むらもと循環器内科

      『食べ物は最良の薬であり、最良の薬は食べ物である』
      食事療法と断食を最大限に活用し、できるだけ少ない薬で、
      皆さまが健康な生活を送れるようにサポートいたします。
                                  

2018-05-16

食べ物を見直すことから病気を治す 生活様式の改善から始める医療

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium

むらもと循環器内科

高血圧、糖尿病などの慢性疾患は、薬では治りません。薬は対症的治療であり、根本的な治療ではないからです。多剤併用になればなるほど、副作用も増え、安全性は不明となります。糖質制限をすれば、糖尿病は改善します。スタチンでコレステロール値を下げても、寿命が延びることはありません。治療ガイドラインに沿った薬物治療の安全性に疑問を抱くようになってから、食べ物を見直し、足りない栄養素を補充して、ライフスタイルと生活環境を修正し、できるだけ少ない薬で治療するようになりました。全ての慢性疾患の治療において、1.食事療法(低糖質・高脂肪・中蛋白質)、2.マイクロバイオームの健全化、3.ミトコンドリア機能の活性化、の3点の実現が特に重要であると考えております。高血圧、糖尿病脂質異常症メタボリック症候群痛風などの生活習慣病、循環器疾患全般、慢性腎臓病を主に診ております。食事療法を中心とした治療で、皆様のお役に立てるよう努めてまいります。

問い合わせ: 電話 011-802-1000
〒004-0052 北海道札幌市厚別区厚別中央2条4丁目9番15号 新札幌中央メディカルビル3F 

2型糖尿病の解明と攻略 (Jason Fung 'DIABETES CODE'より)  (札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium

疫学
1950年代から心筋梗塞が増加し、脂肪摂取が原因と考えられた。1980年、米国食事ガイドラインが発行され、低脂肪食が推進されたが、それは炭水化物を増やすことでもあった。何の科学的証拠もないのに、本来肥満の原因であるとされてきた炭水化物が健康に良いとされた。この低脂肪高炭水化物食は、肥満を増加させるという予期せぬ結果を生むのだが、血糖とインスリンを増加させる食事でもあった。アメリカ人の14%が2型糖尿病(T2D)で38%が境界型糖尿病で、合わせて52%となり、半分以上が患者となった。1980年以来、約40年で、世界中の糖尿病患者は4倍に増えた。これは、遺伝子異常や老化現象ではなく、生活スタイル(食事療法)の問題である。
≪高インスリン血症とインスリン抵抗性
インスリンにより、肝臓は糖からグリコーゲンを合成し貯蔵する。グリコーゲンがいっぱいになると脂肪が合成される。肝臓グリコーゲンと脂肪でいっぱいになると、インスリンは、リポ蛋白質中性脂肪を詰め込み、Very Low Density Lipoproteinとして血中に送り出し、脂肪細胞中性脂肪を取り込ませる。こうして、余分な炭水化物蛋白質体脂肪として貯蔵される。摂食(インスリン高)が断食インスリン低)を上回れば、インスリン過多となり脂肪が蓄積する。インスリンが増えると体重が増え、インスリンが減ると体重は減る。ホルモン(およそインスリン)が、体重や体脂肪を設定する。肥満ホルモン不均衡によるものであり、カロリー不均衡によるものではない。概日リズムにより、大量でも短く分泌する分には、どんなホルモンも抵抗性は生じない。しかし、大量に持続的に分泌されると、抵抗性が生じる。つまり、インスリンインスリン抵抗性を生む。インスリンは主に肝臓で食べ物のエネルギーを貯蔵するのに働く。摂食が断食を上回ると、時間が経つにつれ、細胞ブドウ糖で溢れ(オーバーフロー現象)、さらに取り込めなくなる。つまり、インスリン抵抗性となる。これを埋め合わせるために、身体はさらにインスリンを分泌し、細胞ブドウ糖を押し込むが、インスリン抵抗性をさらに増す悪循環が形成される。細胞ブドウ糖で充満した状態を解除するために、ブドウ糖から脂肪を生成する。脂肪が外に送り出されるよりも多く生成されると脂肪肝になる。インスリン抵抗性の大部分は、ブドウ糖オーバーフローにより膨れ上がった脂肪肝が関係する。過剰な糖は、脂肪肝を引き起し、インスリン抵抗性を招く。
≪糖とT2D≫
過剰なインスリンにより異所性脂肪が臓器内に蓄積することは、インスリン抵抗性の進展に決定的な役割を果たす。最初は、脂肪肝と脂肪筋によるインスリン抵抗性であり、オーバーフロー現象である。初期に発生し、T2Dの診断より10年かそれ以上先行する。血糖は比較的正常枠に保たれるが、膵臓のβ細胞インスリンの産生を増やし、バランスを取るからである。食事療法をしなければ、必ず2つ目の問題である、脂肪膵によるβ細胞の機能低下に行きつく。増加するインスリン抵抗性に合わせて十分なインスリン産生ができなくなり、T2Dの診断ができるだけ十分に血糖が上昇する。糖の消費量の増加は、T2Dの急激な増加の一因である。果糖は果物に含まれる自然な糖で、血糖もインスリンもほとんど上昇しないが、ブドウ糖よりはるかに強く肥満糖尿病と関連する。果糖の過剰摂取は脂肪肝を容易に招き、インスリン抵抗性を生むからである。果糖を含む砂糖や異性化糖(液糖)は、どんな精製炭水化物より肥りやすく、T2Dを招きやすい。
≪T2D治療の問題点≫
DCCT試験とEDIC試験により、1型糖尿病(T1D)で、厳格な血糖コントロールにより合併症が減った。2つの試験から、T1Dでは、糖毒性というパラダイムが確立した。しかし、UKPDS試験、ACCORD試験、ADVANCE試験など、多数の試験において、T2Dでは、積極的な血糖低下治療により、心疾患や死亡率を減らすことができなかった。糖毒性パラダイムはT1Dでは確かめられたが、T2Dはみじめに失敗した。さらに、SU剤、TZDs、インスリンによる体重増加は、メタボリック症候群を引き起し、将来的な心血管疾患や癌のリスクとなる。インスリンが過多なT2Dに、インスリンを増やす治療に問題がある。T2Dの治療は、血糖とインスリンを共に減らす必要があり、それにより糖毒性もインスリン毒性も最小化できる。運動が健康に良いのは間違いないが、体重減少はわずかである。運動は筋肉のインスリン抵抗性を改善させるが、肝臓インスリン抵抗性を改善しない。運動不足がT2Dの原因ではない。
≪T2Dの効果的治療法≫
T2Dは過剰な糖により引き起こされた病気であり、低炭水化物食が有効であることに疑いの余地はない。また、高脂肪食である地中海食の優位性や、食事の飽和脂肪酸は心疾患とは関係ないことが明らかとなった。摂り過ぎた蛋白質は、最終的に糖になるので、蛋白質は中等度が望ましい。さらに、天然食物を摂ること、果糖と精製炭水化物を摂らないことが重要である。胃バイパス術後に、T2Dが治癒することがわかった。STAMPEDE試験では、約3か月以内に血糖は正常化し、最終的に全ての糖尿病治療薬を中止できた。胃バイパス術が有効なのは、急な厳しいカロリー制限をするからである。それにより、身体は肝臓グリコーゲンを使い果たすと、脂肪を燃やし始める。身体は優先的に肝臓の脂肪や臓器内脂肪から燃焼する。なぜなら、脂肪細胞の脂肪よりアクセスしやすいからである。この異所性の脂肪や腹部脂肪を取り除くことで、T2Dは治癒する。断食と胃バイパス術を比較した研究では、体重減少も血糖コントロールも、断食は胃バイパス術より良好な結果であった。体重を落とせば、T2Dは改善する。T2Dの治療には、糖を摂らないこと、糖を燃やすことの2つが大事である。断食はどちらにも効果があり、最も効果的で自然な治療法である。一方、持続的なカロリー制限での減量は必ず失敗する。カロリー制限をすると、基礎代謝率が低下し、寒気、疲れ、空腹を訴える飢餓モードを招くからである。間欠的断食が成功するのは、好ましいホルモン変化が生じるためである。断食では、低カロリー食と異なり、沢山のホルモンの順応が起こるので、基礎代謝率が維持され、飢餓モードが生じないのである。インスリンは鋭く下がり、インスリン抵抗性を防ぐ。ノルアドレナリンは上昇し、代謝を高める。成長ホルモンが増え、骨格筋を維持する。断食を始める前に主治医と相談し、薬の調整が必要である。薬を飲んでいる場合、断食時の血糖を140-180mg/dlに維持し、低血糖を予防する。断食を始めて、空腹感、頭痛、筋けいれん、皮膚障害などが生じることは少なくない。これらの副作用は、糖毒放棄によるサインであることが多く、数週で徐々に減り消失する。暁現象は概日リズムにより生じる。起床前4時ころ、アドレナリン、成長ホルモン、グルカゴン、コーチゾルが分泌され、肝臓は糖を放出し、身体を活性化する。暁現象は生理的なもので、正常人でも起きるが、その上昇は非常に小さい。T2Dの75%は早朝に顕著な血糖の早朝スパイクが生じる。同じ現象は、時間を延長した断食でも起きる。暁現象は自然現象であり、身体に溜まった糖を燃やしきるために必要なことなのである。

参考図書
The Diabetes Code: Prevent and Reverse Type 2 Diabetes Naturally:2018,Jason Fung MD
Intensive Dietary Management

