Hatena::ブログ(Diary)

ドイツから学ぼう

2016-08-29

(295)世界の官僚奉仕を求めて第5回真赤な嘘と日本への波紋(『ロシアのドーピング秘密6−5』)

官僚奉仕への切札は太陽(2)は、月末金沢などへ出かけていることから第7回から載せていくことにしました。



検証されたロシア陸連総裁の真赤な嘘とBlackTidingsの日本への波紋

ロシア競技連盟(陸連)総裁バラニチョフはドイツ公共放送ARDの質問書や取材を拒否し、ホテルでの非公式な取材でも、「ドーピングには一切関与していない」と断言していましたが、かつてのマラソン女子のスーパースターのリリア・ショコロバの取材を通して動かせない証拠(銀行の確認書)が出て来ます。
しかもバラニチョフ(既に現在はこの件で総裁を辞任しています)が世界陸連の会計役を演じ、元世界陸連会長ラミン・ディアクの息子が関与するシンガポールのタックスヘイブンのペーパーカンパニーBlackTidigans社を使っていたことは特筆すべきことです。

何故なら日本の2020年開催の東京オリンピック決定では、日本オリンピック協会はこのBlackTidigans社に誘致名目で2013年7月と9月に二度に分けて130万ユーロを振り込んでいるからです(前回述べたように、ガーディアン紙の仏捜査当局報告)。
まさにこうした事実は、ロシアだけでなく世界機関の国際陸連IAAF、さらには国際オリンピック委員会IOCの関与は明白であり、世界の国々の血税に加えて、放送権料やスポーンサー料が肥大することで、組織自体も肥大し、関与者にはウィンウィンで暴走を始めているとも言えるでしょう。
それゆえにIAAF、そしてIOCの今後の対応は単にオリンピックに関与する不正に対してだけでなく、官僚支配で機能しなくなった国際機関の問題でもあり、未来へのリトマス試験紙、さらには試金石とも言えるものです。
日本にとっても仏捜査当局の全容報告を待つだけでなく、小池東京都知事が言う東京オリンピック、そして都政をどこまでガラス張りにして行けるかに、日本の最後の命運がかかっているようにさえ私には思えます。

2016-08-21

(294)世界の官僚奉仕を求めて第4回官僚奉仕への切札は太陽(1)(『ロシアのドーピング秘密6−4』)



スーパースターの検査値が抉り出す国際関与

ロシアドーピング問題の背景には世界ドーピング機関WADAの不正があると、WADA科学部局長オリバー・ラビンの示唆から始まっています。
それを検証するためドイツ公共放送RADのハヨー・ゼッペルトは、モスクワドーピング検査室の指導者グレゴリー・ロチェンコフやロシア競技連盟総裁バレンティン・バラフニーチャーに困難を乗り越えて面談しますが、彼らは前面否定や、全く関与していないと紋切り型の答弁しかしません。
しかし一旦内部告発で顕にされた国家ぐるみのドーピング不正は、どのように否定しても、融け出した氷山のように止めることはできません。
ゼッペルトの秘書箱には、2014年までロシアだけでなく世界女子マラソンのスーパースターであったリリア・ショブロワの2009年から2011年のロンドンマラソンシカゴマラソンなどのドーピング検査の血液検査値が匿名で送られきたことから、WADA自体がロシアの国家ぐるみのドーピング不正に関与していたことが明らかになります。
すなわちドーピング研究の第一人者であるケルンマリオ・テーべス教授は、2009年から2011年のドーピング検査の血液検査値が明らかに異状であると認めています。
それは、国際陸上連盟IAAFやWADAの上層部が意図的に連携して彼女の血液検査値を、少なくとも2009年から2011年まで握り潰していたことを意味しています。
実際IAAFの1999年から2015年まで会長を務めたラミン・ディアク(1933年生まれのセネガルの元走り幅跳び選手)は、このドイツ公共放送RADフィルムの2014年12月放映で急速にドーピング不正関与の疑惑が深まり、今年2016年にはドーピング贈賄不正や資金洗浄を行った疑いで仏検察の捜査を受けています。

また仏検察の捜査で東京オリンピック招致に130万ユーロという高額なお金が日本の招致委員会からディアク会長息子の関与するシンガポール企業Black Tidingsの秘密口座にコンサルタント料として振り込まれていたことが明らかになって来ました(ガーディアン紙の記事参照)。
そして日本が高額なお金を振り込んだシンガポール企業Black Tidingsは日本でこそ殆ど知られていませんが、次回載せるフィルムで明らかになるようにロシアドーピング不正で利用されていた問題の企業なのです。

