんと子どもたちの心に刻まれていた……はずだった。 けれど── 息子夫婦が東京に移り住んでしばらくした頃、ふたり揃って帰省し、突然こう切り出した。「離婚したい」 心の中で私は叫んだ。「あのド派手な結婚式の費用、返してもらいたい！」 冷静に話を聞いてみると、どうやら環境の変化やすれ違いで、気持ちが行き違っていたらしい。私は嫁にこう伝えた。「地方ではできないことが、東京にはたくさんある。もっと楽しんで」そしてふたりに言った。「ほら、結婚式のビデオ見返してごらん。あんなにみんな…

私は、人生で一度だけ、夫に離婚届を差し出したことがある。夫は顔色ひとつ変えず、それを丸めてゴミ箱に捨てた。そして静かにこう言った。「子どもは、どうするつもりだったんだ」 「私は経済力がないから、置いていくつもりです」そう返した私に、夫は「お前は無責任だ」と言って席を立った。 ──なぜ離婚したかったのか。今となっては、その理由すら思い出せない。たぶん、今では笑い話にもならないような、日常の小さな不満だったのだろう。 その後しばらくして、私は行き先も告げずに初めて外泊した。お正月で子どもも学校が休み、生活に支障のないタイミングを選んだ。それが、私の中にあった一線だったのだと思う。 どこで何をしてい…

「あなたたちって、本当に利害関係が一致した夫婦だよね」私の唯一の友人は、私たち夫婦のことを、そんなふうに言い当てていた。 たしかに──私たちが結婚を決めた時のことは、生涯、夫婦間でも語ることはなかった。 私たちは、職場結婚だった。ある日、何の前触れもなく、夫からドライブに誘われた。私は、何の気負いもなく応じた。 海辺で立ち話をしていたとき、夫は突然、こう言った。「付き合わないか」 私は即座に尋ねた。「それって、結婚前提ですか？」 「そう」と、夫は答えた。 私はひとつだけ条件を出した。夫は「いいよ」と即答した。 ──こうして、私たちの結婚はその場で決まった。夫23歳、私22歳。 当時、お互いに少…

母は、いつもやさしい人だった。私を叱った記憶は、ほとんどない。 けれど、よくこう言っていた。「あなたみたいに我儘な子は、親勤めしないとだめだから」 ──図らずも、母の願い通りになった。 結婚式の日、花嫁姿の私に向かって、まるでドラマのようにこう言った。「○○さんに、ちゃんとついていくんだよ」涙声だった母の言葉は、いまも忘れられない。 夫は、物腰のやわらかい人だった。育ちの良さが、滲み出ていた。だから私たち夫婦は、ずっと「かかあ天下」に見られていた。母も例外ではなく、私の振る舞いをときどき窘めた。 だけど、私は実家に泣き言を言わなかった。逃げ帰ったことも、一度もなかった。 実家に泊まりに行くとき…