東日本大震災の津波は明治三陸津波を超える38.9メートルの巨大津波だった

津波に襲われた岩手県宮古市では、115年前の「明治三陸津波」で記録された津波を超える、38.9メートルの高さまで津波が駆け上がっていたことが、専門家の調査で分かりました。▼東京海洋大学の岡安章夫教授のグループは、岩手県宮古市の姉吉地区で津波の高さなどを調べました。この地区では、入り江の海岸から400メートル以上離れた高台で、津波が斜面を駆け上がった痕跡が残されていて、測量の結果、38.9メートルの高さに達していることが分かりました。これは、1896年に起きた「明治三陸津波」の際に、現在の岩手県大船渡市の綾里地区で記録された38.2メートルを、70センチ上回る高さです。

 昔、吉村昭の『三陸海岸津波』で30メートルを超える大津波という記述を読んだときは数字が間違っているのではないかと思った。科学的な検証のない伝承の入った話なんだろうかとも思った。一夜にして村落が消えたという話をリアリティをもって読むことができなかった。しかし、今回の津波を見て、30メートルを超える大津波というものが実際に起きるのだということを知った。とても信じられなかった明治三陸津波をも超える巨大津波だったのだ。

三陸海岸大津波 (文春文庫)

三陸海岸大津波 (文春文庫)

東京ディズニーランドが1カ月ぶり再開。今日は開業記念日でもあったのだ

東日本大震災の翌日から休園していた千葉県浦安市東京ディズニーランド(TDL)が15日、約1カ月ぶりに営業を再開した。TDLは1983年4月15日に開業。28周年の記念日に、営業再開の節目を迎えたことになる。節電のため、開園時間は当面、午前8時−午後6時に短縮。人気のエレクトリカルパレードは実施せず、園内の照明も抑えめにする。

 東日本大震災後、再開日を開業記念日と合わせてきたのか。駐車場の液状化はひどかったというが、ほかの施設は大丈夫だったということか。でも、電力供給不足の影響で夜は営業できないわけか。問題は夏だろうなあ。ディズニーランドも電気の塊みたいな施設だから。ともあれ、完全ではないにしても、ディズニーランドが再開にこぎつけたことは、浦安復興のシンボルにもなるなあ。
★ディズニーリゾート、夏休みも営業へ 自家発電を導入:日本経済新聞 => http://t.co/ge7Dt5V

東京ディズニーランドベストガイド 2011?2012 (Disney in Pocket)

東京ディズニーランドベストガイド 2011?2012 (Disney in Pocket)

松藤民輔『超・投資勉強法』

超・投資勉強法──「動乱の時代」に金運を掴む人、掴めない人

超・投資勉強法──「動乱の時代」に金運を掴む人、掴めない人

 2009年2月の出版だから、リーマン・ショックの後の動乱期に書かれた本。だから、「はじめに」には「平時の投資法・勉強法では生き残れない」というサブタイトルが付いている。投資勉強法というのは、経済の読み方、マーケットの読み方の教科書でもある。特に今のように変動の激しい時代には、こうした本が刺激になる。読んでいても、面白かった。目次で内容をみると...

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いまそこにある3つのリスク−−東日本大震災、MENA騒乱、ユーロ財政問題

財務省幹部は14日、20カ国・地域(G20)財務相中央銀行総裁会議の初日の議論終了後に、世界経済の回復が予想以上に順調な中、日本の震災・北アフリカ・欧州問題という3つの下方リスクが存在しているというのが20カ国(G20)の認識だとの見通しを明らかにした。終了後、記者団に語った。

 東日本大震災後、初めてのG20財務相中央銀行総裁会議が始まったが、そこでリスクとして挙げられたのが、日本、北アフリカ、欧州。東日本大震災地震津波の直接的な被害だけでなく、長期化しそうな福島原発事故処理問題、傷ついたサプライチェーン、東日本での電力供給不足なども含めての話だろう。北アフリカは、国連が軍事介入しても、いまだにカダフィが頑張るリビア情勢もあるだろうが、中東を含めたMENA(Middle East, North Africa)全体の政情不安を指しているのだろう。そして、ポルトガルで再び火を吹いたユーロ圏の財政問題
 ただ、これだけ問題を抱えつつつも、全体としては「世界経済の回復が予想以上に順調」なんだな。BRICSは、むしろインフレ懸念だし、暗い方ばかり見ていても誤るし、明るい方ばかりを見ていても危うい。特に自然災害や政治・社会不安で、経済の前提となる部分が揺らいでいるだけに、経済の先行きを読むのが一段と難しくなってきているなあ。

なぜ経済予測は間違えるのか?---科学で問い直す経済学

なぜ経済予測は間違えるのか?---科学で問い直す経済学

福島原発事故、東電が半径30キロ圏内の住民に総額500億円の仮払補償金。あの悪評さくさくの公募資金を使うんだろうか

東京電力清水正孝社長は15日の記者会見で、福島第1原子力発電所の半径30キロ圏内の住民を対象に、1世帯当たり100万円(単身世帯は75万円)の仮払補償金を支払うと発表した。対象は約5万世帯で総額は約500億円。

