やねごんの にっき このページをアンテナに追加 RSSフィード

 かんじを なるべく つかわない かきかたを こころみているので、いちぶの ひとには 「よみにくい」と かんじられることと おもいます。わたしの いと(意図)を せつめいした きじを こちらに まとめております。ごらんいただけると さいわいです。

 なお、この ブログの わたしの ぶんしょうに ついては、すきに つかって くださって かまいません。コピペして ほかの サイトに ぜんぶん てんさい(全文転載)しても いいし、その さい かながき ひょうきを べつの ひょうき(ろーまじ ひょうきや、かんじ かなまじり ひょうき など)に あらためる こと、また ほかの げんごに ほんやくすることも せいげんしません。
 また、きじの いちぶや ぜんぶを パクって じぶんの かいた ぶんしょう として はっぴょう する こうい(いわゆる「とうさく」「ひょうせつ」)も、じゆうです。

2014年12月13日(土)

衆議院議員選挙の投票をボイコットします

衆議院議員選挙の投票をボイコットしますを含むブックマーク 衆議院議員選挙の投票をボイコットしますのブックマークコメント

 きょうの衆議院議員選挙、今回もわたしは投票しないという選択をすることにしました。

いうまでもないことですが、「投票をする」という行為は、すべての住民にひらかれた普通選挙がいまだ制度化されておらず、したがって民主主義にもとづいた正統な議会をもたない日本国においては、不当な特権の行使にほかなりません。

 そして、今回のわたしの選択、「投票しない」「棄権する」という選択をできるということ自体もまた、かぎられた「有権者」のみにあたえられた不当な特権にもとづくものだというべきでしょう。

 でも、あるいは、だからこそ、いっぽうでこうも思います。「かぎられた有権者はその自分にあたえられた特権を、より正義にかなう方向につかうべきではないだろうか? あえて投票しないことを選択するのは、そうした機会をみすみす捨て去る行為ではないのか?」と。ここは、わたしも悩むところです。

 いずれにしろ、選択肢のかぎられたなかで「よりマシな選択」をしたいものです。投票するならば、よりマシな候補者、よりマシな政党に票をいれることになるでしょう。しかし、わたしは、今回の衆議院選挙でも、投票において「よりマシな選択」などありえないと判断せざるをえませんでした。

 わたしが日々であうひとびとの多くは、日本に生活の拠点をもちながら、選挙権から排除されています。そうしたひとびとのなかには、日本政府の強制収容所に監禁され、また、監禁を解かれても社会保障や医療から排除され、移動の自由をいちじるしく制限されているひともいます。

 また、日本政府は「制裁」と称して他国への戦争政策をこの10年間にわたってつづけており、国会はこれを全会一致で(自民党などの極右政党だけでなく共産党や社民党といったインチキ左翼政党もふくめて)賛成しているありさまです。

 非有権者への人権侵害や挙国一致での戦争政策が、国会の議決した法にのっとって政府によってすすめられるなか、これらを批判的に問うようなひとりの候補者、ひとつの政党すら(すくなくともわたしの選挙区には)みあたりません。

 たしかに、現状でも、どこに関心をむけるかによって、投票をつうじて「よりマシな選択」をおこなうということも、可能なこともあるでしょう。しかし、わたしの関心にとっては、投票における「よりマシな選択」はありえないと結論するほかなかった、ということです。

 したがって、わたしにとって「よりマシな選択」は、この制限選挙制度の外にしかありません。それは、この不公正な選挙の結果成立する国会および内閣を「民主的な議会・政府」としては承認しない、という意思表示をおこなうことです。また、その成立に民主的なプロセスを欠いた国会で「議決」された法律についても、わたしたちはその正当性を留保する権利があるのだということを表明しておきましょう。

 わたしはこれまで政治的なとりくみを(可能な範囲で最大限)「合法的に」おこなってきたつもりですし、まあ、今後もしばらくはそうするつもりではあります。しかし、それはあくまでもわたし自身の自由な選択・恣意によってそうしているのであって、そうしなければならない理由もないのだということは、ここで言っておきます。

 わたしは、最初にのべたとおり、きょうの選挙の投票をボイコットします。

 不公正な投票特権をもっている他のひと(有権者)については、投票すべきかすべきでないか、わたしがいうようなことではありません。それぞれにそれぞれの選択があってしかるべきだとおもいます。

 ただし、この選挙のあとに成立したことにされる議会および政府が、ほんとうに普通選挙にもとづく民主主義的な正当性をもつといえるのか、という問題意識を、すこしでも多くのひとびとと共有できればいいなと願ってはいます。「普通選挙」の実施をもとめて路上を占拠してきた香港市民のたたかいから学ぶべきことは、それだと思っています。

ななしななし 2014/12/14 05:37 白票という選択肢は無かったんですかね
入れないよりはマシだと僕は思ってます

G17G17 2014/12/14 12:29 なんだよ。ひさしぶりにみたら、ひらがなつかうのやめたのか。
ろくな ぽりしーもなく はじめるから つづかないんだな

kiya2015kiya2015 2014/12/14 12:44 暴力革命を目指すというのは合理的判断としては妥当だと思う。ただそれをやるなら相当な能力が必要になる。
おそらく自民党内に入って本心を隠しつつ実権を握るほうがラクだろう。

通りすがり通りすがり 2014/12/14 13:50 アタマ悪そうw
ただその世代の投票率が下がるだけなのに。

x478c4ca72mh6f8E05SE252x478c4ca72mh6f8E05SE252 2014/12/14 15:19 あなたの思い描く「民主主義」は有史以来実現した試しがありません。それはおそらく、例えるなら何かを建てるのに水平な地面を探し続けるようなものです。そんな場所はこの地球上に無いのです。
橋を架けるとき、いちばん難しいのが橋脚の設計です。ふつうの家だって、まづは基礎工事。
8時までまだ間に合います。今からでも是非、投票に行って下さい。裁判官を審査する方まで放棄することないでしょ?
選挙とは民主主義を建てる為に地面をフラットにする第一歩でもあるのです。

つっこみ隊つっこみ隊 2014/12/14 15:29 >日本政府の強制収容所に監禁され
それって専門用語で懲役刑とか言うんじゃないです?

なにがいいたいの?なにがいいたいの? 2014/12/14 15:29 北朝鮮に属する在日→帰化したの方ですか?

赤道直下赤道直下 2014/12/14 16:26 ゲロかうんこしか選べない、だから俺は行かないんだ偉いだろ、えっへん。

アホか。

ゲロかうんこしかなくても、どっかの国みたいにゲロうんこ以下のものを無理やり素敵なものとしてお国に刷り込まれるよりは、ゲロでもうんこでも自分で選べるだけまし。
ゲロかうんこしかないから、ダイヤモンドが生まれるまで僕は選びませんキリッってカッコつけてるよでアホやらかしてるだけ。
最低な奴を当選させないためにも、最低な奴じゃないのに私は入れました。
ゲロでもうんこでも選べてただけまだましだった、なんて思いたくないので。

bkbk 2014/12/14 18:50 めちゃくちゃ頭わるそうっすね。
投票してからぐちぐち文句いいなさいよ

bkbk 2014/12/14 18:50 めちゃくちゃ頭わるそうっすね。
投票してからぐちぐち文句いいなさいよ

unorthodoxunorthodox 2014/12/14 22:01 「よりマシな選択」を強いられる時点で由々しき事態なのにその「よりマシな選択」すらできない人がいて、その理由を具体的に書いてもなお"選挙に行かないヤツは文句を言うな"とかいう罵倒が飛んでくる。
選挙って結局何なんですかね。それに参加しなければ人間として認められないとかいう儀式か何かなんでしょうか?

aaaa 2014/12/14 23:23 権利も使わないくせに、文句は一人前だね

kukokuko 2014/12/16 11:54 日本語で

通りすがり通りすがり 2015/05/19 16:32 白票も棄権も組織票の集まる政党を利するだけ。

自民とか公明。

istist 2015/09/06 05:56 気持ちは分からなくはないけれど、あなたのいっていることには反対です。

上で書かれている方々もおられますけれど、このままだと「インチキ左翼政党」よりも、もっと悪い「戦争政党」を利してしまうだけではないでしょうか?

恐らく来年にはこのまま行けば、改憲が論議に上がってくるでしょう。
そのときにも、あなたがなっとくのゆく政党は存在しないでしょうね。
それでも、棄権されますか?

