1980年5月18日から27日にかけて全斗煥韓国の全羅南道光州市で民主化を求める活動家や学生と韓国軍が衝突し、多数の死傷者が発生した事件。当時は陸軍出身の全斗煥による保安司令部が、マスコミなどの情報も全て統制していたため、光州事件の実態について国民に説明される事はなかった。しかし、光州市民らによって実態が明らかになるにつれて、その後の民主化運動に影響を及ぼした。
2024年12月3日、韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、まさかの戒厳令を宣言。ヘリコプターで軍隊が国会議事堂へ急行、国民も事態を憂慮し結集する騒然とした状況の中、国会議員が戒厳令解除の要求を決議し、大統領もこれを受け入れ解除するという衝撃的なニュース。コメンテーターたちが映画「ソウルの春」に言及していたこともあり、「これは観るしかない!」と強く感じました。 映画「ソウルの春」 あらすじ www.youtube.com 1979年10月26日、朴正熙(パク・チョンヒ)大統領が側近によって暗殺されるという衝撃的な事件が起こります。18年にも及ぶ軍事独裁政権が終わろうとしている。暗殺事件の合同…
ハン・ガン著『少年が来る』。 12月23日㈪。ノーベル賞を受賞した韓国の作家・ハン・ガンの『少年が来る』を読む(まだ30%くらいまで)。 ハン・ガンを読むのははじめて。 この小説、背景や舞台の説明なし。読者をいきなりその厳しい現場に立たせる。 1980 年5月18 日、韓国全羅南道の光州を中心として起きた民主化抗争、光州事件。戒厳軍の武力鎮圧によって5月27日に終息するまでに、夥しい数の活動家や学生や市民が犠牲になった。抗争で命を落とした者がその時何を想い、生存者や家族は事件後どんな生を余儀なくされたのか。その一人一人の生を深く見つめ描き出すことで、「韓国の地方で起きた過去の話」ではなく、時間…
韓国の現職の大統領である、ユンソンギョル大統領が非常戒厳を発令し一時政治経済が混乱に陥ったお隣韓国。本能ブログのデザイナーSilverさんは韓国人ですが日本とソウルを行き来する仕事をしていて、このニュースが流れたときは普段の街並みに戦車までもが投入され憂慮すべき状況だとおっしゃっていました。 日本人には馴染みの薄い「韓国政治の民主化の歴史」それを理解するのに、軍部の立場から描いたソウルの春という映画をおすすめしている方がいて見てみました、実はタイムリーに割と最近公開された映画でびっくりしました。ご紹介していきます。 あらすじ(ストーリー) 1979年10月26日、大韓民国朴正煕(朴正煕)大統領…
韓国で起きた戒厳令に『天風録(241215中國新聞)』は思う▲ハン・ガンさんを執筆に駆り立てるのは、二つの問い。「世界はどうしてこんなに暴力的で苦しいのか」「同時に、世界はどうしてこんなに美しいのか」▲深夜の国会に突入する兵士の蛮行に、1980年の「光州事件」を想起した人は多かったはずだ。民主化を求める市民が軍に虐殺された。ハンさんはこの事件を題材に代表作「少年が来る」を書いた▲野党の反対を反国家行為とみなし力で封じようとした尹氏の暴挙は、冒頭の問いの前者に重なる。後者はあの夜、国会周辺に集まった市民の勇気。あまたの犠牲の上に築いてきた民主社会を守るために▲二転三転した尹氏の弾劾訴追案がきのう…
知識も想像力も欠片もないくせにSNSで軍政と戦う韓国市民をディスるなら、まずこれを見てからにしてほしいものだ↓ タクシー運転手 ~約束は海を越えて~(字幕版) ソン・ガンホ Amazon c-exceed.hatenablog.com 先日紹介した『1987 ある闘いの真実』のような内容を想像して見ているとあまりの重さに目を覆いたくなるかもしれない。 アマプラ会員なら無料で見れるし、アマプラは1ヶ月無料キャンペーンやってるはずなので、この機会に是非見ていただきたい。 ターミネーターと化した軍人が躊躇なく引き金を引く。その先にある生身の体を銃弾が貫くとき、そこにある「命」、それまでの「人生」、そ…
この前、韓国の「非常戒厳宣言」で驚いた方も多いかと思います。「非常戒厳宣言」は国を守るためのものであり、個人を守るためのものではないはず。それに怒りを示す人も多いですが、その一方でトラウマに苦しむ人も多いと云います。 モーニングショー|テレビ朝日(20241204) そのトラウマとは「五・一八民主化運動」 (光州事件)。1980年、光州で多くの人の命を無惨なカタチで奪った事件です。その時「非常戒厳宣言」が出されました。しかし、韓国で光州の事は新聞、テレビ、ラジオなどに全く流れる事はなく、まさに光州は封鎖された状態で多くの市民が犠牲になったのです。 その光州で起きた真実を命をかけて世界に知らせた…
はじめに 2024年のノーベル文学賞に韓国の現代文学を代表する作家のハン・ガン(韓江)さんが選ばれました。 mainichi.jp ハンさんは1970年に韓国の光州市に生まれ、首都ソウルの大学で文学を学びました。1993年に詩人としてキャリアをスタートし、その後、小説家としての活動を始めました。『菜食主義者』でイギリスの文学賞(ブッカー国際賞)を受賞するなどすでに世界的に知られた作家です。日本語訳も多く出ています。 『別れを告げない』は「済州島四・三事件」で負った人々の痛みを鳥など象徴的なイメージをも用いて繊細に描写しています。『少年が来る』は自身の出身地で起きた「光州事件」をテーマにしていま…
U-NEXTにて視聴。 ネタバレが入りますので、未視聴の方はご注意ください。 『五月の青春』 キャスト 感想 『五月の青春』 放送年:2021年 話数:18話(1話約42分) ジャンル:ヒューマン、恋愛 個人的満足度:★★★★★5 キャスト イ・ドンヒョンさん:ファン・ヒテ コ・ミンシさん:キム・ミョンヒ イ・サンイさん:イ・スチャン クム・セロクさん:イ・スリョン オ・マンソクさん:ファン・ギナム 感想 民主化運動真っ最中の1980年のお話。 光州事件を描かれたものは、タクシー運転手〜約束は海を越えて〜、ペパーミント・キャンディー、1987、ある闘いの真実と映画で観ていましたが、ドラマははじ…
韓国映画「1987、ある闘いの真実」を観ました。プライムビデオの配信が終わるということで(2024年8月31日まで)観ることにしました。 「1987、ある闘いの真実」はこんな映画 www.youtube.com 1987年、ソウルオリンピックを翌年に控え、民主化を求める声が高まる韓国。軍事政権下にあった韓国では、北分子を排除するため、警察による強硬な取り調べが日常的に行われていました。 そんな中、ソウル大学の学生パク・ジョンチョルが、警察の取り調べ中に死亡する事件が発生します。警察は、この事件を隠蔽しようとしますが、検死の結果、拷問による死亡と判明。事件の真相を隠そうとする政府と、真実を暴こう…
「80年5月に韓国で多くの死傷者を出した“光州事件”を題材とする衝撃の人間ドラマ。両親を早くに亡くして以来、高校生の弟ジヌの親代わりを務めてきた心優しい青年ミヌ。ある日彼は、想いを寄せる女性シネとジヌとの3人で映画を観に行くことに。ところが、映画館の外で民主化を求める学生たちと軍との衝突が起こり・・・」映画.COM これが忠実ならば、日本と同じような国家として見るのは無理があるなと・・・。 それでは・・・。 2007年 韓国 日本語吹替あり