リビングの定位置に収まった本棚を眺めながら、僕は冷めたコーヒーを一口啜る。 目の前には、杉の力強い木目が主張する扉。その奥には、かつて部屋の平穏を乱していた『鬼滅の刃』や『コナンくん』が、静かに整列している。 画面上の設計図からは想像もつかなかった「重厚な佇まい」だ。当初の、あの薄くスマートなミニマリズムはどこへ行ったのか。しかし、この不格好な「継ぎ足し枠」こそが、僕とAIが数日間にわたって繰り広げた、泥臭い攻防戦の記録そのものだ。 読者の中には、AIに指示を出せば魔法のように完璧な家具が出来上がると思っている方もいるかもしれない。だが、現実はもっと、叫びたくなるような試行錯誤の連続だった。 …