洛北孫子亭通信−亭主消息

2016-07-23 そろそろ、大台も近付いてきました

誕生日も38回目となりました。区切りの日は行きつけの銭湯で、というのもまぁ、私らしいのですが。

日中は京大で行われた古代史研の特別集会に参加しておりました。今年の春に刊行された、山口大学講師・南雲泰輔氏の著作の書評会(というべきでしょうか)が第1部、第2部がエクセター大学上級講師・Dr. Richard Flowerによる講演でした。どちらも「古代末期」に関連した主題ということですが、

エクセター大学に留学願書を出した可能性も、あったんだなぁ」

などと思いながら、報告を聴いておりました。この研究会のときにも、関西学院大学の藤井准教授や中谷教授などからお祝いの言葉をいただきました。

そして夜は恒例となりました、四条川端・SIBAで一献傾けながらの小宴となりました。

ローマ帝国の東西分裂

ローマ帝国の東西分裂

第1部の主役となった一冊はこちら。なお、著者に「誕生日の記念に」と署名をお願いしたところ、丁重に断られてしまいました(苦笑)。

2016-07-03 エディンバラ日本語教会リトリート@水戸

リトリート」とは、修養会という意味なのだそうです。

エディンバラにいたとき、特に2011年3月以降、日本語教会のジェフン牧師夫妻にはとてもお世話になりました。どれくらいお世話になったかというと、ことあるごとに美味しい料理をご馳走になる、ケーキをご馳走になる、洗礼の儀式を見学させてもらう、果ては誕生日を祝っていただく・・・などなど。何だか食い気ばかりですが。

その牧師夫妻が、7/1〜3日の日程で、日本でリトリートを催されるというので、参加することにしました。ちなみに水戸も初めてです。初日の1日、東京から常磐線に乗り換えて終点の水戸で下車、少々市内観光などした後に、会場である水戸・愛の教会に到着すると、エディンバラにいたときと変わらぬ笑顔で出迎えてくれたジェフン牧師と奥さんのヨンスクさんの姿に、思わずホロリときました。私がエディンバラにいたときに生まれたばかりだった、ある信徒のお子さんは、すっかり大きくなった姿を見せてくれまして、涙があふれ出るのをこらえるのに、少なからぬ努力を払わなければなりませんでした。それから3日間、最終日の午前中にお暇しましたが、初めて会う方も、そして久しぶりに会う人々もいて、本当に懐かしく懐かしく、そしてやっぱり懐かしい水戸でのひとときでした。帰り道には最初のエディンバラ滞在時のIALS仲間であるけいこさんと久しぶりに会って、上野でお茶をしてからの帰洛となりました。

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愛の教会でのリトリートの様子。

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偕楽園内での見学会

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水戸藩藩校弘道館にて。

2016-06-19 徒然に:本の紹介など

5月1日〜5日の古本祭で購入した以外の入手書籍をピックアップ↓

お世話になりっぱなしの関西学院大学・中谷功治先生の博士論文。地道な実証研究の蓄積で、このような手続きを常に手本としていたいものであります。

編者の1人である大谷栄一先生は大変お世話になっている方で、5月12日に心斎橋ジュンク堂で行われた講演会後に購入、サインを早速にいただいたものであります。

ローマ帝国の東西分裂

ローマ帝国の東西分裂

南雲さんのデビュー論文が収録されていないのは、個人的に(極めて個人的に!)残念ですが、それはさておきまして、ローマ帝国東西分裂期の政治史を、当該時期の、皇帝を除く主役たちの分析の蓄積によって解明していくという内容。

編者である豊田浩志先生の西洋史学会でのお話があまりにも面白く、その勢いに押し切られる形で購入してしまいました。ただし、動機はさておきまして、これは歴史の研究入門として極めて有益な一冊です。おそらくは、いわゆる西洋史以外の分野の人にとっても。