改憲は外国人の人権まで含めて、全ての人の権利を侵害するものへと変わっていく。
その中で日本国籍があり選挙権がある人間が投票しなかったら、どうなりますかね。
私やあなたの責任はどこにありますか?

棄権を選べるというのは単に「投票権がある」という特権に裏打ちされた行動であり、それをしたからといって、何からも降りたことにはなりません。そして「投票をしない」という投票行動にも責任はあるでしょう。

白票や棄権が選挙を無効化する制度が保証されないからこそ、こういう問題が起こるのです。そのような制度保証がない中でする判断としては、率直に申し上げて、一面的な判断になりすぎており、誤っておられるのではないかと思います。

時間のことを気にしないなら、選挙制度の中にそのような保証を織り込むよう求めるのが一番筋道のたった方法でしょう。実現するかどうかはさておき。

ですが、問題は来年にも実現しかねないものです。安倍政権にしても支持率が落ちたとはいっても、過去に低支持率にも関わらず、ゾンビのように生き続けた政権は現実にあります。

まして、安倍政権にはアメリカの支持がある。政権をなげうってでも通すべきだ、とアチラさんが判断すれば、それは現実になります。そこで抵抗が貫徹され改憲を阻止しうるかは議会の中の議席の多寡の話にすぎません。

くだらないです。でも、そのくだらなさが現実です。

「いんちき左翼政党」を「まともな左翼政党」にする道もあるかもしれない。
これは、選挙制度改革よりはハードルが低いでしょうが、徒手空拳の一市民にはやはり相当に困難な道です。

簡単にはいかなないでしょうね。政党本部の考えを転回させるくらいのインパクトを与える行動を取る、位のことをしない限りは。

個別に議員に当たって説得を試みる程度では、すぐにはどうにもできません。
地道な努力は不断に必要であり、その重要性を聊かも否定するものではないです。
私も折に触れてやっていますが。

しかし、問題は、全て時間にあります。
投票には行きつつ、運動をするという選択をしても良いのではないかと思いますが。

たとえば、朝鮮への制裁法案へ賛同しにかかる「インチキ左翼政党」が出てきたら、機会を捉えて申し入れをする、抗議をする、というのも一案でありますよ。それが政治的企図に対して結果としてなっとくがいくものになるか(朝鮮制裁の撤回、など)はともあれ。

この投稿は昨年の選挙のときになされたものですね。

「このとき、やっぱり投票に行っていればよかった」と悔やむことが後でなければいいのですがね。

結局、自民党はいつだって改憲を狙ってきたのであり、その政権の目論見をくじくのはいつであってもよかった、そんな風に後で悔やむくらいであれば、私は投票に決然と行きますけどね。納得できないことがあったとしても。

2014年06月22日(日)

つねのさんへの麹町署の家宅捜索に抗議する

つねのさんへの麹町署の家宅捜索に抗議するを含むブックマーク つねのさんへの麹町署の家宅捜索に抗議するのブックマークコメント

つねのさん( id:toled )が、20日、麹町警察署による家宅捜索をうけたとのことです。


●警察は靖国抗議への弾圧をやめろ〜日の丸バッテン救援会声明 - 日の丸バッテン救援会 ブログ


救援会がうえの救援会声明への団体賛同・個人賛同を募集しています。

麹町警察署は、今回の容疑とはあきらかに関係のない健康保険証や携帯電話、障害者手帳を押収するなど、このたびの家宅捜索が政治的弾圧をねらったものであることは、うたがいありません。

このたびの政治的弾圧をゆるさない、ということとあわせ、つねのさんがおこなったとされる行動について、支持と賛同を表明すべきだと考え、わたしも以下の賛同メッセージを救援会によせました。


常野雄次郎さんがおこなったとされる、靖国神社の鳥居にはり紙をはったという行為について、全面的に支持を表明するとともに、これを理由とした麹町警察署による常野さんにたいする政治弾圧につよく抗議します。

罪に問われるべきなのは、常野さんではありません。国のために死んだら英霊としてまつってやるなどと言って兵士たちをそそのかし、人殺しと略奪と暴行にかりたててきた靖国神社のほうです。靖国神社は、人殺しを推奨するこの体質を現在でもあらためておらず、日本の侵略戦争を賛美・肯定し続けております。靖国神社とこれを容認する日本の政府と社会こそが、きびしく指弾されるべきなのです。住民の生命と安全をまもるべき警察が、殺人教唆をおこなってきた反社会的教団にほかならない靖国神社の肩をもつことはゆるされません。

麹町警察署は、常野さんにたいする政治弾圧をやめ、「押収」などと称して常野さんからぬすんだ28点すべてをただちに返却しなさい!



関連

●賛同者・メッセージ一覧 - 日の丸バッテン救援会 ブログ

●麹町署は呼び出しをやめろ! - 日の丸バッテン救援会 ブログ

2013年01月17日(木)

いわゆる「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対するパブリックコメント

いわゆる「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対するパブリックコメントを含むブックマーク いわゆる「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対するパブリックコメントのブックマークコメント

 朝鮮学校のいわゆる「高校無償化」適用からの排除を決定づけようとする省令改正案について、いま文部科学省は「パブリックコメント」を募集しています。本来、このような少数者に対する差別政策については、世論がどのようなものであるかにかかわらず、おこなってはならないものです。政府が、こうして募集した「パブリックコメント」を世論の声としてみずからの差別政策に利用しようとしているのであるならば、そのことに反対を述べるべきだと私は考えました。

 少数者への差別は「多数意見」によってもけっして正当化できません。差別は不当であって、不当なものは不当です。わたしはそう考えて、おおざっぱにまとめると「これは差別である。差別は不当である。だから差別を是正しなさい」という意見を書いて、送りました。

 なお、この問題は「他の外国人学校は制度を適用されているのに、朝鮮学校が排除されているのは差別であり不当だ」というかたちでの問題化もできるのですが、あえてそれはしませんでした。わたしが主張したのは、朝鮮学校に対する公的支援について、いわゆる日本のフツーの学校*1とのあいだに差別をもうけていることが不当だということです。

 パブリックコメントについては、つぎのリンク先に募集の詳細がしるされています。募集のしめきりは1月26日(土)です。

パブリックコメント:意見募集中案件詳細|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

 以下、わたしが送ったパブリックコメントです。ただし、このブログで公開したものは、実際に送った原文にはなかった小見出しと いくつかリンクをおぎないました。




#######################################

#######################################


一、はじめに

 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則の一部を改正する省令案に関しまして、意見を述べます。

 本省令案は、現在審査中として凍結されている、朝鮮学校生徒への就学支援金の支給について、これを支給対象から排除することを意図しているのはあきらかであり、以下に述べる理由で不当なものです。本省令案を撤回し、ただちに朝鮮学校生徒への支給凍結を解除すべきだと考えます。




二、少数民族の民族教育への公的支援は日本政府の義務

 日本も批准している「児童の権利に関する条約」(子どもの権利条約)は、第30条において以下のとおりさだめております。


種族的、宗教的若しくは言語的少数民族又は原住民である者が存在する国において、当該少数民族に属し又は原住民である児童は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。


 「児童の権利に関する条約」を批准している以上、日本政府は、国内の少数民族に属する児童・生徒が自己の文化・宗教・言語を継承し、また発展させていく自由を保障しなければなりません。そして、少数民族に属する児童・生徒が、自己の文化・宗教・言語を自由に継承し、発展させていくためには、自己の文化・宗教・言語や歴史を学び、知る機会が不可欠です。

 こうして少数民族に属する児童・生徒に民族教育を受ける権利を保障するためには、おおざっぱに言って以下1,2の方向での施策が考えられ、すくなくともいずれか一方の施策を十分におこなうことは欠かせません。


  1. 少数民族に属する者自身が運営する教育機関(民族学校)に、必要な財政的・社会的支援をおこない、また運営にあたってその独立性を担保すること。
  2. 日本の初等・中等教育機関において、少数民族に属する児童・生徒が自己の民族的な文化・言語等を学ぶ機会を保障すること。

 この2つの観点からみて、日本の教育行政の現状はどう評価できるでしょうか。

 まず、1について。日本において、少数民族の民族教育をおこなう学校は、学校教育法第一条に規定される学校(一条校)としての認可を受けられず、差別的な取り扱いを受けています。そして、一条校においては、その教育内容が多数民族である日本人の民族教育(「国語」と称した日本語教育、また日本の文化や歴史についての教育など)にいちじるしく偏重・偏向したものになっており、少数民族に属する児童・生徒が、自己の言語・文化・歴史等をまなぶ機会がきわめて制約されていることは、指摘するまでもありません。つまり、多数民族の民族教育をおこなう学校が一条校として日本政府に優遇され、他方、少数民族の民族教育をおこなう学校は、一条校としての認可から排除され、ごくごくひかえめに言っても「冷遇」されていると言わざるをえません。このような不公平・不平等が存在しているのが現状です。

