Hatena::ブログ(Diary)

ドイツから学ぼう

2017-04-23

(319)時代の終わりに・危機と希望(3)・沖縄からの叫びと希望(3)

危機と希望(3)・汚職と不正が生み出す独裁政権




今回の討論で議論されたアメリカの伝統ある雑誌アトランティクは、逸速くアメリカ独裁政治を警告し、デーヴィド・フラム(著名な編集者でジョージ・W・ブシュのスピーチライター)の論じる「トランプの独裁政治を建設する方法」を載せています(注1)。
そこでは、「議会が静観し、大衆が注視しないなら、トランプはアメリカを反自由主義への道へと降らせ、制度的破壊と特有の融合へと導く」と述べています。
それを受けてドイツシュピーゲル誌も「民主主義が崩壊する時(威嚇的大統領トランプとメディアについて)」のタイトルで、「民主主義が崩壊する時、たぐいまれに早く、具体化される瞬間を回顧すれば、大抵は選挙であった。トルコエルドアンロシアプーチンハンガリーのオルバーン、がどのように選ばれ、アメリカがトランプへの明白な分別をどのように下したか? 政治的議論が大衆扇動に転換するとき、その大衆扇動は民主主義プロセスを通して権力を持ち、民主主義独裁政治によって置き換わり得る。そして他のすべての事も、多くのメディアが自ら夢想し、脅迫的に各々の警戒を述べるにもかかわらず独裁政治を徐々に生じて行く」とクラウス・ブリンクヴォイマーの論説を載せていました(注2)。
そこでは、アトランティク誌のフラムが「独裁政治は力に生み出されのではなく、長期的な汚職と不正の退廃的プロセスで生み出される」と指摘していると強調していました。
それゆえ今回の議論では、トランプを力によって引きずり下ろすのではなく、議会と大衆が注視することで弾劾裁判や議会25条項を通してトランプの独裁政治への道を阻止する方向で議論されたように思います。
しかし益々世界がシリア、そして北朝鮮で再び世界大戦の勃発する危機が高まっているように思われます。

(注1)2017年1月30日のアトランティク・コムの「トランプの独裁政治を建設する方法」の報道。
https://www.theatlantic.com/press-releases/archive/2017/01/how-to-build-an-autocracy-the-atlantics-march-cover-story-online-now/515115/
実際のアトランティク誌の「トランプの独裁政治を建設する方法」は以下のアドレスで読むことが出来ます。
https://www.theatlantic.com/magazine/archive/2017/03/how-to-build-an-autocracy/513872/

(注2)2017年2月7日のシュピーゲルオンライン
http://www.spiegel.de/politik/ausland/donald-trump-und-die-usa-wenn-demokratien-kippen-kommentar-a-1133439.html


沖縄からの叫びと希望(3)・「なぜペンを取るか」の悲壮な叫び




このフィルムで「なぜペンを取るか」を語る琉球新報政治部長松永勝利さんは、「結局沖縄の新聞社というのは・・・その取材を先輩から学ぶんじゃないですよ。沖縄戦で辛い思いをした人から学ぶんですよ」と述べる時、堪える涙がひとりでに溢れ出ていた。
ひめゆりの塔」歴史記念館で生存者の多くの悲壮な沖縄戦の叫びを聞いた私自身も、それを共感せずにはいられない。
そうした沖縄の一貫した篤い思いが、最近の東京新聞、朝日新聞毎日新聞に、再び戦争への道を歩もうとする政府批判を蘇らせている。
しかし日本では戦後も政府の法支配が、ドイツのように市民奉仕へと見直されることなく継続され、公共放送NHKも政府を代弁する国営放送化されようとしている。
具体的には安倍政権誕生で、NHKは平和希求の琉球新報を激しく攻撃する作家百田尚樹など安倍支援を鮮明にする4人の理事を迎え(既に籾井勝人会長同様退任しているが)、再び戦争への道を容認するだけでなく、かつての大本営政府のスポークスマンを演じる瀬戸際に立っていると言っても過言ではない。

尚オリジナルな動画「なぜペンを取るか〜沖縄の新聞記者たち」は、下のアドレスで見られるます。
https://www.youtube.com/watch?v=c_E_UaItQRM&t=707s

2017-04-09

(318)時代の終わりに・危機と希望(2)・沖縄からの叫びと希望(2)

危機と希望(2)トランプ弾劾裁判はあるのか?




