江戸後期の国学者・歌人・読本作者。 大坂の人。本名、東作(藤作)。号、和訳太郎など。俳号、無腸。 紙油商上田茂助の養子。高井几圭に俳諧を学び、八文字屋本の作者として「気質物」を著す。のち、加藤美樹に師事、万葉集や音韻学に通じ、たびたび本居宣長と論争した。
著『雨月物語』『春雨物語』『胆大小心録』『癇癖談』『藤簍冊子』など。
雨月物語 1953年 日本大映 あらすじ 「近江の国琵琶湖北岸の村に暮らす貧農の源十郎は、畑の世話をする傍らで焼物を作り町で売っていた。賤ヶ岳の戦いの前に長浜が羽柴秀吉の軍勢により占領され、賑わっていることを知った源十郎は、妻の宮木と子を残し、焼物を載せた大八車を引いて長浜へ向かった。義弟の藤兵衛は、侍になりたいと源十郎に同行する。源十郎は大銭をもって村へ帰ってきた。藤兵衛は市で見かけた侍に家来にするよう頼み込むが、具足と槍を持って来いとあしらわれる。 源十郎は戦が続くうちに、さらに焼物を作り大儲けをしようと、人が変わったように取り組むが、宮木は親子3人が幸せに暮らせればそれで充分なのに、とつ…
京都御苑の東にひっそりと佇む梨木神社は、別名「萩の宮」とも呼ばれ、9月には境内に咲き乱れる萩の花で彩られます。近隣には京都府立医科大学、その付属病院などの関連施設や住宅街があり、とても閑静な一帯です。 訪れてみると、小さいながら心癒されるスポットが沢山ある魅力的な神社であることがわかりました。観光用の大きな案内の看板などもなく、京都市民でも知らない人も多いと思いますので、今回ご紹介したいと思います。 前回は地下鉄丸太町駅から京都御苑を通り抜けて梨木神社へのお散歩コースをご紹介しました。↓ yomurashamroch.hatenablog.com 今回はいよいよ本題の梨木神社を詳しくご紹介しま…
本居宣長(上) (新潮文庫)作者:秀雄, 小林発売日: 1992/05/29メディア: 文庫本居宣長(下) (新潮文庫)作者:秀雄, 小林発売日: 1992/05/29メディア: 文庫上田秋成の文学 (放送大学教材)作者:長島 弘明発売日: 2016/03/01メディア: 単行本 今更ながら、小林秀雄の『本居宣長』を読んだ。小林秀雄の最晩年の大著であるこの本は、しかし、今さら読む方がなにかしらひしひし感じるものがある。 小林秀雄の本は人並みにそこそこは読んだ。しかし、前にも書いたかもしれないけど、『ドストエフスキーの・・・』あたりで冷めてしまった。「あれ?、俺いま何読まされてんだろう?」って感…
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 「青頭巾」[『雨月物語』より]の続きだよ!住職さんは生きているのかな??? ※この記事では、霞亭文庫の画像を適宜改変して利用しています。霞亭文庫書誌詳細※画像はクリックすると拡大します。 【くずし字クイズの答え】影のやうなる人の。僧俗ともわからぬまでに髭髪(ひけかみ)もミだれしに。 【原文】[いか]さまにも人の行き来絶(たえ)たると見えて、去年(こぞ)踏み分けし道ぞとも思はれず。 寺に入て見れば、荻(をぎ)尾花の丈(たけ)人よりも高く生(お)ひ茂(しげ)り、露は時雨(しぐれ)めきて降りこぼれた…
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 「青頭巾」[『雨月物語』より]の続きだよ!北見花芽の中の人が、某出版社から出る某書の現代語訳の一部を担当してるらしくて、その締め切りが迫ってるみたいで、中々更新できないらしいよ! ※この記事では、霞亭文庫の画像を適宜改変して利用しています。霞亭文庫書誌詳細※画像はクリックすると拡大します。 【くずし字クイズの答え】禿驢(とくろ)(くそぼうず)いづくに隠れけん。こゝもとにこそありつれ[くずし字クイズの補足説明] 【原文】下らんも遥けし。只管(ひたすら)一宿[一夜](ひとよ)を貸し給へ」 主の僧言…
