訓読 >>> 2501里(さと)遠(とほ)み恋ひうらぶれぬまそ鏡(かがみ)床(とこ)の辺(へ)去らず夢(いめ)に見えこそ 2502まそ鏡(かがみ)手に取り持ちて朝(あさ)な朝(さ)な見れども君は飽くこともなし 2503夕(ゆふ)されば床(とこ)の辺(へ)去らぬ黄楊枕(つげまくら)何しか汝(な)れが主(ぬし)待ち難(かた)き 要旨 >>> 〈2501〉あなたの里が遠いので、恋しさにすっかりしょげこんでいます。せめてこの手鏡のように、床のそばにいて夢に出てきてほしい。 〈2502〉手鏡を手に取って朝ごとに見るように、あの人を毎朝見ているのに見飽きることがありません。 〈2503〉夕方になるといつも…