今回の討論では英国大使アメリカ大使を歴任したヴォルフガング・イシンガーは、最初トランプ大統領誕生を大いなる心配と語り始めますが、現在見るようにチェック・アンド・バランス(抑制と均衡)が機能して行くと見ています。
これに対してアメリカ批判で著名なヨセフ・ブラメルは、司法と議会の健全なトランプを封じ込める抑制と均衡機能を認めた上で、共和制ローマ末期の政治家であり哲学者のキケロの名言「武器が語り出せば、法は沈黙する」を引用して、いずれその機能が破られると予告しています。
そして今回の終わりでは、サンダース支持者の女流作家フェルトマンが、ニクソンの時のように(実際には実施段階で辞任)、トランプ弾劾裁判の可能性について言及しています。

極右的トランプ政権の誕生で明白になったことは、アメリカ司法が日本のように実質的に政府法務省に従属しているのと異なり、健全に独立して機能していることです。
それ故トランプが大統領令で人権や人間の尊厳を最優先する民主主義を脅かしかねない行動は、討論でも誰もが認めるように司法によって抑制されていると言えるでしょう。
もしトランプが現在それを無視して踏み越えれば、議会はすぐさま弾劾裁判を申請し、大統領権限を剥奪すると言っても過言ではないでしょう。
しかしそれでもトランプ時代への突乳が益々危機感を強めていくのは何故でしょうか?
それはプーチンもトランプも空爆で挑発を繰り返しており、シリア北朝鮮イスラエルイラン南スーダンなどで世界を巻き込む戦争が始まれば、哲学者キケロの名言を引用するまでもなく、暴走が止められなくなることを予感するからに他なりません。
また昨年パリ会議でようやく世界が一丸となって気候変動に取り組むことを約束したにもかかわらず、トランプの条約離脱宣言で世界に失望感が拡がっているからでもあります。
(このような「出口なし」の状況から世界が、そして日本が抜け出すためには、繰り返し述べているように、競争原理が支配するグローバルな集中型化石燃料産業社会から、競争原理が抑制される地域中心の分散自然エネルギー社会への転換が必要であり、それをあらゆる角度から私のブログでは検証し、「ドイツから学ぼう」と提言していると言えるでしょう)。

沖縄からの叫びと希望(2)沖縄独立を考える



前回のブログを書いた時は、沖縄での実際の見聞で民意無視の強権的やり方に驚愕と怒りを覚え、出来うる限り支援して行かなくてはならないと、無意識的に上から目線で思っていた。
しかし本土では、森友学園問題や南スーダン駆付け警護の日報が有耶無耶に葬られようとしているだけでなく、民意を無視する伊方原発仮処分申し立て却下、農水産省の震災復興での組織的天下りと談合、復興相の自己責任むき出しの分断発言、特定秘密法一年での国民の知る権利無視の強権的運用、そして今まさに市民を監視に利用されかねない共謀罪が強引に決議されようとしているなかで、最早宿命として諦める大衆像さえ浮かび上がって来る。
そこでは、かつてヌーベルバーグの映画監督たちが「ベトナムから遠く離れて」の映画制作で連帯支援したような状況ではなく、むしろ問われているのは日本本土の民主主義であり、これ以上容認して行けば戦前の帝国主義を掲げた軍事国家になり兼ねない危機感すら感じないではいられない。
そのような視点から見れば、本土から相も変わらない札束攻勢にもかかわらず、オール沖縄で“本当の”平和を求めて叫ぶ沖縄の人たちは、むしろ私にとって道しるべであり、希望でもある。
そうした沖縄エネルギーをもらって、自給自足を目指す農的暮らしのなかで、耕すことと書くことで時代を突き破り、時には座り込みなどで自らも参加したいと思っている(肉体的には既に限界達しているが、精神的に益々リフレシュすることで)。

上に載せた私の見た動画19『沖縄から主権を問う』では、自ら右翼と称する佐藤允氏の温かい沖縄への思いやりが印象的であり、日本本土が沖縄の民意を強権で無視続けるなら、沖縄独立も現実化する状況が垣間見られる。
尚オリジナルな動画は下のアドレスで見られます。
http://ryukyushimpo.jp/movie/prentry-205889.html

