本はねころんで

2017-05-23 気温上がらず

 しばらく良いお天気が続いていたのですが、本日は終日曇り空で、気温もあがらず

でありました。この時間はひざかけをして暖をとり、なんとかストーブをつけずに

過ごしています。

 TVなどで、ほかの街のお天気などを見ていましたら、本日は真夏日なんていってい

て、これはどこの話かと思いましたです。

 本日は留守番をしながら、水回りの配管修理の立ち会いをして、その間文庫本で小

説を読んでおりました。もうだいぶん前から読んでいるものですが、「安城家の兄弟」

なんとか中巻を読み終えることができました。残りは下巻200ページほどとなりです。

安城家の兄弟 (下) (岩波文庫)

安城家の兄弟 (下) (岩波文庫)

 本日に読んでいたところには、次のくだりがありです。

「その時、いきなりガラッと、中の口からはいって来たのは、近衛の軍帽にカーキー

色の外套で、腕に、何か書いた布を巻いた在郷軍人と、もう独りも、甲斐甲斐しく

出立つた、どう見ても自警団の主要人物、といった風体な若者だった。・・

『ええ、ちょっとお邪魔します。ええ、実はその、例の甘粕大尉の減刑ですが」

と、在郷軍人は、もう何軒も廻って来て、すっかり手に入り切った柔調子で、やれ、

邦家のために一身に犠牲にした勇士だの、天に代わって斬姦だとのと、そんなもの

ものしい効能書は一切ぬきにして、すぐさま衣嚢から、罫紙のとぢたやつを取り出す

と、『ご面倒でも、どうかこれへ一つ、御署名願ひたいんで・・』

 その要領のよさに、ついふらふらッと立ちあがって了ったが、ぢかに畳の上に置かれ

署名帳を前にして、ふと昌造は、言ひまくられて、ぐッと詰まった時のやうな、不快

困惑に陥ってゐた。・・・・・

 賛成不賛成などてんきり問題にもしずに、いきなり『御署名を』といふ、否応なしの

申出だった。勿論、この在郷軍人にしてみれば、そこになんの異議違背があらうとも

思はれなかったらうし、実際また、今まで廻ってきた軒並、ただの一人でも愚図愚図言

ふ物はなかったらうけれど、そのぐうもすうもないことと、相手の応諾を信じ切ってゐ

る態度が、昌造にとっては、誠に『困りもの』『泣きどころ』だった。」

 時は関東大震災直後のことであります。主人公は震災にあった逗子の家から番町の住

宅に仮住まいをしたところに、署名のために来客があったときのくだりです。

震災で甘粕大尉といえば、大杉栄殺害であります。在郷軍人たちは甘粕は反逆者大杉

を始末したのだから、減刑されるべきと疑ってなく、逗子大杉栄と近所付き合いが

あった主人公は、大杉という人間に親しみを感じているので、すんなりと署名する気分

にならないということの葛藤がおこるのであります。

 今のこの国では、在郷軍人会とか隣組が「憲法改正を早めて、自衛隊を合法化しよう」

という趣旨の署名を集めたりはしていないのですが、ここ数年の世の中の動きをみてい

ましたら、そんな日が来るのも遠くはなさそうなことで、それだけはだめでありますね。

2017-05-22 あほうどりの唄

 庭でアブラムシ退治とBS放送で相撲の観戦をしている合間に「アホウドリを追った

日本人」を手にしておりました。

 なぜ山を登るのかといわれて、そこに山があるからと答えたという逸話があります

が、なぜ南の島を目指すのかといわれて、そこに男のロマンがあるからなんてことで

はありませんでした。明治から大正にかけてはるか南の島々へとむかった日本人たち

の目的は、アホウドリの捕獲でありました。アホウドリからとれる羽毛は、非常に高

価なもので主にヨーロッパへと輸出されたとのことです。このアホウドリの捕獲がど

れほど凄まじいものであったかというと、小笠原諸島に生息していたアホウドリ

ほとんど5、6年で絶滅したことからもわかるということです。

 平岡さんの著書からアホウドリについてのところを引用です。

アホウドリは、両翼をひろげると2.4メートルんも及ぶ太平洋でも最大級の海鳥であ

るが、『馬鹿鳥』のほか、さまざまな名前が付けられ、その多くがアホウドリという

呼称に象徴されるように、この鳥にとって不名誉なものである。これはアホウドリ

無人島繁殖するため、人を恐れず簡単に捕獲されたことによる。

 さらに、大型の鳥のため、飛び立つにも、20〜30メートルの滑走が必要で、敏捷に

飛び立つことができず、人間から見て動作が緩慢に見え、ぼんやりしているという意味

からであろう、天を信じる『信天翁』や『藤九郎』などと呼ばれている。逆に、ゆった

優雅に空を舞う姿から、古くより『沖の太夫』という呼称もあり、蔑称をやめて、こ

の呼称に改称すべきという主張もある。」

 日本国内では小笠原諸島くらいでしか眼にすることができないわけですから、なじみ

のある鳥とはいえなくて、その昔に捕獲者たちが呼び名としたアホウドリで知られるの

は、この鳥にとって気の毒なことであります。英名は「アルバトロス」でありまして、

この呼び名には、阿呆というような趣はないようで、ゴルフの用語にも使われているの

を見ると、むしろ「アルバトロス」すごいということになりそうです。

 そういえば、小沢信男1986年5月刊行の本に「あほうどりの唄」というものがあり

ました。( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20110509 )