問い合わせ: 電話 011-802-1000
〒004-0052 北海道札幌市厚別区厚別中央2条4丁目9番15号 新札幌中央メディカルビル3F 

コレステロール仮説は本当に正しいか? (札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium

コレステロール仮説は「コレステロールは粥状動脈硬化症の原因である」とするもので、血中コレステロール値が下がれば、冠動脈疾患が減ることを主張する。フラミンガム研究などを基礎とした仮定であるが、未だに証明されておらず、単に事実からの推測にすぎない。(1)
コレステロール仮説の成り立ち≫
それは約100年前、1913年にロシアの病理学者ニコライ・アニチコワが、草食動物であるウサギに動物脂肪を食べさせ、血管内膜に脂肪の堆積と肥厚を認めた実験に基礎をなす。1948年より、米国で、心疾患の原因を調べるフラミンガム研究が始まり、健康人の観察研究により、コレステロール、喫煙、高血圧が心筋梗塞の危険因子とされた。(2)1950年、心筋梗塞が30%を超え、死因のトップとなり、緊急な予防手段を要した。1953年、米国のアンセル・キーズは、6か国研究(3)で、脂肪摂取量と心臓死は相関すると発表。1957年、22か国に増やしたら相関は消失し、批判された。しかし、1970年、7か国研究(4)で復帰し、心筋梗塞と関連があるのは、総脂肪摂取量ではなく、動物脂肪摂取量であるとした。多くの不備があったにもかかわらず、「冠動脈疾患の発症率は、血中コレステロール値と同様に、食事中の飽和脂肪酸と密接に関係する」という、食事心臓仮説は、確かな証拠として広く受け入れられた。飽和脂肪酸不飽和脂肪酸に代えると、コレステロールが低下することがわかり、動物脂肪を植物オイルに代えることで、冠動脈疾患のリスクを減らすことができると考えられる様になった。米国では1977年、マクガバン報告により、脂肪摂取量を減らすこと(特に飽和脂肪酸)が推奨され、1980年、米国農務省により、アメリカ人の食事ガイドラインを制定された。根拠はアンセルキーズの7か国研究だけであった。以後、5年ごとに改定されるが、あまり変化はない。(5)1984年、LRC−CPPT試験(6)で、家族性高コレステロール血症の中年男性のコレスチラミン(クエストラン)治療群で、総死亡率は減らなかったが、冠動脈イベント(心筋梗塞と心臓死)は19%低下した。薬でコレステロールを減らして心筋梗塞が減るなら、食事のコレステロールを減らしても同様な結果が得られるとする飛躍的推論により、脂肪摂取を減らせば冠動脈疾患が減ると宣言した。しかし、消化器症状が酷く、癌が増えるなど問題も多かった。1994年、4S試験(7)で、心筋梗塞の既往のある男性のシンバスタチン(リポバス)治療群で、初めて、冠動脈イベントと総死亡率のどちらも有意に低下した。副作用もなく、心筋梗塞後にコレステロールを下げることは、利益があり安全であると宣言された。また、心筋梗塞の既往のない人、女性、老人で死亡率の低下を証明した試験はなかったが、適応対象は広げられた。スタチンは冠動脈疾患を予防できる夢の治療薬であるとする神話が生まれ、今も続いている。
≪仮説の検証:食事に関する臨床試験
1982年、MRFIT試験(8)、コレステロール、血圧が高く、喫煙者である中年男性1.3万人に8年間、コレステロールを40%減らし、飽和脂肪酸を30%減らし、カロリーを20%減らし、血圧と喫煙を有意に減らした治療群は、少しコレステロール値が下がったものの、心筋梗塞も総死亡も変化なし。2006年、WHI試験(9)で、閉経後の女性5万人8年間に、低脂肪低カロリー食で、心血管疾患は減らなかった。1994年、MONICA観察研究(10)で、21か国およそ1000万人を10年間観察。飽和脂肪酸の摂取量の多い8か国は、少ない8か国と比べて、心筋梗塞による死亡が少なかった。
≪仮説の検証:新しい規制下でのスタチン臨床試験
2005年に臨床試験の規制が強化された。2005年以降のスタチン試験は、すべてロスバスタチン(クレストール)による。2007年、CORONA試験(11)、2008年、GISSI-HF試験(12)、2009年、AURORA試験(13)で、心不全腎不全患者に、冠動脈イベント、総死亡率に有意差なし。スタチンのコレステロール低下による二次予防効果を完全否定した。2008年、Jupiter試験(14)、CRP高値の冠動脈疾患のない人を対象とした一次予防試験で、複合心血管イベントが有意に低下したと発表されたが、バイアスが多く評価に値しない。規制の前後で、スタチンの有効性と安全性に不一致がある。規制前の試験は、製薬会社が自ら統計処理をするなど問題が多い。(15)新しい規制後のロスバスタチンによる臨床試験は、全て二次予防で無効であった。一次予防もおそらく無効であろう。ロスバスタチンより優れていると証明されたスタチンはない。なので、スタチンはすべて無効である可能性が強い。
≪仮説の検証:その他の研究≫
無作為抽出の人の間で、総コレステロール(TC)やLDLと粥状動脈硬化症の間に関連を示した研究はない。(16)TCやLDLは女性と高齢者の心血管疾患を予測しない。(17)コレステロール低下試験で、量反応関係、つまり、コレステロール低下の程度と冠動脈イベントを示したものはない。スタチンから得られるわずかな利益は他の効果によるに違いない。(18)心筋梗塞患者のTCとLDLは正常以下であった。また一つの試験では、コレステロールが低いほど、死亡率は高かった。(19)(20)老人のLDLは死亡率と関連がなく、多くの場合は死亡率と逆相関する。(21)多量のコレステロールの摂取が、血中コレステロール値に影響を与えたという試験は報告されていない。(22)(23)
≪粥種の発症機序:炎症と酸化LDLの由来≫
高LDLは内皮機能障害と内皮傷害を招き、LDLと単球を血管壁内に移動させる。その後、LDLは酸化され、単球またはマクロファージに貪食され、泡沫細胞に至る。血管壁内の炎症により粥腫(アテローム)は形成される(24)というが、いくつかの観察研究はこれらに矛盾する。LDL濃度と内皮機能障害に関連はない。(25)ホモシステイン血症の患者では、持続的な内皮傷害があるにもかかわらず、血管内に脂肪が見いだされない。(26)抗炎症薬によるほぼすべての試験は、心臓血管疾患の死亡率を高めた。(27)炎症と脂肪の蓄積は内皮側ではなく、主に外膜側でみられる。(28)ヒトのリポ蛋白質細菌ウイルス、毒素に結合し無効にすることができる。(29)脆弱性プラークは血管栄養血管vasa vasorumが微生物とリポ蛋白質の集合体により閉塞し、血管内に小さな膿瘍が形成されるとすると仮定すると、矛盾を全て解決する。(30)粥腫から多くの微生物が検出されていることにも合致する。(31)この場合、炎症と酸化LDLは粥状動脈硬化症の二次的現象であることを意味する。
≪まとめ≫
コレステロール仮説は、食事の臨床研究、薬物の臨床研究、および病理的な研究から、完全に否定的である。にもかかわらず、スタチンで下がりきれないLDLをさらに低下させるPCSK9阻害薬が新たに認可され、コレステロール仮説の勢いは止まる様子がない。また、低脂肪高炭水化物食の推奨により、世界中に肥満と2型糖尿病が蔓延した。新しいガイドラインの下、多くの健康人が、スタチンの内服を促され、20%以上の人が、筋肉障害、糖尿病、脳機能障害、癌などの副作用を被っている。コレステロール仮説は、繰り返し間違っていることを示されてきたが、名誉、利益、偏見などにより、学会、製薬会社、食品会社などに利用され続けている。
≪私の見解≫
生体に必要不可欠なコレステロールを人為的に低下させることで病気を治すという発想に無理があります。粥状動脈硬化症の確実なリスクであるメタボリック症候群を治療すること、つまり高インスリン血症を是正することが第一に優先されるべき治療でしょう。そのためには、糖質を減らし、天然で良質な脂肪の摂取量を増やすことが重要です。さらに、ω6不飽和脂肪酸を減らし、ω3不飽和脂肪酸を増やすことで、炎症性疾患を予防する事も重要と考えます。また、感染症を避けること、免疫能を落とさないことが重要であり、脂肪の摂取に加えて、ビタミンDとビタミンCを十分に補充することが重要でしょう。

参考文献
(1)Ravnskov U, Diamond DM, Hama R et al. Lack of an association or an inverse association between low-density-lipoprotein cholesterol and mortality in the elderly: a systematic review. BMJ Open 2016;6: e010401. doi:10.1136/ bmjopen-2015-010401
(2)Kannel WB, Dawber TR, Kagan A et al. Factors of risk in the development of coronary heart disease--six year follow-up experience. The Framingham Study. Ann Intern Med 1961;55:33-50.
(3)Keys A. Atherosclerosis: a problem in newer public health. J Mt Sinai Hosp N Y 1953; 20(2): 118-39.
(4)Keys A. Coronary heart disease in seven countries I. The study program and objectives. Circulation 1970; 41(I-1-I-8).
(5)Harcombe Z, Baker JS, Cooper SM, et al. Evidence from randomised controlled trials did not support the introduction of dietary fat guidelines in 1977 and 1983: a systematic review and meta-analysis. Open Heart 2015; 2(1).
(6)Lipid research clinics program: The lipid research clinics coronary primary prevention trial results; I.reduction in incidence of coronary heart disease. JAMA. 1984; 251: 351-64.
(7)Scandinavian simvastatin survival study group: Randomised trial of cholesterol lowering in 4444 patients with coronary heart disease; the Scandinavian simvastatin survival study (4S). Lancet. 1994; 344: 1383-9.
(8)Gorder DD, Dolecek TA, Coleman GG et al. Dietary intake in the Multiple Risk Factor Intervention Trial (MRFIT): nutrient and food group changes over 6 years. J Am Diet Assoc 1986;86,744-58.
(9)Howard BV, Van Horn L, Hsia J, et al. Low-fat dietary pattern and risk of cardiovascular disease: the Women’s Health Initiative Randomized Controlled Dietary Modification Trial. JAMA 2006;295:655–66.
(10)Stewart AW, Kuulasmaa K, Beaglehole R, for the WHO MONICA Project. Ecological analysis of the association between mortality and major risk factors of cardiovascular disease. The World Health Organization MONICA Project. Intern J Epidemiol 1994;23:505-16.
(11)Kjekshus J et al for the CORONA group: Rosuvastatin in older patients with systolic heart failure. N Engl J Med. 2007; 357: 2248-61
(12)Gissi-Hf investigators: Effect of rosuvastatin in patients with chronic heart failure (the GISSI-HF trial): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet. 2008; 372: 1231-9
(13)Rosuvastatin and Cardiovascular Events in Patients Undergoing Hemodialysis, N Engl J Med 2009; 360:1395-1407
(14)Ridker PM et al for the JUPITER Study Group: Rosuvastatin to Prevent Vascular Events in Men and Women with Elevated C-Reactive Protein. N Engl J Med. 2008; 359: 2195-207.
(15)Michel de Lorgeril et al. Recent cholesterol-lowering drug trials :new data, new question. J.Lipid Nutr .vol.19,1(2010)
(16)Ravnskov U. Is atherosclerosis caused by high cholesterol? QJM 2002; 95:397-403.
(17)Ravnskov U. High cholesterol may protect against infections and atherosclerosis. QJM 2003; 96:927-34
(18)Ravnskov U. High cholesterol may protect against infections and atherosclerosis. QJM 2003; 96:927-34
(19)Sachdeva A, Cannon CP, Deedwania PC et al. Lipid levels in patients hospitalized with coronary artery disease: an analysis of 136,905 hospitalizations in Get With The Guidelines. Amer Heart J 2009; 157:111-7.
(20)Al-Mallah MH, Hatahet H, Cavalcante JL, Khanal S. Low admission LDL-cholesterol is associated with increased 3-year all-cause mortality in patients with non ST segment elevation myocardial infarction. Cardiol J 2009; 16:227-33.
(21)Ravnskov U, Diamond DM, Hama R et al. Lack of an association or an inverse association between low-density-lipoprotein and mortality in the elderly: a systematic review. BMJ Open 2016;6:e010401. doi:10.1136/bmjopen-2015-010401
(22)Eckel RH, et al. 2013 AHA/ACC Guideline on Lifestyle Management to Reduce Cardiovascular Risk. Circulation 2014;129(25 Suppl 2):S76-99
(23)USDA. Scientific Report of the 2015 Dietary Guidelines Advisory Committee. February 2015
(24)Hansson GK. Inflammation, atherosclerosis, and coronary artery disease. New Eng J Med 2005; 352:1685-95.
(25)Reis SE, Holubkov R, Conrad-Smith AJ et al. Coronary microvascular dysfunction is highly prevalent in women with chest pain in the absence of coronary artery disease: results from the NHLBI WISE study Amer Heart J 2001; 141:735-41.
(26)McCully KS. Hyperhomocysteinemia and arteriosclerosis: historical perspectives . Clin Chem Lab Med 2005; 43:980-86.
(27)Trelle S, Reichenbach S, Wandel S et al. Cardiovascular safety of non-steroidal anti-inflammatory drugs: network meta-analysis. . BMJ 2011; 342: c7086 doi:10.1136/bmj.c7086
(28)Subbotin VM. Neovascularization of coronary tunica intima (DIT) is the cause of coronary atherosclerosis. Lipoproteins invade coronary intima via neovascularization from adventitial vasa vasorum, but not from the arterial lumen: a hypothesis. Theor Biol Med Model 2012; 9: 11-32
(29)Han R. Plasma lipoproteins are important components of the immune system. Microbiol Immunol 2010; 54: 246-53.
(30)Ravnskov U, McCully KS. Vulnerable plaque formation from obstruction of vasa vasorum by homocysteinylated and oxidized lipoprotein aggregates complexed with microbial remnants and LDL autoantibodies. Ann Clin Lab Sci 2009; 39:3-16.
(31)Ott SJ, El Mokhtari NE, Musfeldt M et al. Detection of diverse bacterial signatures in atherosclerotic lesions of patients with coronary heart disease. Circulation 2006; 113: 929-37.

