介護の仕事をしていると、ときどき、自分でも気づかないうちに心を少し遠くへ置いていることがあります。 それは、意識してやっているわけではありません。気がついたら、そうなっているんです。 入居者様に声をかける。食事介助をする。 排泄介助をする。転倒しないように見守る。 身体はいつも通り動いているのに、どこか自分の心だけが、少し深い場所へ静かに避難しているような感覚。 介護の仕事をしている人なら、この感覚を一度は経験したことがあるのではないでしょうか。 ある日のことです。 その日も、いつもと変わらない忙しい日でした。 朝からコールが鳴り続け、職員は少なく、やることは山ほどある。 急いで部屋を回りなが…