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LONG HARD ROAD このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-11-18

[][]観た映画(2016年7〜9月公開) 22:11 観た映画(2016年7〜9月公開)を含むブックマーク 観た映画(2016年7〜9月公開)のブックマークコメント


インデペンデンス・デイ:リサージェンス

 「バカっぽさ」と「燃え」が前作の肝だったのに、今回は人間側もエイリアン側も致命的なバカに成り下がりビックリするほど燃えないドラマを展開。やりすぎ感たっぷりの超巨大円盤の割に、被害規模やミッション難易度はスケールダウンしてて呆れる。


『シング・ストリート 未来へのうた』

 音楽映画の申し子ジョン・カーニー監督が贈る80年代青春ドラマ。ニューロマンティック全盛の時代に、素人バンドがその影響を受けながら成長していく感じを伝えるオリジナル楽曲群がとにかく粒ぞろい。映像もあの時代の再現度が高いし、不遇な少年少女達の理想と現実のギャップが巧く表現されてて楽しい。無名俳優ばかりだけどバンドメンバーの好感度はマックスで指南役の兄貴も良かった。


『ロスト・バケーション』

 浅瀬の小さな岩礁で展開するソリッドシチュエーションな低予算サメ映画。無意味なヌードやくだらないギャグを排除し、矢継ぎ早にイベントをぶち込んで緊張感を維持し続けるストイックさに脱帽する。オチが強引だったりはするけど。カモメがとてもいい味を出してて素敵。それと、テキサスに海があることを学んだ。


シン・ゴジラ

 ハイテンポで字幕情報だらけの実に庵野監督らしい作品なので特撮マニア層が熱狂するのは当然だが、東日本大震災という共通体験投影した暴れぶりに、あの時よりはちょっと頼もしい政府関係者が底力を発揮する構成で一般向けのカタルシスを生むとは。あの記憶が薄れてしまえば解けてしまう魔法だけど、本当スゴイものを観た。なお、浮きっぷりが物議を醸す石原さとみだが、個人的にはスピンオフが観たいぐらい好きなキャラだ。


ゴーストバスターズ』(2016版)

 残念ながらギャグがツボに嵌まらず。ワンタンのくだりとか謎過ぎる。『サタデー・ナイト・ライブ』とかに詳しい人は解るのかな?あと、美味しい所が金髪と受付に片寄ってて他のキャラが妙に薄いのが不満。オリジナルを知らなくても楽しめるのはグッド。


君の名は。

 ぶっちゃけ前半が『転校生』で後半は『時かけ』だし、記憶が消えて文字情報でやり取りって設定が途中で破棄され、スマホ時代にゃ不自然なご都合主義もかなり目立つんだけど、郷愁と男女のすれ違いがお家芸新海誠監督らしい青春映画に仕上がってて面白かった。最後は電車内で互いに気づいて走り出す辺りで切ってくれた方が好みだけども。


『後妻業の女』

 連続不審死を題材にした、大竹しのぶ無双ピカレスク・コメディ。旦那殺しまくって罪悪感の欠片もない女って役柄なのに物凄く痛快に魅せちゃうのは流石の一言。抱腹絶倒とはいかないが軽妙でブラックな笑いのバランスも良かった。ただ、笑福亭鶴瓶の挿話が中途半端だったり、物語の着地点がぼやけ気味なのが残念。


『セルフレス/覚醒した記憶』

 デザイナー石岡瑛子さんが亡くなった為「選ぶ題材が変わった」らしいターセム監督だが、まさか幻想的映像が鳴りを潜めたB級アクションになるとは。まあ、話はド直球だけど美しい画は健在で一安心。問題は、ライアン・レイノルズが『デッドプール』でも似た設定をやってて、そっちのイメージが強過ぎ。中身がベン・キングスレーには見えない。


スーサイド・スクワッド

 マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインは最高だが、それ以外はこれじゃない感が満載。全体にクドいし編集が下手すぎる。予告のノリは素晴らしかったし、垣間見えるジョーカーとハーレイの馴れ初めは単独映画で成り立つ魅力を放ってるのに。


