小学生の頃、妹が小さな金魚を飼っていた。 どこかの祭りですくってきて、そのまま帰ってきたというよくある話。 水槽でヒラヒラ泳ぐ姿が可愛かったものの、 1年ほどかけて巨大化。 最初の姿を忘れてしまうほど大きくなっていた。 リビングにドンと構える水槽を眺め、妹は変わらず愛情を注いでいたが、 私は"大きな赤い魚"になった金魚のことが少し怖くなっていた。 そんなある夏の日、家族が寝静まった夜、急に目が覚めた。 喉が渇いたような気がして、キッチンに向かう。 電気をつけて、麦茶を注いでいたその時。 水槽の方から「バン!」という衝撃音と、「ビチビチ!!」と不穏な音・・・ 明らかに魚っぽい音。夢かな?と思った…