 2についても、一条校がいま述べたように、多数民族の民族教育に偏重・偏向したものになっている以上、そこで少数民族に属する児童・生徒が、みずからの文化等をまなぶ機会が保障されているとはとうてい言えない状況です。

 したがって、日本の教育行政においては、1,2いずれについても、多数民族の民族教育を優遇する不公平かつ偏重・偏向した施策がとられており、児童の権利に関する条約第30条に違反していると言えます。

 朝鮮学校など少数民族の民族学校生徒への就学支援金支給の可否を決定するにあたっては、以上に述べてきた不公平と偏重・偏向をただし、少数民族に属する生徒の侵害されている権利をいかに回復し保障していくかという観点から検討されなければならないと考えます。

 そう考えたときに、一条校の生徒には支給されている就学支援金が、朝鮮学校生徒にいまだ支給されず、その決定がずるずると先延ばしにされている現状自体が、朝鮮人に対する差別的取り扱いと言うべきですし、こうした差別的取り扱いを追認・決定づけようとするこのたびの改正省令案を容認することはできません。




三、朝鮮人の民族教育への弾圧・妨害の歴史

 さて、以上、「児童の権利に関する条約」もふまえながら、朝鮮学校生徒を就学支援金の支給対象から排除することの差別性・不当性について述べてきました。

 ただし、朝鮮人の民族教育に対する差別的取り扱いは、最近にはじまったものではありません。これに対する弾圧・妨害とすら言える差別的な取り扱いは、戦後の日本の教育行政が一貫してとりつづけてきたものであり、それは日本による朝鮮に対する植民地支配に起源をもつ、いわば植民地主義の継続と言うべきものです。

 「児童の権利に関する条約」批准国政府として日本政府が取り組まなければならないことのひとつは、朝鮮人の民族教育に対して日本政府がおこなってきた弾圧と妨害を真摯に反省して謝罪し、公平な教育行政へ転換することです。その意味で、日本政府が朝鮮人の民族教育にどのような対応をとってきたのかという歴史をふりかえっておくことは重要です。

 日本の敗戦後、日本による植民地支配から解放された朝鮮人たちは、日本各地に国語(母語)講習所とよばれる学びの場(500ヶ所をこえるといわれる)をつくってきました。日本の植民地支配によって、民族の言葉をうばわれ、また自分たちの文化や歴史をおとしめられてきた朝鮮人たちが、民族の言語・文化・歴史を取りもどそうと民族教育の場をつくるのは、しごく正当なことであります。

 ところが、こうした正当というほかない朝鮮人たちのいとなみに対して、日本政府は弾圧をくわえてきました。

 まず、日本政府は、1948年1月24日に「朝鮮人設立学校の取扱いについて」という文部省教育局長の通達(官学五号、学校教育局長より、文部省大阪出張所長、都道府県宛通達)を出します。


……朝鮮人の子弟であっても学齢に該当する者は、日本人同様市町村立又は私立の小学校又は中学校に就学させなければならない。又私立の小学校の設置は学校教育法の定めるところによって、都道府県監督庁(知事)の認可を受けなければならない。学齢児童又は学齢生徒の教育については各種学校の設置は認められない。


 日本政府はこうして朝鮮人児童・生徒に日本の学校に通うことを強制し、またいったんは各種学校として認可した朝鮮人学校の認可を取り消しました。これに従い、日本政府は1948年3月から4月にかけて朝鮮人学校に対する閉鎖命令を各地であいついで出します。また、1949年10月13日には、在日朝鮮人聯盟(朝聯)への解散指定にともなって「朝鮮人学校に関する措置について」(文部省管理局長ほか通達、文官庶第六九号)を出し、朝聯系の93校に閉鎖命令、245校に改組命令を出します。

 なお、現在、朝鮮学園が運営する、「各種学校」として認可された学校は、こうした不当な弾圧を受けながらも、朝鮮人自身の努力によって再建されたものです。

 戦後、朝鮮人の民族教育に対して日本政府がとってきた政策にみられるのは、自己の言語・文化・歴史等を自由に継承し発展させていこうとする朝鮮人のいとなみを妨害し、多数民族である日本人への同化を進めていこうという方針です。すなわち、一方で、朝鮮人自身による自律的な教育の場をつぶすことを企図して弾圧をくわえ、他方で、朝鮮人児童・生徒を日本政府・文部省の支配下にある学校(一条校)に就学させ、その民族性を圧殺しようというものです。

 こうした民族性の圧殺と同化主義の方針は、1965年の同じ日(12月28日)に、文部事務次官が各都道府県あてに出している2つの通達にも、はっきりと表現されております。「日本国に居住する大韓民国国民の法的地位および待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定における教育関係事項の実施について」(文初財第四六四号)と「朝鮮人のみを収容する教育施設の取り扱いについて」(文菅第二一〇号)です。

 前者は、日韓協定にともない永住を許可された者およびそれ以外の朝鮮人について、希望する場合には、公立の小中学校への入学および高等学校の入学資格を認めるよう通達する一方で、「学校教育法第一条に規定する学校に在籍する永住を許可された者およびそれ以外の朝鮮人の教育については、日本人子弟と同様に取り扱うものとし、教育課程の編成・実施について特別の取り扱いをすべきでない」としております。つまり、これは、公立の学校において朝鮮人の民族教育をしてはならないとしたものです。

 先にも述べたように、公立の学校の教育内容は多数民族である日本人の民族教育に多くの時間をさいているわけですから、この通達にみられるように少数民族の民族教育を禁じるということは、少数民族の児童・生徒に多数民族のための民族教育をおこない、多数民族への同化をすすめていくということを意味します。

 さらに後者の通達では、私立の朝鮮人学校の取り扱いについて、つぎのような措置を通達しております。


(一) 朝鮮人学校については、学校教育法第一条に規定する学校の目的にかんがみ、これを学校教育法第一条の学校として認可すべきでないこと。

(二) 朝鮮人としての民族性または国民性を涵養することを目的とする朝鮮人学校は、わが国の社会にとって、各種学校の地位を与える積極的意義を有するものとは認められないので、これを各種学校として認可すべきでないこと。


 一方では多数民族のための民族教育に財政的・社会的資源をつぎこみ、これを政府をあげて推進しておきながら、少数民族の民族学校に対しては地位上の差別をもうけ、公的支援から疎外する。これは、いちじるしく公平性を欠いた措置と言わざるをえません。

 この通達はさらに、朝鮮人のみを収容する公立の小学校分校はその「存続について検討すること」、また朝鮮人のみを収容する公立の小中学校およびその分校または特別学級は「今後設置すべきではないこと」とし、朝鮮人の民族教育を公教育から排除するものとなっております。

 このように、日本政府は、朝鮮人から自己の言語・文化・歴史等をまなぶ機会をうばい、日本人への同化を朝鮮人自身の意思にかかわらずせまるということを、教育行政においておこなってきました。こうした戦後の教育行政のありかたは、朝鮮人の言語をうばい、文化をおとしめた植民地支配期における皇民化政策がいまだ継続しているものと言えます。




四、差別主義・同化主義にもとづく教育行政からの転換を

 今回の省令改正案も、一条校の生徒にはあたえられる就学支援金支給の措置から、朝鮮学校生徒を差別的に排除しようとするものであって、戦後の一貫した差別主義的・同化主義的な教育行政の歴史の延長上にあるものです。「児童の権利に関する条約」を批准した日本政府がおこなうべきなのは、このような差別主義・同化主義の歴史を踏襲し継続することではなく、少数民族の児童・生徒が自己のルーツについて継承し、発展させていく自由と機会を保障するものへと教育行政を転換させることです。

 多数民族の民族教育に比重を置いた教育をおこなう一条校でまなぶ高校生には就学支援金を支給する一方で、朝鮮学校にまなぶ生徒ににこれを支給しないのは、差別です。多数民族の民族教育ばかりを公的に支援・奨励し、少数民族の民族教育を公的な支援から疎外するのは、筋がとおりません。

 少数民族に属する生徒が、多数民族に属する生徒とすくなくとも同程度には、自己のルーツについてまなぶ機会を制度的に保障されることは、政府や多数者の恣意によって少数者にあたえられる「恩恵」などではありません。それは権利であって、日本政府がそれを保障することは義務です。このたびの省令改正案を撤回し、朝鮮学校生徒への就学支援金の支給を、凍結されている卒業生のぶんもふくめて即刻おこなうべきです。


以上


#######################################

#######################################

*1:学校教育法第一条にさだめられた「学校」として認可を受けている、いわば日本政府の支配下にある学校

無着色無着色 2013/01/18 09:00 なぜ反日教育をする現場を日本が支援するのですか?

