洛北孫子亭通信−亭主消息

2016-09-02 夏の中国一人旅:江南4都市をめぐる

夏の終わりに・・・ということで、5泊6日の中国にふらりと行ってきました。これで中国も6回目(ネパールへの道中、昆明に寄ったことも含めて)ということになります。もっとも私は中国は春か冬にしか行ったことが無く、夏の中国というのは、これが初めてということになります。

日数が限られていたこともあり、今回は江南の4都市を駆け足でまわるに止まりました。それでも、新しいところにも少しは行ってみようということで、鎮江と、1月に少しだけ立ち寄った蘇州に足を運びました。蘇州春秋末期の英雄・伍子胥に所縁の場所ということですが、水陸両面の交通と防御に周到な配慮が施された縄張りに舌を巻きました。宿は旧市街の山塘街に位置しており、旧市街の朝晩の顔をそれぞれに見ることが出来ました。街の人々の素顔を見ることが出来る朝の山塘街に、心惹かれるものがありました。

鎮江は、揚州紹興・開封と天秤にかけて、選びました。『地球の歩き方』に出ていた西津古渡の写真を見て、心定めたというのが実情です。行ってみれば、平坦な土地に、ところどころ山が散らばっているという地勢。都城を築きやすそうだ、と思っていたら三国時代孫呉が一時期本拠地を置いていたとのこと、なるほどと思いました。

そして、今回は行かない方がよかった杭州・・・G20が開催されていて、市内交通はズタズタ、致し方ないこととはいえ厳戒態勢で、駅では荷物を預けることも出来ず。一日中荷を担いでいたらヘロヘロになってしまい、なんと列車に乗り損ねるという、これまで経験したことのないポカをやって顔面蒼白。何とか上海まで、到着予定から2時間遅れでたどり着くことが出来たところに、今と昔の違いを感じる、そんな今回の独り旅でした。変わったといえば、ユースホステルが増えたところでしょうか。最初に行ったときには殆ど見ることがなかったんですが、今では全土に存在します。かつては旅人が集まる安宿が限定されていて、そこでの出会いも多かったんですが、それもかつての姿ということになっていくんでしょうか。

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上から順に、1〜3:蘇州、4:鎮江の西津古渡、5:杭州の霊隠寺(雲林禅寺)の磨崖石窟、6・7:上海、8:上海地下鉄のラッピング電車、となっております。

2016-07-23 そろそろ、大台も近付いてきました

誕生日も38回目となりました。区切りの日は行きつけの銭湯で、というのもまぁ、私らしいのですが。

日中は京大で行われた古代史研の特別集会に参加しておりました。今年の春に刊行された、山口大学講師・南雲泰輔氏の著作の書評会(というべきでしょうか)が第1部、第2部がエクセター大学上級講師・Dr. Richard Flowerによる講演でした。どちらも「古代末期」に関連した主題ということですが、

エクセター大学に留学願書を出した可能性も、あったんだなぁ」

などと思いながら、報告を聴いておりました。この研究会のときにも、関西学院大学の藤井准教授や中谷教授などからお祝いの言葉をいただきました。

そして夜は恒例となりました、四条川端・SIBAで一献傾けながらの小宴となりました。

ローマ帝国の東西分裂

ローマ帝国の東西分裂

第1部の主役となった一冊はこちら。なお、著者に「誕生日の記念に」と署名をお願いしたところ、丁重に断られてしまいました(苦笑)。

2016-07-03 エディンバラ日本語教会リトリート@水戸

リトリート」とは、修養会という意味なのだそうです。

エディンバラにいたとき、特に2011年3月以降、日本語教会のジェフン牧師夫妻にはとてもお世話になりました。どれくらいお世話になったかというと、ことあるごとに美味しい料理をご馳走になる、ケーキをご馳走になる、洗礼の儀式を見学させてもらう、果ては誕生日を祝っていただく・・・などなど。何だか食い気ばかりですが。

