江戸時代、徳川幕府の御用絵師をつとめた一派。 一子相伝で技法を伝え、江戸幕府の終焉のころまでその職を務める。 主な絵師としては、狩野永徳、狩野山楽、狩野探幽などがいる。 ただ、その一子相伝による技法の継承が、新たなカテゴリーの作品を生みにくくしたキライがあり、血統によらない琳派(俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、中村芳中)のような自由闊達さはあまり持ちえなかった。
11月の半ば、秋の特別公開しているというので、 聖護院門跡に行って参りました。 秋の特別公開では後水尾天皇が女院に贈ったとされる書院が初公開とのこと。 (書院は撮影禁止だったので、以下覚書) 当時高価だった輸入物のガラスを使用した花頭窓や 鍵隠しも結び文の形をしたものなど女性を意識したものが使われていました。 こちらは撮影OKでした。 www.shogoin.or.jp 秋の特別公開は12月3日までだそうです。
昨晩からの大雨と強風から、また暑さが戻った!1度キレイに雪化粧した富士山も、夏の姿に逆戻り。 介護施設で働いていた方が紹介していた本おもしろそうだったので読んでみた。『認知症世界の歩き方』筧裕介著認知症の人への対処法ではなく、認知症の人から見た世界が書かれている。認知症といってもその症状は人それぞれで、ここでは大きく13の障害(観光スポット?)に分け、旅ガイドのような形式でその世界が紹介されている。人の顔を正しく認識できない→顔無し族の村自分の『意思』と身体の『動き』がズレる服が着られない→服の袖トンネルといった具合。それぞれの認知症のスポットごとに、どんなことが本人に起きているのか書かれてい…
「江戸にきらめいた民間の絵師たち」との副題が付されている。 行間からは「御用絵師」以外の作家を並べているようにも取れるが、実際には{狩野派}の作品も多く並ぶ。 この辺りは、同館お得意の「比較」を鑑賞者にさせるための配慮だろうか。 作者のプロフィールについても懇切だし作品の観方についても丁寧に書かれたキャプションは毎度のコト。 コーナーは大きく「富士」と「牡丹(花)」の二つに分かれ、とりわけ「富士」のパートでは描き方のその後のデファクトとなる『探幽』の画から始まる流れは面白い。 『司馬江漢』のややバタ臭い作品も多数並び、同様のモチーフが描き込まれていることに改めて気づかされる。 「牡丹(花)」の…
日本の画家 ①近世の画家糸井邦夫 監修汐文社2012年12月 初版第一刷発行 図書館の児童書コーナーの本。これも、『写真とイラストでわかる大正時代をのぞいてみよう』と同様に、本棚に表紙が見える形で飾ってあり、目に入ったので読んでみた。 意外と、日本の歴史の勉強になる。通訳案内士の試験対策にもなる。ということで、借りてじっくり読んでみた。でて来るのは、有名な日本の画家の作品の数々。これは、①近世の画家で、他に②日本画家、③洋画家 があるとのこと。やっぱり、ビジュアル付きだと記憶に残りやすい。でて来る絵画はどれもこれも見たことあるし、ほんとうに有名なものばかり。最後には、ここに掲載されている絵画の…
京都・智積院の名宝 サントリー美術館 『京都・智積院の名宝展』に行ってきた。 六本木のサントリー美術館で11月30日から1月22日まで開催中。 www.suntory.co.jp 実は、東京国立博物館の国宝展で長谷川等伯の「松林図屛風(しょうりんずびょうぶ)」が見たかったのだけれど、チケットの予約ができず、結局見に行けなかったのだ・・・・。とっても残念で、しょんぼり、、、、だったのだ。 もともと、日本画も好きなのだが、長谷川櫂さんの『和の思想 日本人の創造力』 を読んでいて、「松林図屛風」が見たくなっていたところに、明石の知人が「僕は死ぬまでにあれをもう一度見たい」といっていて、できればチケッ…
1982年の大社の祭りの旗揚げ行列にも父が出てました 2年連続だったので馬に乗るのはずいぶん慣れたと言っていたのを思い出します この時は、狩野工藤介茂光の役でした
