宝塚記念(GI) 阪神競馬場 芝2,200m JRA
獲得賞金では、宝塚記念への出走は微妙なところですが、目黒記念(GⅡ)に勝利したスマートロビンに注目していこうと思います。
スマートロビンは父親がディープインパクト、母親がキーブギーという血統で、今年4歳を迎えています。デビューは2010年の9月で、新馬戦に2着とし、続く未勝利戦でも2着。
圧倒的な1番人気に支持されながら、あと一歩のところで勝利を逃してしまいます。
しかし続く3戦目で待望の初勝利を挙げると、クラシックへの登竜門的なレースでもあるエリカ賞(500万下)では逃げ切り勝ちを収め、2連勝としてクラシックへの道を目指します。
3歳を迎え、まず京成杯(GⅢ)へ。1番人気に支持され、少なくとも連対して本賞金を加算したいところですが、まさかの12着に惨敗。アーリントンカップ(GⅢ)では5着、毎日杯(GⅢ)では10着と、ことごとく期待を裏切る結果となり、クラシックは諦め休養する事となりました。
5ヶ月後の1,000万下条件戦で復帰すると、やはり前走までに疲れが溜まっていたのか、と思わせる程、このレースでは圧倒的な存在感を見せ、2着に4馬身差をつけて圧勝。
続けて神戸新聞杯(GⅡ)に出走し、重賞初勝利を目指しますが、オルフェーヴル、ウィンバリアシオンのダービー1、2着馬、ラジオNIKKEI賞(GⅢ)覇者のフレールジャックに届かず4着とし、菊花賞(GI)への出走も取りやめ、11月の1,600万下条件戦に出走。菊花賞を回避した甲斐もあり、白星を重ね、晴れてオープン入りとなりました。
4歳古馬となり、まずは日経新春杯(GⅡ)に挑戦。負担斤量55kgと有利な事もあり、トップハンデのトゥザグローリーに次ぐ2番人気に支持されますが、期待を裏切っての5着。
ダイヤモンドステークス(GⅢ)でも2番人気に支持されますが、ケイアイドウソジンの逃げ切りに屈し3着。
大阪ハンブルクカップ(OP)では1番人気に支持されるも4着と、中々賞金
を加算出来ませんでしたが、中1週で臨んだメトロポリタンステークス(OP)でようやく勝利を手にします。
そして久しぶりの重賞挑戦となった目黒記念。僅かの差で1番人気に支持されると、いつも通りの先行策から、しぶとく長く良い脚を繰り出し、念願の初重賞勝利を挙げる事となりました。
もし宝塚記念への出走が叶った場合、目黒記念から負担斤量が1kg増える事は多少気になりますが、現在2連勝中の勢いで頑張ってほしいところです。
安田記念 GI JRA 〜復活なるか〜
安田記念の前哨戦の1つである、京王杯スプリングカップ(GⅡ)に勝利した、サダムパテックの血統、成績を挙げてみようと思います。
サダムパテックは父親がフジキセキ、母親がサマーナイトシティ、母父にエリシオという血統で、2010年の10月にデビューし、2着で競争を始める事となりました。続く未勝利戦で2着に0.5秒の差をつけて初勝利を挙げると、東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)に出走し、ここでも2着に0.6秒もの差をつけて圧勝。
重賞初勝利を挙げ、一躍2歳チャンピオン候補、翌年のクラシック候補に名を連ねる事となります。
2歳チャンピオン決定戦である、朝日杯フューチュリティステークス(GI)を1番人気で迎え、中団からレースを進めますが、京王杯2歳ステークス(GⅡ)1、2着のグランプリボス、リアルインパクト、千両賞に勝ったリベルタスに敗れ、2歳でのレースを終える結果となりました。
3歳となって、クラシックを獲るべくまずは弥生賞(GⅡ)へ出走。
大混戦となりましたが、前走での借りを返す様に、他馬をくだし、重賞2勝目。皐月賞では盤石の1番人気となり、8番手でレースを展開。
順調に脚を延ばし、GIタイトルを手中に収めたかと思われたその時、後方からオルフェーヴルが強烈な末脚で突っ込んできます。
並ばれるとサダムパテックに追う体力は無く、オルフェーヴルに3馬身突き放されて2着に敗れる結果となりました。
このオルフェーヴルの台頭とともに、サダムパテックはこれから厳しい戦いを強いられる事となりました。
ダービーで2番人気となり、オルフェーヴルにリベンジをと挑みますが、不良馬場の中でも力強い競馬を見せ、2冠を達成する事となったオルフェーヴルからまさかの2.3秒差をつけられた7着に終わります。