2017-03-26

(317)時代の終わりに・危機と希望(1)・ハラスに満ちた報復的攻撃



上の動画で前の社会民主党(SPD)の党首マティアス・プラツェクが述べているように、少なくとも5,6年前までは誰が極右的なトランプ米国大統領の誕生を想像できたでしょうか。
それは米国だけでなく、既にヨーロッパでは法とメディアを支配する極右的政権がハンガリーポーランドで誕生し、プラツェクの「世界は今何が起きようとしているのか」という問いが、強く心に響きます。
それは時代の終わりであり、再び世界を巻き込む戦争の予感です。
なぜなら大量生産、大量消費の化石燃料産業社会がモノが溢れることで競争が激化し、そのような社会が成り立たなくなるほど格差を肥大させ、益々行き詰っているからです。
その危機の延長線上には、終末的な絶望的戦争が見えて来ています。
しかし同時にそのような終末的危機の向こうに、新しい希望が見えてきたことも確かです。
すなわち現在ドイツで推し進められているように、太陽や風などの自然エネルギーで創る世界であり、これまでの集中型大量生産技術がグローバルに外心的であるのと異なり、分散型少量生産技術であることから地域に内心的に働き、自ずと地域主権の世界を創り出し、貧困から差別に至る現在のあらゆる問題が解消されて行くと思われるからです。
既にそのようなエネルギー転換が進行しているドイツでは、1998年のシュレーダー政権誕生以来競争原理優先で新自由主義に呑み込まれて行った社会民主党が、地域から湧き上がる力に押され、今年9月の連邦議会選挙では前のEU議長のシュルツを大統領候補に立て、以前の社会的公正によるより格差の小さな連帯社会を目標とする社会民主主義バック・トゥ・ザ・フューチャー(過去に戻ることで未来を創るの意味で)しようとしています。
そうした希望の反面、今回の討論番組でも述べられているように、絶望的戦争が既に拡がり始めていることは事実であり、先週NHKで放映されたシリア市民が自ら映し出した「シリア絶望の下で閉ざされた街最後の病院」(動画)は絶望的悲惨さを刳り出し、私自身恐ろしい戦慄を感じないではいられませんでした。

今回の討論で特に印象的であったのは、アメリカのトランプ支持者の政治顧問ペーター・ラウフが「トランプ大統領裁判官を叱責するのは、オバマも公の場で裁判官を叱責したことであり、ダブルスタンダードは政治的戦略である」と述べたことに対して、サンダース支持者でアメリカ女性作家デボラ・フェルトマンは「トランプのやり方はダブルスタンダードや誤魔化す技術(Whatabouttism)ではなく、ハラスに満ちた報復的攻撃である」と非難している点です。

日本でも自民党改憲派若手議員の総会で「(政権の意向に従わない沖縄2紙を)潰せ」という言論を封じ込めるハラスに満ちた報復的攻撃は記憶に新しく、世界的に同時進行していることに危うさを感じ得ません。
下に載せた私の見た動画18では、沖縄2紙の編集局長が外国特派員協会が開催した会見で激しく抗議しています。
そのようなハラスに満ちた報復的攻撃は、(現在も共謀罪の閣議決定、自衛隊の南スーダン日報隠し、さらには森安問題に鮮明に見られるように)戦前体制へのバック・トゥ・ザ・フューチャーを目論む以外の何者でもありません。
まさにそれは、悲惨で残忍な戦争の扉を開けることです。

尚上のフィルムでオバマ大統領最高裁裁判官を公の議員総会で叱責した理由は、2010年市民連合(反ヒラリー団体)の最高裁への「法人の上限のない政治献金」告訴に対して、最高裁は「法人にも政治献金する権利がある」という判決を出したからです。その判決は、実質的に政治が金で支配されることを意味するからです。
またトランプ大統領が資産破綻法(破産法)に異議を唱える上院議員ハラスに満ちた報復的攻撃した理由は、現在の企業の資産範囲でしか賠償責任が問われない破産法が廃止、もしくは変更されれば(例えば原発事故で企業資産を超えて賠償責任が問われれば)、新自由主義を推進する起業意欲が損われるからだと思われます。

2017-03-12

(316)官僚奉仕を求めて第25回(最終回) 自然エネルギーが創る富の蓄積のない社会7回(沖縄民意を守ることから始まる希望ある未来)