官僚奉仕への切札は太陽(1)

この連載では結論を前置きすれば、国益、そして自らの組織利益のために究極的には全体主義、そして戦争に導く邪悪な官僚支配から、市民の幸せのために粉骨砕身する官僚奉仕に変えて行くための切札は、ドラキュラへの対処同様に光(太陽)に晒すことであり、本質的には現在日本だけでなく世界の官僚支配の原動力となっている富の蓄積を益々肥大化させる化石燃料エネルギー産業社会から殆ど富の蓄積を必要としない地域分散自給自足自然エネルギー(光、風、ビオにしろ太陽が造り出している)産業社会への転換であることを述べて行きたいと思っています。
ドイツの官僚支配が根絶されたのは、前回述べたようにホロコーストの反省から戦後司法行政から完全に独立させ、基本法第19条4項で、「何人も、公権力によってその権利を侵害されたときは、出訴することができる」と明言し、国民の権利侵害保証を通して行政の責任を追求して行ったことにあります。
もっともそれによって直ちに官僚奉仕が実現されたわけではなく、ナチス協力者が官庁から大学に至るまで追放された後は、1950年から1958年の期間では年間国民総生産の平均成長率が7,9%という奇跡の経済復興もあって、格差社会も容認するワイマール時代への回帰が見られました。
例えば教育ではエリートのためのギムナジウム(大学進学学校)、職人のためのハウプトシューレ(基幹学校)そしてその中間のレアルシューレ(実科学校)という従来の格差社会の三分岐型学校制度を復活させて行きました。
また司法においてもナチス協力者が裁かれ追放された後は、エリートとして祭り上げられている多くの裁判官の保守性は変わらず、傍聴人を柵で隔てた法廷の高座から判決を下していました。
しかし戦後復興で1960年代には再び官僚支配が始動を開始した日本とは逆に、社会に理想を求める官僚奉仕を希求する模索が実り始め、民主的革命を起こして行きます。
すなわち1960年には行政裁判所法が制定され、ハイパーインフレナチズムの反省から、99条では行政訴訟に際しては行政に審理に必要な書類、文章などすべての証拠資料提出を求めています。
さらに官僚個人の責任が問われ難い無責任な稟議制から、裁量権(決済権)を下級の担当官僚に委譲し、官僚一人一人の責任が問われる革命的変革が60年代から70年代にかけて断行されて行きました(木佐茂男著の『豊かさを生む地方自治』参照)。
このような権限の下への委譲は50年代より模索され、上司さえ決済の行使には関与できないという厳しい権限委譲モデル(ハルツブルクモデルHarzburger Modell)に依っています。
このハルツブルグモデル作成者はナチスの協力者、ナチス学者として戦後学界を追放されたラインハルト・ヘーンReinhard Höhn 教授(1904年〜2000年)であり、教授自身は二度と学界へ復権できませんでしたが、そのモデルには二度とナチズムの過ち(自らの過ちも含めて)を許してならないという強い反省と決意が滲み出しています。
すなわち官僚一人一人の責任が問われれ仕組みへの革命的変革で、官僚支配が根絶されるだけでなく、否応なく官僚奉仕へと変化して行ったと言えるでしょう。

新刊のお知らせ
8月末に『ドイツから学ぶ「官僚支配から官僚奉仕」・・日本の民主的革命』が地湧社から発行されます。

目次はじめにあとがき

2016-08-14

(293)世界の官僚奉仕を求めて第三回思考欠如を求める官僚支配(『ロシアのドーピング秘密6−3』)



