買い物の帰り道、さくらはいつもの畑の脇を通りかかった。 畑と道路の境界に沿って、見覚えのある草が一列に並んでいる。細い穂が放射状に広がって、茎が地面を這うように横に伸びている。 「……メヒシバだ」 思わず声に出た。少し前まで「雑草」としか思わなかったものが、先日教わった名前とつながる。畑の脇の土は柔らかそうで、確かにメヒシバが好む場所だった。 覚えた草が、庭の外でも目に留まる。それがなんだか楽しくて、さくらはそのまま歩き続けた。 しばらく行くと、道の先に空き地があった。 去年までは何かの事務所だったらしい。解体された後、更地になってからまだ日が浅いようで、地面はむき出しの土のまま、フェンスで囲…