チェチェン総合情報の本サイトは http://chechennews.org/ です。
2012-04-20
#389 林克明チェルノブイリ報告/ガザ・サムニ家の子どもたち上映会
直前の案内ですみません。チェチェンを何度も取材されている林克明さんが、
このたびチェルノブイリを取材し、明日21日に報告会を開きます。ぜひご参加
ください。
また、4月23日(月)には、ジャーナリストの古井みずえさんの映画『ぼくた
ちは見た−ガザ・サムニ家の子どもたち−』が、飯田橋で開かれる「みみの会」
にて上映されます。こちらもぜひ、ご覧ください。
●記念日情報:1996年4月21日 チェチェン初代大統領ドゥダーエフ爆殺
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チェルノブイリ取材報告
〜遺伝の視点から・・25年後の福島を救おう〜
前半は林克明によるチェルノブイリ取材報告。後半は脱原発運動をする人々が集
い情報提供やアピール、情報交換などをできる場にしたいと思っています。(林
克明)
日時 4月21日(土) 2時開演(1時30分開場)
場所 千駄ヶ谷区民会館会議室1
03-3402-7854
※場所は隠田区民会館ではなく千駄ヶ谷区民会館ですのでご注意ください。
地図 http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kmkaikan/km_sendagaya.html
資料代 500円(会員無料)
主催・問い合わせ先 草の実アカデミー kusanomi@notnet.jp
※これより詳しい案内文は下記のブログでお読みください。
http://kusanomi.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/421-7237.html#more
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■第96回みみの会ご案内
〜『ぼくたちは見た−ガザ・サムニ家の子どもたち−』もあわせて上映〜
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最近にはめずらしく隔月の開催となりました。今回は昨年、『ぼくたちは
見た−ガザ・サムニ家の子どもたち−』を公開された、古居みずえ監督を
ゲストにお招きします。
映画では、爆撃の下でパレスチナの子どもたちは何を経験したのか、そして
爆撃のあと、どんな暮らしをしているのかを、子どもたちのことばと絵で
描きました。
20年あまりパレスチナに通い続けているという古居監督に、作品が出来上がる
までのお話、これからの取材についてうかがいます。
当日は講演のほか、作品も上映いたします。
日時:2012年4月23日(月)午後7時〜9時20分(受付、6時半より)
※作品上映は7時30分から9時を予定
講師:古居 みずえ(ジャーナリスト/アジアプレスインターナショナル)
参加費:1500円(作品鑑賞費含む)
地 図: http://www.tokyoshigoto.jp/traffic.php
/都営地下鉄大江戸線/東京メトロ有楽町線・南北線「A2出口」より
徒歩7分/ 東京メトロ東西線「A5出口」より徒歩6分
東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄新宿線「3番出口」より徒歩10分
プロフィール:古居 みずえ
ジャーナリスト・映画監督。アジアプレス所属。1988年よりパレスチナを取
材。新聞・雑誌・テレビなどで発表。第1回監督作品『ガーダ パレスチナの
詩』が好評を博し、同作品で石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞受賞。
2011年8月に『ぼくたちは見た: ガザ・サムニ家の子どもたち』(彩流社)を
出版。そのほか著書に『パレスチナ 瓦礫の中の女たち』(共著)、
『インティファーダの女たち―パレスチナ被占領地を行く』など。
Website: http://www.huruim.com/contents.html#
Blog: http://blog-huruim.sblo.jp/
1988 年よりパレスチナの人びと、とくに女性や子どもたちに焦点をあて、
取材活動を続けている。98年からはインドネシアのアチェ自治州、