今回のフィルムではロシアの国家ぐるみのドーピングが、選手や関与する人たちの内部告発で明らかになっているにも関わらず、スポーツ省の大臣のように取材を拒否したり、ロシアのアンチドーピング機関RUSADA総裁のように取材に応じてもドーピング検体のすり替えだけでなく、選手たちのドーピングはないと、まるでマニュアルに沿うかのように全否定しています。
(実際は今回のフィルムのラストでの女子800メートル世界最速走者サビノアの携帯隠し撮りビデオの証言を見れば、国家ぐるみの組織ドーピングであることは明白です)
それは目的達成を最優先してつくられた官僚制組織を象徴しており、ドイツの社会学者マックス・ウェーバーの言うように合法的合理性の体現に他なりません。
すなわち官僚制組織の下では、業務が正確さや書類の知識、慎重さ、統一、厳格な上下関係、軋轢の排除を通して慣習的に遂行され、しかも思考欠如が求められることから(遂行に対して自ら考えることがタブー視されていることから)、目的達成への最短距離と言えるでしょう。
そのような思考の欠如した官僚を、自らもナチズム迫害によってフランス、さらにアメリカに亡命した世界的に著名なハンナ・アーレントは、ホロコーストの実質的責任者アイヒマン裁判のレーポートで「アイヒマンは、怪物的な悪の権化では決してなく、思考の欠如した官僚でした」と述べ、「悪の凡庸」と呼んでいます。
そしてアイヒマンは、裁判最後の弁明で「ユダヤ人に対する虐殺や絶滅計画は歴史上他に類を見ないほど重大な犯罪です」と断言し、「私にとって不幸でした。あのような残虐行為の遂行は本意ではありません。収容所の指揮を任せられたら断ることはできません。そこでユダヤ人殺害を命令されたら実行するしかありませんでした」と述べています。
ホロコーストの最終決定は、1942年のベルリン郊外のヴァンゼー湖畔の「ヴァンゼー会議」で、アイヒマンも含めた15人の各省庁担当官僚によって絶滅計画の政令として決められており、議事録の合意文章では、強制収容所へ輸送されたユダヤ人は過酷な強制労働に課し、最後まで生き抜いた者は適切な処置がなされなくてはならないことが記述されています(適切な処置とはガス室での大量ホロコーストに他なりません)。
この絶滅計画の政令は敗戦直前の1945年にアイヒマンの上官ヒムラーによって中止命令がだされたと言われていますが、一旦動き出した政令は個人的決断で止めることは不可能だったと言えるでしょう。
何故なら政令政府内閣)が出す命令であり、実質的には各省庁部局の官僚が必要な命令を各部局間の根回を通して時間をかけて合意形成したものであり、しかも必要な命令とは絶滅計画で言えば、各強制収容所の不可欠な必要性という下からの積み上げでつくられたものであるからです。
すなわち一旦政令が出されれば、政令によって下への組織肥大と利権が生じることから、政令を生み出した政府さえ止めることができないからです。
そうしたホロコーストの反省からドイツの戦後は司法行政から完全に独立させ、基本法第19条4項で、「何人も、公権力によってその権利を侵害されたときは、出訴することができる」と明言し、国民の権利侵害保証を通して行政の責任を追求しました。
具体的には全く行政に依存しない行政裁判所行政の過ちを裁くようになり、しかも行政訴訟の場合行政裁判所法99条で、行政が審理に必要な書類、文章などすべての証拠資料の提出を求めています。
さらに行政訴訟申請はファックスや葉書の殴り書きでも成立し、文字の書けない人でも裁判所に出向いて口頭で申し立てれば無料で書いてくれます。
その上執行された行政に関わる手紙や面談記録などすべての証拠書類が提出されるため、弁護士の必要性さえないと言われています。
それは責任が問われることのない仕組から、徹底的に責任を求める革命的変化と言えるでしょう。
すなわちこの責任が問われる革命的変化で、ドイツは官僚支配から官僚奉仕への転換を実現しました。
それゆえにロシアの国家ぐるみのドーピング、さらには「パナマ文章」も、官僚奉仕の国ドイツだからガラス張りに公表できたと言えるでしょう。

これに対して日本は、太平洋戦争に導いた官僚支配(大本営)の本質的反省ができなかったことから、実質的に日本の司法は人事や裁判官法務省出向で行政に支配されており、一旦開始された政令政府さえ止めることができません。
例えばそれは八ッ場ダム中止の政府宣言が、いとも容易く取り下げられていった経過を見れば一目瞭然です。
そのような不死鳥の政令が、致命的ともなりかねない高速増殖炉核燃料サイクル計画から海外経済進出の要としている原発輸出や石炭火力発電輸出を推し進め、再び戦前の大本営を繰り返そうとしています。

ロシアドーピングに戻れば、ドイツ公共放送ARDが検証した国家ぐるみのドーピング不正に全く反省もなく、クリミアシリア問題でも思考の欠如した悪の凡庸が官僚支配を増していると言えるでしょう。

