事前合宿・最終予選メンバー

<GK>
楢崎正剛(名古屋)、土肥洋一(FC東京)、曽ヶ端準(鹿島)

<DF>
宮本恒靖(G大阪)、三都主アレサンドロ坪井慶介(以上、浦和)、三浦淳宏(神戸)、加地亮(FC東京)、田中誠茶野隆行(以上、磐田)、松田直樹中澤佑二(以上、横浜FM)

<MF>
中田英寿フィオレンティーナ)、小野伸二フェイエノールト)、中村俊輔レッジーナ)、中田浩二マルセイユ)、稲本潤一カーディフ・シティ)、遠藤保仁(G大阪)、小笠原満男(鹿島)、福西崇史藤田俊哉(以上、磐田)

<FW>
鈴木隆行本山雅志(以上、鹿島)、玉田圭司(柏)、高原直泰(ハンブルガーSV)、大黒将志(G大阪)
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/headlines/20050314-00000014-spnavi-spo.html

相変わらずリーグ戦での活躍度を考慮しない選手選出。
確固たる戦術ベースを持たないジーコジャパンでは、話し合いを持った固定メンバーでないと途端に連携が崩れてしまい、組織そのものも崩壊してしまう。そのため予選本番で新戦力なしというのもあながち的外れではない。合宿くらいは呼んでおけとか、本番直前になる前に試しておけという話ですが。
GKは川口の怪我で楢埼の先発がほぼ確定。曽ヶ端が呼ばれているけど、大勢に影響はないでしょう。
CBは田中マコがイラン戦出場停止。新戦力が招集される可能性もあったけど、相変わらず固定メンバーン拘るジーコ。松田は怪我で出場は微妙、中澤も怪我持ちとかなり不安なポジション。Jリーグの試合を見る限り、茶野は新チームでの出来がいまいち(ルーキーに振り切られてたよ)、坪井も試合勘が鈍っているのか軽率なミスを繰り返していた(エリア付近でボール処理を見誤る致命的なミスが数度)。この2人が現状で代表レベルかは疑問符がつく。頼みの中澤の怪我が悪化してしまったら、守備はかなりやばそう。
サイドはアレックスがイラン戦出場停止。左サイドの新戦力もなく、右サイドの控えである西も未召集。本職は三浦アツと加地のみ。3バックにしろ4バックにしろ、選手層にかなりの不安を残すポジションに。もしもの時はユーティリティ性に優れる両中田が使われるかもしれない。
中盤は中田ヒデが久し振りの復帰。怪我から小野も復帰して、以前からの御馴染みのメンバーに。久しぶりに“黄金”が揃いましたな。若手有望株の阿部は外れてしまった。ボランチ北朝鮮では不安定なポジションだっただけに、先発は小野と稲本の海外組みコンビ復活が予想される。
トップ下は中村と小笠原の争いに加え、復帰した中田ヒデが絡んできそう。あるいは4-4-2にして、2人を同時起用するのか。久し振りの黄金の中盤。黄金のように輝いたことは一度もないという。中田は所属クラブでこれといって活躍をしていないだけに、以前のように先発確約なんてことはせず、合宿でよくコンディションを見極めて欲しい。今シーズン通して、とてもじゃないが代表に見合う活躍はしていない。とはいってもチーム1の実績をもつ男、調子が良ければ使う価値は十分あるでしょう。
FWは北朝鮮戦と同様のメンバー。噂されていた海外組みの大久保と柳沢は未召集。海外組みで唯一選出された好調の高原と違い、2人とも所属クラブであまり出場していず、出てもこれといった活躍はしていないので妥当な選択と思われる。シーズン無得点の柳沢は噂に上がるのもどうかと思うが。これで呼ばれていたらJリーグで活躍しているほかの選手に失礼。

――サイドのバックアップがいないが
ジーコ 三浦がいるし、小野、中村がこのポジションをやっている。あえて名前は挙げないが、私の選んだ中に間違いなくバックアップがいるということだ。
http://www.masujimastadium.com/document.php?cmd=DispFrame&doc_parent_id=175

