日記 なんのご縁か知らないけど都心の ど真ん中にぼくは生まれた 過去出身地を聞かれて答えると 誰もが同じことを言った 「いいところで生まれましたね」 正直なところぼくの中に良い所の 概念は全くなくいつも違和感が有った 1960年代の頃はまだ都電が走り カブトムシの幼虫が居る田舎だった 都内で生まれ育ったぼくは思春期には 地方の友人が沢山できたが気持ちは 彼らと同じで地元愛であふれている テレビ等で報じるキラキラした イメージは作られたもの 地方の人は切り取った絵を見て 勝手に東京を想像するがあれは 都民が作った街の姿ではない 上京した友人はぼくと接するとみな おまえは東京人らしくないなと言う …