今朝、電話が鳴った。表示された番号は「44」から始まっている。……44? どこの番号だろう。見慣れない。日本の市外局番にも携帯番号にも、こんなのはない。少し戸惑いながらも、好奇心が勝って電話に出てみた。 「こちらはNTTです。不正が発見されました。この電話はあと二時間で使用できなくなります。詳細を知りたい方は、1番を押してください」 電子音混じりの、まるで機械のような声だった。ああ、やっぱり——詐欺電話だ。 もちろん、ボタンなど押さない。話もしない。ただ、無言で耳を傾ける。すると、同じ内容をもう一度、そしてもう一度、繰り返したのち、プツンと切れた。 あとで調べてみると、「44」はどうやらイギリ…