僕達は、何人もの人達と出会っては別れていく。生きている限り、何処かで誰かと会ってしまう。そして何処かに、大切な人達を置き去りにしてしまう。僕達は小さな頃からそれを繰り返してきた。小学校の頃、とても仲のいい友達がいた。席替えがあるまで、僕は毎日その子と遊んでいた。テレビのことや、マンガのことをよく話していた。ところが、席替えのあと、僕は隣の席の別の男の子と仲良くなってしまい、最初仲良くなった子とは疎遠になってしまった。数ヶ月が過ぎ、僕は教室の反対側、校庭をのぞむ窓の側にその子がまた別の友人達と仲良くしているのを見つけてしまう。そして、胸の中に急速に黒い穴ぼこが広がっていくのだ。あの頃、と考えてし…