 書名になっているのは、小沢信男さんの詩であります。

この詩は、もともと「自由時間」という雑誌に、小室等さんの曲をつけて掲載されたも

のでありました。

 三連からなる短い詩ですが、その終わりのところを引用です。

「 あほうどり

  燃ゆる夕日に 恋をして

  海のむこうに

  墜ちていった

  あほうどり  」

 かっての小笠原アホウドリは、これよりもずっと苛酷な現実に直面したのですが、

小沢さんの「あほうどりの唄」もそこはかとなくかなしいことです。

 小沢信男さんといえば、5月26日金曜から27日にかけてのNHKラジオ深夜便に出演する

ということです。「ラジオ深夜便」のページをチェックしてみましたら、次のように

ありました。これはなんとかして聞かなくてはです。

「5月26日(金) アンカー:村上里和

午後11時台 午後11時15分からの放送です。

【特集】

佐藤愛子に聞く!(前半)作家 佐藤愛子

5月27日

午前0時台【特集】

佐藤愛子に聞く!(後半)作家 佐藤愛子

動き・深夜便のうた・世界の天気

午前1時台 ニュース・円株

ぼくの“東京今昔物語” 作家 小沢信男  」

2017-05-21 待つことか

 相撲の本場所中は、どうしても13時からの中継にあわせた日課づくりになってしま

います。庭のみまわりなどは欠かすことはないのですが、本を読んだりするのがおろ

そかになっています。

 そんなときにはつまみ読みできるものに手が伸びることになります。先日に入手し

た「安曇野の白い庭」であります。これは丸山健二さんが、自らの肉体を使って庭作

りをする体験的庭造り論ですが、土地の大きさもロケーションも、住宅地の猫の額ほ

どの庭いじりとは次元が違います。

「ここ二、三十年のあいだに筋肉がさほど衰えなかったのは、ひとえに庭仕事を全て

自分独りの力でなんとかしてきたからだ。そして、ガーデニングとは本来こういう

ものなのだと自負を持つに至っている。力仕事はプロに任せ、あとはけばけばしい花

をいっぱい買い集めて庭中を埋め尽くすのは、所詮、青春の名残を追い求めて必死に

あがくオバチャン・ガーデニングでしかない。あるいは、懐手をして縁側に腰をおろ

し、ペンより重いものを持ったことがないとうそぶきながら、金にあかして職人たち

に造ってもらった型通りの庭を眺める、文士ガーデニングだ。・・・

 私が心から見たいと願うのは、主の精神が隅々まで反映されている庭でしかない。」

 当方がやっているのは「オバチャン・ガーデニング」の補助者でしかありませぬが、

それでも草取りや苗の植え付けから学ぶところが多いことです。

まるでレベルは違うのではあるのですが、丸山さんの次のくだりなど、ほんとそうで

あるなと思うことです。

「直情径行型の性格が植物を相手にする限りわずかに改まりつつあった。つまり、いつ

しか知らず、待つということを体得していた。時間をかけることの重大さに遅ればせな

がら気づいたのだろう。もしくは、単にそういう歳になっただけなのかもしれない。」

 当方は直情径行型の性格であるとは思いませんが、植物を相手にしていますと、今年

はだめでも来年があるさということはよくあります。今年移植したので、今年は花が

望めないが、来年にはというようなことですが、来年であれば上出来で、花ではなくて

実を楽しむとなれば、「桃栗三年、柿八年」といわれるように、何年も待たなくては

いけません。

 当方が昨年に挿し木をした苗は、実をつけるまでに5年ほどかかると聞かされました。

5年ごといえば、当方は70代になっているのですが、こちらの興味がそれまで続くので

ありましょうか。

2017-05-20 パン作りとよもぎ摘み

 本日は、あれこれとなかなか忙しい一日となりました。