ファンクショナル・メディスン(機能性医学)と慢性疾患 (札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium
鼻炎で耳鼻科に、湿疹で皮膚科に、頭痛で脳神経科に、下痢と便秘で消化器科に、高血圧で循環器科に、気分障害と不眠で心療内科に通院し、毎日20種以上の薬を内服するが、体調は一向に改善しない、このような患者さんは決して少なくありません。

スタンダード・メディスン(標準医学)では症状を重視し、診断に集中的に取り組む。一度診断が決まれば、薬物や手術などの処方が決まり、効率の良い平均的治療が施される。医師は臓器毎に専門化し、自分の分野のみに関心を示し、他臓器の症状には関与しない。結果、患者は他科専門医受診を余儀なくされる。スタンダード・メディスン感染症や救急医療において、今も主流で優れた治療成績を示す。

一方、スタンダード・メディスンは、現代の主たる健康問題である慢性疾患の治療には向かない。慢性疾患は、自然治癒しない、悪化する、原因が一つでない、複雑な症状があるなどの4徴を持つ。代表的な疾患として、2型糖尿病、高血圧、片頭痛アルツハイマー病、多発性硬化症パーキンソン病うつ病自閉症慢性疲労症候群線維筋痛症、慢性関節リウマチ、ループス、橋本病逆流性食道炎、セリアック病、クローン病潰瘍性大腸炎、過敏性大腸炎、骨粗鬆症慢性閉塞性肺疾患気管支喘息肝臓病、腎臓病、黄斑変性症、などがある。慢性疾患で死にいたることはなくても、痛みや、不快感で人生を弱体化し、我々の生活に負担をかけている。

2000年に人間の遺伝子が全て解読された。遺伝子革命は、一般的な慢性疾患のおよそ30%ばかりが遺伝形質に由来し、70%は他の何か、すなわち遺伝子発現に対して環境と行動様式が影響を及ぼすことが示された。つまり、遺伝形質は運命ではなく、我々の健康は受精の時点で自動的に決定されるのではないことが判明した。我々は遺伝子を書き換えることはできないが、環境と行動様式を変えれば、遺伝子の発現を変えることができるのだ。こうして、個人個人の健康問題の根本的な原因を解明すべく生まれたのがファンクショナル・メディスンである。

ファンクショナル・メディスンは、慢性疾患の原因である生理学的不均衡を見出し、食事、ライフスタイル、環境を調整し、個人に適合した健康管理プログラムを作ることで、遺伝子の発現に影響を与え、生理機能を健全化し、我々に健康をもたらすとする革命的な医学である。個人の遺伝子発現を変化させる要因について詳しく知ることは、個人の健康、寿命の延長を最適化するプログラムを作成することにつながり、個人に特化した生活医療と言える。糖尿病の治療にあたり糖質制限を最優先することも、ファンクショナル・メディスンである。

慢性疾患の治療のための5つの基本教義
1.我々の健康は我々の遺伝子によりあらかじめ決められているわけではない。
2.慢性疾患は生理学的過程の不均衡によって起こる。
3.病名がつかないことは必ずしも健康であることを意味しない。
4.ライフスタイル、食事、環境と遺伝子の反応は個人個人で異なる。
5.急性疾患に有効な薬は慢性疾患の管理には適合しないことがある。

当院では、慢性疾患の治療はファンクショナル・メディスンをベースに行い、平均ではなく、個人差を配慮した、個人に最適な医療の提供を心がけております。

参考文献
The Disease Delusion: Jeffrey S.Bland PhD, 2014
The Autoimmune Solution: Amy Myers MD, 2015
Brain Maker: David Perlmutter MD, 2015
The Wahls Protocol: Terry Walhls MD, 2014
The Fatigue and Fibromyalgia Solution: Jacob Teitelbaum MD, 2013

2017-11-13

マグネシウム 奇跡のミネラル (札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium
マグネシウムとは≫
マグネシウムには、骨と歯の形成、エネルギーの生成、神経シグナルの伝達、筋弛緩、細胞膜安定化、イオンチャンネルの調整、食べ物の消化、RNAおよびDNAの合成、タンパク質の合成など、幅広い生物学的機能があり、体内の約800の酵素の活性化に関与しています。実際、ヒトのタンパク質には、3,751か所のマグネシウム結合部位が見つかっています。体内には約25gのマグネシウムが存在し、約60%が骨、40%が軟部組織、細胞外液には1%分布しています。 酸性雨、化学肥料、除草剤、防虫剤の使用により、農地は根細菌も住まない土地となり、マグネシウムは失われ、そのような土地で育った作物にはマグネシウムが欠乏しています。食べ物のマグネシウム量が乏しい上に、私たちの消化管は、その中に含まれるマグネシウムの半分程度しか吸収できません。そのため、先進国の人の80%はマグネシウム不足と報告されています。今日、マグネシウムの補充には、サプリメントが必要なのです。一方、旧石器時代マグネシウムカルシウム比は1:1でしたが、現代はおよそ1:10となっており、カルシウム摂取過多も問題となっています。
マグネシウム不足で現れる徴候≫
不安感、不眠、うつ状態頭痛、腰痛、血圧上昇、動悸、胸痛、肥満生理痛、筋痙攣、関節痛、しびれ感、疲労感、喘息、記憶困難、集中力低下、便秘、食欲不振などがあります。
マグネシウムと疾患≫
マグネシウムの欠乏は体中の様々な疾患の原因となります。代表的な疾患と関連するマグネシウムの主な作用を列記すると、マグネシウムは、血管平滑筋を弛緩させることで高血圧を、インスリン抵抗性の改善により糖尿病肥満メタボリック症候群を、スタチンと同じくHMG-COA還元酵素を抑制することで高コレステロール血症を、副腎サポートとセロトニン生成で不安、うつを、GABA受容体を活性化することで不眠症を、血栓と血管スパスムを予防することで偏頭痛を、NMDA受容体をブロックすることで疼痛、神経痛を、血栓と血管スパスムとカルシウム沈着の予防で脳卒中心筋梗塞狭心症を、イオンチャンネルの調整により不整脈、心房細動を、気管支拡張により喘息を、下部食道括約筋の機能改善により胃食道逆流症を、蠕動運動と消化機能の改善により過敏性腸症候群を、女性ホルモンの生成、筋弛緩作用により月経前症候群、月経困難症を、筋弛緩作用と血管拡張効果により子癇を、卵管のスパスム予防により不妊を、ビタミンDの活性化、カルシトニンの活性化、PTHの抑制により骨粗鬆症を、カルシウムを溶かしシュウ酸との結合を阻止することで腎結石を、腎血管へのカルシウムとリンの沈着を予防し腎臓病を、石灰化予防と抗炎症効果により関節炎を、エピジェネティックな遺伝子コントロールにより癌を、エネルギー生成の改善により慢性疲労症候群線維筋痛症を、解毒効果により環境病を、水銀やアルミニウムの解毒によりアルツハイマー病を、シグナル伝達の改善により認知症を、ドーパミン生成によりパーキンソン病を、テロメア保護により老化を、それぞれ改善する。
マグネシウムを欠乏させる要因≫
炭酸飲料やカフェインの過剰な摂取、 アルコール依存症、老化、薬、消化管疾患、腎臓病、糖尿病、大量のビタミンD摂取、B6とB2、B1の欠乏、セレニウム、亜鉛、ボロンなど微量ミネラルの欠乏などが関わっています。マグネシウムを欠乏させる薬には利尿剤、抗生剤、気管支拡張薬、ステロイド、避妊薬、スタチン、プロトンポンプインヒビター、抗癌剤などがあります。
マグネシウムの検査≫
病院でも臨床試験でも標準検査として利用されている血清マグネシウム検査は、体内マグネシウムの欠乏を反映せず、正確性に欠けます。マグネシウムレベルを最も正確に調べるには、血液イオンマグネシウムの検査が必要ですが、一般化していません。少し正確性に欠けますが、役に立つ検査として、赤血球マグネシウム検査があります(アメリカで約50ドル、日本では不可)。マグネシウムの補充による症状の改善が、マグネシウム欠乏の臨床的検査と言えます。
マグネシウムカルシウムビタミンK2、ビタミンDのバランス≫
カルシウムマグネシウムのバランスを取るときに忘れてはならないのは、ビタミンK2やビタミンDとのバランスです。これら4つの栄養素は、相互に作用して絶妙な働きをしているのです。これらの栄養素のバランスの崩れると、カルシウムサプリメントが心臓発作と脳卒中の危険増加に関係したり、ビタミンDが毒として働いたりする原因となります。
マグネシウムが豊富な食材≫
海水にはカルシウムの3倍のマグネシウムが含まれているので、海藻、魚、貝などにはマグネシウムが豊富です。その他、緑野菜(ホウレン草、ゴボウなど)、豆類(大豆、そら豆など)、ナッツ類(アーモンド、ゴマなど)にも多く含まれています。
≪代表的なマグネシウムサプリメント
マグネシウムグリシネート: Dr's BEST :下痢しにくいが粒が大きくて飲みずらい
クエン酸マグネシウムCALM :水に溶かすので飲みやすいが下痢しやすい
エプソムソルト: Sea Cristal :風呂、足湯などで皮膚から吸収、下痢しやすい人
イオンマグネシウム: ReMag :下痢しやすい人も問題なし、ただし現在入手困難
厚生省マグネシウム推奨量は男性で1日350mg、女性で300mg程度とされるが、十分とは思えません。RDA(1日必要摂取量)は6mg/kg/日で計算されますが、一般的に7−10mg/kgは必要であり、マグネシウム欠乏患者は10−15mg/kgは必要なこともあります。
マグネシウム治療が禁忌なのは、腎不全、重症筋無力症、著しい徐脈、腸閉塞の4つです。
≪まとめ≫
多くの人がマグネシウム欠乏状態にあります。マグネシウム欠乏に関連する多くの疾患は、薬により対症的に治療されますが、症状が軽減することがあっても、治癒することはありません。逆に、多くの薬はマグネシウムを減らし、病態を悪化させる可能性があるのです。一方、マグネシウムは、症状を改善し、治癒に導くこともあります。薬と異なり、マグネシウムには副作用もありません。最近の研究で、マグネシウムの摂取は総死亡率を低下させることが報告されています。多くの酵素反応の補因子として働き、アンチオキシダントであり、抗炎症物質であり、神経受容体の調節因子でもあるマグネシウムは、正に奇跡のミネラルと言えるでしょう。

参考図書
The Magnesium Miracle: Carolyn Dean MD 2014
NIH Health Information Magnesium
The Magnesium Online Library
Magnesium in the Central Nervous System
Nutritional Magnesium Association