年明けから今に至るまで日本で出版された本の中で、おそらくこれが一番の収穫です。それだけに内容紹介等には慎重でありたいと思います。一言だけ。この研究の成果とヘレニズム時代史との間をどのように調整していくか、大きな課題を示した一冊と考えます。

編者の1人、アレックス・マコーレーはエディンバラ時代、アースキン先生門下で机を並べた人間。当時から頭の良さと活発さが際だっていました。そのころから一貫してセレウコス朝の王家の系譜解明という課題を扱っておりまして、その成果の一端が出た形と思います。この本と私の研究を付き合わせて考察をしなければなぁ、と思っているところにアレックスから「貴君の評価を求む」と挑戦状が届きまして、いま慌てふためていているところです。

2016-06-05 西洋古典学会参加記

※6月19日更新

昨日からの2日間、大阪大学で行われた西洋古典学会に参加してきました。先月の西洋史学会では、古代史の個別報告はローマ史に集中していたのですが、その分・・・と申しましょうか、古典学会ではギリシア史・ヘレニズム史の報告を多く聴くこととなりました。特に本日最初の報告がヘレニズム時代のロードスに関係したものということもあり、報告前・後にわたり、報告者も交えての意見交換が活発に行われました。そういえば古典学会で初めて質問をしたのですが、自分の所属の名乗りをする際に、我ながら感慨に耽ってしまいました。肩書きだけとはいえ、母校を離れたのだなぁ、と。

昨日は若手研究者バックアップ事業の一環という位置づけで、ポスター発表の時間が設けられまして、修士課程在籍者のものも含め、3本の報告を聴きました。西洋史学会で最初にポスター発表が実施されてから少し時間が経ちましたが、このまま定着するのかな・・・とも思います。

会場で購入したのは、こちらの一冊↓

西洋史学会に比べてブースはさほど充実していませんでしたが、こちらの商品はあっという間に完売していました。

2016-05-22 充実怒濤の西洋史学会

西洋史学会出席のため、東京三田慶應義塾大学に足を運びました。実は慶應に行くのはこれが初めてのことであります。

2日間の日程の初日である土曜日、当初予定では午前中は神保町でゆっくり、午後に悠々と三田に向かうはずが、旅仲間のはるこ先生が古代オリエント博物館の特別展「世界の文字の物語ーユーラシア 文字のかたちー」の関連企画、

「文字のシルクロード:西アジアから東アジアへ」

の情報を流してくれたために、事情が一気に変わりました。4人の講師によるリレー講演だったのですが、そのうちお一人が東海大学の春田晴郎先生ということで、「これは聴かねば」となりまして、日程が強行軍になってしまいました次第。午前10時半頃に会場入りしてじっくり特別展を見て回り、午後ははるこ先生と合流して講演会を聴講、そして途中で抜け出して三田に駆けつけ、公開講演(後半)と懇親会に合流・・・というドタバタの一日となってしまいました。ただ、慌てただけの価値はありました。まずオリエント博物館の方ですが、展示・講演ともにとても面白く勉強になるものでした。講演会が大盛況過ぎて、会場が完全にパンクしていたのは主催者側の予測を超えるところだったらしいのですが、これは嬉しい誤算というところでしょう。そして慌てて駆けつけた三田の西洋史学会では、東京大学の鈴木董名誉教授の講演がとてつもなく面白く、ずっと笑いながら聴講していました。

2日目の日曜日は部会および各シンポジウムの後に行われた「若手歴史家ワークショップ How to get published〜博論から英語モノグラフへ〜」に少しだけ顔を出しました。主催者の山本浩司さんなど、エディンバラ時代の友人が何人か参加していたため、久闊を序することが主な目的でした。博士論文を出して活字として世に問う、というのは日本でも一大事業ですが、これを日本人が欧文として出す、となるとさらに難度が上がります。この点に関する意見交換会を、という趣旨のものでしたが、残念ながら本当にさわりだけで中座せざるを得ませんでした。

とまれ2日間、思いもかけず2週連続の東京行となりましたが、おもに旧知の人々との再会を軸に、充実した学会でした。