 朝一番での作業は、庭の鉢苗をおひさんがあたるところへと動かして、水やりをす

ることでしたが、そのあとにはパン作りにとりかかりました。

ここのところは天然酵母によるパン作りに取り組んでいるのですが、先日に起こした

天然酵母がそろそろ一週間となるので、使い切ってしまわなくてはいけなくて、作業

を行いました。ライ麦100%のパンと、ライ麦と全粒粉を半分半分とした二種類です

が、最近はやりのグルテンフリーのものとなります。一次発酵にたっぷりの時間をか

けて夜に焼き上げましたが、食べ慣れますと、なかなか白い食パンには手が伸びなく

なります。

 ちっとも美味しそうには見えませんが、話の流れで出来上がりの写真を。ちなみに

白っぽく見えるのがライ麦100%です。こちらにはすこしラムレーズンを混ぜ込んで

います。ラムはハバナクラブの3年物です。

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 お昼からはBSで放送の相撲見物となりますので、その前に近くの山までいってよも

ぎ摘みを行いました。よもぎは5月の始め頃から出てくるのですが、早ければ小さく

て、量を確保するのに大変ですし、遅いと伸びすぎていて、虫がついていたり、かた

くなっていたりです。今年の場合は、本日くらいがちょうどよかったようです。

本日確保したよもぎは、来年のお正月のお餅でも使うことになりです。

 そんなこんなことをしていましたら、ほとんど本を読むこともなしです。

わずかな時間手にしていましたのは、先日に購入した丸山健二さんの「安曇野の白い

庭」です。

安曇野の白い庭 (新潮文庫)

安曇野の白い庭 (新潮文庫)

2017-05-19 お天気続く

 ここ三日ほどお天気のよろしい日が続きます。5月連休が終わってから最高気温が

10度に届かない日が続いたりしましたが、やっと最高気温が20度に近いところまで

あがるようになりました。

 この時期は暑くも寒くもなく、庭にでていても虫もすくなくて、新緑を楽しむこと

となります。庭に植えてあるツツジはつぼみがふくらみ、バラは新芽がふいてきて

います。鉢植えのバラは、冬期間は室内で管理していたこともあり、地植えのもの

よりもすこし早くに葉が生長していますが、元気な葉にをよく見るとアブラムシ

ついていたりして、新しい葉がのびると、虫も動き始めることです。

 お天気の良さに誘われて、本日は午前から外出をすることとしました。海沿いの

国道を走って1時間ほどの町までいって、小さな和菓子店べこもちを買うためで

あります。和菓子店といえば、あれこれと種類がありそうですが、その店はべこも

ち専門店というような店で、店は住宅のごく一部で、三尺幅のショーケースが一本

のみという、まさに零細店舗。ご婦人がお一人でやっているのでしょうか。午前中に

は商品は完売してしまい店じまいですから、商売というよりも趣味の延長であるの

かもしれません。このような比較的高齢の人がやっているお店は、昔ながらの作り方

をしていることもあり、商品数には限りがあるのですが、根強いファンに支えられて

いつも完売であります。

 しかし、このようなお店は商いが小さいせいもあって、これでビルが建つというも

のではなく、どのお店も後継者はどうなのかと心配になることです。

 そんなことを思って帰宅しましたら、本日の国会では「組織的犯罪処罰法改正案」

いわゆる「共謀罪」が強行採決されたとのことです。とにかく数の力でなんでも強行

でありまして、これを推進している人たちの多くは、親の代から家業としての政治家

をやっている人たちで、どう考えてもこちらの家業は、小さな和菓子店とは比較にな

らないほどうまいものであるようです。