音源が動いていたり、観測者が動いていたりすると振動数が変化し、音が高くなったり低く聞こえたりする現象。
救急車が通過する時がそのもっとも有名な例である。救急車がそばを通過するとき、近づいてくるときはサイレン音が高く聞こえ、遠ざかるときは低く聞こえる。
音源が動くと波長そのものが変化するが、基準とする座標系での音波の速度は変化しないため、音源の動く速度によって観測される振動数が変化する。観測者が動くと波の相対速度が変化し波長は変わらないために、振動数が変化する。
光でもドップラー効果が起こることが知られている。ただし光は媒質が存在しないため、本質的に事情が異なる。
観測者に対して、光速と比べて無視できないような相対論領域の速度で運動する星の光は、近づく場合は青く、遠ざかる場合は赤く観測される。後者の赤方偏移現象は、宇宙が膨張して星と星の距離が遠ざかっていることを示唆していると言われる。