伊豆半島の真ん中あたり、伊豆市の狩野城へ。 伊豆市にあった狩野荘を本拠とした狩野氏の狩野城。この狩野氏は有名な絵師の狩野派につながる系譜ともされています。 まぁ当たり前ですが城跡には大きな看板以外に絵師の痕跡はありませんので、絵に造詣が無くても大丈夫です。その分(?)整備された遺構が残っていて見どころアリ。絵師の名を借りなくても有名になってよいお城です。 お城:狩野城 静岡県伊豆市HP:伊豆市 観光情報 特設サイト訪問日:2022年1月 概要 訪問記 感想 アクセス 概要 平安時代末期に狩野氏によって築かれました。 1180年、時の城主、狩野茂光は子の親光とともに源頼朝の下で石橋山の戦いに参戦…
これも先月末から今月初めに撮ったもの。 府中市の二つの散歩場所です。 ムサシノキスゲは、本当は府中の浅間山にだけ自生する植物ですが、郷土の森博物館の庭に移植した株が、ちょうど見頃でした。 浅間山の環境を再現しているようです。 ムサシノキスゲとシラン。 ピンボケですが、キンランとギンラン。 とてもデリケートな植物で、環境が変わるとすぐに消えてしまうそうです。 絶滅危惧種なので、こことか昭和記念公園とか神代植物公園とかで守っています。 オオデマリ。 ヒトツバタゴ。 ナンジャモンジャの木ともいいます。 郷土の森博物館は梅と紫陽花の季節以外は空いていて、良い散歩スポットです。 それに何もないようで、い…
風神雷神図屏風 (約1100文字・購読時間1分30秒) 江戸時代を代表する画派として琳派という人たちがいる。狩野派、土佐派など血縁や師弟関係でつながる画派とは異なり、私淑によって同系統の技法・画風、作品群を残した俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一などの総称である。それぞれ俵屋宗達(17世紀前半)、尾形光琳(17世紀前半〜18世紀前半)、酒井抱一(18世紀末〜19世紀前半)と活動期間が100年ほど間があり、互いに直接の面識があるわけではない。ただし、光琳は宗達と一緒に活動していた本阿弥光悦の親戚であり、家に宗達の絵が多くあったため、見ることが出来た。また、光琳の活動拠点は京都であったが、江戸に出稼ぎに…
今日はぼくの中で結論が出てないことをモヤモヤと書こうと思います。 いや、モヤモヤっていうほど悩んでもないです。 ただ面白くて興味があって、ここのところあれこれ考えてるって話です。 先日とあるラジオを聞いてたら、東京都で無電柱化のキャンペーンとして俳句を募集するイベントについて言及されてたんですね。 で、これはぼくの解釈なのですが、お話の意図は、電柱がない美しい景観を謳った俳句の募集について「電柱がないことが美しい」という、美しさの概念の固定化に対する危うさについて論じられてるように受け取りました。 「なるほどなぁ」って思いました。 確かに、電柱がない景色を美しいと思う人もいれば、電柱がある景色…
皆さんは香南市(こうなんし)に行かれたことありますか? 便利な生活と豊かな自然のバランスが取れた町で、ゆったりした時間を満喫することができるんですよ。 今回は【豊かな緑に囲まれた田園風景が広がる町!香南市のおすすめスポット】についてご紹介していきます。 豊かな自然と田園風景もございますので、ぜひ一度観光巡りをされてはいかがでしょうか。 香南市の魅力について! お子さん連れにピッタリなスポット!【のいち動物公園】 アクセス方法 車好きなら一度は訪れたい!【四国自動車博物館】 アクセス方法 お寺巡りに欠かせない四国霊場!【大日寺】 アクセス方法 歴史文化が感じられるスポットとして人気!【絵金蔵】 …
暑いに近い暖かさですね。「まだちょっと寒いうちに清水寺を30年ぶりに見ておこうか」などと思いつつ、ここまで来てしまいました。そこそこ忙しいんすよね、色々なことに興味があって。軍資金にも限りあるしね。 今回は、4月13日~5月26日までの「雪舟伝説」を見に京都国立博物館へ。事前のリーフレットに「※『雪舟展』ではありません!」って注がふってあるのかわいい(笑) 確実に雪舟の筆によるものの特定が難しいんでしょうなぁ。展示品にも”伝雪舟筆”がたくさんありましたよ。でも国宝となった雪舟の作品が6点、重要文化財(「四季花鳥図屏風」は重文なんだ)を含めて7点並んでいるので充分最近の「○○展」の要件を満たして…