ビタミンD 驚きの健康効果 (札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium

ビタミンDとは : ビタミンDは太陽による紫外線(UVB)照射により、皮膚でコレステロールから合成される。肝臓と腎臓で2回水酸化され活性体となり、小腸に運ばれカルシウムとリンの吸収に働く。一方、体中の組織の至る所にビタミン受容体が存在し、細胞核にも存在することが証明され、多くの遺伝子制御に関わり、細胞の増殖、分化、死亡(アポトーシス)に関わることが分かってきた。
ビタミンDと疾患 : くる病が、日光浴不足によるビタミンDの欠乏が原因であることが分かってから、疫学的調査により、緯度が高い地域に、自己免疫疾患、がん、高血圧、冠動脈疾患が多いことが示された。これまでに、骨軟化症、骨粗鬆症線維筋痛症慢性疲労症候群関節リウマチ、1型糖尿病多発性硬化症感染症(風邪、インフルエンザ結核など)、がん(大腸癌乳癌前立腺癌など)、2型糖尿病、高血圧、腎臓病、冠動脈疾患、皮膚病(乾癬など)、歯の健康、うつ病認知症パーキンソン病自閉症などとの関連が報告されている。
ビタミンD欠乏症 : 体内のビタミンDステータスを最も正確に反映する指標は血清25(OH)D濃度である。その循環半減期は2週と非常に長い。25(OH)Dとは対照的に、血中のビタミンDの最終活性体である1,25(OH)2Dは半減期が数時間と短く、また、その血清濃度は副甲状腺ホルモンカルシウム、リン酸による厳密な制御を受けるため、体内ビタミンDステータスの優れた指標にはならない。血清25(OH)D濃度は、20ng/ml以下が欠乏症、20-30ng/mlが減少症、30-100ng/mlが正常範囲を示す。
ビタミンD欠乏はパンデミック: ビタミンDは世界中で地理的条件、人種に関係なく、全ての年齢でパンデミックに欠乏している。その原因は、現代の生活スタイル、太陽恐怖症、母乳栄養児、病気(炎症性腸疾患、胃バイパス術後、肝腎病など)、肥満、薬(フェニトイン、コレスチラミン、ステロイドなど)が関係している。2013年、日本でも一般人口集団ベースの研究で82.5%が30ng/ml以下であった。
ビタミンDの摂取量: 米国科学アカデミー医学研究所の設定した推奨栄養所要量(RDA)は、乳児で400U、1歳以上70歳まで600U、70歳以上800Uである。これは、くる病や骨軟化症予防のレベルであり、十分とは言えない。およそ100UのビタミンDで1ng/ml上昇する。最適濃度40-60ng/mlを目標に、大人で2000Uの摂取が望ましい。肥満、授乳婦などの場合は、4000Uは必要と思われる。
ビタミンD中毒: ビタミンDの毒性は300ng/mlで認め、治療域の30-100ng/mlは大きな安全マージンがある。5000-15000Uのサプリメントを摂取しても、ほぼ100ng/ml以下であり、カルシウムの軽度上昇がある程度であることが多い。ビタミンD中毒は極めてまれで、極端な過剰摂取の症例報告があるにすぎない。日光浴で10000から20000UのビタミンDが生成されるが、必要量以上は不活化される。 ビタミンD中毒の症状は、ほとんどが高カルシウム血症によるもので、嘔気嘔吐、便秘、食欲不振、体重減少、弱体化を認め、重度では眠気、混乱、昏睡、不整脈などがある。
ビタミンD欠乏の治療: ビタミンDの補充には日光浴と食事とサプリメントがある。節度のある日光浴が皮膚癌を招く根拠はない。アメリカで非メラノーマ皮膚癌は死亡率が低く、1200人/年である。一方、全体の5%しかしめないメラノーマは8600人/年も死亡している。メラノーマは日焼けしてない部分に多く、外に出ない人に多い。節度のある日光浴でメラノーマが増えることはない。日光浴により、皮膚癌死亡患者の50倍の他疾患による死亡患者の予防が可能と推定されている。日光浴はムードを良くし、体内時計を正常化し、睡眠の質を上げる効果もある。 自然界にはビタミンDを含有する食品は極めて少ない。脂肪性の魚(サケ、マグロ、サバなど)の身や魚肝油は最良の供給源である。牛レバー、チーズ、卵黄にも少量の動物性ビタミンD3が含まれている。一部のキノコ類にはビタミンD2が含まれている。アメリカ人の食生活において、ビタミンDの最大供給源は強化食品である。牛乳、オレンジジュースシリアルなどに1食100U程度のビタミンDが添加されている。(例)タラ肝油大さじ1杯 1000U、焼きサケ100g 500U、ツナ缶100g 200U、乾燥シイタケ100g 1500U、卵の黄身1個 20U、強化ミルク240ml 100Uなど。 サプリメントにもD2とD3があり、効果は同様である。人間が皮膚で作るのはD3で、サプリメントもD3が多い。多くの人々にとって、1日当たりのビタミンD所要量を満たすためには、サプリメントの摂取が欠かせないのが現実である。血清25(OH)ビタミンDを測定し、最低30ng/ml、最適40-60ng/mlを目指す。維持量は2000-4000Uとなることが多い
ビタミンDとマグネシウム: マグネシウムの低下は副甲状腺ホルモンの合成を減らし、カルシウム低下を引き起す。また、マグネシウムビタミンD結合蛋白の合成、ビタミンD水酸化酵素の活性化に働き、ビタミンDの代謝に影響を与える。ビタミンDと同様、マグネシウム欠乏も蔓延している。ビタミンD、A、K2から得られる利益を最大限に得るには、マグネシウムが必要となる。緑野菜、海藻、豆、ナッツ、穀物に豊富。PPIなどの胃酸抑制薬はマグネシウムを枯渇させる。RDA300-400mg。 
ビタミンDとビタミンK2: ビタミンK2は吸収されたカルシウムを正しく分配する。ビタミンDは Matrix Gla Protein(MGP)とオステオカルシンの合成に働き、ビタミンK2はカルボキシラーゼの補因子として、それらを活性化し、カルシウムとの結合を可能とする。2つのビタミンは協力しあって、カルシウムプラークのない動脈を維持し、骨折しない強い骨を作る。また、オステオカルシンは膵臓からインスリンを分泌させ、インスリン抵抗性を改善する。つまり、ビタミンK2は骨粗鬆症動脈硬化症を予防するだけでなく、肥満と2型糖尿病を予防する。ビタミンK2欠乏により、骨粗鬆症動脈硬化症、癌リスク(肝癌、前立腺癌乳癌)、糖尿病、静脈瘤、しわ、虫歯などが生じる。ビタミンK2欠乏も蔓延化している。ビタミンK2はバター、卵(MK4)、チーズ、納豆ザワークラウトキムチ(MK7)から摂取可能である。

  疫学的調査から、ビタミンDの欠乏は、くる病・骨軟化症のみならず、高血圧、糖尿病、心疾患、自己免疫疾患、がんなど、多くの疾患と関連し、総死亡率の独立した予測因子であることが示されています。一方、臨床試験では、その証明は十分ではないとして、ビタミンDの効能に否定的な意見もあります。我々の体は、栄養素が不足している場合、短期生存に必要な機能を優先し、長期的な健康に関わる機能を犠牲にします。その結果、DNAにダメージが蓄積し、変性疾患や早期死亡を招くことになります。このトリアージセオリーの観点からも、ビタミンDの欠乏は看過できません。2002年、米保健福祉省が紫外線は発がん因子であると宣言して以来、太陽恐怖症となり、必要以上に日光浴を避ける風潮が根付きました。海から陸上生活へと進化した脊椎動物は骨格を維持するために、本能的に日光浴を欠かしません。イグワナと同様に、ヒトもビタミンD生成のために日光浴は必要なのです。
(まとめ)
ビタミンDの欠乏は世界中で蔓延している。血清25(OH)ビタミンDの検査で確認できる。
ビタミンDは骨だけでなく、糖尿病、心疾患、自己免疫疾患、癌の予防と治療のためにも有効である。
節度のある日光浴で皮膚癌は生じない。日光浴を取り入れ健康になろう。
カルシウムの有効利用のために、ビタミンDと同時に、マグネシウムビタミンK2の摂取が特に重要である。

参考図書
The Vitamin D Solution: Micheal F.Holick,MD 2010
Power of Vitamin D: Sarfratz Zaidai,MD 2015
Vitamin K2 and Calcium Paradox: Kate Rheaume-Bleue 2012

間欠的断食(Intermittent Fasting)のすすめ (札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium

断食はヒポクラテス(460-370BC)の時代から、全ての病気の治療手段として、本能的に利用されてきました。また、古くから、精神的浄化・浄罪のために、多くの宗教が断食を取り入れており、現在も、世界中のおよそ3分の1の人々が断食を実践しています。

進化の過程で、人間も他の動物も、間欠的な飢餓の中を生きてきました。私たちの体は断食時にのみ、生物学的な修復と若返りがなされるので、一日中食べ続けると、病気になってしまうのです。つまり、断食は私たちの健康に欠かせないのです。

断食により、私たちの体は、エネルギー源を糖から脂肪へと変えていきます。食事により吸収されたブドウ糖は、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。食物の消化吸収が終わった直後は、血糖値を維持するために、肝臓のグリコーゲンが分解されてブドウ糖になり、循環血液中に入ります。一方、絶食時間が数時間以上になると、基本的に脂肪が燃えて、血糖値確保のために肝臓や腎臓で糖新生が行われます。即ち、血糖値維持システムは、グリコーゲン分解から糖新生に置き換わるわけです。しかし、過食すると、インスリンが大量に分泌されるため、本来脂肪が燃えて肝臓で糖新生する時間帯の夜中に、脂肪細胞に蓄積する方向に向かうのです。

脂肪燃焼をはじめとする断食の健康効果は、24時間以上の持続的な断食ではなく、間欠的な断食でも、同様に得られることが分かってきました。間欠的断食にはいくつかの方法があります。
毎日法:毎日、断食時間を男性で16時間以上、女性で14時間以上確保する方法です。つまり、食事を1日8時間以内に収めるために、朝食又は夕食を抜きます。朝食を抜く場合、昼食を12時-1時の間、夕食を7時‐8時の間に食べれば、夜8時から翌日昼12時までの16時間の断食が可能となります。
朝食を抜くのが辛い人の場合には、朝食を7‐8時の間、昼食を2‐3時の間に取り、夕食を抜けば、3時から翌朝7時までの16時間の断食が可能になります。他にも、5:2法:週5日は普通に食べ、2日だけ500〜600kcalに減量する。1日おき法:1日おきに朝抜きしたり、低カロリーにしたりする。戦士法:1日1食の大食、フルーツの間食は可とする。きまま法:腹が減ってなかったら食事しない。・・などありますが、当院では、最も簡単で継続しやすい毎日法をおすすめしています。

間欠的断食(IF)の効能は多岐にわたります。 IFはインスリンの分泌を減らし、脂肪燃焼を促進し、成長ホルモンの分泌を増加させます。インスリン感受性の増加は慢性疾患を減少させます。 IFは成長ホルモンの分泌を促進し、体組織の修復再生、筋肉増強、脂肪燃焼、アンチエイジング効果を増強します。IFは脳の成長ホルモンであるBDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌を促進し、脳神経可塑性を強化し、脳の機能を高めます。なので、アルツハイマー認知症などの変性疾患、てんかんの治療にも応用されています。IFはmTOR (mammalian target of rapamycin)パスウェイを調整し、細胞成長を制御し、寿命を延ばします。IFは満腹ホルモンであるレプチンの感受性を増加させ、摂食を止め、甲状腺機能を活性化し、代謝を亢進させます。IFは空腹ホルモンであるグレリンを正常化し、成長ホルモンの分泌を促進します。また、グレリンの正常化は学習と記憶力を高めます。IFは炎症を抑制し、慢性疾患の発症を抑制します。IFにより内臓脂肪、血中中性脂肪LDLコレステロール、血圧、酸化ストレスが低下し、インスリン感受性、心拍変異度が増加することで、心疾患リスクは著明に低下します。IFによりフリーラジカルの産生が減り、抗酸化物質(CoQ10ビタミンE、グルタチオンなど)が増加することで、フリーラジカル傷害(酸化ストレス)が減少します。またIFとケトゲニックダイエットの併用で、がん治療にも応用されています。

IFはいつでもどこでも誰でも可能で、お金も手間もかからず、これ以上ない簡単な食事療法と言えます。しかも、IFはマルチシステムの再生を増強し、その健康に及ぼす効果は絶大であり、これを利用しない手はありません。

参考図書
The Obesity Code : Jason Fung, MD 2016
The complete Guide to FASTING : Jason Fung,MD 2016
The Scientific Approach to Intermittent Fasting : VanDerschelden,Michael 2016

糖質制限食と断食療法による糖尿病治療 (札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium

糖尿病は、血糖を下げるインスリンというホルモンの作用不足により、慢性の高血糖状態を主徴とする代謝症候群で、1型と2型があります。1型糖尿病は、膵β細胞の破壊によるインスリンの絶対的欠乏状態で、大半が自己免疫性であり、小児期に発生することが多いです。日本人には少なく、欧米人の10〜20分の1と言われています。2型糖尿病は、インスリン分泌低下を主体とするものと、インスリン抵抗性が主体で、それにインスリンの相対的不足を伴うものがある。欧米では、インスリン抵抗性が大半を占めますが、日本ではインスリン分泌低下の方が少なくありません。これは、インスリン分泌能が、日本人やアジア人は、欧米人より弱いことによります。また、欧米人に比べ、日本人は肥満者も少ないのに2型糖尿病が多いのは、日本人が、2型糖尿病になりやすい体質(遺伝的素因)を 持っているためと考えられます。しかし、遺伝するのは糖尿病そのものではなく、「糖尿病になりやすい体質」で、それに、食事、ライフスタイル、環境要因が加わって、はじめて2型糖尿病が発症すると考えられています。日本の糖尿病の95%以上は、2型糖尿病です

1型でも2型でも、血糖の上昇を抑えるために、食事は糖質制限食(Low Carbon High Fat:LCHF)がベースとなります。炭水化物糖質)、タンパク質、脂質の三大栄養素のうち、血糖を上げるのは炭水化物だけだからです。タンパク質は血糖を上昇させませんが、インスリンを分泌させるので、程よい摂取が望まれます。(インスリン分泌能が落ちるとグルカゴンが相対的に増え、タンパク質で血糖が上昇することもあります。)一方、脂質は血糖もインスリンもほとんど上げませんので、良質な高脂肪食が望まれます。(キャノーラ油などの植物油を控え、オリーブ油、ココナッツ油、アボガド、ナッツなどの天然油を摂る。)具体的には、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの糖質が主成分の炭水化物です。また、食物繊維糖質の血糖上昇を抑えます。天然の炭水化物のGL値が低いのは、糖質の解毒薬として食物繊維が機能してるとも言えます。その他に、インスリン分泌を抑制し、インスリン抵抗性を改善します。毎食前に小さじ1杯に酢やリンゴ酢の摂取を利用しない手はありません。