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 「青頭巾」[『雨月物語』より]の続きだよ!快庵禅師はバールのようなもので殴られちゃうのかな? ※この記事では、霞亭文庫の画像を適宜改変して利用しています。霞亭文庫書誌詳細※画像はクリックすると拡大します。 【くずし字クイズの答え】年紀(としのころ)五旬(いそじ)にちかき老僧の。 【原文】取りて走り出で、外(と)の方を見るに、年(とし)の紀[頃](ころ)五旬[五十路](いそじ)に近き老僧の、頭(かしら)に紺染(あをぞめ)の巾を被(かづ)き、身に墨衣(すみごろも)の破(やれ)たるを穿[着](き)て…
明治の元勲「三条實萬・實美」父子を祀る神社として有名な「梨木神社」です。 梨木神社の事は、良く知って居ましたが、この地にあるとは知りませんでして、京都御苑に来たついでに、もっと早くお参りをして居れば良かったと思います。 京都紅葉の隠れた名所だそうですが、まだ少し早い様です。 「別格官幣大社」の石碑。 「上田秋成」の歌碑。「ふみよめば 絵を巻きみれば かにかくに 昔の人の しのばるるかな」 広い敷地、参道が続きます。 旧春興殿。 参道を抜けた所で、「碧道会」と云う「能」の会が「秋の稽古会」を行っていました。 手水舎の後ろ茶室。 ご神木の「愛の木」。 葉っぱの形がハート形に見えるエノキでしょうか。…
5年ぐらい前に初めて読んだときも「あ〜〜いい本だな〜」とは思ったんですけど、それからいろいろあって、転職して、首都圏にやってきて、すさまじい人混みに揉まれて、友達の結婚式に出て、「人生」をそろそろ真面目に考えるようになった今読んで「私だ」って思った。 すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) [ 川上 未映子 ]価格: 748 円楽天で詳細を見る いや、私と主人公の生い立ちや置かれている状況がそっくりというわけではないんですが、でもこの主人公は「あり得る私」なんです。 主人公の「わたし」の名前は入江冬子で、34歳。フリーランスの校閲者をやっている。独身の一人暮らし。元は小さな出版社で校閲の仕事を…
吉備津えびす宮から回廊を南に歩くと、西面して鳥居が建ち、吉備の中山に向かって石段が伸びている場所に出る。 ここを登ると、岩山宮がある。 岩山宮鳥居 岩山宮への石段 岩山宮の祭神は、吉備国の地主神の建日方別命である。 岩山宮本殿 古びたいい本殿だ。 岩山宮は、正宮、本宮、新宮、内宮と並ぶ吉備津五所明神の一柱である。正宮は、吉備津神社本殿のことであろう。 岩山宮の南には、大神宮、春日宮、八幡宮を祀る三社宮がある。 三社宮 中央が大神宮、向かって左が春日宮、右が八幡宮である。小さなお社だが、存在感がある。 三社宮の南には、御供殿がある。大祭用の厨のある建物である。祭事のお供え物はここで作られるのだろ…
第八十一番札所 綾松山 白峯寺 (りょうしょうざん しろみねじ) 住所 坂出市青海町2635 電話 0877-47−0305 国分寺から白峯寺まで 距離 12.9km 標高差 +312m -78m 国分寺から白峯寺まで 寺伝によると弘仁六年(815)、白峯山に登った弘法大師が山頂に如意宝珠を埋めて井戸を掘り、衆生済度を祈願する。貞観ニ年(860)、大師の妹の子である智証大師が瑞光に導かれて白峯山に登頂し、地主神である白髪の老翁から御神託を授かる。智証大師は、補陀洛山から流れ着いた光明に輝く霊木で千手観音像を彫造し、これを本尊として佛堂を創建する。保元の乱(1156)に破れ讃岐へ流された崇徳上皇…
