メタコグニション(metacognition)
認知の認知のこと.
認知とは、一般に思考、知覚、行為など、認知科学的に意味のあるプロセス全般を指す.それの認知であるメタ認知は、自分の自分の思考や知覚や行為を意識しようとする行為のことを指す.例えば思考の思考は、自分が何を考えているかを意識的に考えることである.知覚や行為は半自動的に(無意識で)やっていることが多いため、知覚や行為のメタ認知は非常に難しい.メタ認知は暗黙知を意識するという挑戦的な行為である.
従来の心理学(認知心理学や社会心理学)では、メタ認知を「自分を客観的に記述(モニタリング)して自分の行動を制御する」ことと定義することが多かった.しかし、最近では、メタ認知をその要素で考えるだけでは事足りないという説も認知科学や人工知能の研究分野で生まれつつある.知覚とは、環境で生起している現象に対する(身体による)認識プロセスである.行為とは、身体が環境に対して働きかける(環境を改変する)プロセスである.したがって、身体が行う知覚や行為を記述するという認知行為は、「自分と環境の間に成り立つ関係を、当の自分が記述する」ことである.つまり客観的な記述(外部観測)ではあり得ない.メタ認知は本質的に内部観測である.客観的なモニタリングによる制御を目指す行為というよりも、(その要素も依然あるが)むしろ内部観測的に自分と環境の関係を意識することにより自分と環境の関係を変えることを目指す行為であると捉えるべきである.
簡単に言うと、自分を客観的に見ること
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