1型糖尿病の治療はインスリンの補充が主体となります。

肥満型2型糖尿病の場合はインスリン分泌過多によるインスリン抵抗性が成因なので、インスリンの分泌をいかに抑えるかが鍵となります。糖質制限食の徹底で、7割近くの方は改善し、薬なしでの治療が可能となります。しかし、糖尿病歴が長い(肥満歴が長い)患者の場合、糖質制限食で高血糖は改善しても、インスリン抵抗性は改善しないケースが多々見られます。つまり、肥満の改善が頭打ちになります。その理由は、何を食べてもインスリンは分泌されるからですインスリン抵抗性肥満型2型糖尿病の成因)を改善するためには、「何を食べるか」だけでは不十分で、「いつ食べるか」が重要となります。断食ファスティングの時間を長くするほど、高インスリン血症は改善し、インスリン抵抗性が改善することが分かってきました。3食+間食で、絶え間なくインスリンが出続けている現代の食事スタイルでは、時間が経過したインスリン抵抗性の改善は期待できません。まずは、朝食を抜き、昼夜の1日2食とし摂食時間をできるだけ短くし、断食時間(16時間)を長くすることから始めます。それでも体重が落ちないようなら、1日おきに昼食を抜きます(24時間の断食)。それでも体重が落ちないケースは、3日から1週間程度の連続断食に進みます。糖質制限断食治療を加えることで、大半の肥満型2型糖尿病は全ての薬から(インスリンも含む)解放されます。

日本人に多いやせ型2型糖尿病の場合は、異所性脂肪(脂肪肝、脂肪筋)によるインスリン抵抗性などの関連が報告されておりますが、成因は不明で、治療は肥満型2型糖尿病のように単純ではなさそうです。糖質制限食による食事療法と運動療法が主体となります。BMI>20の場合は、断食療法も応用できるかもしれません。

当院では、糖質制限食と断食療法により、できるだけ少ない薬で合併症をきたさない糖尿病治療に努めて参ります。インスリンの過多は脳心血管疾患、癌の原因となるので、薬を処方する場合には、インスリンの分泌を促さない糖尿病治療薬を中心に治療をすすめます。(メトホルミン、アルカボース、DPP4阻害薬など。)他院で沢山薬を処方されているのに全く改善しなかった糖尿病患者さんでも、当院で治療を始め、HbA1c1が著明に改善し(12→6など)、薬から解放された患者さんが多数おります。また、糖尿病の改善とともに、コレステロール・プロファイルが改善し、血圧も下がり、スタチンや降圧剤を減量・中止できた患者さんも沢山いらっしゃいます。

糖質制限食治療の欠点として便秘の合併があります。炭水化物が減ることで食物繊維が不足することが主な原因と考えられます。穀類、豆類、野菜、果物、海藻などから、不溶性・水溶性食物繊維を積極的に摂取しましょう。それが難しければポリデキストロース、難消化デキストリンなどのサプリメントで補うのも良いかもしれません。腸内細菌叢の健全化のために、ヨーグルトなどの発酵食品プロバイオティクス)やオリゴ糖(プレバイオティクス)の摂取も効果があります。

糖質制限食と断食治療を始めるにあたり、低血糖を予防するため、休薬が必要となります。始める前には、必ず主治医と相談してください。また、診断基準を満たしている膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。また、中等度以上の慢性腎臓病(CKD)患者も適応とならないでしょう。

糖質制限食の第一人者である高雄病院の江部康二先生のご推薦で、日本糖質制限医療推進協会の提携医療機関に加盟させていただくことになりました。
江部康二先生のブログ『Dr江部の糖尿病徒然日記』

参考図書
The Obesity Code : Jason Fung, MD 2016
Diabetes Solution: Richard Bernstein, MD 2011
糖質制限食パーフェクトガイド,江部康二 2013

肥満のメカニズムと治療 (糖質制限食と断食療法) (札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium

肥満はカロリー摂取量と消費量により決まる」とほとんど全ての人が信じているが間違いである。カロリーとは単にエネルギーの単位であり、炭水化物タンパク質、脂質、どの栄養素もカロリーが同じなら、体に対する影響は同じであるとする前提に立つものであるが、果たして本当にそうなのだろうか?
過去100年、「カロリー制限をし、運動をすれば痩せる」と信じられてきたが、5万人が参加したWomen’s Health Initiative studyを含め、臨床試験はことごとく失敗に終わっています。にもかかわらず、今も絶対的な真理として、多くの医師や栄養士たちは「カロリー制限・運動療法」を患者に指導し、痩せないのは意志が弱いからであると軽蔑し侮辱するのが常です。

では、何故「カロリー制限・運動療法」は機能しないのでしょうか?それは、私たちの体重はホルモンでコントロールされているからです。特に、膵臓から分泌されるインスリンと副腎皮質ホルモンであるコーチゾルが関与しており、特にインスリンが重大な役目を担っています。人間の体には、サーモスタットのごとく、自動で最適な体重に調節するしくみが備わっていて、これを「セットポイント」と呼びます。カロリー制限をしても、セットポイントが働くことで、エネルギー消費量を減少させて体重の低下を抑えると同時に、猛烈に食欲を亢進させるため、空腹感に耐えられなくなり、体重は元に戻ってしまうのです。逆にカロリーを増やしても、エネルギー消費量を増大させることで体重の増加を抑制し、満腹中枢を刺激し食欲を低下させ、体重を減らす方向に仕向けます。脳の視床にあるセットポイントの設定に大きな影響を与えるのが、インスリンインスリン抵抗性なのです。

では、インスリンを分泌させる食べ物は何でしょうか?実は、全ての食べ物がインスリンを分泌させるのです。確かに、糖を含む炭水化物は血糖を上昇させ、インスリンを大量に分泌させます。一方、タンパク質は血糖を上げないが、インスリンをある程度分泌させます。脂質は血糖も上げず、インスリンもあまり分泌させません。炭水化物タンパク質は1gあたり4kcalで、脂質は9kcalなので、カロリー説では油っこい物は太りやすいと信じられています。しかし、脂質はインスリンの分泌を招かないので、実は太りにくいのです。糖質制限食(Low Carbon High Fat)と低脂肪食(Low Fat High Carbon)を比較した臨床試験で、圧倒的に糖質制限食が減量に有効であることが示されていますが、インスリン分泌量を比較すれば当然の結果と言えます。減量効果だけでなく、降圧、コレステロール・プロファイルの改善も認められ、1977年以来、アメリカ政府やアメリカ心臓協会が心血管疾患の予防のために推奨してきた低脂肪食は全く根拠のないものであることが明らかになりました。

しかし、糖質制限食は短期的に減量効果があるのは間違いないのですが、1年もすると徐々に体重が元に戻ってしまうことが分かっています。その原因はインスリン抵抗性です。たとえば、眠剤を飲み続けると、どんどん利きが弱くなります。眠剤の容量を増やすことで、一時的にまた眠れるようにないますが、また利きが弱くなり眠れなくなります。眠剤の利きを回復するための唯一の方法が断薬なのです。我々の体は、生体反応として耐性(抵抗性)を招くようにできているのです。同様に、高インスリン血症が続くと、インスリンレセプターのダウンレギュレーションが働き、インスリン抵抗性が生じます。すると、インスリン抵抗性を打破するために、膵臓はさらに多くのインスリンを分泌するようになります。ここ悪循環が生まれ、インスリン抵抗性はさらに増大します。

何がインスリン抵抗性を生じるのでしょうか?それは、インスリン分泌過多その絶え間なさ(persistence)です。つまり、食べる機会を減らし、インスリンの分泌を最低限にする時間を長くすることが、インスリン抵抗性を改善する鍵となります。1950年代のアメリカでは、糖質を十分に摂っていたにもかかわらず、現在のように肥満の人は多くいませんでした。それは間食という習慣がなかったことで、インスリン抵抗性が生じにくかったためと思われます。いつの間にか、間食を摂ることが健康に良いという常識が蔓延し、1日に5食から6食摂ることが正当化されてしまいました。しかし、間食が健康であるとする根拠は何もなく、商品をたくさん売るための企業戦略にまんまと騙されたわけです。そもそも、1日3食摂らなければならない理由は一つもありません。全ての食べ物がインスリンを分泌するので、糖質制限だけでは十分にインスリン分泌を抑制することはできません。断食することで、インスリンの分泌は最低となり、時間を長くするほど、インスリン抵抗性が改善します。つまり、インスリン抵抗性は時間に依存するのです。

断食療法はヒポクラテスの時代から既に臨床応用されておりました。キリスト教、イスラム教、仏教など、多くの宗教的儀式として大昔から実践され、現在も、数億人の人々の生活様式の一部となっています。断食と言うと大事に聞こえますが、全ての人が夕食から朝食までは毎日断食(12−14時間)しているわけです。朝食をbreakfastと言いますが、絶食を断ち切るという意味です。断食療法はまずは朝食を抜くことから始め(断食18時間)、効果がなければ昼食も抜き(断食24時間)、それでも効果がなければ、3日〜1週間と断食時間を伸ばして行きます。断食の間、食べ物は一切取りませんが、水分はしっかりと補給します。長期の断食をする際には、ビタミンミネラルなどの補給も重要となります。水分としては、水だけでなく、お茶、コーヒー、ボーンブロスなども可とします。

断食で筋肉が融けてしまうことを心配する人がいますが、体脂肪が4%を切らない限り、筋肉をエネルギー源として利用することはありません。それまでは、エネルギー源として脂肪が利用されるので、筋肉は温存されます。脳に糖が足りなくなり、十分に機能しなくなることを心配される人もいますが、脳は脂肪の分解産物であるケトンを利用できるので問題ありません。また体に最低限必要な糖は肝臓で新生できますので、低血糖も起きません。狩猟採集民族であった私たちの祖先は、毎日食べ物にありつけたわけではありません。飢餓にさいなまれ、食べられない日々が何日も続いても、生き延びてまいりました。歴史が断食療法の安全性を証明していると言えます。

また、運動の肥満に対する効果はとても少ないことが分かっています。我々のエネルギー消費量の大半は体温、呼吸、循環、消化などの基礎代謝に利用されます。仮に1,2時間、毎日運動をしても消費するエネルギーは摂取エネルギーの5%以下であり、運動による減量の効果は極めて限定的です。運動が健康に良いことは間違いありませんが、肥満の改善にはほとんど機能しないことが分かっています。

まとめると、肥満の治療のためには、1.糖質制限、2.断食治療が必要となります。カロリー制限をして運動をしても、体重が減ることはありません。まず、肥満の治療のためには糖質制限食が必要です。インスリンを分泌させやすい加工食品を避け、自然食品を摂るように努めることも重要です。それでも効果が見られない場合には、間食を止め、朝食抜き、昼食抜きなどで断食時間の延長を延長することから断食療法を導入し、減量の効果をみながら、1日おき、毎日、連日と断食時間を延長していきます。

参考図書
The Obesity Code : Jason Fung, MD 2016

コレステロールは高くても大丈夫、スタチンは飲まない方がいい (脂質異常症) (札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium
2014.6、タイム誌で『バターを食べよう』というタイトルで、アメリカで何十年も問題視されてきた脂肪が健康を害するものではないとする特集が出版された。肥満糖尿病の蔓延は、脂肪(特に飽和脂肪酸)ではなくて、炭水化物の過剰摂取が原因であったと結論した。LDLコレステロールには2種類あり、本当の悪玉(small and dense LDL cholesterol)を増やすのは精製炭水化物で、本当は問題ないLDL(large and fluffy part of LDL cholesterol)を増やすのが飽和脂肪酸であることも示された。悪玉かどうかは中性脂肪の値に反比例することも分かっている。

しかし、『コレステロールが高いと冠動脈疾患のリスクが高まり、スタチンでコレステロールを下げれば冠動脈疾患を予防できる。』とする神話は、学会と製薬会社の巧みな情報操作で、未だに私たちを洗脳し続けている。スタチンとはクレストール、リピトール、リバロ、メバロチン、リポバス、ローコールなどのコレステロール治療薬の総称である。コレステロールは冠動脈疾患にちょっとしたかかわりしか持たず、心臓発作のリスクの予測因子としては極めて小さい。スタチンによる冠動脈疾患の発症の予防効果は認めても、総死亡率の改善は認められていない。糖尿病認知症、癌などの副作用も考えると、スタチンを内服するメリットは極めて乏しい。特に、高齢者において、コレステロールが高い方が総死亡率は低く、脳の機能維持に有利に働くことが示されている。

実際、米国で2000年から2006年に急性心筋梗塞で入院した136905人(541病院)の脂質を調べたところ、驚くべきことに、75%のLDLが130mg/dL以下であり、50%が100mg/dL以下、17%は70mg/dL以下であった。また半数以上がHDL<40mg/dLであった。入院前にスタチンを内服していたのは21%であった。高LDLコレステロールが急性心筋梗塞の主要因ではないことを如実に示している。