 周辺住民の生活に甚大な影響を与えている福島第一原発事故。まずは1世帯当たり100万円、単身世帯75万円、総額で約500億円の補償金を仮払いするという。まずは最初の一歩。農漁業や産業の損害もあるし、計画避難地域の人たちの生活にも今後、影響を与えていく。最終的に、どのぐらいの損害になるのだろう。国と一緒に補償していくことになるのだろうが、記者会見などを見ていると、既に国、東電ともに、どちらがどのくらいの負担をするのか、駆け引きが始まっている感じもする。問題は、この事故がまだ現在進行形で、どのぐらいの影響を後に残すのか、まだ計算もできないことだろう。原発事故関連でも、新たな情報が出てくるし、まだ全容を把握できているようにも見えない。

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東日本大震災余波。ムーミンの来日も中止になってしまった...

東日本大震災の影響で、海外の美術品を借りる展覧会の中止が相次いでいる。▼岡山県立美術館も22日から予定していた「トーベ・ヤンソンムーミンの世界展」を中止。童話「ムーミン」の原画など約130点をフィンランドの博物館から借りるはずが、「日本で何が起こるか予測できず、貸し出しはできない」と連絡があった。「被災地から遠い場所なので安全」と再考を求めたが、方針は変わらなかった。学芸員は「気持ちも分かるが、楽しみにしていた人たちのことを思うと残念」と話す。

 東日本大震災ということもあるんだろうが、福島第一原発事故や停電などの話が過大に伝わっているのだろうか。外国人の出張や旅行が減っていることは知っていたが、美術品の貸し出しにまで支障が出ているのか。ムーミンの展覧会、岡山なのに、駄目だったのか。フィンランドらしくないなあ。フィンランドチェルノブイリのトラウマがあるのだろうか。いずれにせよ、こういう時期だからこそ、ムーミンには来て欲しかった。トーベ・ヤンソンが生きていたら、送り出してくれたような気もするけど。
 岡山県立美術館のサイトを見ると、こんな風に、お知らせが載っている。

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菅首相退陣論がじわじわと...。次第に、うねりになっていくような...

自民党谷垣禎一総裁は14日、菅直人首相が「自ら出処進退を判断する時期に来ている」との考えを示した。福島第1原発事故への同首相の対応を批判し、「これ以上この体制でいくのは国民にとって極めて不幸だ」と訴えている。

 危機に際してはリーダーのもとに一致団結する。しかし、そのリーダーが無能だったときに、どうしたらいいのか...。1カ月は従う。批判はしない。しかし、1カ月が我慢の限界ということだろうか。そんなムードになってきた。自民党の谷垣総裁も菅首相退陣論を語り始めたが、最近、目についた記事を順不同に拾っただけでも、自民党民主党、双方で動きが...

・「菅内閣そのものが大災害」伊吹文明氏(読売新聞) => http://t.co/JA1Jx0l
・みんな・渡辺代表、「菅首相の退陣がスタート」 - MSN産経ニュース => http://t.co/elkc3hE
・民主若手が首相退陣要求(時事ドットコム) => http://t.co/0FphAQp
・「無責任内閣、更なる災禍も」 小沢・民主元代表、首相を批判(毎日新聞) => http://t.co/h7YQenR
・自民・林氏:菅首相と大連立は不可能、震災対応を批判 - Bloomberg.co.jp => http://t.co/t56D8H1

 みんな「撃ち方始め」という感じ。もちろん、こんな時期に首相が辞めてどうするのだという反論はメディアの社説を含めて多い。

・社説:菅首相への批判 ただ「辞めろ」は無責任だ(毎日新聞) => http://t.co/Tlk0SS4

 しかし、震災後の対応は、組織を乱立したり、内閣参与を乱造したり、まともには見えない。内閣不信任へと流れが大きくなっていくんじゃなかろうか。自分で辞める人ではないから、不信任の票読みで絶体絶命になるまで、ドタバタするんだろうなあ。メディアもいずれ、続投、退陣2派に分かれていくのだろうか。まあ、政治家もメディアもまずは世論調査にすがるのかもしれないが、この手の話だと、設問の作り方で操作できそうな気もするから(対応のひどさを思い起こさせるような事例から入るか、東北の人たちが大変な、この時期に混乱は嫌ですよね、というトーンで聞いていくのか)、設問内容も含めて結果を見ないと危ないなあ。
 で、ウォール・ストリート・ジャーナル日本版では、首相は退陣すべきかどうかというアンケートを以下のページで早速やっていた。

【投票】菅首相は辞めるべきか辞めざるべきか - WSJ => http://t.co/jWpm8H2

 見たときは(WSJ日本版ということもあってか)、投票数が少なかったが、それでも続投を支持する票が少なかった。復興構想会議は6月までに案をまとめるというが、そのときに提出する首相は誰なのだろう。最悪は与野党が妙に談合して、その構想を受け取るのを花道にしてみたいな野合が成立してしまうことかもしれないけど。すると、計画停電の不安がない2ヵ月を無駄に過ごすことになってしまう。

危機の宰相 (文春文庫)

危機の宰相 (文春文庫)