〈昭和の忘れもの〉モノ・コト編㊽ 【オリベッティー バレンタイン(タイプライター)】 英語と聞いただけで腰が引けてしまう自分にとって、所謂バイリンガルという人たちは心から尊敬する対象だ。 殊にワープロの登場など予想もできなかった頃は、英語に堪能な人間を二重に羨ましく思っていた。すなわち英語を操ることができ、しかも(活字で)記述する手段として英文タイプライターが存在したからだ。悪筆がコンプレックスだった自分からすれば、まさに夢の機械だった。 英文は、アルファベット26文字といくつかの記号さえあれば文章の記述が可能だ。そのためタイプライターの発想は古く、実に世紀を跨いで進歩し続けた。中でも196…