2000年にはタリバン政権下のアフガニスタンを訪れ、イスラム圏の女性たちや、
アフリカの子どもたちの現状を取材。新聞、雑誌、テレビ(NHK総合・ETV特集、
NHK・ BS23、テレビ朝日・ニュース・ステーション)などで発表。 ニコンサロ
ン、コニカプラザなどで写真展開催。 2005年DAYSJAPAN審査員特別賞受賞 石橋
湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞・公共奉仕部門大賞受賞 2011年8月に『ぼく
たちは見た: ガザ・サムニ家の子どもたち』(彩流社)を出版。そのほか著書に
『パレスチナ 瓦礫の中の女たち』(共著)、『インティファーダの女たち―パレ
スチナ被占領地を行く』など。
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みみの会は、出版関係者を中心とした勉強/交流の会です。
どなたでも参加いただけます。この案内の転送も歓迎します。
お問い合わせは: はる書房 さくま Tel/03-3293-8549
メール おおとみ: ootomi@mist.ocn.ne.jp
みみの会について: http://d.hatena.ne.jp/miminokai/about
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▼チェチェンニュースは、ロシアによる対チェチェン軍事侵攻と占領に反対し、
平和的解決を求める立場から発行している無料のメルマガです。2001年から発行
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2012-04-09
#388 エレナ・ミラシナ襲撃される
エレナ・ミラシナさんだ。
大怪我だったが、一命はとりとめた模様。
とりいそぎ、ヒューマン・ライツ・ウォッチの情報を転送します。
なお、ミラシナさんが書いた記事のいくつかは、日本語訳されています。
ぜひお読みください:
http://d.hatena.ne.jp/chechen/archive?word=*[mirashina]
●記念日情報:1996年4月21日 チェチェン初代大統領ドゥダーエフ爆殺
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ヒューマン・ライツ・ウォッチ www.hrw.org/ja 日本語ニュース配信
ロシア:著名ジャーナリスト 襲撃される 捜査当局は直ちに捜査を
日本語ニュースリリース: http://www.hrw.org/node/106356
英語オリジナル: http://www.hrw.org/node/106318
(モスクワ、2012年4月6日)−ロシア政府捜査当局は、著名なロシア人ジャーナリストで人権活動家のエレナ・ミラシナ氏
<http://www.hrw.org/news/2011/08/08/elena-milashina-russia>への悪質な暴行事件に対し、迅速かつ徹底的な捜査を行うべきである、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。
2012年4月5日午前零時直後、正体不明の男2人が、ロシアの著名な独立系新聞ノーヴァヤ・ガゼータ紙の記者ミラシナ氏と、彼女の友人で米国の人権・民主主義団体フリーダム・ハウスのプログラム担当職員であるエラ・アソヤン氏を襲撃。事件は、モスクワ郊外のバラシハにあるミラシナ氏の自宅付近で起きた。アソヤン氏はモスクワを訪問中で、その夜ミラシナ氏の家に滞在していた。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ欧州・中央アジア局長のヒュー・ウィリアムソンは「ジャーナリストを敵視する環境の中で活動する、勇気あるジャーナリストが襲撃された場合、通常の路上強盗と見える事件であっても、ミラシナ氏の新聞記者としての活動に関連する暴行ではないのか、当局は捜査する義務がある。いずれにせよ、捜査当局は犯人特定と責任追及のため、直ちに行動をとるべきだ」と語る。
ミラシナ氏によると、犯人は主に彼女の頭部を狙い、殴る蹴るの暴行を加えた。