大丈夫なんでしょうか。

第2節

ジュビロのチームは新生DFラインの連携がぼこぼこで、スピードのあるルーキーに簡単にラインの裏を突かれていた。時間と共に全体が間延びしてしまうため、中盤のプレスもかからなくなり、スカスカの中盤で簡単にパスを通される始末。後半に運動量が激減するところといい、昨シーズン後半からなんら良化していない。秀人がいない分、スピードのあるFWへの対応不足から、守備力は更に低下した印象。
人間力を謳う監督の采配も相変わらず。
先発の中山が直前に足を痛めてテンパってしまったのか、本職の前田をFWとして使わずに、なぜかリーグ戦無得点のカレンを先発に起用。現状のカレンは先発FWで活きる様なタイプではなく、相手が疲れてくる後半にこそ持ち前のスピードを活かせるというもの。直前で中山が怪我をしてしまったのは不運だったと思うが、素直に前田を使っておけばいい話だと思うが。前田のトップ下考はまた後日。
昨シーズンからチームの癌となっている服部を、膠着した状況で左サイドに起用するのもどうなんだろう。グランパスの右サイドの中村を押さえるためだったらしいが、後半の方が左サイドを崩されていたような。以前のような鉄壁の守備職人のイメージはもはやない。まあ服部自体が去年の惨状ほど悪かったわけではないが、監督にはもう少し強気の采配が欲しかった。
川口の投入。リードされてスペースのない状況で、抜群のスピードを生かしたスペースへの突破が持ち味の選手を、果たしてどういう意図で投入したんだろうか。しかも内に切れ込んでのプレーが得意なわけでもないのに、なぜか利き足とは逆の左サイドで投入する始末。案の定、前に突き進むスペースを消された上、左サイドからの効果的なプレーもなかった。状況とチーム全体のフォロー不足を考えると、川口に責任を負わせるのは酷か。
終盤はセットプレー攻勢になったわけだけど、その時にはキッカーの名波も、合わせ役の福西もいない。活動量が低下した名波の交代は分かるけど、パワープレー要員にもなる福西を下げたのは謎だ。相手は随分と助かったことだろう。まさか今後の日程を考えて、この勝負を捨てたのか? 
当初に想定したプランが瓦解した時、それに対応したり修正する能力が皆無なことで御馴染みの山本監督。今日はそれは改めて露呈してしまった印象。今後は、監督としての成長に一縷の望みを託すしかないのだろうか。
この試合は、新戦力の川口、村井、チェ・ヨンスが復帰すればどうにかなるレベルの内容ではなく、監督のやりたいサッカーが何なのかもよく分からない。監督が言い訳していたように、過密日程によるコンディション低下も影響しただろうけど、けしてそれだけではない。金看板にしているボール奪取後数秒以内のダイレクトサッカーを、逆に相手チームにやられているのが、チームに漂う暗雲をどこか象徴していた。明るい未来が見えませーん。
グランパスの良さもあったわけだけど、それを書く気にはならない内容。他にも数試合見たけど、あまりの寒さで思い出す気は起こりません。あらゆる意味で寒かった。

欧州リーグ

バルセロナ勝利、レアル・マドリード敗退で勝ち点差11。CLショックを引きずるマドリーは気力なきまま敗れ、この先の逆転はかなり厳しそう。根本的な改革が必要でしょうな。デポルはコロの活躍で勝利した模様。コロ加入以降は調子良いですな。これでMSIからの資金繰りがうまくいけばスーペル・デポルの強さは復活しそうだが、それは果たしてスーペルなんだろうか。でも潰れるよりはデポルスキー希望。

ミランもユーベも勝利して相変わらずマッチレースの様相。ユーベはまたも1-0勝利。どう見ても0に押さえたようには思えないが。前節のプレゼントPKしかり、ユーベが疑惑の判定に助けられるのは、いったい今シーズン何試合目だろうか。カルチョの世界で絶大な権力をもつユーベらしいといえばそれまでだが。糞試合だな。こんな一方的な判定されてはキエーボもやる気無くすだろう。見てる方も冷める。Jリーグの誤審ばかりがとりだたされるけど、どこの国も似たような問題を抱えている。低レベル審判だけの問題じゃないから、似て非ずだけど。

  • プレミア

チェルシーが独走態勢を築きつつあるけど、これからCLの過密日程に加え、アシュリー・コール問題で勝ち点剥奪の可能性もあり予断を許さなくなってきた。でもおそらくお咎めなしで終わるんじゃないだろうか。チェルシーロッベンが復帰すれば更に波に乗りそうだ。リーグを盛り上げるためには、マンUアーセナルの旧2強の奮起が待たれる。

