シヴァ神 インドを中心に10億人の信者を持つヒンドゥー教。インダス文明の頃から連綿とした歴史を持つ多神教である。ただその教義の中核は古色蒼然たる「輪廻転生」と「カースト制度」であり、古いタイプの宗教だ。社会的な階層も固定されたままだ。ヒンドゥー教は、言ってみればギリシャ神話や日本神話とほぼ同等な宗教であり、神の個別の逸話から、なんらかの教訓を読み取るタイプの教えである。だがその場合、当然のことながら、信じる神によって教訓も変わってきて、統一性がない。雑多な神々のうち、もっとも有名なのはシヴァ神である。破壊と創造を司る最高神であるが、さて、シヴァ神がそのような属性を持つとして、それが各人の信仰に…