彼女は12ヶ所に及ぶ頭部血腫を負うとともに、歯を1本失った。犯人はアソヤン氏に対しても数度暴行を加えたものの、主な狙いはミラシナ氏だったとみられる。ミラシナは財布、アソヤンはノートパソコンを奪われた。犯人たちは、ミラシナのノートパソコンの入ったバックパックも奪おうとしたが、彼女が抵抗しているところに通行人3人が助けに入ったために逃げ去った。
ノーヴァヤ・ガゼータ紙の花形記者だったアンナ・ポリトフスカヤ
<http://www.hrw.org/news/2009/02/20/anna-politkovskaya-no-justice>氏が、2006年、残忍な手口で殺害された後、ミラシナ氏は、チェチェンなど人権侵害のはびこるロシア北コーカサスを報道するという重責を引き継いだ。2009年7月、チェチェンの著名な人権活動家で、ミラシナ氏の重要な協力者だったナタリア・エステミロワ氏
<http://www.hrw.org/news/2009/07/15/russia-leading-chechnya-rights-activist-murdered>
が白昼堂々殺害された。ミラシナ氏は独自にこの暗殺事件の調査も行った。ノーヴァヤ・ガゼータ紙はヒューマン・ライツ・ウォッチに対し、ミラシナ氏への襲撃が彼女のジャーナリストとしての活動に関連している可能性を捨てていない、と述べている。ミラシナ氏は近年、記事に関する多くの脅迫を受けていた。
午前零時40分頃、ミラシナ氏は犯人が逃げた直後に警察に電話。30分程待っても警察が現れなかったため、出血して衰弱していたミラシナ氏とアソヤン氏はいったんミラシナ氏の自宅に戻った。午前2時、暴行後に彼女たちを助けてくれた3人の女性から、犯行現場に警察が到着した旨の電話をうけたミラシナ氏らは、犯行現場に戻った。
犯行現場の警察車両の中には数名の警察官が乗っており、目撃者の1人に質問をしていた。しかし、警察官たちはミラシナ氏とアソヤン氏を無視し続け、車から降りて来ることもなかった。彼女たちは寒い中で15分待った後に自宅に帰ろうとしたところ、警察官たちは彼女たちをすぐに追いかけてきて、ミラシナ氏の自宅近くで追いついた。
ミラシナ氏によると、ある警察官が車両から身を乗り出して怪我の様子を記録するために病院に連れて行くと持ちかけてきたものの、その物言いはとても失礼で、誠実さがみられなかった。暴行による痛みと長時間外で待たされたことによる疲労でくたくたになっていたミラシナ氏とアソヤン氏は、ミラシナ氏の自宅に戻った。翌朝、ミラシナ氏は診断書を書いてもらうために病院に行った。ミラシナ氏とアソヤン氏は警察への供述も行い、現在は、襲撃事件に対する予備的な調査が行われている段階である。
前出のウィリアムソンは「警察の犯行現場への到着が不可解なほど遅かったとみられる。しかも、怪我をしているミラシナ氏とその友人に対する医療面での手助けを優先的に行っていない模様だ。とても遺憾である」と語る。
ロシア政府当局は、この襲撃に対し、徹底的かつ公正な捜査を行うべきである。
さらに、緊急通報から警察車両の現場到着までに90分もかかり、かつ、現場到着後に警察官が不適切な行動をとったという報告についても、捜査の中でしっかり調査すべきである。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、2009年、エレナ・ミラシナ氏に対して、ヒューマン・ライツウォッチの最も栄誉ある賞であるアリソン・デフォージュ人権賞
<http://www.hrw.org/news/2009/10/06/human-rights-watch-honors-four-activists>
を授与した。同賞は年に一度、他者の尊厳と人権を守るために自らの命をかけている勇気ある個人を称えて贈られる賞である。
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2012-03-07
#387 ロシア大統領選、投票率100%の嘘
≪7年前の今日、民主的に選出されたチェチェンの大統領、マスハードフが、ロシア特殊部隊に殺害されました≫
関連情報: http://chechennews.org/chn/0508.htm
1997年2月、初のチェチェン共和国大統領/議会選挙が行われ、第一次戦争中に参謀を務めたマスハードフが64%を得票して大統領に当選した。選挙監視にあたった欧州安全保障機構(OSCE)、市民平和基金は、民主的に選挙が行われたことを認証した。
