ーーーー講義録始めーーーー 咀嚼と健康 ―「8020運動」の意義 食物の咀嚼(そしゃく)は、主に歯が担う役割です。成人は通常、親知らずを除いて28本の歯を持ちます。 「8020(ハチ・マル・ニイ・マル)運動」とは 「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という目標のもと、**平成元年(1989年)**に厚生労働省などが提唱した運動です。 20本あれば、ほとんどの食品を自分の歯で噛み切れるとされ、栄養摂取や口腔機能の維持・向上に有効です。 8020運動の成果 2016年の「歯科疾患実態調査」によると、85歳以上でも「自分の歯が20本以上ある」人の割合は25.1%。 10年前(2006年)の…