秋にはセントライト記念(GⅡ)から始動し、3着となって菊花賞(GI)へ向かいますが、5着までと、オルフェーヴルの3冠達成を見る事となりました。暮れには鳴尾記念(GⅢ)を1番人気で出走しますが、同世代のレッドデイヴィス、ショウナンマイティに僅差で敗れ、3歳でのレースを終える事となりました。
年が明けて初戦、まずは京都金杯(GⅢ)を選択し、マイル路線へと切り替えていきます。
しかしここでも3着に敗れ、翌月の東京新聞杯(GⅢ)では、まさかの13着と大敗を喫し、休養に入る事となりました。
そして休養明けに安田記念の前哨戦、京王杯スプリングカップ(GⅡ)を選択。今まで出走した中で一番距離の短いレースとなった訳ですが、近走で続いていた凡走が嘘の様に、並み居る強豪を退け、弥生賞以来の勝利を、約1年振りに味わう結果となりました。
果たしてサダムパテックは安田記念であらためて復活を証明してみせるのか、GIタイトルを手にする事が出来るのか、安田記念の予想をする際に注目していきたいと思います。
2012年 日本ダービー 東京競馬場 JRA GI
日本ダービーには78回の歴史があり、今年で79回目を迎えますが、所謂名馬たちが数多く輩出されたレースでもあります。
その中で、私の記憶に強く残っているキングカメハメハについて記載していこうと思います。
キングカメハメハはKingmambo産駒で、2003年の11月に2歳でデビューし、新馬戦、500万下条件のエリカ賞と連勝。
3歳を迎え、京成杯(GⅢ)で重賞初挑戦。しかしここでは大きな差をつけられて完敗。次走にオープン戦のすみれステークスに出走して完勝すると、再び重賞へ挑戦。毎日杯(GⅢ)に出走すると、すみれステークス同様に、2着に2.5馬身の差をつけて快勝。
重賞初制覇を達成します。
ここでいよいよGI戦線へと駒をすすめ、まずはNHKマイルカップ(GI)。
1,600mの距離はデビュー以来初めての距離であり、更には今まで出走した中でも一番距離が短いレースへの出走となりました。
1番人気とはなりましたが、NHKマイルカップと同距離である、アーリントンカップ(GⅢ)と、ニュージーランドトロフィー(GⅡ)を連勝し、5戦4勝で臨んできたシーキングザダイヤと人気を分けるかたちで、どちらが1番人気となってもおかしくない状況でした。
しかし結果はというと、シーキングザダイヤは力強さを見せる事なく7着に沈み、キングカメハメハは、シーキングザダイヤをぴったりマークする形でレースを進め、直線を向くと他馬を全く寄せ付けず、上がり3F34.0秒のメンバー最速の上がりタイムを記録。
2着に5馬身もの差をつける敵無しの内容で、強さをまざまざと見せつけたレース内容となりました。
そして念願のGIタイトルを手にし、次走に中2週でダービーへ出走する事を発表する事となりました。
そして迎えたダービー。
皐月賞を制したダイワメジャーの人気があがらず4番人気となり、前走
で強さを見せつけたキングカメハメハが1番人気に支持され、皐月賞2着の地方所属馬の雄、コスモバルクが2番人気。
3番人気に青葉賞(GⅡ)を制したハイアーゲーム、5番人気に京都新聞杯(GⅡ)を制したハーツクライといった面々が並びます。
そんな中でキングカメハメハはレースを中団やや前目のポジションを取り、最終コーナーを3番手で迎えると、一気にゴールを目指し突き進みます。17番手でレースを進めていたハーツクライがメンバー最速の上がりタイム(キングカメハメハより1.1秒上がり3Fのタイムは速かった)で追い込んでくるも、1.5馬身抑えて見事に優勝。
キングカメハメハはダービーとNHKマイルカップとの変則3歳2冠を達成。
NHKマイルカップからダービーへ向かうローテーションをクロフネから踏襲し、確立させる事にもなりました。
その後は神戸新聞杯(GⅡ)に勝利後、怪我に見舞われて引退を余儀なくされ、種牡馬となる訳ですが、現在においても仔供が大活躍を見せ、キングカメハメハ自身も種牡馬として大活躍しています。
今年の日本ダービーでも、そんな引退後も活躍を見せる様な名馬が誕生する
事を期待して、観戦して現地で日本ダービーの予想をしていこうと思います。
ヴィクトリアマイル 復活へ
ヴィクトリアマイルは東京競馬場の芝1,600mで行われますが、ここでの復活に期待したい、マルセリーナに触れようと思います。
マルセリーナは父親ディープインパクト、母親マルバイユという血統で、2010年12月の新馬戦でデビューし、単勝オッズ1.4倍という圧倒的な支持のもとレースに挑み、期待に応えデビュー勝ちを収めます。
2戦目には牡馬との混合重賞であるシンザン記念(GⅢ)へ出走。