ベスト8雑感

  • 守備的にも色々

バルセロナアーセナルレアル・マドリー(このチームは程遠いと思うが)というスペクタクル志向のチームが敗れ、ベスト8にはリアリズム志向のチームが多く勝ち残った。なにやら「守備偏重チームばかりが残ったことで、サッカーから楽しみが奪われた」ような風評を聞くけど、果たしてそうだろうか。
個人的には攻撃的サッカーの方が好みだし、バルセロナの早期敗退は残念。ただCLに楽しみがなくなったわけではない。
バルサなどに比べると、チェルシーバイエルン、ユーベはお世辞にも「攻撃的サッカー」とは呼べない。でも一昔前の引きこもりカテナチオとだいぶ趣が違う。
第2戦、どのチームも多少のリスクを恐れず積極的にプレッシングを仕掛け、ボール奪取後の攻めから得点を奪うような意図が感じられた。リードしてアウェーでの戦いを迎えたバイエルンでさえ、引き篭もる事なく序盤から積極的なプレッシャーをかけてきた。逆にレアル・マドリーは積極的なプレッシングもなく、引き気味に試合を進めるという“らしく”ない弱気なサッカーに終始し、結果敗れた。
ようするに、守備的な(便宜上)サッカーといえども、積極果敢なプレスや、カウンターからの鋭い攻めを擁していなければ、欧州戦線は勝ち抜けなくなってきたということでしょう。攻撃的か守備的かに関わらず、中盤でのボール奪取力は必須項目。中盤でフィルターが効かないと、高いの守備力を有していても失点は必至。高い位置でボールを奪わなければ、攻めもままならない。
マドリーのようにスター選手の調子・閃きに頼ったサッカーもはや時代遅れ。主力のコンディションが悪いだけでチームが瓦解してしまう。マイボール時だけでなく、ボールのない状況でも、全選手が勝利に向かって仕事をこなさなくては勝ち抜けない。
また、一戦目のドログバ退場後のチェルシー然り(これは退場者が出たという状況的に仕方なかったけど)、攻めの意思が全くなく、引きこもって守るだけでも勝ち抜けないでしょう。リード時でもカウンターの脅威がある程度なければ、相手に好き勝手攻め入られてしまう。

  • 戦術的選択肢の必要性

攻撃的にも守備的にも戦える戦術的柔軟性、ホーム・アウェーやスコア差によるゲームプランの的確な選択、そういったモノを“持たざる者”が勝つのは難しくなってきている。守備一辺倒でも勝てないように、攻撃一辺倒でも勝てない。
バルサ、マドリー、アーセナルなどは、良くも悪くも攻め勝つしか出来ない。カウンターの鋭さはあるけど、相手の攻撃を耐え忍んで、引き気味にワンチャンスを狙って戦う事は得意とはしていない。リードした状況でリスク低減を念頭に、落ち着いた試合運びをする面が欠けている。
その点ミランチェルシーは戦術的な選択肢が豊富。リードした状況では無理に攻める事をせず、ポゼッションを軸にリスクを極力排除してゲームを進められる。攻こまれても鉄壁の守備で凌ぎきり、隙を見てカウンター。点が欲しい状況で強引に奪いにいく事も出来る。
とはいっても攻撃的なチームが悪いわけではなく、それはそれで凄く魅力的なんだけど、自分達でゲームを落ち着かせられ、そして動かせるチーム、あらゆる状況に対応できるチームの方がトーナメントで有利なのは確か。
スタンフォードブリッジの死闘でも、チェルシーが仕掛けてきた時間帯で激しくゲームは動き、チェルシーがペースダウンをしたらゲームは割と落ち着いていた(それをロナウジーニョが個人技で破壊したシーンもあったが)。
状況に応じたリスク管理を得意としていて、強烈なプレッシングからの鋭いカウンターを主武器とするチームが「つまらないサッカー」といわれればそれまでだけど、ベスト8に一昔前の引きこもりサッカーを標榜するチームがいないのは確か。得にチェルシーミランは攻めの選択肢も豊富。
引き気味にゲームを進めるにしても、無闇やたらに前へロングボールを蹴りこむなんて事はなく、理詰めのカウンターで意図的に点を奪いにいける組織的な攻撃力、それを得点に結び付けられる個力も有している。チェルシーのダイレクトプレーを基調としたカウンターには美しさを感じるし。
勝ち残ったクラブが、リスクを恐れて下手に消極的になったりしなければ、まだまだCLも楽しめると思います。そして消極的になりすぎたクラブは敗れる運命にあると思う。それにリヨンとか普通に攻撃的で面白いと思うし。


そういえばバルサ、マドリー、マンUアーセナルと、スペインとイングランドを代表するビッグクラブがCL早期敗退。この4つクラブの来シーズンまでに必要な戦力について書いてみるとするか。今度ね。