その牧師夫妻が、7/1〜3日の日程で、日本でリトリートを催されるというので、参加することにしました。ちなみに水戸も初めてです。初日の1日、東京から常磐線に乗り換えて終点の水戸で下車、少々市内観光などした後に、会場である水戸・愛の教会に到着すると、エディンバラにいたときと変わらぬ笑顔で出迎えてくれたジェフン牧師と奥さんのヨンスクさんの姿に、思わずホロリときました。私がエディンバラにいたときに生まれたばかりだった、ある信徒のお子さんは、すっかり大きくなった姿を見せてくれまして、涙があふれ出るのをこらえるのに、少なからぬ努力を払わなければなりませんでした。それから3日間、最終日の午前中にお暇しましたが、初めて会う方も、そして久しぶりに会う人々もいて、本当に懐かしく懐かしく、そしてやっぱり懐かしい水戸でのひとときでした。帰り道には最初のエディンバラ滞在時のIALS仲間であるけいこさんと久しぶりに会って、上野でお茶をしてからの帰洛となりました。

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愛の教会でのリトリートの様子。

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偕楽園内での見学会

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水戸藩藩校弘道館にて。

2016-06-19 徒然に:本の紹介など

5月1日〜5日の古本祭で購入した以外の入手書籍をピックアップ↓

お世話になりっぱなしの関西学院大学・中谷功治先生の博士論文。地道な実証研究の蓄積で、このような手続きを常に手本としていたいものであります。

編者の1人である大谷栄一先生は大変お世話になっている方で、5月12日に心斎橋ジュンク堂で行われた講演会後に購入、サインを早速にいただいたものであります。

ローマ帝国の東西分裂

ローマ帝国の東西分裂

南雲さんのデビュー論文が収録されていないのは、個人的に(極めて個人的に!)残念ですが、それはさておきまして、ローマ帝国東西分裂期の政治史を、当該時期の、皇帝を除く主役たちの分析の蓄積によって解明していくという内容。

編者である豊田浩志先生の西洋史学会でのお話があまりにも面白く、その勢いに押し切られる形で購入してしまいました。ただし、動機はさておきまして、これは歴史の研究入門として極めて有益な一冊です。おそらくは、いわゆる西洋史以外の分野の人にとっても。

年明けから今に至るまで日本で出版された本の中で、おそらくこれが一番の収穫です。それだけに内容紹介等には慎重でありたいと思います。一言だけ。この研究の成果とヘレニズム時代史との間をどのように調整していくか、大きな課題を示した一冊と考えます。

編者の1人、アレックス・マコーレーはエディンバラ時代、アースキン先生門下で机を並べた人間。当時から頭の良さと活発さが際だっていました。そのころから一貫してセレウコス朝の王家の系譜解明という課題を扱っておりまして、その成果の一端が出た形と思います。この本と私の研究を付き合わせて考察をしなければなぁ、と思っているところにアレックスから「貴君の評価を求む」と挑戦状が届きまして、いま慌てふためていているところです。

2016-06-05 西洋古典学会参加記

※6月19日更新

昨日からの2日間、大阪大学で行われた西洋古典学会に参加してきました。先月の西洋史学会では、古代史の個別報告はローマ史に集中していたのですが、その分・・・と申しましょうか、古典学会ではギリシア史・ヘレニズム史の報告を多く聴くこととなりました。特に本日最初の報告がヘレニズム時代のロードスに関係したものということもあり、報告前・後にわたり、報告者も交えての意見交換が活発に行われました。そういえば古典学会で初めて質問をしたのですが、自分の所属の名乗りをする際に、我ながら感慨に耽ってしまいました。肩書きだけとはいえ、母校を離れたのだなぁ、と。

昨日は若手研究者バックアップ事業の一環という位置づけで、ポスター発表の時間が設けられまして、修士課程在籍者のものも含め、3本の報告を聴きました。西洋史学会で最初にポスター発表が実施されてから少し時間が経ちましたが、このまま定着するのかな・・・とも思います。

会場で購入したのは、こちらの一冊↓

西洋史学会に比べてブースはさほど充実していませんでしたが、こちらの商品はあっという間に完売していました。