訓読 >>> 4387千葉(ちば)の野(ぬ)の児手柏(このてかしは)のほほまれどあやに愛(かな)しみ置きてたか来ぬ 4388旅と云(へ)ど真旅(またび)になりぬ家の妹(も)が着せし衣(ころも)に垢(あか)付きにかり 要旨 >>> 〈4387〉千葉の野の児手柏の若葉のように、まだ蕾のままだけど、やたらに可愛くてならないので、そのまま触れずにはるばるやって来た。 〈4388〉一口に旅と言っても、本当の長旅になってしまった。家の妻が着せてくれた衣に、垢がついてしまったことだ。 鑑賞 >>> 下総国の防人の歌。作者は、4387が千葉郡(ちばのこおり)の大田部足人(おおたべのたるひと)、4388が占部虫…