『近代出版研究』2号(皓星社発売)は、今年3月に発行された。もう4か月近く経つことになる。次号の編集も着々と進められているようだ。巻頭の横山茂雄ロングインタビュー「川島昭夫・吉永進一らとの交友、そして古本収集話」を皆様お読みいただけたでしょうか。 これは、昨年四天王寺の古本まつりで本部前におられた横山先生を私が見つけて、近代出版研究所長の小林昌樹君に紹介した時に掲載が決まったものである。横山先生と故吉永さんは、ともに京大UFO超心理研究会の先輩である。ただ、横山先生はもう院生でU超研のボックス(部室)に顔を出しておらず、先生が主宰し教養部の故蜂屋昭雄先生が顧問をしていた幻想文学研究会で吉永さん…
「新釈雨月物語」石川淳 角川文庫 1994 上田秋成「雨月物語」の石川淳による現代語訳、ではなくて新釈、というのは、解説によれば、原文がほとんどそのまま残ってゐる部分があったり、あるいは削ったり、逆に足したりということを自在におこなって出来上がったものだから。 原文を読んだことがないので石川淳がどのような操作をくわえたのかわからないが、傑作だと思った。古語もあちこちに出てくるので自分には意味が取れないところもあったが、文の調子に乗ってしまえばそんなもの気にならないし、気にしてはいけない。そう思って夢中になって読んだ。文の藝の凄みに、本を持つ手がふるえた。 (こういう作品は現代仮名遣いに改変せず…
人生は短く芸術は長いとはよく耳にする言葉だが、芸術は非情だ。誰にでも開かれているようでいても、誰もが可能で誰もが到達できる、というわけではない。時代によって、個々の鑑賞者の資質によって、選ばれ称賛される作品に違いは出てくるであろうが、その趣味判断を超えて、時代に即した名歌の傾向というものは、複数の作品を選択することで、自ずから一定の水準に落ち着いてくる。 本書、塚本邦雄の『珠玉百歌仙』は、記紀歌謡から明治の言文一致運動にいたるまでの、約十二世紀、112の歌人の112の歌によって、もっとも日本的な和歌の姿の変遷を、一刊の著作として拾いあげ書きとどめている。 7世紀中盤におそらく万葉仮名で書きとめ…
(SKYFALL 4/4からの続きです。)つーわけで、ここから6月30日に書いた分↓超絶マニアエントリーNo.1まがったことが だいきらい~は~ら~だ たいぞうです♪ (@笑う犬の生活)そう 原田泰造ではなく ご存知、宮中の暴れん坊こと 藤原定家くんです。(笑)定家くんと言えば とある公家と口論になった際に あまりにもムカついたのか 相手に燭台を投げつけるなどして 一時期、宮中参内禁止になったほどの(笑) キレると危険印な ときどき直情型な一面を持ちつつも、パパの俊成卿譲りの 歌の才能は超一流で、カリスマ的な存在となって 後に「新古今和歌集」の選者の一人となったほどの人です。私が見るに 定家く…
朝。 6時起床。寝苦しさもそろそろ本格的に。 明日から天気が下り坂らしいので洗濯1バッチ。 札幌物騒だな。 女性が全裸で殺されれば「美女」扱いになるのが、ミステリ小説や火サス。そこでは、男が首なしで殺されると「美男子」扱いになるだろうか。 午前中。 ザイタック経由オフピ。んー暑そうだな。 男女問わず、「スマホ画面だけ見て、自分の都合のいい速度・方向で歩き、誰かにぶつかりそうになったら相手を睨む奴」には、より邪悪な名前を付ける方がいい。「歩きスマホ」なんて生やさしいのじゃなくね。 あれ、当たり屋の一種だと思うよ。 午後。 案件を処理しているうちに、あっという間に16時になっていた。 夜。 21時…
自宅(9:24発)(11:32着発)(13:xx着、16:28発)⇒港北図書館⇒Tomod's菊名店(レシート16:45)⇒サミット菊名店(レシート16:59)⇒ファミリーマート横浜菊名店(レシート17:06)⇒自宅(17:19着)。 マンション管理組合理事の引継ぎでニチアサの一部をリアタイできず。 借りていて1度延長した本を再延長はできないので読み終わらなかったが港北図書館に返した。前半の雨月物語はそれなりに読めたが、後半の春雨物語はあまり面白くなく字面を追っていただけになっていたので、良く終わらなくても惜しくなかった。現代語訳 雨月物語 春雨物語 (河出文庫)作者:上田 秋成河出書房新社A…