先週豪雪であった妙高の雪も徐々に治まって来たことから、最早初夏のように暖かい沖縄を訪れ(2月27日〜3月3日)、辺野古新基地建設反対の座り込みに参加して来ました。
そこでは私自身70歳を目前にして、上の動画で見るように機動隊にごぼう抜きで担がれるという、私にとっては予期せぬ初体験をしました(注1)。

何故今辺野古なのかと言えば、名護市長選挙沖縄県知事選挙で問われた沖縄の民意が全く無視されて、力と金で強引に辺野古新基地建設が粛々と推し進められており、戦後民主主義国民主権地域主権が踏み潰され、戦前の官僚支配による国家主権が露骨にそびえ立って来たからです。
それは現在の化石燃料社会が富の蓄積を集中激化させてきた故に限界に達し、それにもかかわらず益々利益追求の欲望が肥大しているからであり、それを露骨に推し進めているのは明治以来の富国強兵を掲げる官僚支配政府に他なりません。
さらに企業、そして前回のフィルムで見るようにドイツ労働組合さえ官僚化され、組織自体の官僚支配によって自らの利益を最優先していると言えるでしょう。
しかし消費者に奉仕しない官僚支配の利益追求には限界があり、三洋シャープ、そして東芝に見るように自らの首を絞めることに他なりません。
すなわち最後は分社化によって生命線まで売却し、最終的に自ら命を絶っことになります。
日本の国について言えば、最早返済不可能にまで財政負債を肥大させているにもかかわらず、原発を含めた化石燃料産業支援に国民の血税をバラマキ、戦前の海外進出という戦争への道を再び歩もうとしています。

そうしたなかで何故今沖縄なのかと繰り返して言えば、沖縄民意が全く無視され続けて行くとすれば、沖縄は国際的に見れば少なくとも1879年の「琉球処分」(琉球併合)までは米国等との修好条約が示すように琉球王国という独立国であり、国連などを通して平和独立の選択肢もあり、それは日本本土を目覚めさせ、世界平和の創造と自然エネルギー社会の扉を開けることもできるからです。
すなわち沖縄が平和独立して中国米国の平和緩衝地帯になれば、お互いの軍備強化競争が緩和されるだけでなく友好の架け橋となり、世界平和を創造する拠点にすることも可能だからです。
また沖縄は日本で一番風の強い地域にもかかわらず、「基地に風力発電の自立はいらないと言わんばかり」に殆ど化石燃料に依存させており、それが沖縄の希望ある未来を摘み取っています。
2000年頃まで途方に暮れる程貧しかった北ドイツの農村がその強い風で電力自給(100%から700%)を実現し、豊かな農村へ変貌しているように、沖縄も各地域(地区)において陸上風力発電による電力自給を実現して行けば、平和で豊かな沖縄の希望ある未来が必ず開かれます。
また本土の私たちも民主主義の根幹である沖縄の民意を支援して行くことは、現在の戦争への道を再び歩もうとしている国家主権の官僚支配政府国民主権の官僚奉仕政府に変える糸口でもあり、希望ある未来の扉を開くことでもあります。
それを実現するためには官僚支配政府をガラス張りに開き、責任が問えるドイツのような官僚奉仕政府にして行かなくてはなりません。
しかし既に述べて来たように、司法法務省を通して人事から違憲立法審査に至るまで行政支配する仕組のままでは不可能です。
もっともそれを変えることは決して難しいことではなく、議員立法憲法に明記された司法の独立が100%担保されるように仕組みを変えて行けば可能です。
すなわち法務省司法裁判官)を統括するのではなく、行政に全く関与しない第三者機関が統括するように、変えて行けばよいでしょう。
また第三者機関を運営する委員は衆議院選挙での各党の得票数に応じて、ドイツのように各党の推薦する専門家から選出される仕組にすれば自ずと民意が反映され、ガラス張りに開かれる筈です。
すなわちそこでは行政訴訟申請もドイツのように無料で審査され、申請受理によって行政は全ての資料を裁判所への提出しなくてはならないことから、ドイツのように数ヶ月で行政の責任が問える筈です(官僚奉仕政府ドイツでは、毎年約50万件の行政訴訟がなされており、違憲審査も厳しい受理審査がなされているにもかかわらず5000件にも及んでいます)。
もっともそのような司法の第三者機関統括を決議できたとしても、「5年以内には実施できるように努力します」と先送りで実施しない官僚支配のなかでは、すべての市民が公開の国民議論を通して政党の枠組みを超えて参加し、あらゆる抵抗を崩して行かなくてはなりません。
それさえ実現できれば、現在の官僚支配も自ずと官僚奉仕に変化し、国民利益(幸せ)が最優先され、希望ある未来の扉が開かれます。