『怒り』

 本当に気持ちを開いているのか掴みきれない3人の男と、人を信じる難しさに揺れる周囲の人々。人物像の説得力が重要な作品であり、超豪華俳優陣は伊達じゃ無く、見応えがあった。特に妻夫木聡×綾野剛による同性愛描写のインパクトは強烈。不満は偏見の助長に近い形で在日米軍を絡めたこと。


ハドソン川の奇跡

 トラブル発生から着水まで僅か3分・救助完了まででも30分弱で誰もが顛末を知ってるという難儀なネタなのに、事故そのものは淡々と描きつつ緊迫感ある映画にしてしまうイーストウッド監督の手腕に感服。疑惑の機長として糾弾される法廷劇をクライマックスに置く構成が見事だった。ただ、事故調査委がこんな低レベルなわけないとは思う。

2017-08-18

[][]観た映画(2016年4〜6月公開) 21:37 観た映画(2016年4〜6月公開)を含むブックマーク 観た映画(2016年4〜6月公開)のブックマークコメント

『ルーム』

 着眼点が面白くキャスティングも完璧。実際オスカーでは主演女優賞を獲ったわけだけど、それなら子役の方も受賞させるべきだと思った。監禁部屋が世界の全てな前半と、外界を知り惑い適応していく後半の少年を実に自然に演じて、この映画のコンセプトを成立させている。子供感覚のサイズ感を再現するカメラワークも見事。


ボーダーライン

 えぐい死体がわんさかな麻薬カルテルに挑む女捜査官物を想定してたが全然違って戦争物に近かった。緊迫感が半端ない。ただ、主人公が蚊帳の外のまま任務が進む構成には戸惑った。国境線メキシコ側は本当に首無し全裸死体とか吊った無法地帯なんだろか?


『スポットライト 世紀のスクープ』

 カトリック教会による少年性的虐待事件の隠蔽が題材だが、信仰に疎い日本人としてはスキャンダルのインパクトが本質的にちょっと解らない。けど、極力バイオレンスやサスペンスな描写を抑え、淡々と取材と会議が繰り返される地味な話で退屈させないのは偉い。


レヴェナント:蘇えりし者

 とにかく超広角レンズで撮ったマジックアワー大自然映像が凄い。凍土を匍匐前進しノースタントで水落ち崖落ち、生肉囓りや動物解体まで体を張ったレオ様も偉い。特に熊にボコボコにされるシーンは圧倒される。でも、驚異的すぎる回復力は実際にあった話が元ネタなだけに微妙。結末も感動的とは言い難い。


アイアムアヒーロー

 日本の予算規模で、ここまでスケール感のあるパニックホラーが撮れるんだと感心しきり。話自体は非常にフォーマットに則ったものなんだけど随所で日本化されてて新鮮だし、感染者の造形も珍しいぐらいに怖い。よくR-15で済んだと思う人体破壊描写もたっぷり。搭乗者瀕死レベルのクラッシュは余計だが、日本じゃ規制で難しい公道カーアクションまである。特に大泉洋覚悟完了から猟銃無双シークエンスは圧巻。


ズートピア

 「差別と偏見」がテーマの作品は数あれど、簡単にはいかない事をここまで前面に押し出すのは珍しい。被害者にも加害者にも成り得たり善意不寛容を生んだり、とかく単純化できないナーバスな問題をキッズに楽しく教えてくれるディズニー恐るべし。しかも『ブレイキング・バッド』な羊とか、大人専用ネタも挟みながら。普通にバディ刑事モノとしても小粋だし、伏線がきっちり回収される様も気持ちいい。続編を期待。


テラフォーマーズ

 無理な企画も断らないと定評の三池崇史監督がアクション期待薄なキャストと予算なりのCGを駆使したビジネスライクな作品。原作でもあんなキャラなのか小栗旬が頑張り過ぎてるのか超気になる。だが悪ノリはその程度で、それなりに纏まってて逆に面白くない。