1番人気には同じ牝馬のドナウブルーが推される中、マルセリーナは6番人気となりますが、中団から長く良い脚を使い、レッドデイヴィス、オルフェーヴルに続く3着と奮闘し、ドナウブルーに先着。
次走には牝馬限定のオープン戦であるエルフィンステークスに出走し、外国産馬のノーブルジュエリーに1番人気を譲るものの、2番人気に推され、直線で先行勢をメンバー中最速の上がりの脚で差し切り、2勝目を挙げるとともにオープン入りし、桜花賞へ向かう事となります。
桜花賞では大本命と目されていたレーヴディソールの骨折が直前に判明し、一気に混戦模様となる中、ホエールキャプチャに次ぐ2番人気に支持され、レースはホエールキャプチャとともに後方で脚を貯め、最後方からフラワーカップ(GⅢ)を制したトレンドハンターが進みます。
直線に向くと、この3頭が一気に末脚を爆発させ、叩き合い、マルセリーナがホエールキャプチャを3/4馬身離してゴールイン。
GI・重賞初勝利を挙げるとともに、ディープインパクトの初年度産駒として、種牡馬ディープインパクトに初のGIタイトルをもたらす結果となりました。
しかしマルセリーナはここから勝利に見放されてしまいます。オークスに出走し、後方から差し切りを狙うもとどかずに4着となると、休み明けのローズステークス(GⅡ)では6着、秋華賞では7着と完敗。
レースの距離が長い可能性もあり、エリザベス女王杯へは向かわずにマイルチャンピオンシップへ出走。
奮闘するも掲示板に載る事はできず6着となると、翌月の阪神カップ(GⅡ)へと出走するも、牡馬に勝てず4着と敗れ、3歳でのレースを終え、休養に入る事となりました。
マルセリーナは1年弱勝利から遠ざかってしまっていますが、決して内容の悪いレースをしている訳ではありません。
今年のヴィクトリアマイル予想は桜花賞と同じ1,600mのレースであり、東京競馬場は直線も長く、競馬がし易いのではないでしょうか?
もし人気薄となる様であれば、マルセリーナに注目してみてもいいのでは、と個人的に考えています。
JRA 東京競馬場 2012年5月9日 NHKマイルカップ(GI)
今回、3歳のマイルチャンピオンシップであるNHKマイルカップを、初めて牝馬で制したシーキングザパールについて触れてみようと思います。
シーキングザパールは、シーキングザゴールドの産駒で、外国産馬として活躍した牝馬です。
1996年の夏、7月にデビューし、前評判も高く、デビュー戦では単勝オッズ1.2倍の圧倒的な人気に応え、2着に1.1秒の差をつけて圧勝します。
2戦目に現在で言う新潟2歳ステークス(GⅢ)へ出走しますが、ここでは3着と敗れ、3戦目にはデイリー杯2歳ステークス(GⅡ)へ出走。
前走の鬱憤を晴らすかの様に、2着に0.8秒差をつけ快勝。
重賞初制覇を達成します。
そして向かえたGIレースの現在でいう阪神ジュべナイルフィリーズへと駒を進め、1.5倍の単勝オッズとなる人気を集めますが、1着となったメジロドーベルから0.7秒離された4着に沈み、2歳でのレースを終えます。
3歳となり、外国産馬である為、クラシックへの出走は出来ませんが、NHKマイルカップを目指し、シンザン記念(GⅢ)から始動。0.5秒差をつけて快勝すると、フラワーカップ(GⅢ)で0.3秒、ニュージーランドトロフィー(GⅡ)で0.2秒の差をつけ、年明け重賞3連勝という圧巻の内容でNHKマイルカップに臨みます。
ニュージーランドトロフィー2着のブレーブテンダー、朝日杯を制したマイネルマックスを抑えて1番人気で迎えると、ここでもブレーブテンダーに0.3秒差をつけ、快勝。
重賞4連勝というかたちで初のGIタイトルを手にする事となりました。
シーキングザパールはこののち、古馬となってフランスに遠征し、日本調教馬として初めてヨーロッパのGIタイトルをも手にし、国内でもスプリンターズステークス(GI)、高松宮記念(GI)をそれぞれ2着と奮闘し、アメリカにも遠征するなど、世界最高峰のレースへ日本調教馬が参戦する先駆けとなった牝馬でした。
シーキングザパールの功績は日本競馬界にとっても非常に大きいものだと思います。
今後もNHKマイルカップから世界に羽ばたいていくサラブレッドが現れる事を、影ながら応援していこうと思っています。
天皇賞(春)を振り返ってみましょう
天皇賞(春)といえば、当レースを連覇したテイエムオペラオーに触れない訳にはいかないでしょう。
ざっくりではありますが、テイエムオペラオーの戦績を振り返ってみましょう。