もちろん希望ある未来とは、富の蓄積さえ殆ど必要しない自然エネルギー社会に他なりません。
それは現在の産業社会が描くいかなる欲望も享受できる社会ではなく、自然エネルギーの特性でもある分散型である故に地域単位で産み出されことから、自主決定権のある地域での100%地産地消を目標とした理想的な生き方(例えば週20時間の労働で、精神的により自由で意義ある生き方)ができる社会です。
そのような社会はIPCCのような政府間機構のイニシアチブで、下に見るようなインダストリー4.0(第4次産業革命・動画1)利用して実現でき、世界の全ての地域が自然エネルギーを住民及び地域の消費する以上に製造して行くことは十分可能です。
しかも過剰エネルギー水素として備蓄されるだけでなく、地域自治体が過剰なエネルギーを利用して、地域に欠かせない必需品からその地域の工芸や特産の注文品までを自治体工房で(3Dプリンターやレーザーカッターを利用したファブラボ市民工房は既に途上国で活躍しており、簡易トイレなどの生活必需品から義足などの医療用品製造に至るまで欠かせないものとなっているように)、必要な量だけで少量生産することも可能でしょう。
また家庭においても既に述べたように(動画2)、各自の消費電力に応じて太陽光発電パネルを自宅屋根やベランダなどに設置し、過剰となる夏などの電力は水素として地下室に備蓄し、家庭電力から燃料自動車に至るまで自ら自給できる社会は、私たちが望みさえすれば数十年で手に入る時代に到達しています。
そのような希望ある富の蓄積を必要としない未来を実現するためには、ドイツのように官僚奉仕の社会に変えて行かなくてはなりません。
その実現は沖縄民意を守り、地域主権(自己決定権)を確立することで、第一歩が始まると思います。

(注1)
動画は3月2日正午近くの映像であり(終わりに載せた歌だけ28日)、私がごぼう抜きを初体験したのは2月28日の正午近くであり、その日は先ず自己紹介で思いを述べてから、これまで辛苦に耐えて座り込み抗議を続けて来た人たちの話、そして本土から参加した学生さんや若い人たちの沖縄と本土の橋渡しをしたいという思いを拍手しながら聞き、また沖縄の不条理を力に変えて歌うシンガーのミナツナガッテイルと訴える歌「いのちの環」を(動画後半)、今自分がここに座っていることに運命的ツナガリを感じて聞いていました。
そのような私にとって意義ある時間に、正午近く突然装甲車が来て(いつも座り込んでいる人たちには日常茶飯事なのですが)、多数の機動隊が降りて来てあっという間に担がれ、胸の激しい鼓動を覚えました。
しかも担がれる際は、映像で見るようにまるで舐め回されるように機動隊の撮影カメラに撮され、不快感と怒りは言い表し難いものでした。
それ故翌日嘉手納基地や普天間飛行場を見に出かけた際も残り、翌日予定を変更して2つの提言するために、再び座り込みに参加しました(但しごぼう抜きの際は、座り込みから自発的に抜けて撮影)。
提言の一つは、本土から誰でも支援できるように原則的には機動隊が降りてきた際は座り込みを解き(もちろんごぼう抜きされることも自由ですが)、撮影するなどで抗議の意思を示すことです。
もう一つは機動隊に撮された顔の映像はどのように使われるかわからないため、社會的に支障のある人たちや将来のある若い人たちはアノニマス(匿名集団)のような仮面(例えばピースをシンボルとした沖縄シーサーの仮面)を附ける配慮も、より抗議を拡げていくためにも必要じゃないかというものです。
もっともそれ以外は、座り込みは非暴力を貫いており、話だけでなく歌や踊りもあり、私のような組織嫌いな人間にも参加しやすく、意義あるものと感じるだけでなく、機会を見つけてこれからも参加したいと思っています。

動画1


動画2

2017-02-26

(315)官僚奉仕を求めて第24回 自然エネルギーが創る富の蓄積のない社会(6)それでもエネルギー転換は歴史を創る後編(私の見た動画『ZDFが問うエネルギー転換での石炭回帰2ー2』)