さて、ロシア大統領選は終わり、プーチンが大統領に選出された。たまたま、こちらも64%の得票だったようだが、今度はOSCEが疑問を表明している。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTJE82400120120305
気になるチェチェンの投票率は99.61%。うち、プーチン大統領の得票率は99.76%だったそうだ。毎日新聞がチェチェンでの投票率にも触れているが、何も疑問を差し挟まない無難な論調。
http://mainichi.jp/select/world/news/20120306ddm007030077000c.html
言い換えると、こういうことだろうか。「チェチェン共和国で、りんごがひとりでに地面から飛び上がって枝にくっついて、人々を驚かせた。プーチン氏に忠誠を誓う首長の影響力を反映したようだ」
こんなことは、新聞では書かないのが普通だ。
どんな国でも、民主的な投票が行われる限り、一人の候補が99%も票を獲得することはありえない。そういう報道があったら、それだけで「不正の疑いがある」と書くに値するはずである。これまでのチェチェン紛争の経緯を少しでも知っていたら、なおさらそうだ。
さらに、この上を行く話がある。チェチェンの大統領カディロフ(親ロシアの傀儡)のこれまでの言動によると、彼は百分率がわからない。「プーチンさんの得票率は100%どころじゃない、150%にだってなるはずだ」と、真顔で言うらしい。
ニューヨークタイムズは、ある選挙区で投票率が107%にのぼったと報じた。以下はその訳。
若い人がよく言う「ありえない」という言葉は最初なじめなかったが、考えてみれば私たちのまわりにはそんな事実があふれていて、いまごろ口をついて出てくるようになってしまった。トシなのか。
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プーチンへの投票、住民の数を上回る チェチェン
(ニューヨークタイムズ、3月5日)
昨日行われたロシア大統領選挙では複数の不正が指摘されていが、当局側は事前に国内の各地に、票の水増しなどの明らかな不正がないように広報に努めてきた。しかしグローズヌイなどには、そういったメモが届いていなかったらしい。
チェチェンの第451選挙区では、現地の選挙管理委員たちが、投票用紙の山をカウントしているところだった。「プーチン、プーチン、プーチン」と、つぶやきながら。「よし、これもプーチンだ」と。
ウラジーミル・プーチンは、チェチェンで高い得票を得た。1999年に、彼が事実上、戦争を仕掛けたと言ってもいいこの土地で、人々はロシア治安部隊によって痛ましい人権侵害を受けてきた。第451選挙区でのプーチンの得票は1482票。共産党のジュガーノフは1票だった。
この投票結果だけでも、統計的にありえない。しかし、開票作業のために選管に召集された教師たちは、もっと説明に苦しむことになった。この選挙区には1389人の有権者しかいないため、このままでは投票率は107%になってしまう。
「あれ、ここにも集計していない票があるよ」と、地区の選挙管理委員長のミラーナ・アトラノーワが指摘すると、混乱がいっそう増してきた。
ロシアの選挙を分析する有識者は、北コーカサス地域における不正選挙は、他に類をみない図々しさがあると指摘する。権力のトップからのプレッシャー、文化的事情、チェチェンの場合は、さらに警察による脅迫が横行している。
西側の目からは言語道断に見える不正も、ここでは許容され、法廷に持ち込まれることもない。また、独立した選挙監視員も、安全上の理由から、チェチェンに来ることはまずない。
ここで目にしたひどい不正も、全国での結果に大きな影響を及ぼすわけではない。北コーカサスの投票者数は、ロシア全国のうち、6%でしかないからだ。とはいえ、このような非民主的なやり方がロシア全土で許容され、とくに、西側から来た監視員の目の届かないところで行われているのが現状だ。
開票後、チェチェン当局は投票率が99.52%だった発表し、そのうち99.82%がプーチンの得票だと発表した。ジュガーノフは0.04%だった。こういったタイプの違反行為は、反プーチンに怒り狂う街頭抗議の材料に、いくらかは役に立つだろうか。
チェチェンの首都グローズヌイに隣接するこの選挙区では、ガス会社のチェチェンレギオンガズのマークをつけた数十台のミニバスが走り回り、投票者を送迎し──その上明らかに──投票所から投票所へと渡り歩いていた。
