アメリカの男性投資家*1、バークシャー・ハサウェイ投資株式会社*2経営最高経営責任者(CEO)。
今世紀で最も偉大な株式投資家といわれている。
略歴
1930年8月30日、米国ネブラスカ州オマハ生まれ。父親は友人と小さな証券会社を設立していた。彼が小学校を卒業する頃、父親が下院議員に当選、中学・高校をワシントンDCで暮らす。高校卒業の頃にはさまざまな仕事をこなし年収6万ドル以上であった。
ペンシルバニア大学ウォートン校中退、ネブラスカ大学を経て、ハーバード大学大学院の進学に失敗、コロンビア大学ビジネススクールで経済学修士を取得。10代のころはテクニカル分析に没頭し、17歳のときには分析記事を一本書いて公表したこともあるが、コロンビア大学在学中に偉大なる投資家で有名なベンジャミン・グレアム教授と出会う。師として仰ぎ、親交を深めた。その後グレアムの会社グレアム・ニューマン・カンパニーで一時期働いていたことがある。
1956年に「グレアム・ニューマン」が解散されたのを機にオマハに帰り、投資会社「バフェット・パートナーシップ」を興した。1969年に資産総額500万ドルになっていた「バフェット・パートナーシップ」を解散。その資本を元手にネブラスカ州の老舗シャツ会社「バークシャー・ハサウェイ」の経営権を取得。1985年経営再建できずシャツ部門を閉鎖。バークシャーハサウェイは投資会社*3となる。
彼の大学院卒業時の資産、約1万ドル(120万円)は約50年後の現在、300億ドル(3兆6000億円)を超えるまでになった。コカ・コーラ、ジレット、ディズニー、アメリカン・エキスプレス、ブラウン、デェラセル、トラベラーズ、ワシントン・ポスト、GEICO、シーズ、などの銘柄で成功した。
家族、交友関係
- 長らく交際し同居していたアストリッド・メンクスと、76歳の誕生日である2006年8月30日に結婚した。
- 息子のピーター(次男)は電子音楽の作曲家。映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』や『スカーレット・レター』に曲を提供している。
- チャーリー・マンガーはビジネスパートナー。
- ビル・ゲイツとも親しく、バフェットはハワイで行われたゲイツの結婚式に参加した。しかし当初、ゲイツは世界一の富豪を争っているバフェットと会うことをためらっていた。会ってみたところバフェットとゲイツはすぐに意気投合して親友の関係になった。ゲイツ夫妻の中国旅行にも、妻のスーザンと一緒に参加している。
- ゲイツによれば、2人の会話は金持ち喧嘩せずのとおり「率直で、言い争うようなことは一切ない」ものの、数学に関しては「一騎討ちすることが時々ある」らしい。
- 2006年6月26日、マイクロソフト会長ビル・ゲイツが引退後主催する慈善団体へ資産の約85%(約4兆3000億円)を寄付することを発表した。
バフェット流株式投資の考え方
- 有望な企業を徹底的に調査し、投資対象を絞り込む*4
- 自分が理解できない企業には投資しない*5
- 企業の価値は、将来生み出す現金収入の現在価値を合計したものである
語録
- 「セックスしたくてウズウズしているのに無人島にいる、まさにそんな気分です。買うべきものが一つも見つからないということです」(1972年、アメリカの相場高騰時)
- 「セックスしたくてウズウズしながらハーレムにやってきた、まさにそんな気分です。投資を始めるには絶好のタイミングです」(1973年、株価暴落に際して)
- 「底値で買わなければならない、ということではありません。その企業が持っていると自分が考える価値より安いこと、そして正直で有能な人々によって経営をされていることがポイントです。逆に言えば、株価がその企業の価値よりも安く、しっかりとした経営陣であると確信できるのであれば、そこで利益を生むことが出来るのです」
- 「株価の変動に着目して値幅取りをするつもりはありません。仮に株式を購入した翌日に市場が閉鎖され、その5年間取引が行われない事態になっても、私はいっこうにかまいません」
- 「株式を買う理由のもっともバカげているのは、値上がりしてから買うというやつです」
- 「ロケット工学で博士号を取る必要はありません。 投資とは、知能指数160の人間が130の人間を倒すゲームだからです。合理的かどうかが問題です」
- 「安すぎると株価の方から訴えてくるぐらいでなければ、激安株とは言えません」
- 「郵便が3週間送れて届くような田舎に住んでいたほうが、優れた運用成績を残せるかもしれません」
- 「読みません。床屋に行って『散髪したほうがいいかな』と聞くようなものです」(証券会社のレポートについて)
- 「企業価値の評価とは、そんなに生やさしいものではないからです。でも、いくつかの業種に絞れば、バリュエーションについてかなりの知識を得ることができるでしょう」
- 「目につけた企業の年次報告書を読み、次にそのライバル会社の年次報告書を読みます。これが主たる情報源です」
- 「売上高が1000万ドルで利益率が15%の会社Aがあり、売上高が1億ドルで利益率が5%の会社Bがあるとします。私なら、Aをとります」
- 「バカでも経営できる企業を探しなさい。いずれ、そういう人間が経営者になるのだから」
- 「最高のCEOと呼ばれる人は、会社の経営が好きで、財界人円卓会議やオーガスタ・ナショナルでゴルフをすることなど望まないものです」
- 「特に経営されていなくても多額の利益が上がる企業、これが私の理想です」
投資成績
年度 |
資産額(億ドル) |
フォーブス400でのランク(位) |
1982年 |
2.5 |
82 |
1983年 |
5.2 |
31 |
1984年 |
6.65 |
23 |
1985年 |
10.07 |
12 |
1986年 |
14.0 |
5 |
1987年 |
21.0 |
7 |
1988年 |
22.0 |
9 |
1989年 |
42.0 |
2 |
1990年 |
33.0 |
2 |
1991年 |
42.0 |
4 |
1992年 |
43.0 |
4 |
1993年 |
83.0 |
1 |
1994年 |
92.0 |
2 |
1995年 |
120.0 |
2 |
(出典: ウォーレン・バフェット 自分を信じるものが勝つ!―世界最高の投資家の原則 (スピークス・シリーズ) より)