テイエムオペラオーは1998年の8月にデビューし、2着に敗れた後、骨折が判明。
休養後の復帰戦は翌年の1月のダート戦でも敗れてしまいますが、3戦目のダート戦で念願の初勝利を挙げ、以後は芝のレースに参戦していく事になります。
まず500万下のレースで芝レース初勝利を上げると、重賞初挑戦となった毎日杯では4馬身差をつけて快勝します。
そして迎えたクラシック第一弾の皐月賞。
1番人気にはベガの仔アドマイヤベガ、2番人気には弥生賞を制したナ
リタトップロードがおり、テイエムオペラオーは5番人気とやや人気を落とします。
しかし毎日杯を勝った実力は偽りなく、クビ差で見事クラシックGI、皐月賞の称号を手にし、3強時代を形成していきます。
ダービーではアドマイヤベガの3着、菊花賞ではナリタトップロードの2着と敗れますが、暮れのグランプリである有馬記念では、グラスワンダーとスペシャルウィークに肉薄した戦いを見せ、結果は3着ではありましたが、この2頭が引退する翌年以降の主役の座を得る事になったのは間違いありません。
年明けには京都記念から始動し、阪神大賞典とともに重賞を連勝すると、天皇賞(春)も文句無く勝利し、GI2勝目を手にします。
この後は怒涛の快進撃。
宝塚記念を制して休養後、秋は京都大章典から始動して勝利。
続く天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念と全て勝利し、文句無く年度代表馬となりました。
近代競馬において、1年間の古馬の中長距離GIを全て制する離れ業は、テイエムオペラオーを除いて他に達成した馬はいません。
20世紀最後の年を、GI5勝、GⅡ3勝、年間無敗で通した出来事は忘れられません。
この後、天皇賞(春)の連覇を最後にGI勝ちを収める事は出来ませんでしたが、生涯獲得賞金は競馬史上1位となり、いまだこの記録は敗られておりません。
GI 皐月賞 JRA 中山競馬場 芝 2,000m
皐月賞を制し、所謂名馬となった馬達が何頭もいる訳ですが、2001年の皐月賞馬である、アグネスタキオンについて触れてみようと思います。
アグネスタキオンは、父にサンデーサイレンス、母に桜花賞馬のアグネスフローラ、母母にオークス馬のアグネスレディーという超良血のサラブレッドで、1歳上にはダービー馬となった全兄のアグネスフライトもおり、デビュー前から注目を浴びていました。
2000年12月の新馬戦でデビューする事になりました。3番人気と後塵を拝しますが、レースでは中段やや後ろから進み、第3コーナーから上がっていくと、直線ではデビュー戦にもかかわらず上がり3F33.8秒という豪脚を炸裂。2着に0.6秒の差を付けて圧勝となりました。
そして2戦目には重賞のラジオたんぱ杯に、中2週で臨みます。
1番人気に外国産馬クロフネ、2番人気にアグネスタキオン、3番人気に既に重賞勝ちを収めていたジャングルポケットというメンバーが揃いました。
ハイレベルなレースが予想される中、クロフネとジャングルポケットが4、5番手、アグネスタキオンが7番手を進む展開。
クロフネとアグネスタキオンが第4コーナーで2番手に押し上げ、ジャングルポケットが6番手と抑えていよいよ直線。
ここでもアグネスタキオンがメンバー中最速の上がりを見せ、2着のジャ
ングルポケット、3着のクロフネを見事に撃破。
クラシックの最有力候補として名前を轟かせる事となりました。
そして休み明けの初戦、皐月賞のトライアルレースである弥生賞へ。
トライアルレースであるにもかかわらず、8頭しか出走しなかったのは、各陣営が次々に回避した為です。文句無しに単勝1.2倍の1番人気に推され、不良馬場のレースは先行策。
終始3番手の位置に付け、直線で抜け出し見事勝利となりました。
2着には0.8秒差を付ける圧巻のレースで、いよいよ皐月賞へと向かう事となります。
皐月賞では文句無しの1番人気となり、2番人気のジャングルポケットとの再戦です。
レースは再び先行策を取り、ジャングルポケットは後方からという展開。先行策の為か、上がりタイムは差し馬から劣りはしましたが、ほぼ同等の脚で見事にGI制覇。無敗の皐月賞馬が誕生し、三冠達成なるかと早くも盛り上がりますが、屈腱炎を発症してしまい、このレースをもって引退。
種牡馬生活へ移る事となりました。
ご存知の通り、現在もアグネスタキオン産駒は活躍しており、GI馬を6頭、それに毎年重賞勝ち馬を輩出している優秀な種牡馬です。
今年の皐月賞馬は引退後も活躍する名馬となるのか、注目していき
たいと思います。