支持します支持します 2013/01/18 09:43 ここまで理路整然と書いてあると感動すら覚えます。
無着色さんは無知役職を狙いましたか?悲しいかなマスコミなどに踊らされすぎです。私は何度か見に行ったことがあるのですが、一度近くの朝鮮学校を見に行かれたらどうですか?見ておっしゃってます?大丈夫です。捕って食われたりしませんから^^

TakaTaka 2013/01/18 10:04 そもそも教育とは、国家の構成員、いわゆる国民
を、育成することであり、税金を、投入すると
いうことは、国の未来への投資です。
朝鮮人とか関係なしに、外国人学校に、
お金をださないのは、なんの不思議もない。
差別でも、なんでもない。
無償で、教育を受けたければ、日本の学校に、
行けばよいし、民族教育は、家庭や、
地域の、ボランティアで、やれば、
よろしい。
または、有志がお金を集めて、
支援するのは、誰も止めないよ。

ukrukr 2013/01/18 10:35 引用されている「児童の権利に関する条約」の第30条が「高校無償化」つまりおっしゃっている"少数民族に属する児童・生徒に民族教育を受ける権利を保障"する前提として取れなかったのですが、そのあたりの論理展開をもう少し詳しく書いていただきたいです。
個人的には高校無償化されなくとも"自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。"ように感じました。

totoronokitotoronoki 2013/01/18 12:17 概ね同意。

だけど、国民の猜疑心はこんな論法では解消できない。
北朝鮮という国の特殊性が国民の理解を阻んでいるのがこの問題の重要な部分なんだ。
それを無視して問題の解決を図っても、彼らとの溝が深まるばかりで非常に危うい。

takotako 2013/01/18 15:20 >Taka 世界はお前のような人間の100年は進んでるから、色々とキミには分かりにくいものはあると思うが、上の文章をあと何十回は読みなおして、分からない単語の意味やその背景について勉強してから書き込んでも遅くはありませんよ?

ぽぽやまぽぽやま 2013/01/18 21:24 僕は右派だが、朝鮮学校無償化に関しては賛成。単純に子供を差別しちゃいかんから。
ただ、麻薬、偽札、核兵器、拉致、とヤクザ商売してきた正日やら日成やらの個人崇拝や、同じコミュニティに居る日本人を憎むような教育はやめるよう要請するぐらいはやってほしいわ。
法的には別に学校を開かせないわけじゃないから違法でもないし、無償化はあくまで補助だからね。
それにしても君等の親玉の鳩山はこの朝鮮学校無償化すらできなかった。あいつは本当にダメ人間。

lever_buildinglever_building 2013/01/19 00:44 > 無着色さん

 どういう現状をふまえて「反日教育をする現場」などとおっしゃってるのか知りませんが、まず、あなたの勝手な思いこみで他者を色づけをするのはやめてください。
 また、「反日教育」がおこなわれているという評価は、だれがどんな基準でしうるのでしょうか? すくなくとも、教育行政をつかさどる政府機関である文部科学省に、特定の学校を、その教育内容をもって、「敵」認定する権限などありません。
 あと、あなたのように、「反日」なる語を少数者に対する悪意をもったレッテル貼りにもちいるひとは、「日本」に対するみずからの無批判的・全面的な恭順・屈従・同一化の心情を表明してしまっているわけで、わたしはその卑屈さと倫理的退廃に吐き気をおぼえます。強者に屈服するおのれのうっぷんを、少数者を攻撃することではらそうとするのはやめなさい。

lever_buildinglever_building 2013/01/19 00:46 > 支持します さん
 わたしも、見学させていただいたことがありますが、朝鮮学校は、本来そうしなければならない義務も道理もないのに、学校のなかを地域の日本人にオープンにみせてくださっていますよね。そこまでしているのに、取材にも来ないマスコミから悪意にみちた印象操作をされ、無償化適用に一応は賛成している新聞(『朝日新聞』のことですが)からさえ「開かれた教育への姿勢」が大事だのなんだのと社説でエラソーに説教される。上の「無着色」さんがやってるように、なんにも知らんくせに、また知ろうともしなくせに、予断と思いこみで差別的な言辞をたれながすひとが出てくるのも、その責任の一端はマスコミにありますね。

lever_buildinglever_building 2013/01/19 00:48 > Taka さん

「そもそも教育とは、国家の構成員、いわゆる国民
を、育成することであり」
とのことですが、これは、
(1)現状ないし実態が「そうなっている」という事実を述べているのか、
(2)「そうあってほしいなあ」というあなたの願望なのか、
(3)「そうあるべきだ」というあなたの主張なのか、
いずれでしょうか?
(1)なら、「だからなに?」という話だし、
(2)なら、「ああ、そうですか」としか言いようがないですし、
(3)なら、根拠ぐらい示してください。
というわけで、いずれにせよ、お話になりません。
後段でもなにか寝言をぶつぶつ言ってるようですが、
tako さんがおっしゃっているとおりで、
本文を300回ぐらい読みなおしてから、出直してきてください。

lever_buildinglever_building 2013/01/19 00:51 > ukr さん
 たしかに、その点はあまりていねいに説明できていなかったですね。おっしゃるところは、重要な点だと思うので、またのちほど時間のあるときに、お返事させてもらいます。

lever_buildinglever_building 2013/01/19 00:52 ほかのかたへも、明日かあさってにでも、お返事したいとおもいます。

totoronokitotoronoki 2013/01/19 11:32 追記:
お返事をいただけるということなので追記します。
こちらにもご意見をいただけたらと思います。

lever_buildingさんは
・朝鮮学校と朝鮮労働党の関係
・朝鮮学校と拉致事件の関連性
・朝鮮労働党による在日朝鮮人への対日工作活動(拉致など)の指示があったかどうか

これらに対してどのような見解をお持ちなのでしょうか。
朝鮮学校無償化に反対する意見には、このような事案について言及されることが多いです。

bogus-simotukarebogus-simotukare 2013/01/19 18:02 lever_buildingさんではないですが回答してみましょう。ま、俺はどれ一つとして除外理由にならないと思いますが。


>朝鮮学校と朝鮮労働党の関係

直接の関係はないでしょう。まあ、学校は総連と関係があって、総連は労働党と関係(つうか、つきあい)があるでしょうが。

>朝鮮学校と拉致事件の関連性

関連性というのがよくわかりませんが学校が組織として拉致の実行に関わったかといえばそんな事は日本政府は認定してない。

>朝鮮労働党による在日朝鮮人への対日工作活動(拉致など)の指示があったかどうか

これまたそんな認定はないと思います。そもそもあったとして「学校関係ない」としか思いませんが。
そして幸福の科学や創価学会について指摘される問題(幸福の科学による講談社へのFAX攻撃疑惑や、創価学会による日本共産党幹部宅など対立組織への盗聴疑惑など)と「これらの系列の学校(幸福の科学学園高校、創価高校)の無償化」についてどう思うか是非教えていただけると幸いです。