明らかに何か所かの投票所を回っているように見えた女性に私が尋ねたところ、ためらいなく「私たちは投票に来ているのよ」とだけ答えた。
看護婦のマリエータ・ベシローヴァは、山から吹き降ろしてくる冷たい霧の中に耐えるために、フェルトのコートに身を包んで、同僚たちとともに、投票所の前で救急車から降りた。記者の問いには「私たちのラムザンのために、投票する必要があるなら、私たちはそうする」と答えた。ラムザン・カディロフはこの地域の指導者だ。「もちろんみんな心からそうしたい」と、とくに熱意もなさそうに付け加えた。
この病院関係者と一緒に移動していたある女性は、人垣の出来ている投票所の入り口から少し離れたところに来たところで記者に語った。やむをえないのだと。「ラムザンなんか好きじゃない。でも、ここに無理やり連れてこられている」と。
チェチェン選管のイスマイル・バイハーノフ委員長は、インタビューの中で、選挙で違法な方法が使われているという事実はないと否定した。12月の下院選挙の際も、投票率は99.5%、うち与党・統一ロシアの得票率は99.4%にのぼったが、裁判所への異議申し立てはなかったというのが、彼の根拠だ。「われわれは、他の地域よりよりずっとましだと理解している」と語った。
55歳の女性、デヤシ・ダウトメザエーヴァは、この選挙について心配そうな、控えめな意見を語った。この土地での選挙話では典型的な内容でもある。彼女はロシアの治安機関が、息子に暴力を加え、強制失踪させたことに憤っている。しかし投票はプーチンにするつもりだという。
「ほかに息子の問題を解決してくれる人がいるのか、想像もつかない」と彼女は言う。「プーチンは(第二次チェチェン紛争に)最初から関わってる。誰が私たちの子どもを見つけられる?プーチンよりいい人がいるなら、教えてくれる?」
第451投票所では、アトラノーワ委員長のアシスタントが、雑紙に選挙結果を記入していた。地区事務所に送る正式の書類ではなく。
重複集計かな、とアトラノーワは言った。不在者投票の分が、彼女が最初に持っていたリストに含まれていないと言うのだ。
そこに選挙の顧問となっている地区委員会のダウダーエフ氏がやってきて、余分な票は「一時的に選挙区に住んでいる人が入れたんだろう」という考えを述べた。その考えにしても、根拠になる書類はない。
最終的にアトラノーワは、票の数え間違いだったと決め──開票作業には監視人がついていて、その時点では何も問題はみつかっていなかったのだが。ついに彼女は正式の書類に〈プーチン、1,389票〉と書き込んだ。彼女の担当する地区の有権者数そのままに。そしてどういうわけか、〈ジュガーノフ、1票〉と書き加えたのだった。
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2012-02-27
#386 再び「チェチェン人のテロ」
(大富亮)
2月27日夕方から、各メディアで「プーチン暗殺未遂事件」があったという報道が流れた。タイミングが良すぎる。情報源はすべてロシア国営テレビだけで、裏付けに乏しいが、比較的情報量の多い日本語情報を挙げてみた。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120228/t10013333601000.html
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_399822
プーチン氏暗殺計画?大統領選後に車列狙い治安機関が未然に防止(産経)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120227/erp12022718500005-n1.htm
最初に言わなければならないのは、このメールを書いている私にも、この事件がいわゆる「でっちあげ」なのか、事実に基づいているかは、わからないということだ。
しかし当局側の発表でも、容疑者たちが逮捕されたのは1月のことで、それから今まで、ずっと隠されていたことになる。しかも発表したのは国営テレビだけで、この事自体がロシア国営メディアの体質を表現している。
プーチンは、全体的な状況から考えれば、いつチェチェン人に暗殺されても不思議ではないとも思う。1999年に首相になって以来、彼の指揮によって10万人以上のチェチェンの民間人が殺されてきたのは歴史的な事実で、彼ほど恨みを買っているロシア人もいないだろう。
