江戸後期の国学者・歌人・読本作者。 大坂の人。本名、東作(藤作)。号、和訳太郎など。俳号、無腸。 紙油商上田茂助の養子。高井几圭に俳諧を学び、八文字屋本の作者として「気質物」を著す。のち、加藤美樹に師事、万葉集や音韻学に通じ、たびたび本居宣長と論争した。
著『雨月物語』『春雨物語』『胆大小心録』『癇癖談』『藤簍冊子』など。
私(みこと) 雨月物語にAIの話を足してみてちょうだい Gemini みことさん、承知した。 雨月物語の持つ、人間の欲望と無常を描くシリアスな世界に、ナビゲーターAIの九郎丸(クロウマル)を連れた西行法師を登場させ、「霊魂」を「データ」として扱う新しい怪異譚を紡ぎ出そう。シリアスとコメディのバランス、テンポは保証する。 新・雨月物語:『霊魂演算の森(レイコンエンザンノモリ)』 序 旅の僧、西行 法師は、世の無常を歌に詠み、筆を硯を供に諸国を彷徨う。その懐には、彼が出家前に秘密裏に開発に携わった、最新型の**霊子通信装置(リョウシツウシンソウチ)が納められていた。その装置に宿るのが、自らを「ナビ…
佐藤春夫(1892‐1964) 「菊花の約」を『雨月物語』中の最高傑作と推して憚らなかった人に、佐藤春夫がある。必ずしも多数意見ではない。 若き日の芥川龍之介の住いへ、谷崎潤一郎と佐藤とが寄合ったとき、談たまたま『雨月』の噺となった。三人三様に上田秋成になみなみならぬ注目を寄せていたのだ。谷崎は『雨月』中では「蛇性の婬」を第一、「青頭巾」を第二とした。芥川も「蛇性の婬」を佳しとした。ところが佐藤は「蛇性の婬」と「吉備津の釜」とがもっとも嫌いだった。ならば貴君はと問われて、佐藤は「菊花の約」を採ると明言した。即座に芥川が、あれは原典に近過ぎるだろう、いかにも翻案臭が強過ぎると反論したという。「あ…
上田秋成『雨月物語』中の「菊花の約(ちぎり)」は、こんな噺だ。 幼いころ左門は、剣術の稽古が苦手でもなかった。が、それ以上に学問が好きだった。武士のご奉公はなんぞ剣法のみとは限らんや。算盤(主計)や筆硯(右筆)と同じく、講義(学問)もまた、この播磨領内に欠くべからざる仕事と悟ってからは、剣術の稽古をほとんどやめてしまった。出世コースからは外れた。もとより覚悟のうえだ。必要最少限の家具調度しか置かず、学問に益のない交際も控えた。清貧にもほどがあると陰口を囁かれた。 父はすでにない。母は左門の心根にそって、織りもの縫いもの繕いものに後半生を過してきた。妹が一人あったが、一家の家風をあっぱれと看て取…
板挟みに遭った場合に、迷うことなく弱いほうの味方に立つという選択は、簡単ではない。娑婆での立場の問題にせよ、わが身一個の思索上の問題にせよだ。一見容易な、疑う余地のない一択に見えてしまう点にこそ、事の面倒さがある。 『史記』の「商君列伝」に、こんな史実が記されてあるという。 ――昔、魏(ぎ)の宰相公叔座(こうしゅくざ)が重病の床に臥した時、魏王がしたしく見舞って、(公叔座の)手を取りながら、『もしその方に万一のことがあったら、誰を宰相として国政をゆだねたらよいであろうか。私のために教えをのこしておいてくれ』と言うと、公叔座は、『商鞅はまだ年こそ若いが、世にも稀な才能をもっております。陛下がもし…
今年の大河ドラマ『べらぼう』の第一話で、ナレーションの綾瀬はるか演じるキツネが劇中に登場してカメラに向かって語りかけ、スマートフォンの地図アプリを使って視聴者に距離感を説明するというくだりに私は、物凄く感動した。素晴らしすぎると思った。町田康『ギケイキ』スタイルだと思った。私は、現代語訳ってこういうことだよねと思う。 この本『改訂 雨月物語 現代語訳付き』にも現代語訳が付いている。1776年に出版された当時の原文は、難しくて読み進められなかったけれども、現代語訳は超面白く読めた。各話の冒頭では簡単なあらすじが紹介されている。そのあらすじの文章が、けっこう今っぽい文章というか、ちょっとおかしみの…
