Hatena::ブログ(Diary)

ドイツから学ぼう

2017-01-16

(312)世界の官僚奉仕を求めて第21回自然エネルギーが創る富の蓄積のない社会(3)それでもエネルギー転換は進む(私の見た動画14『メルケルの新年決意挨拶』)



上の動画で大晦日の夜にメルケル首相ドイツ市民に呼びかけたように、2016年はドイツにとっても厳しい試練の年でした。
世界のテロ、難民地球温暖化、核拡散などの問題に対して益々出口が見えなくなるなかで、EUを代表するフランスオランダオーストリアなどでも極右政党がの民主政権を脅かすまでに益々拡大して行きました。
しかも昨年末のアメリカ中心主義を掲げるトランプ政権誕生は、世界の各地に拡がるナチズム復活の動きに暗い予感をオーバーラップして行きます。
そのような暗い予感に世界が覆われるなかで、昨年2016年にくっきりと見えてきた光がありました。

それこそが化石燃料エネルギー社会(ナチズムを復活させる旧世界)から自然エネルギー(人類を至福に導く新世界)への転換であり、ドイツエネルギー転換がどのように疑問符を付けられようと、現実にエネルギー転換の世界波及は加速し、最早止められません。

例えば昨年6月国際再生エネルギー機関IRENAの公表した報告書は、表1(Table ES 1)に2015年と2025年(予測)の太陽光風力発電のグローバル平均コストLCOE)を載せてており、太陽光では1キロワット時のコストは13セントから6セントへ大幅に下がり、風力発電も7セントから5セントへ下がることを明示していました(LCOEコストとは、建設から運営廃止に至る全コストを生涯発電量で割った国際的に使用されているコストであり、日本では均等化発電コストと呼ばれています。当然のことながら税金や送電、配電にかかる費用は含まれていません)。
このような驚くべき急速な電力製造コスト低下が世界に拡がるなかで、世界をリードするグーグルアップルからコカコーラやGMに至る世界のトップ企業は(欧米、中国インドの80社以上)、自らの企業で使用する電力を自社製造の自然エネルギー100%にする「RE100グローバル・イニシアチブ」参加しています。(日本は原発石炭火力推進を目指す官僚支配が強いためか1社も参加していません)。
特にグーグルに至っては、昨年末に今年自然エネルギー100%実現を世界に大きく報道し、最早化石燃料エネルギー産業社会の利権構造による妨害がどのように強くとも、自然エネルギーへのエネルギー転換が必至であることを確信させました。

今年は更に時代の転換が鮮明になる年であり、私自身も70歳に達することからより熟慮し、前向きにゆとりを持って日々取り組むためにブログを隔週にします。

2016-12-20

(311)世界の官僚奉仕を求めて第20回自然エネルギーが創る富の蓄積のない社会(2)新世界到来を阻止するナチズム再来(私の見た動画13『ZDFが検証したAfD(ドイツのための選択肢)』



上の動画『ZDFが検証したAfD(ドイツのための選択肢)』では、地球温暖化エネルギー転換に対するAfD綱領を検証し、「気候変動はIPCCの仮説である」、「最近では温度上昇は起きていない」、「二酸化炭素のポジティブな効果が無視されており、植物の成長を促進する」というAfDの考えが全く間違ったものであることを、物理学者で哲学者でもあるハラルト・レッシュを通して科学的に立証しています。
そして今ドイツ、そして世界で起ころうとしていることに対して、カントを持ち出して、自ら理性を使って抜け出せと、国民一人ひとりに呼びかけています。

右派政党AfDはギリシャ金融危機支援批判で誕生し、シリア難民ヨーロッパへの大量移民を通して極右勢力拡大の波に乗り、首都ベルリンでも急伸しています。
もっともAfd綱領では極右的活動には一線を引き、民主主義政治の下に英国同様な自由競争による欧州連合を唱えています。
しかしEU共通通貨を廃止し、現在の各国独自の立法権限を認めないEUを解体することを求めることでは欧州極右勢力の考えと大差なく、難民の移民に対しては激しく反対しています。
このような世界の極右への傾斜は、アメリカのトランプ大統領を含めて、新自由主義が招いた格差拡大によって、そのしわ寄せが世界の市民に重く課せられて行くからと言えるでしょう。
それは広い視点から眺めれば、これまで絶えず発展を続けてきた化石燃料の産業社会が最早限界に達しているからに他なりません。
それ故滅びゆく化石燃料エネルギーの旧世界はナチズム国家社会主義)を復活させ、独裁支配によって自然エネルギー新世界到来を阻止しようとしていると言っても過言ではありません。
私自身このドイツの公共放送ZDFの動画を見るとき、それを強く感ぜずにはいられません。
私たちは、そして私たちのメディアも自ら理性(悟性)を働かせ、現在の理性が機能しない未熟状態を抜け出さなくてはならないと、2016年の終わりに切に思います。