tiro2010kinatiro2010kina 2013/01/19 21:35 無能な工作員だな。とっとと粛正されろ。

lever_buildinglever_building 2013/01/21 19:50 > ukr さん

 おっしゃっているのは、こういうことですよね。つまり、「児童の権利に関する条約」がさだめているのは、少数民族にぞくする子どもが自己の文化を享有したり自己の言語を使用したり等の権利を「否定されない」というところまでなので、締約国政府に民族教育の機会の「保障」まで義務づけていると解釈するのはムリがあるのではないか、と。
 ひとことで答えるなら、この権利を「保障」しないことはこれを「否定」することとおなじであり、「否定」しないためには政府による「保障」がなされなければならない、ということになります。
 本文でもふれたように、多数民族による多数民族のための民族教育は《すでに》手あつく保障されているわけです。こうした状況にあって、少数民族が自己の文化・歴史・言語等をまなび、継承・発展させていこうとするならば、多数民族がそうするのにくらべて、費用の面でも労力の面でも、圧倒的に多大なコストがかかります。
 多数民族は、学校教育にあっても、また学校教育以外の場でも、自己の文化を継承していくのに圧倒的に有利な環境をあたえられています。職場や地域社会においても、多数者は、あたりまえのように自分も相手も「日本人」であるかのようにふるまい、そこに「日本人」以外の他者が存在していることなど想定も想像もしないで生きていける環境を特権としてほとんど独占しています(学校でもマスメディアでも職場等でも、自分も相手も「日本人」であることを問うまでもない前提とした、「私たち日本人は」「外人は」式の語り方がいかに無神経になされていることか)。
 一方の少数民族は、多くの場面で、いわば多数民族に包囲された状況をいきることを余儀なくされ、少数民族としての自己がまるで存在しないかのようにあつかわれるわけです。その意味で、「児童の権利に関する条約」第30条が「当該少数民族に属し又は原住民である児童は、《その集団の他の構成員とともに》自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない」としているのは重要だと考えられます。この条文は、少数民族の児童・生徒が「その集団の他の構成員とともに」自文化を享有する等の権利を《あらかじめ》うばわれている(否定されている)という状況を想定していると解釈できるからです。
 そして、日本の状況が少数民族とりわけ朝鮮人の教育に関する権利を《すでに》あるいは《あらかじめ》否定するものになっていることはいま述べてきたようにあきらかですし、本文でものべたように、その状況は行政によって意図的・作為的につくられ、推進されてきたものです。
 かりに現状が少数者の権利を否定するものになっていないとするならば、「権利は否定されない」という条文は、たんに少数者に対する不当な介入・妨害を禁止するものものと読むこともできます。しかし、朝鮮人の民族教育について、本文でその一端を述べたとおり、その権利がうばわれているという現状があり、その現状は日本政府が朝鮮人の民族教育を否定し、妨害し、弾圧してきたことによるものでもあります。
 そういうわけで、多数民族の民族教育のみが手厚く支援・推進され、また学校教育をはじめとした多くの場で少数民族にぞくする児童が多数民族による同化圧力を受けている現状において、日本政府が不公正・不公平を是正する観点から、朝鮮人の民族教育の権利を保障する施策をおこなわないならば、それは少数民族の権利を「否定」していることを意味するものだと言えるとおもいます。

lever_buildinglever_building 2013/01/21 19:51 id:totoronoki さん

2つコメントをいただきました。
まず1つめのコメントについて、「北朝鮮という国の特殊性が国民の理解を阻んでいる」という理解は、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)に対するあべこべな責任転嫁もいいとこで、まったく同意できません。客観的にみて、「特殊」で道理に反しているのは日本国のほうです。
2つめのコメントについては、id:bogus-simotukare さんがコメントしてくれており、わたしも同意できる部分が大きいのですが、多少温度差もあります。
totoronoki さんの問われている3点、
> ・朝鮮学校と朝鮮労働党の関係
> ・朝鮮学校と拉致事件の関連性
> ・朝鮮労働党による在日朝鮮人への対日工作活動(拉致など)の指示があったかどうか
について。
1点目については、その「関係」があったからといってそれを問題にするほうがおかしいです。特定の政党との「関係」を理由に、保障されてしかるべき権利をうばい、公的な支援の対象から排除することが正当化されうるのだと考えるなら、その発想はレッドパージなんかのそれと本質的に変わるところがないでしょう。
2点目については、それを「関連」づけようとする発想そのものが、民族差別・人種差別にもとづいたものだということを指摘しておきます。かりに、日本人が人さらい等の行為をはたらいたときに、その人が出身校や職場として関係している(したことのある)学校が犯罪組織あつかいされ、その生徒全員が迫害される、などということがあるでしょうか。
3点目についても、これと同様です。拉致なら拉致として問題にすればいいですが、「対日工作活動」なるものを理由に差別政策が正当化されうると考えるなら、それはやはり民族差別・人種差別にもとづくものと言えるとおもいます。政治的な発言をしたり、日本の政府機関への働きかけをしたりしていても、それをわたしのような日本人がやる場合は「工作活動」などとはふつう言われないのですよね(上でコメントしているid:tiro2010kina さんのように、わたしを「工作員」よばわりする人もいますが、それはわたしを「朝鮮人」ないし「朝鮮人の指示や意向に従って発言・行動する反日日本人」とみなしたうえで「工作員」よばわりしているわけで、そこで遂行されているのが朝鮮人に対する差別と攻撃であるということにかわりありません)。
 ある施策やその運用がみずからの生活への影響や権利侵害をともなうと考えられるときに、政府や行政機関にはたらきかけて自分(たち)の生活や権利をまもろうとするのは、あたりまえのことであって、それを「対日工作」などと矮小化しおとしめるのは、不当だとおもいます。

lever_buildinglever_building 2013/01/21 19:54 > ぽぽやま さん

「右派」でいらっしゃるとのことですが、朝鮮学校の教育内容についてあれこれ要求してよい立場にご自身があるかのような思いあがりとかんちがいは、たとえば『朝日新聞』あたりの社説にみられる考え方とよく似ているとおもいました。
そうした『朝日』的な植民地主義根性については、まえにこのブログでも批判したことがありますので、よろしかったらご参考にしてください。

「アサヒと サンケイの かれいなる チームプレイ」
http://d.hatena.ne.jp/lever_building/20120307#p1

あと、「君等の親玉の鳩山」というのは意味がわからないですし、鳩山さんにかんしてはまったく支持もしていないので、心外ではあります。

lever_buildinglever_building 2013/01/21 19:56 id:tiro2010kina さん

> 無能な工作員だな。とっとと粛正されろ。

とのことですが……。意味がわかりません。あなたはこうしていつも、見ず知らずの相手に、いきなりひとりよがりな話しかけ方をなさっているのでしょうか?

bogus-simotukarebogus-simotukare 2013/01/21 22:15 id:lever_buildingさん
わざわざIDコールしていただきありがとうございます。

ぽぽやまさん
「君らの親玉」ねえ。鳩山氏が無償化を実施しなかったことで俺も含め多くの「無償化賛成派(id:lever_building氏もそうでしょう)」は彼に批判的だと思いますが。
彼一人が悪いとは言いませんが彼が無償化を断交すれば問題はここまでにならなかったかもしれません。

tiro2010kinatiro2010kina 2013/01/22 10:34 とぼけるんじゃないよカス。金正日政治軍事大学を優秀な成績で卒業したとでも言うのか?北チョンスパイの恥。白々しい自己紹介作りゃがって。陸軍中野学校の爪のアカでも煎じて飲め。無能な工作員は強制収容所送りだろう。ご愁傷様。

lever_buildinglever_building 2013/01/22 14:27 id:tiro2010kina さん
記事本文にたいする論理的批判はできない、ないし、しない、ということでよろしいでしょうか?

tiro2010kinatiro2010kina 2013/01/22 14:41 id:lever_building違います。記事本文は論理的批判に値しない、もしくは「無視する」と言うことです。スパイの片棒を担ぐ真似はしないと言うことです。日本人を敵視し憎悪する連中は氏んでほしいです(笑)

bogus-simotukarebogus-simotukare 2013/01/22 19:29 id:lever_buildingさん
id:tiro2010kinaの下劣なコメントは今後問答無用で削除していいと思いますね。ま、無償化除外派にはこういうバカもいるんだとバカをさらしてあげてもいいかもしれませんが。無償化除外に賛成、反対に関係なく、いきなり人を工作員呼ばわりする彼のような下劣な輩は批判されてしかるべきです。

lever_buildinglever_building 2013/01/23 17:05 id:tiro2010kina さん

> 違います。記事本文は論理的批判に値しない、もしくは「無視する」と言うことです。

「無視」できてないじゃん(笑)。あなたは私の記事が「無視」できないほど気になるが、かといって論理的な批判もできない、というわけですね。了解しました。「スパイ」がどうのというたわごとをわめくぐらいしか能がないんですね。
あなたの自認する「日本人」とやらの程度が知れます。恥知らずもいいとこです。
あと、あなたの卑劣な人種差別コメントを一件削除しました。

lever_buildinglever_building 2013/01/23 17:09 id:bogus-simotukare さん

ありがとうございます。
バカはバカとしてさらしておいてもよいのですが、わたしのブログをつかってヘイトスピーチをたれながされるのも困るので、くだんのひとのコメントは1件削除し、はてなにスパム報告をしておきました。

ああああああ 2013/01/23 22:41 適用しろーー

monnkymonnky 2013/01/23 22:46 >taka
まずそもそも教育とは、国家の構成員、いわゆる国民
を、育成することであり、税金を、投入するとと書いてありますが
朝鮮学校に通っている子たちは日本で生きていくために、学校では日本の歴史や古典、政治の仕組みなどすべて習っています。

反日教育という言葉が書かれていますが、基準はなんですか?
それに反日教育は一切していません。
過去にあった事をそのまま教えてるだけです。日本の教育こそ都合の悪い事は載せず、新しい歴史の教科書に変え過去の真実を隠していますよね。
話が変わりますが福島の原爆だって毎日ニュースで放送してもいいくらい重大なことだと思います。マスコミ、政府は日本の現場を隠し、伝えず、他国(特に朝鮮)の放送ばかり。そうして日本の子達は自分がどんな状況にいるのか麻痺し、わからなくなります。
日本政府の思うツボだと思いませんか?