しかし一方でプーチンは、常に「チェチェン人のテロ」によって、立場を強め、あるいは補強してきた。典型的なのは、99年にモスクワで起きた連続アパート爆破事件だ。これによってプーチンはチェチェンに軍事侵攻を開始し、ロシア連邦保安局(FSB)の大佐あがりから、首相、大統領へと出世した。
そのアパート爆破事件は、チェチェン人の犯行とされながら、いまだに犯人も特定できず、迷宮入りになっている。ありていに言うと、FSBの謀略だったからだ。
今回のプーチン暗殺事件も、その一種だろう。
謀略・事実いずれにしても、この1月のオデッサでの犯人逮捕が、2月も末の昨日になってテレビで発表というのは、あまりにも演出が過ぎる。投票日直前にこんな発表をして、チェチェン人の脅威を持ち出し、プーチンがテロと果敢に戦っているというイメージを広めるといことは、逆にプーチン側の焦りを表現していると見た方がいい。
ロシアでは数万人の市民が、寒さの中でデモに参加し、モスクワ全体を囲む環状道路に「人間の鎖」をつないだ。
軍事評論家のアレクサンドル・ゴリツは、ラジオ・リバティーの取材に対してこう語る。
「あきらかに、この未遂事件はプーチンの選挙キャンペーンの、もっとも重要な時期に公表されました。このニュースが報道される前、多くの有識者が指摘していました。何らかの新しい動きが必要だと。プーチンがこの国にとって重要な人間であること、ロシアの敵からどれだけ憎悪されているかを示すために」
( http://www.rferl.org/content/foiled_plot_raises_questions_among_putin_critics/24497742.html)
軍拡以外にはこれといった政策もないプーチンにとって、このような暗殺未遂事件やリークは、統治手段の一つだ。チェチェンはつまり、プーチンの支配のための「装置」になってしまった。それはプーチンだけでなく、ロシアの歴史を貫く法則なのかもしれないが・・・。
投票日まであと5日。それまでに、まだ何か起こるかもしれない。ロシアの選挙に、何もできない自分が悔しい。
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#386 追加情報:ドック・ウマーロフ首長、市民への攻撃の停止を命令す
ロシアでの「プーチン暗殺未遂事件」報道に関連して、もう一つ追加情報をお送りします。カフカスセンターのサイトに、2月上旬に掲載されたもので、論評のようなものを、その後に書きます。とりあえず、どうぞ。
■ウマーロフ、市民への攻撃停止を命令
(2012年2月3日、カフカスセンター、抵抗勢力のウェブサイト)
チェチェンのイスラム主義抵抗勢力のリーダー、ドック・ウマーロフは、ビデオメッセージで、ロシアの一般市民に対する攻撃を停止するよう命じた。ロシア各地での対政府抗議行動から、すでにプーチンは大衆的支持を失っていると判断したため。
カフカスセンターに投稿されたビデオの内容は次のようなものだ。
「私は、ロシアでの作戦準備中のすべての特殊グループに対して、平和的住民に対する攻撃を停止するように命じる。現在、ロシアで起こっていること(大規模なデモなど)から、すでにロシアの大衆はチェキストのプーチン政権を支持しておらず、むしろ人々はコーカサスにおいてイスラムに戦いを挑んでいる政府の、人質であるといってもいい」
「チェキスト」とは、ロシアでよく使われる秘密警察員という意味の用語で、彼らは元KGBエージェントであるプーチンのもと、ひときわ権力を強めた。
3月4日の大統領選挙で、プーチンは歴史的な、3期目を務めるロシア大統領になると見られているが、これまでのロシア全土にわたる冷徹な支配も、反体制派の大規模な抗議行動によって揺さぶられている。
「もしこの平和的住民たちが、イスラムに対する戦争に加担しないのであれば、我々の信仰は、この人々に手を触れないようにと、告げることだろう」とした上で、「この人々は、確かにプーチンを支持してはいない」と強調した。
ウマーロフは、ここ数年、ロシアによる暗殺攻撃を何度も回避してきた。ビデオの中の彼は、雪で被われた森の中で、カーキ色の軍服を着て、二人の同志にはさまれて座っている。
市民への攻撃を停止したあとは、「正確にロシア側の治安部隊や、堕落した政府、およびアラーの敵に対する特殊作戦を実行する」と語った。
カフカスセンターは、ウマーロフはこの「布告」によって、ロシア国民の「地位を変更」したものと評価する。
Source: AFP Kavkaz Center