特定のエンドポイントに到達する患者を1人減らすために何人の患者が薬を服用する必要があるか、という疫学の指標をNNT(Number Needed to Treat)といいます。スタチンで5年間治療したとして、冠動脈疾患を持たない人の場合(一次予防)で、死亡は減らさず、心筋梗塞予防のNNTは104、脳梗塞予防のNNTは154でした。冠動脈疾患や脳梗塞の既往のある人では(二次予防)、死亡予防のNNTは83、心筋梗塞予防のNNTは39、脳梗塞予防のNNTは125でした。一方、スタチンの薬害として糖尿病発症のNNHは100、筋肉障害のNNHは10という結果でした。つまり、二次予防でも、死亡、心筋梗塞脳梗塞全てを合わせた絶対リスク減少率は4.6%であり、5年間のスタチン治療で、20人に1人が何らかのメリットを得られるが、9人に1人は薬害が生じるということになる。恐ろしいことに、スタチンの75%が全く無効な一次予防で使用されております。

現在、動脈硬化は、種々のストレスによる内皮機能の障害に始まる炎症が原因であると考えられている。その予防は、炎症の誘因となる糖尿病、高血圧、喫煙、肥満感染などを管理することが重要であり、コレステロールは関係しない。炎症の原因とならない脂質プロファイルを得るためには、1)糖質を制限する、2)ω6脂肪酸摂取を減らす、3)ω3脂肪酸摂取を増やす、4)食物繊維を増やす、ことが重要です。

当院では食事療法を中心にして、スタチンを使用しない脂質異常症の治療を目指しています。

参考文献
What your Doctor may not tell you about Heart Disease:Mark C Houston,MD, 2012
The Great Cholesterol Myth: J.Bowden,PhD, S.Sinatora,MD 2012
Statins and the Cholesterol-Heart Hypothesis: Donald W. Miller, Jr., MD June 4, 2015
Cholesterol confusion and statin controversy: Michel de Lorgeril,MD Jul 26, 2015
The Clue to Why Low Fat Diet and Statins may Cause Alzheimer's: Stephanie Seneff Dec 15, 2009
Niacin in cardiovascular prevention: mechanisms, efficacy, and safety.: Guyton JR (2007). Curr.Opin.Lipidol.18(4):415–20.
Lipid levels in patients hospitalized with coronary artery disease: Sachdeva A.Am Heart J.2009 Jan;157(1)111-117
Statin Drugs Given for 5 years for Herat Disease Prevention: Newman D,MD; http://www.thennt.com
最近の文献
The cholesterol and calorie hypotheses are both dead — it is time to focus on the real culprit: insulin resistance
Recent flaws in Evidence Based Medicine: statin effects in primary prevention and consequences of suspending the treatment.

薬を使わない胃食道逆流症(GERD)治療  PPIの長期服用は危険!(札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium

胃食道逆流症(GERD)は胃酸過多のために起きる。だから、強力な胃酸分泌抑制薬であるプロトンポンプインヒビター(PPI)やH2ブロッカーが有効なのであるとされているが、本当にそうなのだろうか?人は加齢と共に、GERDは増加し、胃酸分泌は減少する。米国タホマ・クリニックのライト先生は、「40歳以上のGERD患者の90%以上で胃酸分泌が低下しており、ペプシンを含んだ塩酸サプリメントを補充すると、胸焼け症状がなくなり、消化不良が改善した。」と報告している。彼の25年間の臨床経験で、胃酸過多の患者は、ゾリンガー・エリソン症候群などのごく少数であり、GERD患者とはほぼ無関係であった。しかし、PPIやH2ブロッカーが胸焼け症状を緩和するのも事実である。胃酸分泌を極端に減らせば、逆流する胃酸は減るので、確かに症状は改善するが、根本的な原因である逆流自体が改善することはない。だから、PPIを内服しても、GERDが治ることはなく、一生飲み続けなければならない。一方、塩酸ペプシンを補充することで、GERDが治った人は少なくない。つまり、GERDの根本的な原因は、胃酸過多ではなく胃酸不足なのである。*GERDは、胃カメラでびらん性と非びらん性に分類され、びらん性を逆流性食道炎、非びらん性を非びらん性胃食道逆流症(NURD)と言う。

胃酸が足りないことで、栄養素の消化・吸収不良が生じる。また、胃酸不足によるpHの上昇は、細菌過剰増殖を招く。未消化炭水化物は細菌のえさとなり、多量の水素ガスを発生させる。その結果、腹腔内圧が上昇し、GERDを発症させる。ピロリ菌は、世界の約50%の人に感染しており、加齢とともに感染率は上昇する。胃酸分泌が低下した状態で感染しやすく、感染すると胃酸分泌をさらに抑制する。つまり、GERD患者に胃酸分泌抑制薬を使うと、ピロリ菌を含む細菌過剰増殖は増悪し、さらに胃酸分泌が低下するという悪循環が生まれる。また、細菌過剰増殖で発生した水素ガスはピロリ菌エネルギー源となる。胃酸分泌の低下は、栄養吸収不良、細菌過剰増殖に加え、易感染性、胃癌、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群などの消化器疾患、喘息や関節リウマチのような自己免疫疾患、うつや気分障害などを引き起こす。胃酸分泌抑制薬は劇的に胃酸を減らし、これら全てのリスクを増加させるのである。
 
GERDの治療は、胃酸分泌低下を是正し、消化吸収不良と細菌過剰増殖を改善することである。そのためには、^濟隻埖と細菌過剰増殖の要因を減らす、胃酸、消化酵素、栄養素を補充する、7鯀瓦閉夏盧拔歔僂篦牡鋲睨譴暴どする、3つのステップが重要となる。,任蓮∈拔櫺畩蠢殖のための糖質制限食(VLC食、SCD食、低FODMAP食)、果糖人工甘味料の制限、食物繊維の制限、ピロリ菌の除菌が有効である。△任蓮ペプシンを含んだ塩酸サプリメント、レモン・酢の摂取、消化酵素、ビターハーブゲンチアナなど)、鉄、カルシウム、亜鉛、ビタミンB12、葉酸などの微量栄養素の補充が有効である。では、プロバイオティクスサプリメントよりケフィアヨーグルトザワークラウト紅茶キノコなどの発酵食品の摂取が望ましい)、ボーンブロス、DGL(グリチルリチンを取り除いたカンゾウ)の摂取が有効である。

《注意》塩酸サプリメントの補充にあたり、重症萎縮性胃炎の人、胃潰瘍十二指腸潰瘍のある人、食道潰瘍のある人、胃酸分泌過多な人(ゾリンガー・エリソン症候群など)、NSAIDsやステロイドを内服中の人は、症状の悪化の危険性があり対象外となる。

参考図書
Why Stomach Acid Is Good for You:Jonathan V. Wright, MD 2001
The Gut Health Protocol: John Herron, 2015
What Everybody Ought To Know (But Doesn’t) About Heartburn & GERD, Chris Kresser
SCD(specific carbohydrate diet) SCDLifestyle
FODMAP(fermentable oligosaccharides, disaccharides, monosaccharides, and polyols)

骨粗鬆症治療の問題点 ビスホスホネート製剤は必要か? (札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium

  1980年代までは脆弱性骨折を生じた例を骨粗鬆症と診断した。1994年にWHOは、骨密度(骨のミネラル成分量)が、若年成人女性平均値と比較して-2.5標準偏差以下を骨粗鬆症とする診断基準を示した。(日本では若年成人女性平均値の70%未満)(1) しかし、骨密度以外の骨折危険因子の存在が次々と明らかにされ、2000年のNIH会議において、骨強度は骨密度と骨質(微細構造、代謝回転、基質)からなることを示した。(2) しかし、骨質を定量的に評価することは困難なため、診断は相変わらず骨密度のみでなされた。実際は、骨密度が低いことが、必ずしも将来の骨折を予測しない。(3) 骨密度が低くても、もろくて骨折しやすい状態でないのならば、病気でもないし、薬を飲む必要もない。骨密度は骨粗鬆症の一要因でしかない。
  
  骨粗鬆症に伴う骨折は椎体骨折、大腿骨近位部骨折、その他の骨折に分類される。椎体骨折と大腿骨近位部骨折は発症後の死亡リスクを上昇させるので、骨粗鬆症の診断と予防はとても重要である。(4) しかし、椎体骨折は痛みを伴わないケースも多く、加齢による変形も含まれるため、その定義はとても難しい。一方、QOLを最も低下させる大腿骨近位部骨折は診断が容易である。骨粗鬆症治療の評価においては、大腿骨近位部骨折を如何に予防するかが最も重要である。
  
  1980年代に、女性ホルモン更年期障害を消失させ、老化を予防する魔法の薬として爆発的に普及し、ホルモン補充療法(HRT)は骨粗鬆症の治療薬としても多くの女性に利用された。しかし、2002年、HRTは心筋梗塞乳癌を発症することが示され中止となった。(5) それに取って変わるように現れたのがビスホスホネート(BP)製剤である。BP製剤は骨に張り付き、破骨細胞の働きを止めることで、一時的に骨芽細胞の働きが強まり、骨密度を増加させる。しかし破骨細胞からの刺激を失った骨芽細胞も死んでしまうため、骨のリモデリングは停止してしまう。有意差を大いに喧伝する骨折予防効果も、実は、骨粗鬆症レベルの骨密度または骨折の既往のある閉経後の女性において、椎体骨折で20人に1人、大腿骨近位部骨折で100人に1人予防できる程度でしかない。過去に骨折の既往のない骨減少症レベルの骨密度の閉経後の女性では、その予防効果は全く認められていない。(6) さらに問題なのはBP製剤の副作用である。関節痛、筋肉痛、骨痛を招きやすく、稀ではあるが、顎骨壊死、食道癌、心房細動などの重症な副作用が生じる。顎骨壊死に至っては治療法がなく、致命的な副作用である。また、大腿骨の非定型骨折はBP製剤による異常なリモデリングが原因であると考えられており、5年を目途にBP製剤の休薬を進める勧告もある。(7) エストロゲン受容体アゴニストであるSERM(エビスタ、ビビアント)も破骨細胞を抑制するものであり、乳癌リスクは軽減したものの、血栓症リスクを上げるなど問題がある。RANKLモノクローナル抗体(プラリア)も機序は破骨細胞の抑制である。6か月に1回皮下注射するだけという手軽さで使用頻度が急増している。しかし、重篤な皮膚感染症リスクがあり、BP製剤と同じく顎骨壊死、大腿骨の非定型骨折が報告されている。副甲状腺ホルモン(テリボン、フォルテオ)は合成ヒト副甲状腺ホルモンであり、唯一、骨形成を促進する薬であるが、とても高価で注射薬しかない。骨肉腫発症のリスクがあり、使用は2年以内に制限されている。以上、骨粗鬆治療薬は過大な広告により、とても有効な印象があるが、実は高価な割に、大腿骨近位部骨折を予防する効果は極めて小さく、稀ではあるが、重症な副作用を招く危険性をはらんだ薬であることが分かる。
  
  しかし、栄養療法、運動療法、転倒予防により、椎体骨折、大腿骨近位部骨折を予防することは可能である。栄養療法の中で最も重要なのが、ビタミンDの補充である。ビタミンDは消化管からのカルシウムの吸収と骨への沈着、血中カルシウム濃度の調整に働く。ビタミンDは大腿骨近位部骨折を50人に1人予防する効果があると報告されている。(8) ビタミンDは日光浴(UVB)により皮膚で合成され、肝臓及び腎臓で活性化され機能する。サケ、イワシ、乾燥シイタケなどからも摂取できるが微量である。現代人の多くはビタミンD欠乏または減少状態にあり、25(OH)D血中濃度を調べ、30-100ng/mlに維持することが求められる。カルシウムは重要なミネラルであるが、多過ぎればいいわけではないようである。1日摂取量は1000-1500mgくらいで、乳製品より緑野菜から効率よく摂取される。マグネシウムは骨の代謝カルシウムの制御、ビタミンDの活性化、骨質の強化に関わり、骨粗鬆症に重大な影響を及ぼす。1日最低400mgの摂取が必要である。緑野菜、豆類、海藻類に多く含まれている。ビタミンK2は骨芽細胞が生成するオステオカルシンの活性化に関わる。オステオカルシンは骨の石灰化に関わる重要な蛋白質である。ビタミンK2には大腿骨近位部骨折の予防効果が報告されており、チーズ、納豆などに多く含まれている。その他、マンガン、亜鉛、銅、ボロン、ケイ素などの微量元素も骨の健康に必要である。ベタインは胃の酸度を調節し、カルシウムの吸収を促進する。葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6はホモシステイン高値によるコラーゲンの架橋異常を予防し、骨質を強化する。ビタミンA、C、Eもコラーゲンの形成に必要である。オメガ3脂肪酸カルシウム代謝を改善させる。また、喫煙、アルコールカフェイン、炭酸飲料(コーラなど)、塩分過多、蛋白質摂取過多は骨量を減少させる。
  