話がそれてしまいました。すみません。
税金だって在日朝鮮人みんなが払っています。支援して当たり前ですよね。

拉致問題だって一度でもその問題について勉強しましたか??調べましたか?
何も知ろうとしてないくせに、勝手なこと言わないでください。

長くなりましたが、私が言いたかったのは朝鮮側は日朝関係が良くなることを願っています。
関係が良くならないのは日本が謝罪はもちろん朝鮮を反対する体制をいつまでもとっているからではないでしょうか?
日本政府は一日でも早くその体制をやめて、無償化適用するべきです。


私はまだ17歳で言葉がうまくなく、文章がぐしゃぐしゃですみません。

lever_buildinglever_building 2013/01/24 02:15 > あああ さん

おー! 適用しろー!

lever_buildinglever_building 2013/01/24 02:16 > monnky さん

 おっしゃるとおりで、朝鮮学校の生徒さんたちは、朝鮮のことばや歴史はもちろん、日本の社会や歴史、政治などについても、日々勉強されているわけですよね。さらに、学校だけでなく、メディアや学校外の日常生活のなかでも、多数者のありようを見て、熟知している。
 一方で、日本の学校では、朝鮮のことをろくにまなばず、それどころか、日本が朝鮮をふくむアジア諸国・諸地域やその出身者にどんな加害をはたらいてきたのかという自国の歴史すら十分に知らずにすませられる。
 こうして多数者は少数者を知らずにいられる、また無関心でいられる、というのが、差別的な構造というものなのだと痛感します。
 「関係が良くならないのは日本が謝罪はもちろん朝鮮を反対する体制をいつまでもとっているから」というのもまったくその通りだとおもいます。

rawan60rawan60 2013/01/24 12:34 どうもこんにちは。

毎度ですが「朝鮮学校無償化問題FAQ」からリンクさせていただきました。
http://w.livedoor.jp/mushokamondai/d/%a5%d6%a5%ed%a5%b0

lever_buildinglever_building 2013/01/24 22:19 id:rawan60 さん

こんにちは。まいど、ありがとうございまーす!

SONNY KIMSONNY KIM 2013/01/25 22:58 とても共感できて、よく整理してくださってますので、お言葉に甘えて、記事を転載させていただきました。

lever_buildinglever_building 2013/01/26 02:00 > SONNY KIM さん

ありがとうございます! 光栄ですし、うれしいです。

lever_buildinglever_building 2013/01/27 00:18 > た さん

 私のブログをあなたの便所かなにかと勘違いしてませんか?
 私の記事に対する批判や意見とも言えないような無関係なたわごと、しかも第三者にたいする根拠のない中傷発言をいちいち書き込まないでください。削除するのもめんどくさいんです。というわけで、あなたの落書きを削除いたしました。

2012年12月25日(火)

いかなる強制送還にも正当性はない

いかなる強制送還にも正当性はないを含むブックマーク いかなる強制送還にも正当性はないのブックマークコメント

1.はじめに

 ひじょうに腹立たしいニュースがとびこんできました。

 読んでみると、法務省の幹部が子飼いの新聞記者にリークして書かせた記事だということがわかりますが、ここに述べられている法務省の方針、そして記者の書き方、いずれもひどいものです。


不法滞在者:チャーター機で一気に強制送還へ 法務省方針

 不法滞在者の強制送還を効率化するため、法務省は、一度に多数を帰国させられる専用チャーター機の活用方針を固めた。一般客も乗り合わせる航空機で対象者を1人ずつ送り出す現在の方法より、費用と安全の両面で利点があるとしている。同省は来年度予算の概算要求で関連費用約3000万円を計上。予算が通れば、年間150人程度にとどまっていた送還拒否者の帰国人数を350人程度に増やせるという。


 「不法滞在者」という言葉の選び方の問題については、あとで述べます。

 その「不法滞在者」の強制送還が「効率」という観点からのみ語られ、この強制送還という暴力によって壊されるひとりひとりの生活への想像を徹底して欠いた、この記事の文章には、心の底からぞっとします。

 人間を、これまで生活してきた土地と人間関係から強制的に引きはがして監禁し、暴力をもちいて国外追放にする。強制送還とはこうした行為にほかなりません。たとえどのような方法を選んだとしても。

 このようなものでしかありえない強制送還について、ある方法がほかの方法よりも「費用と安全の両面で利点がある」などというおしゃべりを記者にむかって語る法務省幹部。また、このおしゃべりを批判的な論評・情報もなくたれ流す伊藤一郎さんという記者。おそろしいと言うよりほかありません。

 以下、強制送還や「不法滞在者」について、この法務省入管の広報としか評しようのない『毎日』の記事が書き落としていることを述べたいとおもいます。




2.強制送還とは

 『毎日』の記事も書いているように、強制送還には航空券の代金を強制送還される人が自己負担する「自費出国」と、その代金を日本政府が負担する「国費送還」とがあります。

 「国費送還」がなされるのは、ひとつには、送還される人が帰国のための旅費を用意できない場合です。この場合、航空券代は日本政府が出すものの、送還される人は、ろくに医療も受けられない劣悪な収容施設に半年間ぐらい監禁され、つまりは虐待されたうえで、国籍国に送還されることになります。

 「国費送還」は、もうひとつには、これも『毎日』の記事にあるように、帰国を拒否するひとにたいして適用されます。これは「国費無理やり送還」ともよばれます。

 この「国費無理やり送還」は、拘束具や薬物投与によって身体を拘束し、文字どおり無理やり飛行機にのせて国籍国に放り出すという措置です。麻酔で意識を失わされ飛行機にのせられた例、毛布でグルグルにすまきにされて送還された例などが、以下のサイトで紹介されています。


入管収容施設問題を考える - 強制送還・・・「薬物投与送還」と「簀巻き送還」


 2010年3月には、国費無理やり送還において、ガーナ人スラジュさんが死亡するという事件もおきています。


スラジュさん事件 | APFS - ASIAN PEOPLE’S FRIENDSHIP SOCIETY


 この入管によるスラジュさん殺害事件は各種メディアでも報道され、支援団体、また非正規滞在外国人当事者によるはげしい批判と運動をひきおこしました。以後、入管にとって国費無理やり送還のハードルはかなり高くなったようです。

 こうしたムチャクチャな送還は、なにより送還される人にたいするいちじるしく不正な暴力と言うべきですが、飛行機の他の乗客や乗務員の安全をもそこなうものです。航空会社としても、入管の国費無理やり送還に協力するのはむずかしくなるでしょう。

 入管は、航空会社の協力をとりつけるためにも、これまでも、送還の「効率性」や「安全」を――まさに『毎日』のぞっとするような記事にでてくる言葉のとおり――追求してきたわけです。

 送還される人が暴れるかもしれないから、すまきにしちまえ! すまきにしても大声を出されたらかなわんから、猿ぐつわをかませよう! それより、薬物で気をうしなわせてしまえば、効率的で簡単じゃあないか!

