随分前から気になっていた本。1995年の阪神・淡路大震災を経験した精神科医である安克昌(あん・かつまさ)さんによる、大災害によって生じる(避難生活なども含む)「心の傷」とそれに寄り添う「心のケア」の記録だ。阪神・淡路大震災は今年で30年になる。一方で、著者である安さんは2000年に39歳で亡くなっている。肝細胞がんだった。 昨年の元旦に起きた能登半島地震や2011年の東日本大震災などと日本は地震が多いし、台風や大雨といった自然災害も含めると、毎年、何かしらの避難生活を伴うような災害が起きているような気がしている。母が東日本大震災で避難生活を強いられた。戦争の疎開は別にしても、母だって70過ぎで…