  運動は健全な骨を維持するにあたり最も有効な方法である。持続的な荷重運動が骨を形成し骨折を予防する。水泳やウォーキングよりも、ジョギング、ジャンピングなどの衝撃力の強い運動が有効である。筋肉の張力が骨に加わることで骨は成長し、リモデリングが生じる。年齢の壁はなく、80歳以上の老人に筋力とバランスのトレーニングを施したところ、転倒は1年で11人の1人割合で予防できた。(9) 運動には有酸素運動、ストレッチ、バランス、ウエイトトレーニングがある。有酸素運動は心肺機能を高めるが、骨密度はあまり増加しない。ストレッチ体操、ヨガは柔軟性を生み、転倒予防につながる。太極拳やピラテスなどのバランストレーニングは体幹の筋力を強化し転倒防止に役立つ。ウエイトトレーニングは加齢に伴う筋力低下に必要なだけでなく、骨形成に重要である。
  
  認知症うつ病てんかんなどで、向精神薬を飲んでいる人、視力に問題のある人は転倒のリスクが高い。転倒は特に家の中で多いので、床を滑らず柔らかい素材に変える、足が引っかかるものは整理する、照明を見直す、手摺をつけるなどのリフォームが必要である。ステロイド治療中の人甲状腺機能亢進症、低下症の治療歴のある人、慢性関節リウマチの人、セリアック病の人、栄養失調の人、心不全腎不全の人、喫煙家、アルコール依存症の人などは二次的に骨粗鬆症を呈しやすく、骨折のリスクが高いので注意を要する。大腿骨近位部骨折の予防のために、パッド付のパンツが有効である。
  
 (まとめ)
加齢に伴う骨密度の低下は正常なものであり、必ずしも病気を意味しない。
骨密度が低下したから骨折するわけではない。
骨密度を上げる薬よりも、転倒を予防することの方が、はるかに大腿骨近位部骨折を減少させる。
骨粗鬆症の予防には栄養と運動が有効である。
骨粗鬆症の薬は役に立つことは少なく、害になることの方が多い。
薬は安全なものではなく、アメリカでは毎年処方薬で106000人が死亡している。(10)

参考文献
(1) WHO technical report series 1994, 843
(2) NIH Consensus Statement 17:1-45,2000
(3) Clinical Rheumatology 19(3):174-183,2000
(4) Osteoporosis Int 11(7):556-561,2000
(5) Journal of the American Medical Association 2002;288:321-333.
(6) Cochrane Database Syst Rev. 2008Jan23;(1):CD001155.
(7) J Bone Miner Res 29: 1-23,2014
(8) Cochrane Database Syst Rev. 2005 Jul 20;(3):CD000227.
(9) Cochrane Database Syst Rev. 2009 Apr 15;(2):CD007146.
(10) JAMA. 1998 Apr 15;279(15):1200-5.

実戦マインドフルネス ストレスに負けない生活 (札幌市厚別区)

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium

ジョン・カバットジンは、1979年にマサチューセッツ大学医学部でマインドフルネスによるストレス低減プログラムを実施し、医学的治療が困難な慢性疼痛の対処法として成果を上げた。以来、徐々に適用範囲を広げ、高血圧などの生活習慣病や、うつなどの精神疾患も扱い、その予防効果が検証されてきた。マインドフルネスストレス低減法は、2500年前に、「苦しみからの解放」を説いた仏陀の教えを、現代的にプログラム化したもので、人格の涵養のための修練であり、自己救済の方法なのである。マインドフルネスの実践は、現代社会の中で、ストレスに満ちた生活をしている全ての人に癒しをもたらすと思われます。

≪マインドフルネスとは≫
マインドフルネスとは、「今という瞬間を意識的に生きる」ということです。我々は何かを考え始めると、すぐに、「心ここにあらず」の状態になってしまいます。マインドフルネスにより、「心ここにあらず」の状態から、ハッと我に返り、自分を見失っていることに気づくことができるのです。マインドフルネス瞑想法によって、目覚めているすべての瞬間を意識的に生きることを学ぶことで、意識も洞察力も健康も自然と充実していくのです。

≪マインドフルネスの目指すもの≫
マインドフルネスが目指すところは、自分の体験に気づいて反応を止めて、いつものパターンから抜けることです。気づかなければ、自動運転がずっと続いて、いつものパターンが繰り返されるだけですが、ハッと気づけば、その次の瞬間からは自分で選ぶことができるのです。細かく見れば、今この瞬間の身体感覚、思考、感情などに気づいて、それに後続する反応を止めて、さらにその体験を見つめ続けて、自然と消えていくまで待つのです。そうすると、過去の学習歴によって形成された反応パターンである、症状や問題行動を消去することが可能になるわけです。その結果、自分が目指す方向性にそって、次の行動を選択することができるのです。つまり、自由に生きていくことができるようになるのです。

≪マインドフル瞑想の構成要素≫
マインドフルネス瞑想はサマタ(止)瞑想とヴィパッサナー(観)瞑想の2つからなります。サマタ瞑想では、一貫して「今、ここ」での身体の動作やそれに伴う身体感覚に持続的な注意を向けます(注意の持続)。瞑想中に現れる思考や感情などの私的出来事に対しては、気づいた時点で身体感覚に注意を戻すようにします(注意の転換)。注意の持続と転換が安定して維持できるようになったら、注意の範囲をパノラマ的に広げて、意識野に入ってくるものすべてに同時に気を配るヴィパッサナー瞑想に移ります(注意の分割:思考を生まれさせない工夫)。身体感覚、思考、感情などすべての私的出来事に、気づきが触れることで、それ以上発展せず消えていくことを繰り返し確認するのです(法則性の洞察=智慧の発現)。サマタ瞑想であれば、呼吸にともなう身体感覚に注意を戻します。ヴィパッサナー瞑想であれば、それだけにのめり込まないで、他のものも感じ続け、スッと消えていくのを待つのです。

≪マインドフルネス瞑想の実践法≫
静座瞑想法: 背骨、首、頭を一直線にして垂直に保ち、肩から力を抜いて静座する。呼吸を意識的にコントロールすることはなく、ありのままに生じてくる呼吸に油断なく気づき、見守り続けていくのです。お腹や胸のあたりの動きに注意を向け、「ふくらみ、ふくらみ」「ちぢみ、ちぢみ」と、感覚をそのまま感じ取る。雑念、五感、感情などに引き込まれていることに気付いたら、「雑念」と心の中で自分に合図を送り(ラべリング)、呼吸の感覚に戻ることを繰り返す。さらに注意の範囲をパノラマ的に広げて、気づきの対象になる私的・公的出来事の全てを同時に捉え続けるようにする。一点集中のサマタ瞑想をすると、外から中に入ってくるエネルギーや情報の流れが止まります。何も取り入れない状態がつくり出せると、エネルギーや情報の流れが逆転し始めるのです。サマタ瞑想には、今まで取り込んで自分をどんどん不自由にしてきたものを、解放していく作用があるのです。マインドフルネスの本体はヴィパッサナー瞑想です。まずは、呼吸の感覚を体全体で感じ取るようにしてみます。さらに、自分の体の外にまで注意を向けていきます。呼吸はもはや唯一の観察対象ではく、背景に後退し、気づきの支えになっていきます。雑念が浮かんでも、漂わせておきます。いろいろなものに気を配って注意を分割した結果、自分というものをつくり出す思考自体が残らなくなるわけです。そうすると、現実が鮮明に感じられて、それを邪魔するものが何もないという状態が実現できるわけです。それがヴィパッサナー瞑想の目指しているところです。静座瞑想法の他にも、手動瞑想、歩行瞑想、ヨガなどの方法があります。

≪臨床から定義するマインドフルネス≫
マインドレスな状態とは、体験の回避(苦痛な思考や感情を回避する行動)と認知的フュージョン(思考と現実や自己を混同する行動)という2つの行動パターンの頻度が高まった状態といえます。体験の回避の逆の行動はアクセプタンスです。認知的フュージョンの逆の行動は脱フュージョンです。心を開いて、現実との接触を始める(アクセプタンス)。考え続けることをいったん止めて、思考と現実を区別する(脱フュージョン)。つまり、「心を閉じない、飲み込まれない」で、目の前の現実をきちんと感じ取っていく、これが臨床から定義するマインドフルネスな状態といえます。オペラント学習により、我々の日常生活の中のさまざまな行動は、自動的に起こっています。つまり、何か行動して結果としていいことが伴うと、その行動が繰り返されるように学習されてしまうのです。体験の回避はオペラント学習が大部分なので、自覚していなくても自動的に起こります。この自動的な行動に如何に対処するかが、マインドフルネスの大きな課題です。脱フュージョンするためには、「見ている自分」の自覚が必要になります。サマタ瞑想で、回避ではなく、アクセプトして、脱フュージョンをすることを学びます。つまり、考えることを切り上げる練習となり、「見ている自分」と「見られる自分」に分けることができるようになります。また、ヴィッパサナー瞑想で注意を無数に分割することができれば、自分は極限まで小さくなり、自他の分離がなくなることで、距離ゼロの俯瞰が実現します。山登りで頂上に立ったとき、パッと視界が開け、絶景に言葉を失います。言葉を失うというのは、自分を失っているわけです。その瞬間、外の世界と自分が一体になり、全部を感じ取れるわけです。マインドフルネスというのは、自分を小さく小さくしていく作業なのです。

参考図書
マインドフルネスストレス低減法 : ジョン・カバットジン 1990
呼吸による癒し 実践ヴィッパサナー瞑想 : ラリー・ローゼンバーグ 2001
今ここを生きる : ヨンゲイ・ミンゲール・リンポンチェ 2011
サーチ! : チャディー・メン・タン 2012
苦しまなくていいんだよ : プラユキ・ナラテボー 2011
自由に生きる : プラユキ・ナラテボー 2015
実践!マインドフルネス : 熊野宏昭 2016
ストレスに負けない生活 : 熊野宏昭 2007
EQこころの知能指数 : ダニエル・ゴールドマン 1996

グルタチオン点滴療法(自費診療) 札幌市厚別区

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium
グルタチオンとは、 人間の体内に広く分布するアミノ酸が3つ結合したペプチドという化合物です。強力な抗酸化作用があり、人間の身体をさびつきから守ってくれる代表的な物質ですが、20代をピークに、加齢とともに体内では減少していきます。グルタチオンは、 フリーラジカルや過酸化物といった活性酸素種から細胞を保護する補助的役割により、従来保険薬としても「妊娠悪阻、晩期妊娠中毒、慢性肝疾患、放射線による白血球減少、宿酔、口腔粘膜の炎症」などに使用されております。米国欧州では、 グルタチオンのこのフリーラジカルスカベンジャー(活性酸素を捕まえて消去する)としての機能に着目して、これを高容量点滴投与することにより、活性酸素種により生じていると考えられる様々な病態・症状の治療・改善に使われるようになってきております。特に注目すべきはパーキンソン病に対する治療効果です。パーキンソン病は脳幹にある黒質が変性して神経伝達物質の一つであるドーパミンが働かなくなり、手の震えや歩行障害、動作緩慢などの症状が次第に進行する神経変性疾患です。いろいろな保険治療薬が開発されてきていますが、未だ非常に難治性の疾患です。 最近の研究で、パーキンソン病など多くの疾患に、活性酸素が関与していることが指摘されるようになってきました。パーキンソン病の場合、黒質におけるグルタチオン濃度が健常者より著しく低下していることが分かっています。つまり、パーキンソン病の根本原因の一つは、グルタチオンの減少に伴う活性酸素種の増加により、 黒質が障害され変性してしまうことと考えられます。米国においてはDr.Perlmuterがこの治療法を積極的に行い、非常に有効な治療法であると報告しています。日本でも補完代替医療の一つとして、数百を超える医療機関で治療に応用されています。また、名古屋フォレストクリニックの河野和彦先生等によると、レビー小体型認知症(DLB)、多系統委縮症(MSA)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)に伴う歩行障害にも、グルタチオン点滴が有効であると報告されております。高容量グルタチオン点滴は、副作用のほとんどない安全な治療法です。
【対象疾患】
  パーキンソン病抗がん剤による神経障害 / 多発性硬化症
  閉塞性動脈硬化症 / 慢性肝疾患 / 線維筋痛症
  慢性疲労症候群 / 原因不明の急性・慢性湿疹  など
【点滴療法】
パーキンソン病の場合に、1回 600mg-2000mg を点滴で投与します。まずは週に2〜3回、約3か月間行ないます。 病状の改善が認められれば、その後は維持プログラムとして週に1〜2回のペースで治療します。 1回の点滴時間は約30分です。
認知症の場合でも同じように点滴します。
副作用
稀に頭痛と吐気・嘔吐を訴えることがあります。一過性であり、投与を中止することで速やかに改善します。
ごく稀ですが、特定の遺伝的素因を持った方が摂取した場合、インスリン自己免疫症候群を引き起こし、低血糖状態になることがあります。具体的な症状としては、冷や汗、手足の震え等の症状が報告されています。
【費用】
この治療は健康保険が適応されません。 治療・検査・処方の全てが自費診療となります。
初診料     5,000 円 
点滴料金   基本料金(材料費・手技料)  1,000 円
         グルタチオン200mgにつき  200 円 
         ビタミンC 1000mgにつき  200 円(作用持続)
         ビタミンB12 500μgにつき 100 円(作用増強)