ちはやふる -下の句-』

 面白いが前編からはやや落ちの出来栄え。新キャラの松岡茉優はちゃんと孤高な設定を体現してるから、これは脚本の問題。過去の因縁も無く色恋沙汰にも団体戦にも関係ないクイーンをラスボスにする流れに無理があり過ぎる。とは言えクライマックスは充分に盛り上がる。ここに伝統のデータや吹奏楽部問題を絡めて欲しかったけれども。


シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

 折角『アベンジャーズ2』の最後で整理したのに、また超人が増えてる。けど、それぞれの立場やキャラが明示されるのでアクションは見やすかった。お話は「米国単独か、国連主導か」みたいな対立なのだが、紛争解決の負の側面に正面から向き合い安易な和解に逃げずに上手く纏めてた。しかし、回を重ねるごとに色々ストレスを背負い込むアイアンマンが不憫過ぎる。


『64-ロクヨン-前編』

 演技上手い人わんさかだが群像劇じゃなくて佐藤浩市がほぼ出ずっぱりなのが意外だった。時効間近なロクヨン事件の過去と現在、県警キャリア組と刑事部の軋轢、広報室と記者クラブとの丁々発止、主人公の家庭の問題と、複雑な同時進行が興味を誘い退屈はしなかった。これが全部前フリだとは・・・。


『殿、利息でござる!』

 元ネタが住職の遺した伝記だから、本格時代劇で忠実に描くと極めて道徳的な美談になったと思うが、敢えてコメディ・タッチを用いたことが功を奏し、程良い人情話になっている。展開の妙も見事。話題の羽生結弦は意外に台詞が多かったが無難にこなし、颯爽とおいしい所を持って行った。コイツが財政難の元凶なのに。


世界から猫が消えたなら

 映画好きで猫好きとしては色々とダメージ大な設定でしんみりだが、そういった補正を抜けば法則性の無い妄想ファンタジーに過ぎない。全体に色々とフォローが足りず構成がイマイチ。特にアルゼンチンのシーンは邪魔。でも、濱田岳絡みのエピは好きだ。


『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』

 顔を出せなくとも肉体美と変態的動作で作品を成立させる鈴木亮平の頑張りには頭が下がる。けど、漫画と違い生々しくて生理的嫌悪感が勝るのが困る。今回はPG-12を外れてるが天狗の面とかギリギリ過ぎ。『スパイダーマン』ネタに詳しくない事もあり時々眠かったが、無駄に格好いいアクションとバカバカしい笑いも結構あった。


ヒメアノ〜ル

 年間ベスト等での高評価を受けて内容もキャストも全く知らずに観賞。濱田岳ムロツヨシダメ人間コメディにゲラゲラ笑ってたら、遅めのタイトルが来て主演がV6の人と判り当惑。しかも、そこからトーンがガラッと変わって非常にバイオレントなサスペンスに。とにかく森田剛がヤバイ。笑いと併走しつつの凶悪描写でとことん嫌な気持ちに落としてくる監督のセンスも凄いと思って調べたら『さんかく』を撮った人で、これは納得。


デッドプール

 言葉は下品で戦闘は血みどろバイオレンス、マスクに妙な愛嬌があり、ちょいちょい観客に語りかけたりのおふざけも超楽しい。けど、『X-MEN』シリーズの知識に疎い&米国ポップカルチャーの細かいギャグが謎な為イマイチ乗り切れず。もっとハチャメチャなのかと思ったら意外に真面目なドラマだったし。


サウスポー

 親権絡み家族愛でどん底から這い上がる、いかにも米国なボクシング映画。前年『ナイトクローラー』でゲスなサイコ野郎を演じてたジェイク・ギレンホール肉体改造で別人になってて見事。ドラマ的には「そこ、さらっと流しちゃうの?」なエピソードが多く小さくまとまった感あるが、王道サクセスはやっぱ燃える。