 入管が追求してきた「効率性」と「安全」とは、こういうものです。その延長線上に、「チャーター機で一気に強制送還」というこのたび報道された法務省の方針がある。そう考えるべきでしょう。




3.収容をとおした帰国拒否者に対する拷問

 入管は全国(茨城県、大阪府、長崎県)に3つの収容所*1をもっています。このほかに、東京入国管理局、名古屋入国管理局など地方局、あるいはその支局に、「収容場」と呼ばれる収容施設をもうけています。

 入管は、オーバーステイ(超過滞在)などの退去強制事由にあたる疑いのある外国人に「収容令書」というものを発付し、収容施設に監禁します。これは、警察が逮捕令状にもとづいて刑事事件の容疑者を逮捕するのと似ています。しかし、警察による逮捕の場合、一応は裁判所が発行する逮捕令状を必要とするのにたいし、入管による摘発・収容は、裁判所等の第三者機関のチェックなしにおこなわれます。というのも、「収容令書」を発付するのも、これにもとづいて摘発・収容するのも、おなじ入管という組織であるからです。

 ともかく、この「収容令書」にもとづいて収容された外国人は、まずは最大60日間、身柄を拘束され、この間に審査を受けることになります*2。審査の結果、在留特別許可がみとめられれば、なんらかの在留資格があたえられ、収容施設を出ることができます。しかし、これがみとめられずに退去強制令書が発付されると、収容の期限は無期限になります*3。「無期限」というのは、原則としては、帰国しないかぎり、収容施設から出ることはできないということです。

 こうして退去強制令書が発付されたひとのほとんどは、自費出国により帰国します。航空機代を用意できないひとは、先に述べたように、しばらく収容施設にとめおかれたうえで、国費送還されます。

 しかし、入管に「帰れ」と言われても、当然ながらそう簡単に「帰国」できるひとばかりではありません。人間の生活というものは、そう簡単なものではありません。あとで述べるように、さまざまに帰国できない事情をかかえ、送還を拒否するひとも出てきます。

 送還拒否者にたいして、入管は身体的・精神的な圧迫をくわえること、つまりは拷問によって、送還に「同意」するようせまります。「拷問」という言葉をわたしが使うのは、まったく誇張ではありません。

 長期にわたる監禁、しかも収容期限がさだまってないので、本人からすると「いつ出られるかわからない」、また「出られるかどうかすらわからない」わけですから、その精神的なストレスは想像を絶するものです。被収容者のなかには、刑務所での服役経験のあるかたもいますが、みなさん口をそろえて言うのは、この期限がきまっていないことのゆえに「入管は刑務所よりつらい」ということです。

 このような状況で監禁されると、例外なく、遅くとも4,5ヶ月で拘禁症状を発症します。高血圧、頭痛、極度の不眠、めまい、生理不順など。持病を悪化させるひとも多いですし、収容施設内で運動時間などにケガをするひともいます。東日本ですと、ほとんどの送還拒否者は、仮放免許可によって出所するまでに9ヶ月10ヶ月以上かかり、2年あるいは3年以上収容されている人もいます。心身が健康でいられるひとは、まずいません。

 しかし、入管は病人・ケガ人に対して、医療ネグレクトをおこないます。医療ネグレクトの事例は、たとえば仮放免者の会ブログの以下の記事などにくわしく紹介されています。


心停止した収容者を放置しつづける東日本入管センター

重病のAさんに仮放免許可/2Bブロックの要求書


 収容施設内には診療室がありますが、そこの医者の診療は、「診療」とは名ばかりのもので、患者の顔すら見ず、問診もほとんどなし、症状や訴えにかかわらずどの患者にもおなじ鎮痛剤・精神安定剤・睡眠薬をだしておしまい、というような実態です。

 施設内の診療では対処できない病人やケガ人にたいしては、外部の医療機関での診療を受けさせることになっていますが、東日本入国管理センターでは、現状、申請書を出しても少なくとも1ヶ月は待たされる、あるいはどんなに本人がうったえても拒否されるという状況です。

 こうした入管の医療ネグレクトは、意図的なものとみるべきです。あきらかに入管は、収容施設の処遇をできるかぎり「改善しない」「劣悪な状態のまま維持する」という方針をもって収容施設を運営しており、その方針を被収容者の健康よりも優先させています。去年わたしが東日本入国管理センターで面会していたあるひとは、施設内で足をケガして、自力で歩くのが困難な状況でしたが、松葉杖を貸すようにと職員に依頼したところ、「保安上の問題がある」との理由で拒否されました。

 東日本入国管理センターでは、最近も、足をねんざした被収容者が車イスの貸与を拒否されたということが、被収容者が外部の協力者を通じて更新しているブログで報告されています。


「あれは特別だから」 - リアルタイムな収容所!


 こうした実態からして、入管の収容施設とは、被収容者の身体・精神に虐待をくわえ、国外追放への「同意」をせまることを目的にした拷問施設と言ってまちがいありません。

 わたしの言っていることが「極論」だと思われるかたもいるでしょうから、そういうかたのためにもうひとつ事例をあげましょう。東日本入国管理センターでは、収容所の窓にシートを貼って、外の景色がまったくみえないよう細工してあります。その日の空模様も木々の様子も見ることができないということが何ヶ月、ひとによっては数年もつづくわけです。被収容者たちは、再三このシートをはがすよう要求してきましたが、センター側は「保安上の支障がある」との理由でこれを拒否しつづけております。入管はなんのためにこんなことをするのでしょうか? 嫌がらせのほかになにか理由が考えられるでしょうか?

 入管収容施設は、個々の職員がみな悪魔のようだということではもちろんありませんが、帰国拒否者にたいし組織的に虐待をくわえることを目的とした事実上の拷問施設であると言えます。こうした施設の性格上、被収容者にたいして「外国人をイジメるのが楽しい」「バカ」などと暴言をはくほどの職員の深刻なモラル低下が生じるのも、ふしぎではありません。


仮放免者の会(PRAJ): 「外国人をイジメるのが楽しい」(入管職員CH115の発言)




4.抵抗には切実な理由がある

 入管がおこなってきた強制送還というのが実際にどういうものなのか、わたしの知りうるかぎりで、できるだけ具体的に説明してきたつもりです。

 拘束具や薬物をつかう方法。拷問施設に長期間監禁して「帰国」に「同意」させる方法。どちらの方法がベターでしょうか? それぞれの方法の「費用と安全」の面でのメリット・デメリットはなんでしょうか? どちらの方法がより人道的でしょうか?

 こうした比較や議論そのものがバカげています。絞殺と薬殺と銃殺のうち、「費用と安全」の面でどの殺し方がベストでしょうか? いちばん人道的な殺し方はどれでしょうか? バカバカしい。

 強制送還の「方法」について比較検討し、あれこれおしゃべりすること自体が、人殺しの方法について検討すること同様、恥ずべきことです。問題とすべきなのは、強制送還そのものについてです。

 どのような「方法」をえらぼうと、またどのような「方法」を考えだそうと、強制送還そのものがきわめて悪質な暴力であることにはかわりありません。だからこそ、飛行機にむりやり乗せられるときに激しく抵抗するひとが出てくるのだし、監禁され拷問をうけても、送還を拒否して仮放免許可で出所しているひとが現在2500人も(先の『毎日』の記事にあるとおり)いるのです。

 強制送還(退去強制令書の執行)をしようとする入管の側からすると、2010年3月のスラジュさん殺害事件以降、航空券を買って、一般の航空便でひとりずつ送還する方法はそのハードルが高くなった。他方で、収容施設に長期間監禁して圧迫をくわえても、拷問にたえて帰国を拒否しつづけるひとがおり、仮放免で出所しているひとは2500人をこえるにいたった。航空機をチャーターすれば、「効率的」な送還が可能だし、この方法での送還がはじまれば、帰国拒否者に自費で出国するよう今まで以上に効果的におどしをかけること(「むりやり飛行機にひっぱっていかれるのがイヤだったら、自費で航空券を買って帰りなさい」というふうに)も可能になる。そういう考えなのだろうと思います。

 ここにあるのは、どうやって送還拒否者の抵抗をくじき、「効率的に」強制送還をおこなうかという計算です。いわば、いかに入管にとって「効率的に」暴力を遂行するかという話であって、送還されるひとがこうむるダメージがより小さくなるわけではありません。パートナーや子どもや親、長年きずいてきた人間関係からひきはがされること。あるいは、国籍国に送還されることで殺害や投獄の危険にさらされるひともいます*4

 こういった人たちには、強制送還に抵抗する切実な理由があるのであって、いかなる方法で送還しようとしたとしても、その抵抗がやむことはないでしょう。収容施設での苛酷な帰国強要によっても入管が送還できないようなひとたちは現にいるわけです。強制送還のどんな方法をあみだそうとも、かれら・かのじょらの抵抗する力を弱めることは、できないでしょう。これは予言です*5

 強制送還がひきおこす抵抗を、強制送還によっておさえつけることはできません。強制送還のひきおこす抵抗をなくすには、強制送還をやめる以外に方法はありません。

 「造反有理」とはよく言ったものです。くりかえしますが、かれら・かのじょらが抵抗するのは、抵抗する理由があり、その抵抗する理由がきわめて切実なものだからです。したがって、強制送還に「効率的な」方法などありません。強制送還をやめることだけが、事態を収拾しうる唯一の手段です。いま手づまりの八方ふさがりにおちいってるのは、ある意味、むしろ入管のほうなのではないでしょうか?