新刊のお知らせ
8月末に『ドイツから学ぶ「官僚支配から官僚奉仕」・・日本の民主的革命』が地湧社から発行されます。

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2016-08-08

(292)世界の官僚奉仕を求めて第二回他人事ではないロシアのウインウインの官僚支配(『ロシアのドーピング秘密6−2』)



フィルムが語るように、ソ連時代も現在もドーピング指揮はポルトガロフという薬理学に長けたボスが指揮しており、体制転換さえも易々と乗り越える官僚支配を象徴しています(それは日本でも例えばハンセン病隔離政策では、戦前の内務省衛生局のボスが戦後も特効薬プロミン登場にもかかわらず、逆に隔離政策強化を指揮したことに見られます)。
その仕組みは、ポルトガロフが「青少年や若者のドーピングによる危険性」といったセミナー開催で選手やコーチを引きつけ、危険薬を安心して使える救済薬に変えるだけでなく、ドーピングに関与する全ての人たちが利益を得られることにあります。
すなわち選手は筋肉増強剤オキサンドロロン(この薬は恐ろしいことに、日本でも簡単にネット個人輸入販売で1週間ほどで手に入り、実質的に容認されていると言っても過言ではありません)などの投与で、選手の能力を最大限引き出し、選手たちはメダル獲得であらゆる欲望が得られ、コーチーたちもその手腕が評価されるだけでなく、選手が獲得する賞金や広告料からリベートが得られ、またスポーツ省の官僚たちも国家目標達成でウインウインになれるからです。

日本もこの数十年莫大負債の主因である公共投資が問題視されているにもかかわらず減らず(一般会計では縮減しているように見えても、国と地方の凡そ50兆円の公共投資は本質的には減っておらず、広大なアメリカの3倍を超える額です)、しかも公共工事入札での談合も実質的には一向に減っていません。
国民にとっては最早高速道路、新幹線、リニア建設などの公共工事は不要であっても、関与する人たちは誰もがウインウインになれることから、どのように厳しく規制しようとしても寧ろ焼け太りさせています。
それは莫大な赤字を生み出した旧道路公団の改革では、建設を推進する新会社と借金を返済する機構に分割し、永続的に益々公共工事をやり易くしたことを見れば一目瞭然です。
なぜなら道路公団を独立行政法人へと民営化したことで会計検査もできなくなり、政府が国家負債ではないと明言する財投債の融資で、これまで以上に容易に調達できるようになったからです。
今回政府が決めた28兆円を上回る一億総活躍社会実現のためのバラマキでは、インフラ整備に10兆7000億円もあて、その柱にリニア中央新幹線の早期建設実現を挙げています。
しかも10兆7000億円の財源としては、既に100兆円にも達する財投債で賄うことを決めています。
財投債は国債のような国の借金ではなく、将来世代のお金を産み出すインフラ投資としていますが、その保証は全くありません。
日本のような巨大地震がいつ、どこでも起こりうる地震列島の地下に、最早国民にとって不必要な高速リニアを走らせること自体大きなリスクであり、万一災害が起これば多くの人命を奪い、東電の莫大な負債を国が尻拭いする福島原発事故に見られるように、最終的には国民が支払わなくてはなりません。
すなわち将来世代にお金を産み出すインフラ資産とは、これまでの過去を検証すれば、単なる借金だけではなく、たとえ災害がなくとも安全に維持するだけで、借金を益々増大させるマイナス資産以外の何者でもありません。
そのような見解は御用学者以外の専門家から見れば自明であり、関与者だけがウインウインの公共投資をこのまま続けて行けば、ごく近い将来日本のデフォルトは間違いなく来るでしょう。
それにもかかわらず公共投資に邁進する日本が、ロシアのウインウインで邁進する国家ぐるみのドーピング邁進をどうして他人事と見れるでしょうか。