後編フィルムはドイツ経済研究所を牽引する著名なエネルギー経済学者クリスチャン・ヒルシュハウゼン教授が、「ドイツの素晴らしいEEG法によるエネルギー転換がそのまま推進されれば、現在構想されている巨大な送電線建設は不要である」と明言するところから始まっています。
その理由はエネルギー転換の理念は、地域で必要な電力を地域で自ら製造することにあるからです。
巨大送電線建設は北の洋上風力発電で得られた電力を南へ輸送するためにも必要と唱えられて来ましたが、本当の狙いは北に未だに無尽蔵に眠る褐炭利用で現在電力製造コストの最も安い褐炭発電所を維持拡張し、最も安い電力を南へ輸送するだけでなく、フランスなどへの電力輸出増大にあります。
しかもドイツの巨大電力企業はドイツ最大のエーオン社が2014年分社化に追い込まれたように、2011年の脱原発宣言以来窮地にあり、それを救うために2015年石炭合意がなされたことが見えて来ます。
すなわち本来は廃止されるべき古い褐炭発電所が5年間の一時休止となり、そのために莫大な補償がなされ、しかも地球温暖化を防ぐため以前から求められていた石炭発電所の懲罰的課税が消えてしまいました。
そのような動きは既に2014年に改正されたEEG法でも顕著に見られ、太陽光発電の1キロワット時固定買取価格を11セントまで引き下げるだけでなく(当初は28セント)、2017年から再生可能エネルギー発電所の建設を順次入札制度に変えて行くことが決められています。
入札制度への転換はフィルムで描かれているように、これまで地域でエネルギー転換の推進役であったエネルギー協同組合を結果として経済的に成り立たなくするものです。
このようなEEG改正法を押し切ったガブリエル経済相は、最大の理由としてEEG法の固定買取価格が家庭の電気料金を著しく上昇させたことを挙げていましたが、本当の理由は専門家やメディアが指摘するように、市民が製造する再生可能エネルギー電力が市場で1キロワット時4セントを割るまでに投げ売りされ、最大28セントする固定買取価格との差額が電力を消費する市民にだけ分担金として強いられるからです(殆どの大企業は競争力が損なわれことを理由として分担金が免除されています)。
またそのように社会民主党SPDの経済相ガブリエルがエネルギー転換にブレーキをかけるのは、化石燃料産業のロビーが組合組織を通して圧力を強いるからに他なりません。
しかもガブリエル経済相はZDFレポーターの追求に対して、こともあろうに再生可能エネルギー産業のロビー活動を上げ、自らの決断を正当化しています。
しかしドイツの世論はこのフィルムが2016年5月に放映後石炭回帰の批判が高まり、11月14日から始まるパリ協定締結を求めるマラケシュ国連気候変動会議の数日前には、ドイツ政府も2030年までに現在の二酸化炭素排出量を5分1に削減する「気候変動保護計画2050」を決定せざるを得なかったと言えるでしょう(注1シュピーゲル誌参照)。
何故ならドイツのようにシステムとしても官僚奉仕が求められる社会では、気候変動の日々の実害増大が絶えずメディアを通して報道され、世論が石炭回帰を許されないからです。
またルールなきグローバル化による格差拡大と地域困窮のなかでは、地域自らのエネルギー転換が欠かせないからです。
しかもドイツの地域がエネルギー転換で時代の新たな扉を開いたことは、最早戻すことができない事実だからです。

それを示唆するかのように、2017年にドイツ市民だけでなく地方の社会民主党からも批判が絶えない党首でもあるガブリエル経済相が突然今年の連邦選挙首相候補から失脚し、これまでEU議長などを務めたマルティン・シュルツが社会民主党首相候補となったことがガブリエル党首自身によって1月24日に公表されました。
それをドイツ国民が望んでいたかのように、2月17日の世論調査では次期首相候補支持率でシュルツがメルケルを大きく抜き去りました。