特別展 雪舟伝説ー「画聖(カリスマ)」の誕生ー ■2024年4月13日〜5月26日■京都国立博物館 京博は本展のチラシのなかで「雪舟展ではありません」と少しイケズな言葉を記していました。たしかに雪舟自身による作品の比率は全体の半分にも及びませんが、雪舟筆とされる全ての国宝6件や重要作が一堂に会するこの「雪舟伝説」展は、規模と質、その両面からみて本来は十分過ぎるほど「雪舟展」と名乗って良い内容をもっていると思います。圧倒的な感銘を受けました。 www.kyohaku.go.jp 大規模な特別展ですが会期は1ヶ月半程度と限られています。しかしその「短さ」を京博は逆手にとるかのように粋な措置を講じて…
特別展 雪舟伝説―「画聖(カリスマ)」の誕生― 唐突に京都に行きたくなった。 そんなわけで仕事を休んで京都へ。 京都国立博物館の特別展「雪舟伝説―「画聖(カリスマ)」の誕生―」に行ってきた。 雪舟の国宝6作を含む作品と雪舟の影響下にある作品、模写、文献まで展示する展覧会。 雲谷等顔や長谷川等伯、狩野探幽、尾形光琳、酒井抱一、曽我蕭白、伊藤若冲、さらに葛飾北斎、司馬江漢、狩野芳崖に至るまで構図や画題、技法が後々まで影響を及ぼしていることがよくわかる。特に狩野派では練習用として描かれ、時には雪舟の摸本そのものが鑑賞するものとして描かれていた。 今回の展示には春画で新婚夫婦の床の場面で壁にかけられて…
日本の美 はじめに 私たち日本に住む者にとって、日本の美を日常的に見ています。東アジアの美は他と大きく異なりますが、日本の美は大陸の影響下にありながらも、中国や朝鮮半島とは少し異なると感じます。美は日常的に見ているものに左右されます。美の探求はその地に暮らす人々の探求でもあります。 私たちにとって、日本の美とは何か、そしてその理由について考察してみたいと思います。 短歌論 短歌や俳句は文字における日本の美であり、短歌は31音、俳句は17音で構成されます。 日本語は西洋の多くの言語と異なり、1音は子音と母音の組み合わせで独立しています。そのため、5音と7音の組み合わせはリズミカルであると感じます…
○「本門寺の狩野派展(後期)」(池上本門寺霊宝殿) (会期:2024年4月13日(土)~5月26日(日)(後期)) ○「大機関車展 日本の機関車を引っぱった勇者たち」(旧新橋停車場 鉄道歴史展示室) (会期:2024年4月9日(火)~7月21日(日)) ○「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」(パナソニック汐留美術館) (会期:2024年4月6日(土)〜 6月9日(日)) ○「柳 賢淑 展」(ちばぎんひまわりギャラリー) (会期:2024年4月2日(火)~4月14日(日)) ○「たなかしん作品展 だいじなあなた」(丸善・丸の内本店 4Fギャラリー) (会期:2024年4月10日(水)…
老親を見舞った帰りに、練馬区立美術館で開催されている展覧会「生誕150年 池上秀畝―高精細画人―」を見る。池上秀畝(しゅうほ)という画家の名前は初めて聞くが、高精細画人という副題に惹かれたのである。 展覧会のサイト(チラシ)から概要を引用する: 池上秀畝(1874–1944)は、長野県上伊那郡高遠町(現在の伊那市)に生まれ、明治22年(1889)、本格的に絵を学ぶため上京。当時まだ無名だった荒木寛畝の最初の門人・内弟子となります。大正5年(1916)から3年連続で文展特選を受賞。また、帝展で無鑑査、審査員を務めるなど官展内の旧派を代表する画家として活躍しました。 同じく長野県出身で同い年の菱田…
19:16:31 帰宅して夕食。食後に京都土産の阿闍梨餅をいただきます。 19:12:56 雪舟の絵はなかなか凄いです。ストーリーが語られます。禅の修行と境涯が遠近の描写を伴い描かれます。狩野派などの雪舟リスペクトを見ていくと、その後、伊藤若冲や尾形光琳はまた別の世界の迫力です。 19:10:30 京都国立博物館で雪舟伝説展をみました。一澤頒布コラボの手提げかばんを出していたので押さえます。やや小さめの道具袋です。
