狂気。あるいは狂人のこと。気狂いの代用語。「デンパ」、「デムパ」などと書くことも。
「誰かが自分の脳に電波を送って命令している!」と、頑なに主張する人の言葉から。
統合失調症と思われる。
以下精神科医のサイトから引用
さてこの「電波」という表現、いつごろから出現したのかというと、もちろんラジオやテレビが一般的になったころ、ということになるはず。これについては、精神神経学雑誌1978年12月号に、松沢病院の藤森英之先生が書いた「精神分裂病における妄想主題の時代的変遷について」という論文が載っている。この論文、明治、大正、昭和のそれぞれの時代に、松沢病院とその前身である巣鴨病院に入院した2435人の分裂病患者のカルテを調べ、妄想の主題について調べたという労作。
http://psychodoc.eek.jp/abare/denpa.html
この論文によれば、「電波」の妄想は明治大正には存在せず、出現したのは昭和初期のこと。「電波」のかわりに明治大正期に多かった表現は「電気」。まあ、明治期にはこういう系統の妄想よりも「狐憑き」みたいな憑依妄想が多かったのだけれど。時代が下るにつれて、妄想の内容もどんどん多様化していって、昭和36-40年には、「テレビ」「光線」「X線」「電子頭脳」「超音波」「空中放電」などが登場しているとのこと。テクノロジーの進歩を露骨に反映してるわけだ。
根本敬『電波系』(ISBN:4872333055)に詳しい。