 ならば、入管はもう一刻もはやく強制送還をあきらめたらよいのです。今後も強制送還のハードルがますます高くなることはあっても、低くなることはないでしょう。また、そのハードルをもっと高めるために、強制送還に反対する側がとりうる手段には、さまざまなものがあるはずです。



5.「不法滞在者」とはなにか?

 在留資格のあるなしにかかわらず、外国人にたいする差別発言の定番は「日本がきらいなら(日本に文句があるなら)あなたの国に帰ればいいじゃないか」というものです。入管の職員もおなじことを言います。「あなたのダンナさんは在留資格はあるけど中国人なんだし、いっしょに中国に帰ればいいじゃない」など*6

 こういうふうな口をきくひとに言いたいのは、「軽々しく『帰ればいい』などと言うな!」ということです。「あなたの国に帰ればいい」などとと外国人にむかって言うひとは、日本が「自分の国」であると疑いもせずに信じこんでおり、だから自分が外国人を「自分の国」である日本に「いさせてあげる」か「追い出す」かをきめる権限をもっている、そう考えているのでしょう。思い上がりもはなはだしい。

 差別主義的な偏見をすこしでもぬぐってみるなら、日本人も外国人も、あるいは在留資格のない非正規滞在の外国人も、この社会の住民であることにかわりありません。ある住民がほかの住民に「出て行け」などと命令する特権的な資格などないし、反対に、ある住民が拉致監禁されて国外追放されてよい正当な理由などありません*7

 そのようなことに正当な理由などないからこそ、行政は、ある種の住民を追い出すことがあたかも正当であるかのようなプロパガンダを必要とするのです。日本では、まるで外国籍住民、とりわけ在留資格のない外国籍住民が犯罪者もしくは犯罪者予備軍であるかのような行政によるプロパガンダが、とりわけ2000年代前半あたりから強化されてきました。そうした過程で、(時期ははっきりと特定できてないのですが)さきの『毎日』の記事にも使われている「不法滞在者」ということばが発明され、積極的に使われるようになってきました。

 2003年には、法務省入国管理局・東京入国管理局・東京都・警視庁の4者によって、「首都東京における不法滞在外国人対策の強化に関する共同宣言」なる差別的・排外主義的な宣言が出されるにいたります。


 不法滞在者は、その多くが不法就労活動に従事しているほか、安易に金を得るため犯罪に手を染める者も少なくなく、さらには、暴力団等と結託し、あるいは犯罪グループを形成するなとして、凶悪犯罪に関与する者も増加しているなど、一部不法滞在者の存在が、多発する外国人組織犯罪の温床となっているとの指摘があり、我が国の治安対策上、これら不法滞在者問題の解決が喫緊の課題となっている。


 この法務省入管らによる「共同宣言」は、このように非正規滞在の外国人への差別的偏見をあおって、「不法滞在外国人」にたいする摘発の強化をうたっております。

 80年代後半ないし90年代初頭から非正規に滞在する外国人が口をそれえて証言するのは、かつては警察もオーバーステイについて今よりずっと無頓着だったということです。わたしの知っている非正規滞在のフィリピン人から、つぎのような話を聞いたことがあります。


 おれも昔は交番でおまわりさんに道を聞いたんだよ。「ビザはあるのか?」と聞かれて「オーバーステイです」って言っても、「そうか、犯罪やってないんだろ?」で終わりだった。でも、いつからかきびしくなって、友だちのフィリピン人がみんなつかまって帰らされちゃった。それからは、おまわりさんには気をつけるようになった。


 現在では、警察は職務質問によって組織的に「不法滞在外国人」の摘発をおこなっていますし、入管は入管で摘発を強化しています。

 以前は、非正規滞在の外国人は、いわば安価で「使い捨て」のしやすい「労働力」として、みのがされていたわけです。また、バブル期に来日したひとにかぎらず、非正規滞在の外国人は、たんにかれら・かのじょらの都合だけで日本に来たわけではありません。日本のこの地で長く生活してこられたということは、日本社会がかれら・かのじょらの滞在を要請してきたということ、そこには日本社会にとっての必要性があったということを意味します。フィリピン・中国・イラン・スリランカ・バングラディシュ・パキスタンといった、かれら・かのじょらの出身地がかれら・かのじょらを送り出したというだけでなく、日本の側がかれら・かのじょらの存在を要請し、言うならば引っぱり込んだということでもあるのです。

 そうやって、みずから要請し、引っぱり込んだひとたちにたいして――おそらく2000年ごろに政府の方針転換があったのでしょう――こんどは「不法滞在外国人」のレッテルをはって、追い出しにかかっている。非正規滞在外国人にたいして行政が仕掛けてきたネガティブ・キャンペーンは、ほんとうにひどいものです。

 入管と警察がいかにひどいプロパガンダをやっているかということについては、このブログでも以前ふれたことがあります。


ヘイトスピーチ - やねごんの にっき


 また、ナショナル・メディアの一部も、外国人への差別的偏見をあおり、強制送還を正当化しようとする法務省や入管のプロパガンダに協力し加担してきました。以下は、おそらくは法務省の官僚が『朝日新聞』の記者にリークして書かせたもので、難民認定申請者を犯罪の温床と印象づけようとする、きわめて悪質な差別記事です。


朝日新聞デジタル:難民認定申請中の犯罪相次ぐ 日本滞在できる制度悪用か - 社会


 しかし、法務省や入管は、このように差別的なプロパガンダをおこない、「治安悪化をもたらす不法滞在者」という虚像をつくりだそうとすることでしか、みずからがおこなう強制送還を正当化できないということでもあります。それほどに、法務省と入管がやろうとしていることには正当性がないし、またそのことを法務省と入管自身も知っている、ということです。自分らのやっていることにうしろめたさを感じざるをえないのは、法務省や入管のほうです。

 入管が強制送還しようとしているのは、どういったひとたちなのか? わたしたちがいだいている「不法滞在者」についてのイメージには、行政による差別的プロパガンダが反映していないだろうか?

 こういったことについて、よく知り、またよく考え、おおっぴらに語ること。そうして行政が悪意をもってつくりあげてきた非正規滞在外国人像を一枚一枚はがしていくこと。入管にとっての強制送還のハードルをさらに高くしていく手だてはあるはずです。入管による国費無理やり送還をかならず断念させましょう。




6.さいごに

 さいごに、2011年の3月11日の東日本大震災にあたり、入管や警察の言うところの「不法滞在者」たちがとった行動の一部を紹介しておきます。


P-navi info : 入管収容者からの義援金について感じたこと少し


 一方、震災時に入管がとった行動は以下のようなものです。


被収容者を部屋に閉じこめ鍵をかける!――大地震発生時の入管の対処

*1:東日本入国管理センター、西日本入国管理センター、大村入国管理センター。

*2:審査は場合によって在宅でおこなわれることもあります。

*3:最大60日間という期限つきの「収容令書にもとづく収容」と区別して、この期限のない収容を「退去強制令書にもとづく収容」と呼びます。

*4:難民条約は、以下のように「難民」を定義しています。
「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができない者又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者」
日本は諸外国にくらべて申請者にたいする難民認定率、また難民認定数がいちじるしく低いことがよく知られていますが、上記の「難民」のカテゴリーにおさまらないひとのなかにも、送還によって身の安全をおびやかされるおそれをいだいているひとが多数います。その本人が「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがある」とはかならずしも言えなくても、紛争が常態化している地域に帰ることは危険でしょう。また、ブローカーにだまされるなどして多額の借金をして渡航してきたひともまた、帰国することで危険にさらされる場合があります。

*5:この表現は、敗北感と無力感にうちのめされた2001年の柄谷行人のことば、「これは予言ではない」の批判的・否定的な借用です。

*6:これは私の友人のオーバーステイのひとが入国警備官から実際に受けた発言です。

*7:「正当な理由がある」と言えるのは、軍事力を背景にいすわる侵略者・植民者に「出て行け」と要求するといった場合のみです。

lever_buildinglever_building 2012/12/27 12:55 民族差別・人種差別にもとづくコメントがありましたので(2012/12/26 13:47)、コメントを削除しました。とりあえず、IPアドレスもさらしておきます。114.22.161.172