桜の季節も最終章、フィナーレを迎え、身の回りの世界が艶やかになってきた。 ことしは山の桜は咲くのだろうか、と不安視していたが玄関ドアを開けたら…!!! 黄砂が消えた。六甲の山肌にくっきりと桜が浮かび上がる。 六甲の山肌にサクラ色のラインが浮かび上がるころ、里では落花盛ん。 夙川オアシスロードは敷き紅葉ならぬ敷き桜、敷き花弁が狩野派の襖絵のようだ。 鮮やかな彩りの襖絵のごとし。 体重が71.50キロ。 ことし最重になった。 この日録も今日9日の時点で2日から8日、一週間分が滞留している。 身体も心も澱がたまっている。 そろそろ、いや、今日から緊急事態宣言を発動しよう。 一週間で体重を70以下、8…
【尼門跡寺院 霊鑑寺】🌺 広い庭内に100種類以上の椿が植えられて 『椿の寺』として有名なお寺、霊鑑寺の春の特別拝観に行ってきました♡ 哲学の道をヒョイっと曲がって 少し坂を登ります。 通常非公開のお寺なので、特別拝観が始まると 多くの人が訪れる大人気のお寺です‼️ ※(2024年3月20日〜4月7日) ※ 拝観料800円 御朱印帳を持ってきてたので先に受付します。 書置きの方が好みだったけど😅 ここに可愛いワンちゃん2匹いました♡ ずっと寝てた〜💤笑 看板犬🐕で有名みたいです😘 落ちてる椿でさえ綺麗だなぁ😍 じゃーん🎉 なんて美しいのでしょうか😍 ここが1番のフォトスポット🌈 みんなが釘付け…
3月下旬に 福岡県太宰府市にあります九州国立博物館へ行ってまいりました。略称は九国または九博。 桜がきれいなのとiPhoneカメラの性能の良さに感動。 道中渋滞がひどかったので思った以上に時間がかかり、お腹ぺこぺこ。 光が差し込む広々とした館内カフェで先にお茶することに。 小石原焼きやら博多織のコースター*1かわゆし。おこしはサービス。 シナモンシフォンケーキ。これが美味でねぇ。ベスト・シフォンケーキかも! さて、お目当てはこちら。 長沢芦雪展。映像観てから入場。 展示場は最近流行り(?)のフォトスポットも一切なしの昔ながらの展示だったので、 写真は以上。 狩野派からまた一転写実っぽい。 丹青…
狩野派の絵描きである栄三郎の話 www.aozora.gr.jp 清々しい気持ちで読める。 いつの時代でも、娯楽作品の主人公というのは、チートなスキルを持っていたり、異性から妙に好かれるものだw
皆さんこんにちは❗ 今回ブログは2月中旬に1泊2日で行った "伊香保温泉と周辺観光" をブログで紹介したいと思います 🚙 tadasumi.hatenablog.com * 1日目 上州物産館・伊香保切り絵美術館・水澤観世音・伊香保階段街 (下半分)・伊香保口留番所・河鹿橋・伊香保露天風呂・景風流の宿 かのうや * 2日目 伊香保神社・伊香保ロープウェイ(まちの駅 ふるさと交流館)・上ノ山公園・伊香保階段街 (上半分)・伊香保ビジターセンター・食の駅 伊香保店・水沢うどん 大澤屋・伊香保 おもちゃと人形 自動車博物館・群馬舞茸センターに寄って帰宅まで 今回ブログでは1泊2日で "伊香保温泉と周…
今日は4月1日。東京は晴れでした。気温は最高気温が19度、最低気温が12度。 4月に入りましたね。今年も3か月が過ぎました。今年は「パリオリンピック」がありますね。2024年7月27日(土)〜8月11日(日)にかけて行われます。楽しみですね。 今月の「龍年」の話題は、東照宮の「なき龍」のはなしです。これは東照宮の薬師堂の天井に水墨画で描かれた「竜の絵」です。大きさは縦6メートル横15メートルという大きな絵です。作者は江戸時代前期の狩野派の絵師、狩野安信です。なぜ「鳴き龍」なのでしょう。それは、龍の顔の下で拍子を打つとカーンと音が鳴って、それが共鳴して「竜のなき声」に聞こえるからです。 4月1日…
平成20年12月25日初版発行 裏表紙「天才絵師の名をほしいままにした兄・光琳が没して以来、尾形乾山は陶工としての限界に悩んでいた。追い討ちをかけるように、二条家から与えられた窯を廃止するとの沙汰が下る。光琳の思いがけない過去が、浮かび上がろうとしていた…。在りし日の兄を思い、乾山が晩年の傑作に苦悩を昇華させるまでを描く歴史文学賞受賞の表題作をはじめ、戦国から江戸の絵師たちを綴った全5篇を収録。松本清張賞作家の原点、待望の文庫化。」 乾山晩愁 新人物往来社の第29回歴史文学賞を受賞したデビュー作。 あとがきに「尾形乾山を主人公にした小説を書きたいと思った。兄、尾形光琳のはなやかな存在感に比べれ…