『シークレット・アイズ』

 豪華キャストのハリウッド・リメイク。元ネタの『瞳の奥の秘密』は未見。捜査側も隠蔽側も容疑者の行動も揃って強引過ぎる事にたびたび呆れつつも、事件自体は予想外の方向に収束し地味に面白かった。ただ、中途半端な恋愛要素が邪魔臭い。


『64-ロクヨン-後編』

 前編を盛り上げすぎた弊害が目立つ。主軸となる誘拐事件が稚拙すぎて前編要素を背負いきれない。特に、主人公を広報官に据えて本筋と全く絡まないマスコミとのゴタゴタに時間を割いた意図が不明。「犯人を昭和に戻す」と更に掛け金を上積みするが、見合うクライマックスもカタルシスも無かった。


『二ツ星の料理人』

 批評家の影に不安定なメンタルを露呈し独裁完璧主義厨房を混沌化させるシェフが、やがて仲間を信じて平常心で望むという王道物なのだが、複雑な過去の因縁や新旧調理法問題を中途半端に盛り込み過ぎ。『七人の侍』を期待させて個々の見せ場が無いのも残念。


エクス・マキナ

 アンドロイドエヴァのデザインとキャラが秀逸。これはカルト的に盛り上がるのも肯ける。話も近未来SFサスペンスで面白かった。なんか名言の引用やら意味ありげで哲学的な会話やらは村上春樹を思わせるし、目の保養も結構ある。ただ、山奥の別荘でIT社長が独りで製作って設定と、その社長の意表を突くダンスシーンが底抜けにバカっぽい。


10 クローバーフィールド・レーン

 ネタバレが過ぎる日本の宣伝は勿論、わざわざ『クローバーフィールド』の看板を持ってきた制作陣も間違ってると思う。何の情報も無しに監禁モノの密室サスペンスとして観た方が絶対に面白いよ、これは。『ミステリーゾーン』的なオチにアレルギー起こす観客が多いだろうとも。


帰ってきたヒトラー

 風刺コメディかと思ったら意外に社会派だった。日本の現状と被る点も多く興味深い。ドイツヒトラーってもっとタブー視されてると思ってたけど、総統コスプレドキュメンタリー的に撮るのも有りなら彼の主張にも一理あるみたいな内容も許容されてて驚く。無茶な移民受入や格差問題に喘ぐ国民の不満が背景にあるにしても過激な映画だ。


クリーピー 偽りの隣人』

 話自体は途方も無く粗だらけなんだが、ミスリードする気のない副題から察するに其処を丁寧にやる気は全くないんだろうな。誰も彼もがなんだか危うい人な演出が生み出す妙な緊張感と、それを超越して完全に笑わせに来てる香川照之の図抜けたサイコっぷりが全て。それでいて怖さ全開なんだから恐れ入る。


『日本で一番悪い奴ら』

 スコセッシ監督を思わせるコミカルでエロくてヤクザな実録警官汚職物。しかも古き良き東映チック。ノルマ達成のために銃を買い漁る警察の本末転倒ぶりには目眩を覚えるが、チンピラたちの清々しいバカっぷりと疾走感が心地よい。ただ、ピエール瀧の出番が意外に少なくて残念。そして脱げる女優さんがあと何人か欲しかった。

2017-05-07

[][]観た映画(2016年1〜3月公開) 23:44 観た映画(2016年1〜3月公開)を含むブックマーク 観た映画(2016年1〜3月公開)のブックマークコメント

ブリッジ・オブ・スパイ

 ソ連のスパイの助命と後の捕虜交換に尽力した弁護士アメリカ歴史秘話。脚本はコーエン兄弟だがコメディ色は薄く、スピルバーグ監督の人権尊重な姿勢が強いサスペンス。流石の完成度に唸らされる。ハードボイルドな主人公もいいし、速成されるベルリンの壁とか、当時のソ連東ドイツの微妙な関係とか、色々と興味深かった。


イット・フォローズ

 不幸の手紙形式の呪いに物理攻撃で対抗ってのが斬新な全米大ヒットのホラー。姿を変え憑いてくる設定のおかげで緊張感は半端ないんだけども、噂ほど怖くは感じなかった。薄気味悪く、なにかの暗喩や象徴らしきものが多々あるが、結局なんだかよくわからない。


