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クローブ

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くろーぶ

:飲食物

(日本語)チョウジ〈丁字・丁子〉、クローブ、チョウコウ〈丁香〉、
(中国語)丁香〔ding xiang〕、丁字〈ding zi〉

語源

英語のクローブの語源として、フランス語の Clou(釘の意)があるという。たしかに、ちょっと太めだが、クローブは形が釘に似ている。フランス語の Clou de girofle は「チョウジの釘」という意味で、蕾の状態のチョウジを表している。開花前のチョウジということだ。チョウジは開花すると急速に芳香を失い、価値がなくなってしまうので、その前の一番良い状態のチョウジが重要視されているのである。一方、中国でも、チョウジを最初は「釘子(釘の意)と表記したのを、後に同じ音の「丁」に替えたとか。
タイ語辞典に、タイ語のKaanphluuがタミル語源だと書いてあるのを見つけた。それによるとKraampuuというタミル語がタイ語のKraanphluuになり、後に現在の語に変化したのだという。しかし、何でそんなに離れた場所の言葉が?と疑問に思うが、地図を見れば判る。海を隔ててはいるものの、タミル・ナドゥとタイ王国南部は隣なのである。

花の蕾

チョウジは、高さ10mまでの常緑の木で、光沢のある緑色の葉は互生し、倒披針形である。集散花序に多数の花を着け、薄紅色の萼筒の先に4枚の白い花弁がある。花が開くと芳香が失われるので、開花の直前に蕾を摘み取る。これを乾燥させたものが、香辛料のチョウジである。乾燥させると重量は初めの3分の1になる。
蕾は同じ時期に大きくならないし、木に登ったり、梯子を使ったりして蕾みを摘むので収穫に人手を要する。長い棒で叩いて落とす方法も考えられるが、そうすると枝を痛めるし、蕾も割れてしまうから手で摘み取る必要がある。
香辛料の中でもチョウジの価格が比較的高いのはそのためである。

原産国と栽培地

チョウジの原産国はインドネシアモルッカ諸島のどこかだと言われている。
17世紀、ポルトガルを駆逐したオランダは、クローブの栽培をアンボン島に限定した。しかし、18世紀には、フランス人が密かに東アフリカのセイシェル島、モーリシャス島などに移植して栽培が始められた。
現在では、タンザニアのペンバ島とザンジバル島が生産量のほとんどを占め、その他、マダガスカル、レユニオン島、モーリシャス島、スリランカ、マレーシアのマラッカ州とペナン州、インドネシアのモルッカ諸島とスマトラ島、西インド諸島などで栽培されている。

利用法

チョウジは大きさ、色合いも重要だが、欠落部分がなく、異物が混入していないのが良品である。振ると、下に粉が溜まるようなビニール袋入りは不良品である。
香辛料としてカレー、肉料理、製菓、ウスターソース、ミートソース、ケチャップなどに利用する。ガラムマサラは何種類かの香辛料をブレンドしたものだが、チョウジは不可欠の材料の一つである。
インドネシアでは、チョウジをクレテックというタバコに入れる。このタバコは日本でもガラムという名称のものを売っているが、巻紙にチョウジ油のシミがあり、火をつけるとバチバチと音を立てて燃えることがある。この需要のために、インドネシアはチョウジの輸入国になってしまった。しかし、タバコに混ぜるチョウジは良品でないことは言うまでもない。
日本へ視察に来て、歓迎会に出席したタイ王国の人達は、飲食の後に1,2本のチョウジを口に含んでいた。アルコールの匂い消しとするのだという。
タイ王国の伝統的な民族薬として、失神・腹痛・歯痛・脚気・胃腸障害・歯周炎の治療薬、喘息薬、血液の浄化薬、駆風薬、健胃剤、去淡薬、鼓腸薬などに利用する。ただし、大量に食べると消化器官を害するので注意が必要である。
http://www.ganesh.gr.jp/clove.html

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