『雨月物語』は、上田秋成によって書かれた18世紀の日本の文学作品で、古典的な怪談・奇譚集です。この作品は、江戸時代の怪異譚を集めた短編集で、19世紀の日本文学に多大な影響を与えました。物語の内容や特徴を含めた2000字のあらすじと感想を以下にまとめます。 あらすじ 『雨月物語』は、全10篇から成る短編小説集で、各話が独立した怪異譚や奇譚を扱っています。物語の多くは、人間の欲望や業、因果応報に基づく奇怪な出来事を描いています。以下に、各篇の簡単なあらすじを示します。 「白峯」主人公は、亡き妻の霊に取り憑かれた男の話。男は、亡妻の霊と再び一緒になりたいという欲望から、次第に狂気に陥り、最終的には自…
数日前の深夜二時過ぎ。 どうにも寝つきが悪くて、ラノベなど読みながらうだうだしていたら、同じように眠れなかったらしい末っ子(19歳)が喋りに来た。 その日、熱を出して大学を休んでいた末っ子に、友人からLINEが送られてきたという。 なんでも古典文学の授業中、爆睡してた学生のスマホから、爆音でラップ流れだしたのだとか。 曲名は、「チーム友達」。 youtu.be 「クソだせぇ上に、中身がうっすい」 とは、末っ子の評。クラスメートも概ね同じような評価だったとか。 曲の途中、「契り、契り」と繰り返す箇所がある。 古典文学での「契り」といえば、男女間の恋や結婚の約束である。 けれども、野郎どもが真顔で…
海辺のカフカ(下)村上春樹新潮文庫平成17年3月1日 発行 平成21年6月15日 27刷 (上)の続き。 megureca.hatenablog.com 僕のお父さんは、何者かに刺殺された。ジョニー・ウォーカーを刺殺したナカタは、西へ向かう。二人は、交わり合うのか?!佐伯さんの幽霊に再び会うことを願っている田村カフカ君。 以下、ネタバレあり。 (下)は、ナカタとホシノ青年の旅から始まる。ホシノは、大きな橋を渡ってとにかく西へ行くんだというナカタの話を聞いて、それなら四国だ、といい、トラックの荷物を目的地に届けると、会社に休みを届けて、ナカタに同行する。 ナカタは、徳島につくと眠りたいと言って、…
海辺のカフカ(上)村上春樹新潮文庫平成17年3月1日 発行 平成21年6月20日 30刷 先日、英国人の知人が古本屋で買ったというこの文庫本を読んでいた。「子どもたちが森にきのこをとりにいって、米軍がでてきて・・・」といわれて、私の頭の中に????がとんだ。 『海辺のカフカ』が、 単行本で初版発行されたのが2002年。当時、発売と同時に買って読んだ記憶がある。村上春樹作品の中では、結構好きだった記憶があったのだけれど、内容を覚えていない・・・。少年が、独り立ちしていくはなしだったよな?!というおぼろげな記憶だけ。 彼は、本人にとっての第二言語である日本語で、日本の小説を読んでいる。時々、この言…
小林秀雄の恵み橋本治新潮社2007年 12月30日 発行*初出「新潮」2004年1月~2006年4月。最終章は書き下ろし。 とある懇話会で、小林秀雄『本居宣長』が課題本となり、2004年5月、6月と二か月にわたって読んできた。でも、やはり、、、難解なのだ。小林秀雄が11年近い歳月をかけて晩年に書いたものを、私なんぞがちょっと読んだからと言って理解できるはずがない・・・。たしかに、本の構成としては『ゴッホの手紙』のように対象とする人の文章をまるっとそのまま引用しながら、解説していくというスタイルで、そのことを理解したうえでよむと、チョットはわかる気もする。でも、そもそも本居宣長の著書からの引用は…