白鯨との闘い』

 小説『白鯨』の元になった実話の映画化って事なのだが、予想ほど鯨とのバトルに時間を割かないというか、ぶっちゃけ一方的に蹂躙される展開で驚いた。けど白鯨描写はド迫力で劇場で観なかったことを後悔。たぶん実際より美談にしてるんだろうけど、対立から極限状況を経て友情を描く人間ドラマもちょっとビターなところが好き。


ザ・ウォーク

 今は亡きNYのツインタワーでゲリラ綱渡りという実話の映画化。3D映画としての意味が凄くある作品で、ロバート・ゼメキスのCG技術に惜しみない拍手を贈る。映像がスリリングなのは勿論なのだが、決行までのドラマ部分もテンポ良く、傲慢な主人公なのに不快感は薄目。劇伴ジャズなので『ルパン三世』気分で楽しんだ。最後の切なさも良い。


サウルの息子

 ホロコーストが題材だからキツイ映画だろうと覚悟して観たものの、想像以上に息苦しくて困った。物凄くテクニカルな撮影で観客の視線をコントロールし地獄の労役を疑似体験させるのが凄い。ただ、ユダヤ教の埋葬の意味合いを理解してない事もあり、主人公の傍迷惑な一連の行動が謎だった。


ブラック・スキャンダル

 この組織をモデルに『ディパーテッド』が作られてる事もあり、新鮮味の無い展開でイマイチ盛り上がらない。いつキレるかわからない禿げ親父を熱演したジョニー・デップには悪いけど。序盤の会話でさらっと流されるアルカトラズでのLSD実験の話の方が気になった。あと、裏社会の首領にしては質素に暮らしてた理由も知りたい。


オデッセイ

 専門知識だらけでしっかり理解するのは大変なのだが、ざっくり観ても話は面白い。練られた科学考証による地道な生存努力と、ダイナミックでパワフルな無理筋展開が平然と混在してても何故か許せてしまう。火星でひとりぼっちのサバイバルな話なのに70年代ディスコヒットでノリノリになる不思議な作品。惜しむらくは内容とシンクロしてるらしい歌詞に字幕がついてない。


キャロル

 中年マダムに一目惚れな若い娘の感性も理解不能だし、当時のアメリカにおける同性愛禁忌の度合いも量りかねるが、とにかく画が格好良い。作り込まれた50年代風の映像に、あらゆる仕草が男前なケイト・ブランシェットが映える。ルーニー・マーラも五割増しで可愛い。二人の視線に釘付けだった。


スティーブ・ジョブズ

 ジョブズの栄光と挫折の繰り返しな人生については色々と既知なので、「ダニー・ボイル監督だから一応」程度の観賞だったのだが、全然想像と違う切り口で面白かった。彼の突き抜け過ぎた先見性と残念で失礼なお人柄を、Mac・NeXT・iMacの新製品発表会直前の口論だけで見事に伝える構成が斬新。ただ、終着点がもの凄く嘘っぽい。


『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』

 「現代版ドラマのキャストでヴィクトリア時代ホームズを」という外伝作と思いきや、がっつりシーズン3の続きだった。よってシリーズ入門者は先に観ちゃ駄目。ファンとしては楽しいお遊びが豊富だが、ミステリー自体にはモヤモヤ感が強い。


『ザ・ブリザード』

 救命艇パートの臨場感はアトラクションとして楽しいし、真っ二つに折れたタンカーの壊れっぷりとクルー達の必死の対応も燃えるんだが、うざいヒロインの退屈な陸パートがかなりの部分を占めるのが・・・。羅針盤ロストも定員云々も奇蹟で済まされるのが腑に落ちないが、実話なんだから仕方ないと自分に言い聞かせる。


ヘイトフル・エイト

 安定のタランティーノ節な西部劇で陰惨かつ悪趣味だが面白い。今回は密室ミステリーって触れ込みなので、いつもの退屈で長い無駄話っぽい所も緊張を強いられ超疲れるのだが、最終的にはその部分の役者さんの細かい演技をもう一度確認したくなる映画だった。ミステリーって宣伝は嘘で推理は成り立たないけど。


マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』

 高齢キャストの再集結だけでも嬉しいし、それぞれのイケてる老後にハッピー気分の手堅い続編。けど、前作が綺麗に纏まってた故に蛇足感は否めない。今回加わるリチャード・ギアのお話が薄っぺらいのも気になる。煩わしさパワーアップインドの若造だが、パワフルなダンスは一見の価値あり。


セーラー服と機関銃 -卒業-』

 往年の角川映画ファン的には薬師丸版の相米慎二監督を強く意識した作風や長谷川博己の怪演など楽しめる部分もある。謎演出や超展開含めて。けど、ただでさえ小柄な橋本環奈にサイズ感のおかしな服着せて引きで撮っちゃ、お子ちゃまにしか見えない。


エヴェレスト 神々の山嶺

 阿部寛はじめ多くは実在の登山家がモチーフなので問題ないが、創作キャラっぽい岡田准一尾野真千子の造形が酷く行動原理がさっぱり。設定上は『エベレスト3D』より数段ハードな山行の筈なのに、さほど辛そうに見えないのは演出の差か予算の差か。


ちはやふる -上の句-』

 とにかく若手役者が粒ぞろい。キャラ立ちから体技に至るまで、しっかりとした演出が素晴らしい。脚本も百人一首とストーリーをシンクロさせたり、わかりやすく面白く競技かるたの世界を伝える。特にメインが野村周平の成長物語なのが驚き。原作は知らんが、集客でも役作りでも圧倒的に頑張ってる広瀬すずを敢えて中心に置かない構成は勇気が要ると思う。前編のみできっちり話が成り立つのも偉い。


僕だけがいない街

 出来の悪い『バタフライ・エフェクト』。歴史改変型のタイムリープ物は整合性が命なのに、終盤の展開は全く辻褄が合わない。犠牲者も殆ど減ってない。挙げ句に、最後の対決に母親も有村架純も蚊帳の外。途中までは面白く、子役の演技も素晴らしかったのに。

2017-01-01

[]HappyNewYear2017 13:55 HappyNewYear2017を含むブックマーク HappyNewYear2017のブックマークコメント

 『君の名は』の劇場鑑賞をサクッとスルーするような映画ファンの風上にも置けない私ですが、今年も映画を観ることを生きがいにゆるゆる暮らしていく所存であります。

 本年もよろしくお願いいたします。

2016-12-30

[][]観た映画(2015年10〜12月公開) 00:13 観た映画(2015年10〜12月公開)を含むブックマーク 観た映画(2015年10〜12月公開)のブックマークコメント

 今年もぎりぎりで要チェックと思った昨年公開映画を見終える。今回は13作と少な目。


バクマン。

 原作全然知らないけど、たぶん設定をかなり削って展開を物凄く速くしてて、少年ジャンプ漫画家青春譜が綺麗に纏まってる。クオリティの高い原稿にCGバトルの演出や凝ったエンドクレジットも素晴らしい。ヒロインの絵もそっくりで、作者サイドの全面協力に頭が下がる。漫画製作におけるツッコミ所の多さもこの作品では逆に魅力。


『パパが遺した物語』

 先ず、邦題ネタバレする配給会社は許しがたい。あと、父親の小説がトラウマ克服に繋がるっぽいミスリードな予告編も非道い。子役の可愛いさと挿入歌『Close To You』の力で感動的な雰囲気を醸すけど、それよりもメンヘラ女が「愛する人を失う恐怖」と向き合うネガティブなお話のストレスが勝る。


ピッチ・パーフェクト2』

 世界的に大ヒットしたのは本作の方なのだが、恋もチームワークも王道パターンはほぼ前作でやり尽くした感があり、退屈はしないがドラマ的にはあまり盛り上がらない。ギャグも冒頭の一発は強烈だけど次第に尻すぼみとなる。だけど、歌パートのパフォーマンスは文句なしの見応え。