2012-11-26

むらもと循環器内科

f:id:muramo10:20120816124937j:image:medium
f:id:muramo10:20131203214551j:image:right

診療科目: 内科 ・ 循環器内科糖尿病肥満
慢性腎臓病(CKD)

診療時間: 月・火・木・金  午前9:00-12:30、 午後1:30-5:00
        水・土  午前9:00-12:30
休  診: 日曜・祝祭日
住  所: 〒004-0052 札幌市厚別区厚別中央2条4丁目9−15
       新さっぽろ中央メディカルビル3F
電  話: 011-802-1000  
F A X : 011-802-1020





診療案内
循環器疾患全般、糖尿病肥満症、慢性腎臓病(CKD)の治療を主体に診療しております。
皆様の悩みにしっかりと耳を傾けて、最善の治療ができるよう心掛けてまいります。
循環器疾患のみならず内科疾患全般に渡り、お気軽にご相談ください。

当院の患者様の心臓救急札幌心臓血管クリニックにバックアップしていただいております。

循環器疾患: 高血圧、狭心症心筋梗塞不整脈、心筋症、弁膜症、心不全、閉塞性動脈硬化症、深部静脈血栓症など
生活習慣病: 糖尿病高脂血症痛風肥満など
慢性腎臓病(CKD): 糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、多発性のう胞腎など
睡眠障害: 不眠症、睡眠無呼吸症候群 など
各種感染症: かぜ、インフルエンザ、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎腎盂腎炎、帯状疱疹蜂窩織炎など
呼吸器疾患: 気管支喘息肺気腫、呼吸不全など  
消化器疾患: おう吐、下痢、便秘、食道炎、胃炎胃潰瘍腸炎など (胃・大腸カメラ検査は専門施設にお願いしています。)
内分泌疾患: 甲状腺機能亢進症・低下症など
アレルギー性疾患: 花粉症、じんま疹など
その他: 貧血、めまい、骨粗しょう症など

検査
心電図検査、ホルター心電図検査
X線検査(胸部写真・腹部写真、骨塩定量検査(DIP法)
CT検査(脳、胸部、腹部) (隣接する新札幌循環器病院のCTを共同使用、単純CTのみ可能)
心エコー検査、頸動脈エコー検査、甲状腺エコー検査、腹部エコー検査、下肢静脈エコー検査
呼吸機能検査、CAVI・ABI検査、簡易睡眠無呼吸検査、SPO2モニター、カルジオスコープ
一般血液検査(外注)、迅速検査(血糖、HbA1c、PT-INR、TropT、ラピチェック、インフルエンザ、尿など)
聴力検査、視力検査色盲検査

予防接種
インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン

文書料
一般診断書(当院書式) 2,160円
健康診断書       3,240円〜
特定疾患診断書     5,400円
各種免許申請診断書   5,400円
(麻薬・アルコール中毒含む)
裁判用等複雑な診断書・意見書 5,400円〜
(生命保険等複雑なものを含む)
市町村職員健康診査用診断書 8,640円
身体障害者診断書    8,640円
年金受給診断書     8,640円
通院証明書(自動車税免除)1,080円
納税申告時の金銭に関する証明書 1,080円

提携医療機関  
近隣の医療機関札幌心臓血管クリニック

略歴
院長名  村元 信之介
院長略歴   1988年 北海道大学医学卒業、北大循環器内科入局
       1994年〜1996年 市立札幌病院救急医療部
       1998年〜1999年 旭川市立病院循環器内科
       1999年〜2002年 函館市立病院循環器内科
       2004年〜2012年 新札幌循環器病院
学会     日本内科学会
       日本循環器学会
医師に関する事項  日本内科学会認定医
          日本循環器学会専門医
医学博士号


理念
患者さまの苦悩にしっかりと耳を傾け、その解決のお手伝いに全力を注ぎます。

方針
1.人間の尊厳を尊重し、優しく暖かい心で医療に従事いたします。
2.最新の知識に基づいた最新の医療を提供します。
3.循環器専門医と内科家庭医を両立させ、たよりになるかかりつけ医を目指します。
4.各種医療機関との連携を密にし、患者様に安心を提供いたします。
5.あらゆる医学的情報を開示し、わかりやすくお伝えします。
6.医療人としての高い倫理観を規範とし医療に従事いたします。

f:id:muramo10:20121102131605j:imagef:id:muramo10:20121102131955j:imagef:id:muramo10:20121102133613j:image
f:id:muramo10:20121102132334j:imagef:id:muramo10:20121102132532j:imagef:id:muramo10:20121102132655j:image

ご挨拶
f:id:muramo10:20121108183235j:image:right
平成24年9月1日、新札幌で、むらもと循環器内科を開業しました。北大の循環器内科に入局してから20数年、道内の基幹病院にて循環器科専門医として働いて参りましたが、心身共に限界を感じ、開業医として新たな臨床人生を踏み出すことにしました。これまで、疾患にばかり目が行き、患者の苦悩を理解しようとする姿勢に欠けていたことを反省し、『患者の話を聴くこと』から始めました。また、循環器科以外の疾患を診る機会が増え、改めて医学の勉強をしているうちに、現状の臨床医療の欠陥に気づいたのです。臓器疾患別に、症状から診断し治療する現状の医療では、現代病の大半を占める慢性疾患を治療することは不可能であるということです。ガイドラインに示された処方をしたところで、逆症療法でしかないので、症状が軽減しても、慢性疾患が治ることは絶対にありません。病気の根本原因を見出して除去しない限り、慢性疾患が治ることはないのです。20数年、信じて疑うことすらなかった医療の概念がもろくも崩壊した瞬間でした。それを実践する機能的医学の存在を知ってから、臨床姿勢が大きく変化しました。まだまだ知識不足ではありますが、勉強を積み重ね、より有効な診療ができるよう努力して参ります。

平成26年6月から、高雄病院の江部康二先生が提唱される糖質制限食による糖尿病肥満症の治療を始めました。また、間欠的断食療法もすすめています。また、脂質異常症に対しても、できるだけ薬を使わない治療を心がけています。
平成27年6月から、椎貝クリニックの椎貝達夫先生が提唱されるCKD保存療法を始めました。一人でも多くのCKD患者の腎機能の悪化を防ぎ、生涯の透析回避を目指します。
平成28年3月から、栄養療法を基礎とし、できるだけ薬物に頼らない治療を始めました。特に慢性疾患の治療に当たっては、機能性医学(ファンクショナル・メディスン)により、一人一人に最適な治療を目指しております。
平成29年5月から、骨粗鬆症の治療にBP製剤の使用を中止しました。ビタミンD、ビタミンK2、カルシウムマグネシウムなどの栄養素の補充と運動療法で、薬害のない治療に取り組んでいます。
平成29年7月から、ストレスを低らし、心身ともにより健康な生活が送ることができるように、マインドフルネス瞑想法を全ての患者にすすめています。
平成29年9月から、薬を使わない胃食道逆流症の治療をすすめています。PPIとH2ブロッカーの長期服用の危険性を啓蒙して参ります。
平成30年4月から、Jason Fungの2型糖尿病の治療指針を取り入れました。
平成30年5月、改めて、コレステロール仮説について解説し、現状のコレステロール治療の問題を提起しました。

待合室には、糖質制限脂質異常症、CKD、睡眠障害、腸内細菌、栄養療法、めまい、アロマテラピーなどの本を沢山揃えました。患者さんに自ら学んでいただければ幸いです。本の貸し出しもしております。

HbA1c、PT-INRなどの迅速診断機器、心電図、CAVI/ABI、エコー、X線装置(骨密度測定も可)、ホルター、心電図、簡易型睡眠無呼吸検査機器、スパイロメトリー、聴力測定器など豊富な医療機器を備えました。 検査結果を全て電子カルテ(ダイナミクス)と画像管理ソフト(RS_base)に直結することでペーパーレス化を実現し、診察室の大画面モニターで検査結果をいち早く説明できる診療体制を実現しました。

明るく居心地のいい空間をイメージして、クリニックの内装は白基調でまとめました。観葉植物アートフラワーのディスプレイも楽しんでいただけたら嬉しいです。待合室のBGMには私が選曲した大好きなジャズを流しております。皆様にも楽しんでいただけることを願っております。
スタッフ一丸となり、心のかよった質の高い医療を提供し、明るく笑顔の絶えないクリニックを目指します。

***
平成25年3月に、コウノメソッドを学んで始めた認知症外来も丸5年が経ちました。 昨年9月にブレデセン博士の「アルツハイマー終焉」という本を読み、 認知症の治療にパラダイムシフトが起きたと感銘を受け、すぐに外来治療に取り入れました。しかし、現実には、患者と家族は保険診療の枠を超える治療を求めてはいないこと、栄養・生活スタイルの改善ではなく薬物治療を求めていることを知りました。私が良かれと思った提案も、患者と家族の要求を満たさないものであるならば、ただの押し付けでしかありません。かといって、効果があると思えない中核薬を中心とした治療に戻ることも道義的にできません。色々悩んだ結果、認知症外来は閉鎖することにしました。通院中の患者は引き続き診療いたしますが、今後新患は受付ません。(2018.5.16)

***
慢性疾患の根本原因を考えて治療する習慣がようやく身に付きつつあります。まだまだ知識が足らず十分ではないけれど、薬を処方することが治療ではないとする意識革命に自身が一番驚いています。2年前にオルソモレキュラー・メディスンという本を読んでから、Amazonで最新の医学情報を簡単に得られることを知り、以来、英語の勉強を兼ね、機能性医学の勉強に勤しんでいます。保険診療の壁もありますが、できるだけ機能性医学に沿った診療を施せるように努力して参ります。(2018.1.4)

***
病気の多くが食べ物と何らかの関係があることは間違いありません。しかし、病気は薬を飲めば治るものと、医者も患者も考えており、食べ物を見直すことは一切ありません。また、そのほとんどが、カロリーは高くても栄養価が低い加工食品ばかりなのです。安全性が不明な添加物まみれの食べ物を、手間がかからず便利で美味しいという理由で、何の疑いもなく食べ続けています。私たちは、薬害には敏感ですが、加工食品の危険性には極めて鈍感なのです。さらに、糖質過多と食べ過ぎと言う問題も抱えています。一方、関連専門学会が出す治療ガイドラインの信用性にも疑問を持つようになりました。製薬会社がスポンサーをしている学会の治療ガイドラインが健全であるとはとても思えないからです。どんな薬にも必ず副作用があるわけですから、薬を必要最小限にするための努力は惜しんではいけません。自然のままで、栄養価が高い食べ物を、慎ましく摂取する習慣を身に着けたら、大半の病気は治るのではないでしょうか?『Food is Medicine』ヒポクラテスの格言がライフワークとなりました。薬をできるだけ使わずに健康を身に付ける医療を追求できたらと考えております。(2017.1.4)