f:id:msehi:20170224070751p:image

f:id:msehi:20170224070750p:image



シュルツ首相到来が意味するもの

今回の社会民主党内の政変劇には、明らかにシュレーダー政権での新自由主義アジェンダ2010)を反省批判した2007年党大会で決議したハンブルク綱領への巻返しが感じらます(ハンブルグ綱領についてはブログ110参照)。
すなわちガブリエルにしても、今年ドイツ連邦大統領に就任するシュタインマイヤーにしても、シュレーダー政権を支えた人たちであり、上のフィルムで見るようにガブリエルの表現には化石燃料産業社会のロビイストの要請が感じられます。
シュルツは明確にシュレーダー政権でのアジェンダ2010政策を既に反省批判し、ハルツ法改正で失業給付金の大幅延長も唱えています。
それが現在シュルツ効果と呼ばれる社会民主党支持率30%(これまで20%前半に低迷)に急進した理由です。
このシュルツ到来は、最も支持率を失ったリンケさえ支持しています
何故ならシュルツの到来は、ドイツ市民に真摯に奉仕する赤(SPD)、赤(リンケ)、緑(緑の党)の連立政権誕生を可能にし、エネルギー転換の理念を実現し、新しい時代を創るものと成り得るからです。
もちろん現在のメルケル首相の2011年以来ドイツ脱原発に導き、社会的市場経済を復活させた貢献は大きいものがありますが、支持母体キリスト教民主同盟のなかではどのように頑張っても限界が見えて来たのも事実であり、惜しまれるメルケル退場も新しい時代の扉を開くものだと思います。

次回の「世界の官僚奉仕を求めて」最終回では、どのようにして新しい歴史、富の蓄積を必要としない社会の扉を開くか、総括して述べたいと思っています。

(注1)
シュピーゲル誌2016年11月11日
http://www.spiegel.de/wissenschaft/natur/klimaschutzplan-2050-regierung-einigt-sich-nach-streit-a-1120863.html

Regierungskonzept Kohlekompromiss ebnet Einigung auf Klimaplan
政府計画 石炭合意は気候計画の合意で打開される
Einigung nach langem Streit: Die Bundesregierung hat einen Klimaplan für Deutschland beschlossen. Ein Kompromiss bei der Kohleenergie brachte den Durchbruch.
長い戦いの後の合意。連邦政府ドイツの気候計画を決めました。石炭エネルギーでの石炭合意は打開をもたらしました。
Die Spitzen der Bundesregierung haben sich nach monatelangem Streit auf den "Klimaschutzplan 2050" verständigt. Damit kann Umweltministerin Barbara Hendricks (SPD) am Montag mit gutem Ergebnis auf die Uno-Klimakonferenz nach Marrakesch fahren.
政府首脳は気候変動保護2050年計画を数ヶ月の論争の後で知らせました。環境大臣バルバラ・ヘンドリックはその良い計画を持ってマラケッシュの国連気候変動会議に月曜出かけます。
Dort kann sie Deutschlands Beitrag zum Klimaschutz plangemäß vorstellen. Deutschland sende "ein starkes Signal" auf die Klimakonferenz, sagte ein Regierungssprecher.
そこでバルバラ大臣は会議で気候変動保護の主旨に沿ったドイツの貢献説明で、強いシグナルを送ることができると政府スポークスマンは報道していました。
Der Klimaschutzplan 2050 soll Industrie und Gesellschaft den Weg zum nahezu 殆どkompletten Verzicht auf den Ausstoß von Treibhausgasen weisen, der im Weltklimavertrag vorgesehen ist.
気候変動計画2050は産業や社会に、世界気候条約で予定する温室ガス排出量をほぼ完全に無くす道を指示しています。
Bundeswirtschaftsminister Sigmar Gabriel (SPD) hat in den finalen Verhandlungen einen Rabatt für die Industrie durchgedrückt. Bis 2030 darf die die Industrie nun 140 bis 143 Millionen Tonnen Kohlendioxid (CO2) ausstoßen. Das sind etwa 10 Millionen Tonnen mehr als zuletzt von Umweltministerin Hendricks vorgesehen. Die Industrie soll ihre Emissionen damit bis 2030 um ein Fünftel reduzieren.
連邦経済相シグマー・ガブリエル(SPD)は最終協議で産業のための割引を押通し、2030年までに産業は1億4000万トンから1億4300万トンの二酸化炭素排出とするものです。これはヘドリック環境相の約束した量より約1000万トン多いですが、産業は2030年までに排出量を現在の5分の1に削減することになります(ドイツの2014年二酸化炭素排出量は7億9300万トン、尚1990年の排出量は10億5100万トンであることから7分の1に削減することになります)。