マイ・インターン

 アラサーの敏腕女社長に降って湧いた七十歳の部下って設定はあまり活かされないが、仕事に家庭に色々と悩む女性を適切な助言で老紳士が優しく支えるデトックス系コメディとしては良い雰囲気。その健全で誠実なジジイがよりによってデ・ニーロってのも笑える。アン・ハサウェイの色々なファッションも楽しい。


ギャラクシー街道

 長年培われてきた三谷幸喜ブランドの信頼を大きく損なう事故物件。一般ウケ不可能な古典SFネタも結構あるが知ってても笑えない。えっと、『真田丸』は面白かったです。


『エベレスト 3D』

 過去に映画化もされた有名な大量遭難事故なので、3D映像でも強調しなきゃ売りが無いのは解るが、3Dが後半の荒天描写には役立たずで金返せ感は強い。ガイド&参加者のスキル不足や梯子渋滞など商業登山の弊害はよく整理されてる。取って付けたような奇跡的救助は実話だから仕方ない。


グラスホッパー

 融合しない二つの物語。ミスリード一切無しの演出。やたら挟まれ緊張感を削ぐ回想。最後に明かされる無理筋の真実。クライマックスで主人公と全く接点のない殺し屋二人がバトルを繰り広げるのも斬新すぎる。


コードネーム U.N.C.L.E.

 海外ドラマ0011ナポレオン・ソロ』は題名ぐらいしか知らないのにとても懐かしい気分にさせられた。お洒落な絵面にチープなスパイアクションにユーモアのセンスも間違いなく60年代アメリカTVのテイスト。バディ・ムービーとして地味に面白くヒロインも可愛い。続編を期待してるが世界的に大コケだったみたいで・・・。


『ムーン・ウォーカーズ』

 「これを何故フランスベルギー合作で?」と思ったけど、月面着陸映像捏造説を広めたのは仏のTVの四月馬鹿だったっけ。コメディとしてはハズレだったけども、キューブリック関連の小ネタや当時のヒッピー文化的雰囲気の再現は良い感じだった。


007 スペクター

 ダニエル・クレイグ版3作と話が繋がりまくりでそんなの覚えてない状態だったが、ドラマなんか無視してもOKな作品であり、やってることが凄すぎるアクションとか出番多めのボンドガールとか過去作オマージュとか愉快な見所は多かった。けど、ハード路線から急にバカっぽくなる砂漠のアジト以降の失速が酷くて、残念な印象が勝る。


杉原千畝 スギハラチウネ』

 あまり知らない東洋のシンドラーの業績を改めて学ぶには便利だった。淡々と真面目に人権博愛な伝記映画かと思ったら意外にスパイ映画風味あり。けど、悲しいかな邦画の予算規模。見た目が洋画っぽいだけに映像のチープさは強調される。脚本もエピソードの羅列が酷くスリルとサスペンスが盛り上がらない。


スター・ウォーズ/フォースの覚醒

 これ程までに徹底してエピソード4の焼き直しで攻めるとは予想外だったが、只の懐古趣味では無く新しい世代でも存分に楽しめる作りになってる。新主人公たちがそれぞれに魅惑的だし、CGに頼り過ぎない造形もグッド。ぶっちゃけ中身はたいして無い話だが、それで強烈にうるさいマニア達を黙らせる監督の力技に驚かされる。唯一20世紀フォックスのファンファーレが無いのが悔やまれる。


『クリード チャンプを継ぐ男』

 アポロの隠し子をロッキーが鍛えるという胸熱スピンオフ。前回でシリーズが綺麗に終わり快哉を叫んだオールドファンの心残り、『ロッキー5』とかいう一点の曇りは本作で見事に払拭された。観たいモノをちゃんと盛り込んだベタな感涙ドラマが嬉しいし、今風な黒人映画のテイストを加味し焼き直しの印象を与えないのも偉い。


 結局、年間で洋画37作、邦画24作のトータル61作を観賞。去年とほぼ同じ実績だった。