*今回で今年のブログは最後として、また1月中旬から再開する予定です。

2016-12-11

(310)世界の官僚奉仕を求めて第20回自然エネルギーが創る富の蓄積のない社会(1)1万年以上持続した縄文文明から学ぶもの(私の見た動画12)



現在の日本社会は負債が止めどなく膨れ上がり、破綻の危機が迫り来るだけでなく、世界も気候変動阻止のリオ決議や京都議定書にもかかわらず二酸化炭素排出量を益々増大させ、また核不拡散決議にもかかわらず実質的核保有国を増大させ、終末戦争が迫って来ているように思えます。
しかも庇護を求める人々の救済を掲げるEU諸国でさえ、シリア難民の増大を切っ掛けとして極右国家社会主義)が台頭し、さらには
これまで表向き世界平和と民主化を掲げるアメリカも、トランプ政権を誕生させ自国最優先を明言しています。
このような現在の世界は、20世紀はじめ先進国国民国家を解体して「帝国主義の時代」に突入したように帝国主義の復活であり、すべてにおいて最早規模的にも限度を超えていることから、人類絶滅の危機といっても過言ではありません。
このような危機の根源は農耕文明に発する富の蓄積する社会にあり、その富を力で奪う人間の渇望にあると言えるでしょう。
これまで富の蓄積がない狩猟採集文明は貧しく原始的な暮らしに明け暮れていると考えられてきましたが、上の動画で見る三内丸山の縄文人は栗園栽培で定住し、縄文ポシェットや翡翠などの装飾品に見られるように文化的にも豊かな暮らしをしていたことが明らかになって来ています。
そこでは所有欲や競争心が抑制され、自ずと平等な分かち合いがなされていたことが検証されています。
すなわち富の蓄積されない社会では力による支配を必要としないことから、1万年以上も持続可能な縄文文明が築かれたと言えるでしょう。
そして今化石燃料産業社会が終焉に向かって疾走するなかで、かつて2000年頃私が訪れたことのある農業しか生業のない貧しい北ドイツの過疎の村々は、下のデータに見るように電力自給を成し遂げるだけでなく、数十倍の電力を生み出し、富の蓄積を必要としない未来社会を垣間見せてくれます。

(2015年8月24日現在のDSGドイツ太陽光協同組合資料による)
Vollstedt村(人口167人)電力生産7693%(年間村内消費電力1235メガワット時、生産電力95071メガワット時〈太陽光371、風力91227、ビオマス3472〉)
Ellhöft村(135人)4934%
Sprake Büll村(218人)4866%
Almdorf村(535人)4812%
Joldelund村(745人)4120%
Galmsbüll村(663人)3765%
Bosbüll村(208人)3448%
Horstedt bei Husum村(741人)2999%

2016-12-05

(309)世界の官僚奉仕を求めて第19回官僚奉仕の切札は太陽(14)官僚支配モンスター克服への途 後編(私の見た動画11『市民としての官僚や裁判官たち』)



上の動画を見ればドイツの戦後は戦前の官僚支配を封印し、国民のための官僚奉仕に徹し、官僚や裁判官たち自らも市民としての行動の自由を求めて来たことがわかるでしょう。
動画前半では、2009年ドイツメルケル政権が原発運転期間延長を求めた時、政治家の安全で電力料金が安くなるという主張に対して、原発に責任ある官僚たちは自ら公共放送ZDFに出演し、危険であり基本法に違反し、過去の検証から電力料金が安くならないことを明言しています。
動画後半冒頭では(ドイツ最高裁判所長官の解説を通して)、ナチズム国家社会主義)を容認した反省から司法行政から完全に独立させ、(ナチズムの再来を二度と許さないために)改正できない基本法基本的人権言論の自由と人間の尊厳)を違憲立法審査権行使で厳守し、市民のサービス機関として市民に開かれて機能している裁判所が語られます。
そしてクラマー裁判官が語るように、60年代に始まった民主化の運動が80年代になると司法の封建的で権威的構造を打ち破り、裁判官たちが自ら政治的発言の制限を克服して行きました。
それは映像で見るように、裁判官たちの市民としての自由な意思表示であり、裁判所を市民のサービス機関とするだけでなく、裁判官との交流対話を通して市民に開放することでした。
そのようなドイツ官僚や裁判官の市民性は私自身も体験したことであり、妙高の自宅にも泊まったことのある農業省の官僚Uさんに(ドイツの環境農業補償政策の取材やシェーナウの市民電力会社訪問でお世話になり、彼が能をはじめとして日本の古典文化に関心が高いことから私的交流へと発展しました)、それを強く感じました。
そしてそのような官僚や裁判官の市民性創出こそが、再び戦争へと導く大本営を構築し始めた日本の官僚支配モンスター克服への途にほかなりません。
そのためには既に述べて来たように、ドイツのように司法を完全に独立させ、行政の責任や違憲立法審査権を厳しく問える仕組みに変えることが必要です。
そのような大きな枠組みの転換なくしては、前回述べたように国民の財が将来世代に渡って喰い尽くされて行く国民の怒りが、ハシズムのような国家社会主義に飲み込まれて行き、逆に異なるものを排斥する全体主義の独裁国家を産みだしかねません(都民のための見える化と政治責任を唱える小池知事には大いに期待していますが、大きな枠組みを変えて行く目標なしには、国家社会主義に飲み込まれる危惧も感じずにはいられません)。