万葉集に、鷺坂・鷺坂山について記された柿本人麻呂作と思われる次の3つの歌があります。(万葉百科 より)山背の久世の鷺坂神代より春は萌りつつ秋は散りけり 「山代久世乃鷺坂自神代春者張乍秋者散来」巻9-1707白鳥の鷺坂山の松陰に宿りて行かな夜も更け行くを 「白鳥鷺坂山松影宿而往奈夜毛深往乎」巻9-1687栲領巾の鷺坂山の白つつじ我ににほはね妹に示さむ 「細比礼乃鷺坂山白管自吾尒尼保波尼妹尒示」 巻9-1694 また、堀河院百首(長治二-三年、1105-6年)に次の歌があります。志ら鳥の鷺坂山を越くれば小篠の峯に雪降にけり(顯季) 鷺坂の場所について興味を持ったので、いろいろ調べてみました。なおリ…
【本格ファンタジー100選】 自分の頭の中で思い付いた「本格ファンタジー」を100作、何等の整理もせずに掲げています。ただ、「本格ファンタジー」に関する議論はあるものの、自分が考える「本格ファンタジー」の事例を羅列する人は少ないようなので、とりあえず、サンプルとしてやってみたいと思います。 1:泉鏡花『天守物語』 2:倉橋由美子「アポロンの首」 3:山尾悠子『ラピスラズリ』 4:井上雅彦「デザート公」 5:恒川光太郎「夜市」 6:小林泰三『アリス殺し』 7:ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』 8:レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』 9:ロード・ダンセイニ『ペガーナの神々』 10:イタロ・…
The Kate Rogan affairs THE BULLET 2010年 カナダ あらすじ 「フランスの保険会社の重役ベノワは出張でカナダに来ていました。ベノワはホテルに宿泊せずモーテルに泊まっていました。朝モーテルから仕事に出ようと靴の紐を絞めようとしたとき紐が切れました。ベノワは紐を買うために店に立ち寄りました。帰ろうとした時婦人警官のローガンがベノワを呼び止め逮捕しようとしました。ベノワは身分証明書を見せ、人違いとわかるとローガンは謝りその場は終わり、仕事に向かいました。」©2023 映画ウォッチ ○所感 アメリカのようなところだが、カナダの映画。 面白くないと言う事は無かった。僕…
ランキング参加中うつ病に悩む方のためのグループ メディア・リテラシーの日 テレビ信州が制定。 1994年のこの日、松本サリン事件があり、事件現場近くに住む無実の男性がマスコミにより犯人扱いされる報道被害があった。 ちらし寿司の日 卵焼きなどの調理用食材を製造販売する広島県の株式会社あじかんが制定。 岡山のちらし寿司「ばら寿司」が生まれるきっかけとなった備前岡山藩主・池田光政の命日。 演説の日 1874年のこの日、慶応義塾の三田演説館で日本初の演説会が行われた。 「演説」という言葉は慶応義塾を創設した福澤諭吉が仏教語をもとに作ったもので、この日の演説で福澤は「日本が欧米と対等の立場に立つ為には演…
一七八四年、志賀島(現在、福岡県)の農民・甚兵衛が田んぼの脇の水路から発見したとされ、日本史の教科書にも掲載されているあまりに有名な「金印」。これは、建武中元二年(五七年)に後漢の光武帝が同地にあった小国家の君主に与えた「漢委奴國王印」と同定されたが、じつは江戸時代の半ばに偽造された真っ赤な偽物だった。では、誰が、何の目的で造ったのか?鑑定人・亀井南冥を中心に、本居宣長、上田秋成など多くの歴史上の文化人の動向を検証し、スリリングに謎を解き明かす。 三浦佑之1946年三重県生まれ。成城大学大学院博士課程修了。千葉大学教授。古代文学、伝承文学研究専攻。『口語訳古事記完全版』(文藝春秋)が第1回角川…