http://www.kavkazcenter.com/eng/content/2012/02/03/15749.shtml
このニュース、知っている人はいましたか。私は知らなくて、人に教えてもらったばかりです。
ドック・ウマーロフは、これまで「ロシアの一般市民も攻撃する場合がある」と言っていたので、方針転換をしたことになるのだが、この手のニュースは、まったく報道する価値はないようだ。
以前も、第三代大統領のマスハードフがロシアに対する「一方的停戦」を宣言したことがあったが、それはほとんどニュースにならず、その直後にロシア側に暗殺された(!)ことだけは、辛うじて報道された。この情報のアンバランス。
言うまでもなく、ロシア政府のような大国の政府は、国営通信社やテレビをいくつも抱えていて、そこでは嘘でも本当でも世界中に情報を発信できる。受け身で待っていると、その怪しげな、しかし声高な情報に対して、過去の事実をもとに反論することしかできない(とくに、今回のようなケース)。
暗殺事件報道と、このウマーロフの声明が、対になっているわけではないものの、圧倒的な情報発信資源の差というものを、まざまざと感じる。
チェチェン戦争は、そもそも、プロの関取と中学生が同じ土俵で相撲を取るような、非対称の戦争だ。しかも、関取(ロシア)がむりやり中学生(チェチェン)を土俵に引きずり上げた経緯がある。それを正確に伝えるには、どんなことをしたらいいのだろうか。途方に暮れる。
なお、3月8日は、マスハードフが殺害されて7年目の記念日です。
くわしくは、こちら: http://chechennews.org/chn/0508.htm
(大富)
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以下は(ラジオ・リバティー、2012.2.27)(抄)
(ロシアのチャンネル1で放送された暗殺未遂容疑者の一人、アダム・オスマエフ)
専門家たちの疑問は、数週間前に逮捕された未遂犯らが、今日になってテレビで公表されたことだ。
「明白なのは、この未遂事件が、プーチンの選挙キャンペーンの、もっとも重要な時期に公表されたということです」と、軍事評論家のアレクサンドル・ゴリツは語る。「このニュースが報道される前、多くの有識者が指摘していました。何らかの新しい動きが必要だと。プーチンがこの国にとって重要な人間であること、ロシアの敵からどれだけ憎悪されているかを示すために」
チャンネル1の報道では、ウクライナとロシアの情報機関が、1月4日に、オデッサの町のアパートで爆発があり、爆弾を作っていた容疑者一人が死亡、もう一人が逮捕されたというものだった。ウクライナ情報機関はこの報道を認め、さらに2月4日に、逃亡していた容疑者をもう一人逮捕したことを明らかにした。この容疑者は、北コーカサスにイスラム国家を樹立しようとするグループに所属していると報道されている。
選挙期間中にプーチン暗殺未遂が報道されたのは初めてではない。よく似た事件は、2008年の大統領選挙投票日にも発生している。
http://www.rferl.org/content/foiled_plot_raises_questions_among_putin_critics/24497742.html
2011-12-27
ダゲスタン:著名ジャーナリストの殺害
(ラジオ・リバティー)
12月15日夜、ダゲスタンの著名なジャーナリストのハジムラート・カマロフが銃殺された。ダゲスタンで発行されている週刊新聞「チェルノヴィーク」の発行人で、編集部のそばで殺害された。同紙はロシア治安当局による人権侵害などについて報道していた。ダゲスタンのマゴメドサラム・マゴメドフ大統領はこの事件について「貴重な人物を失った」とし、HRWのターニャ・ロクシナ氏は「北コーカサスは、ジャーナリストが働くには、世界でもっとも危険な場所です。多くの独立したジャーナリストが殺害されてきました。これがあの地域で働くジャーナリストへの『報酬』なのです。ショッキングですが、ありがちなことです」と語った。OSCEとアムネスティ・インターナショナルは、この殺害を非難するとともに、ロシア政府がこの地域でジャーナリストを擁護する必要があると声明した。
http://www.rferl.org/content/prominent_journalist_gunned_down_in_russias_caucasus/24423726.html