2016-11-27

(308)世界の官僚奉仕を求めて第18回官僚奉仕の切札は太陽(13)官僚支配モンスター克服への途 前編(私の見た動画10『匙が投げられた借金大国』)



上の私の見た動画10の中心をなすのは、2010年11月に放送されたNHKスペシャル『借金862兆円はこうして膨らんだ・元大蔵官僚100人の証言録』であり、1964年まで無借金健全財政で努力してきた日本の財政が、東京オリンピック後の不況で2000億円足りなくなり、1年限りの時限立法で再び国債発行に踏み切った当時の事務次官谷村裕の次のような苦渋証言から始まっています。
「いろいろ議論があって赤字国債はできれば出したくない。出したという前例も作りたくない。いっぺん麻薬を飲んだが、癖にならないようにしよう」
それは戦後1946年紙切れの山と化した赤字国債の贖罪から、二度と同じ過ちを繰り返さないために赤字国債発行が禁止されていたからです。
しかしその後の日本は、谷村の戒めに反して、1975年に2回目の赤字国債を発行し、赤字国債の累積が2兆円に上り、さらに76年には5兆円、77年には10兆円と倍増して行きました。
 当時、大蔵官僚であった1人は番組で、「こんなことを繰り返していけば、ますます慢性患者になっちゃうから、この際起死回生の策として思い切った景気対策をやろうという思い詰めた時期だった」と証言しています。
すなわち打ち出された対処方法は、借金による大規模な景気対策で、「高い経済成長を取り戻せば、税収が増え借金は返せる」という賭けに出たと公共放送も明言しています。
このようにして翌78年の福田内閣の予算では借金11兆円の大型予算が組まれ、以後同じ賭けが連続して繰り返されていきます。
そして大蔵官僚の最後に証言する尾原栄夫主税局長(平成10年から平成13年)は、「どうすればよかったのか、悪夢のようによみがえるときがあります」という、まるで匙を投げるかのような証言で結んでいます。
このような戦後日本を支配してきた大蔵省官僚たちの肉声には、明治の専制国家に向けた官僚支配によるエリート官僚たちの覇気はなく、(前々回述べた元外務事務次官の村田良平氏が怒りを持って正すように)自己保身と事なかれ主義に徹し、族議員たちに怒鳴られ、答弁書作成では徹夜も厭わない、官僚奉仕の実態が浮かび上がって来ます。
もっともそれは国民のための国民への官僚奉仕ではなく、国益のための政財界への官僚奉仕にほかなりません。
そして戦後大蔵省を率いて来た官僚たちが、「田中角栄の日本列島改造論のように、政治を通して国民の豊かさを求める大合唱のなかでは、赤字国債を麻薬依存と認識してはいてもどうすることもできず、依存後は借金による経済成長という賭けに出るしかなかった」という言い訳を聞くとき、私のなかではホロコーストの責任者であったアイヒマンが最後の証言で、「ユダヤ人に対する虐殺や絶滅計画は歴史上他に類を見ないほど重大な犯罪です」と断言し、「私にとって不幸でした。あのような残虐行為の遂行は本意ではありません。収容所の指揮を任せられたら断ることはできません。そこでユダヤ人殺害を命令されたら実行するしかありませんでした」といった弁明(ハンナ・アーレントをして悪の凡庸さと指摘されるもの)がオーバーラップして来ます。

しかし遠近法で遠ざかって眺めると、それとは全く異なった官僚支配モンスターの実態が見えてくることも確かです。
すなわち瓦礫と化した戦後から官僚主導で産業復興が成し遂げられると、再び利権構造を産み出し、それが法律で禁止された国債発行を1年限りの時限立法で再開させ、国民の財を将来世代に渡って再び喰い尽くし始めたと言えるでしょう。
そこでは、現在のアベノミクスでも見られるように、絶えず経済成長のための借金による賭けが唱えられ、現在では1200兆円を超える国と地方の負債で将来世代の財が喰い尽くされて行きます。
それは大蔵省の当事者たちが匙を投げるほどに膨らみ続けているだけでなく、最早「負債ではなく投資だ」と居直って高速道路開発からリニア鉄道開発までが100兆円を超える財投債へと膨張し、さらに動画10後半の2016年11月6日放送のNHKスペシャル「廃炉への道・調査報告 膨らむコスト〜誰がどう負担していくか」では、電気料金や税で国民に押し付けられる実態が見えて来ます。
まさにそれは、明治ドイツから学んだ富国強兵を目的とした責任の所在のない官僚支配(大本営)が、将来世代の公共料金まで担保に、日本を喰い尽くそうとしているように私には見えます。