次回からはそのような官僚支配から、戦後司法を完全に行政から独立させることで、官僚奉仕へ転換させたドイツについて少しずつ述べて行きたいと思っています。

新刊のお知らせ
8月中旬に『ドイツから学ぶ「官僚支配から官僚奉仕」・・日本の民主的革命』が地湧社から発行されます。

目次はじめにあとがき

2016-08-01

(291)世界の官僚奉仕を求めて第一回 『ロシアのドーピング秘密』が抉り出す官僚支配



ロシアの国家ぐるみのドーピング不正はロシアだけの問題のように扱われていますが、本当は現在の日本の溢れ出している不正の問題でもあり、最早不正に機能できない世界の問題でもあります。
思い起こせば2002年夏に福島原発で、何十もの炉心隔壁のひび割れトラブル隠しが内部告発によって明らかにされた際、新聞報道の追求で検査企業の技師たちは「異状ありきという報告書なんて受取れない」というのが長年培われてきた官僚たちの慣習であることを漏らしていました。
また昨年の東洋ゴム、東芝旭化成化血研、そして今年の三菱自動車やスズキ自動車などの絶えることのない不正では、メデイアが追求していくと「問題のある報告書など受取れない。目標を達成する報告書しか受取れない」という不正強要が、官僚化した企業組織にも見えてきました。
日本はドーピングに関してはクリーンですが、それは日本がアメリカに追従していることから、アメリカと対等するロシアのようにドーピング不正が容認されるほどメダル獲得が強要されていないという見方もできるでしょう。
もっともオリンピック開催誘致では、長野オリンピックの際会計帳簿が燃やされるほどの凄まじい賄賂不正が問われたにもかかわらず、東京オリンピック誘致でも目標達成のために、フランス検察が公表したように前IOC会長への2億円贈賄不正がなされています。
すなわち現在の利益最優先の社会、世界からは必然的に不正が溢れ出しており、最早このまま見過ごして行けば、人類に未来はないというのが私の考えであり、どのように道を切り開いて行けばよいか再開したブログドイツから学ぼう」で訴えて行きたいと思っています。

今回載せたドイツ公共放送ARD(注1)『ドーピングの秘密・・どのようにロシアは勝者を造り出したか』は、2014年12月3日にドキュメンタリー番組として放映され、内部告発と徹底した検証でロシアの国家ぐるみのドーピングを描いています(2年後という遅さには問題があるとしても、今年1月に放映されたNHKクローズアップ現代の秀作『ドーピングショック 〜組織ぐるみの不正はなぜ〜』はこの番組を手本にしています)。
このドキュメンタリーはロシアの女子800メートルの世界記録保持者ユーリア・ステパノワと夫のロシアアンチドーピング機構職員のビタリー・ステパノワがドイツジャーナリストドーピングの専門家であるハヨー・ゼッペルトにEメールで内部告発するところから始まっています。
このドキュメンタリーが世界にとって衝撃的なのは、ロシアの国家ぐるみのドーピング内部告発を、言訳など不可能なほどに一つ一つ実際に現地でコーチなどの取材を通して検証していることです。

長いことブログドイツから学ぼう」を休ませてもらいましたが、ようやく納得できる本が書けましたので再開したいと思います。
本に関しては8月中旬に『ドイツから学ぶ「官僚支配から官僚奉仕」・・日本の民主的革命』というタイトルで、チェルノブイリ原発事故後『まだまにあうのなら』で50万部を超える脱原発のバイブルを生み出した地湧社から発行されます。

目次はじめにあとがきを載せておきますので(推敲段階の原稿ですので多少異なるかもしれません)、是非読んでもらいたいと思います。

それから今回から始まる「世界の官僚奉仕を求めて」について終わりに一言いえば、パナマ文章やドーピング内部告発ドイツでなされるのは、世界でドイツだけで官僚奉仕が徹底して実現されているからに他なりません。

(注1)ドイツの公共放送は、9つの地方公共放送からなるドイツ公共放送連盟ARDともう一つの公共放送ZDFからなり、ZDFテレビ放送は世界の誰でもが無料で視聴できます。このようなZDFの無料インターネットサービスは1996年から開始されており、2006年にZDF社内から有料化案が浮上した際、「ドイツの公共放送は国民に開放される方法こそ模索されなくてはならない」というZDF管理評議会委員を兼ねる連邦文化・メディア大臣の発言で、現在も完全な無料化が実施されています。その背景には、ドイツでは公共放送は国民への奉仕と基本法の求める市民育成の義務、さらには世界の民主主義と平和に貢献するだけでなく、絶えず世界に理想を求めることを使命としているからです。
公共放送の財源は国民の支払う負担金からなり、その6割がARDに配分され、残りの4割がZDFに配分されています。2013年1月の受信料改正では従来の受信機所有の受信料徴収から公共放送サービスを享受する権利への負担金に変更されましたが、国民の支払う負担金は従来の月17ユーロ98セントから15年1月より17ユーロ50セントに値下げされています(生活保護家庭などは負担金免除)。