ホラー作家。 リスト::小説家
1960年1月13日、東京都生まれ。 明治大学商学部卒。 1983年、星新一ショートショートコンテストで「よけいなものが」が優秀賞を受賞し、デビュー。 1997年から、書き下ろしホラーアンソロジー「異形コレクション」の監修を行う。 1998年、「異形コレクション」が日本SF大賞特別賞を受賞。
著書リスト
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怪談というのは、聞いている人の感情に訴えかける、古来のエンターテインメントであり、語りの力が影響するものだろう。 百物語とは怪談を持ち寄り、一話話す毎に蝋燭を一本づゝ消していき、やがて百本目が消えたとき怪異が出現する、という。 都内某所と伏せられているが、根津辺りの古い建物(旅館?料理屋?)にて開催されたようだ。 怪談の怖さには、因果応報の考え方が深く染み込んでいる。 もちろんそれが全てではないが、然るべき因果によって、恐ろしいことが引き起こされる。 理由もなく、不条理なことは起きない。(例外はある) そこは底知れぬ夜の世界ではなく、因果に縛られた昼の世界の延長なのだ。 というか、昼の世界の延…
ファーブル君の妖精図鑑 作者:井上雅彦 講談社 Amazon 美術大学を途中でやめて母の営む民宿に戻ってきた真亜梨 不思議なものを見る目を持つファーブルくんと知り合い彼の各不思議な文章にインスパイアされて 描く絵から様々な事件の真相を見抜く
2021年8月某日、私、まぐろどん(28歳地方在住フリーター)は、本書を発端として、令和・ホラー宣言を発表致しました。 朝宮運河『再生 角川ホラー文庫セレクション』(KADOKAWA 2021年)の話をさせて下さい。 【概要】 1993年4月の創刊以来、わが九人緒ホラーエンタメを牽引し続けている角川ホラー文庫。その膨大沙な作品の中から時代を越えて読み継がれる名作を厳選収録。 ミステリとホラーの巨匠・綾辻行人が90年代初頭に執筆した傑作「再生」をはじめ、『リング』の鈴木光司による「夢の島クルーズ」、今邑彩の不穏な物件ホラー「鳥の巣」、澤村伊智の学園ホラー「学校は死の匂い」など、至高の名作全8篇。…
最近読んだ怪談本を短い感想でまとめようと思う。 まず一冊目 ホラーアンソロジー「黒い遊園地」 黒い遊園地 (光文社文庫) 作者:井上 雅彦 監修 発売日: 2004/04/14 メディア: 文庫 これはアンソロジーとなっており遊園地をテーマにした怖い話を読むことができるんだけどもどちらかというと、ホラーというよりも世にも奇妙な物語的な話が多いように感じた。 色んな時代や架空の世界の遊園地をテーマにしていたり、ショートショートだったり作家さんによって個性を感じるアンソロ。 私がこの本の中で怖かった話は飛鳥部勝則さんの「番人」 息子とともに遊園地に来た湯川だったが、メリーゴーラウンドから降りてきた…
『くらら 怪物船團』 井上雅彦/1998年/328ページ 原因不明の事故で沈没したクルーザーには、恋人が乗っていた。未確認の情報を元に、結城が駆けつけた港町には、異様な現象が起こりつつあった。曲馬団の箱、獣の檻、朽ち果てた道化人形…。奇妙な漂着物を拾った者たちに怪異が憑依し、伝説の殺人鬼が臨海学園に復活する。謎の少女クララの正体とは。 (「BOOK」データベースより) “クララ”というあだ名で呼ばれている恋人の牧村奈美が、同じ大学の教授とともに乗っていたクルーザーが沈没したと聞き、結城瞬介はあわてて現場である行灯ヶ浜へ向かう。沈没直前のクルーザーは「不可解な海面の発光」「虹の色」「温度の急低下…
今日は、自閉スペクトラム症 マイペースなきみに家族はすったもんだ (中央法規, 監修:井上雅彦, 編集:全国手をつなぐ育成連合会 )という本を紹介します。 自閉スペクトラム症の方の「あるある」がご家族の視点から過去を振り返る形で、4コマ漫画で紹介されています。大部分がこだわり行動に関するエピソードです。当時は必死だったかと思いますが、笑い話として振り返っており、読み手を暖かい気持ちにさせてくれます。また、各エピソード毎に、ご家族からのコメントと鳥取大学の井上雅彦先生による解説があります。そこから、支援に関するヒントが得られるかもしれません。まずは私達が、自閉スペクトラム症の方のこだわりの文化に…
Charles Beaumont テレビドラマ『ミステリー・ゾーン』(The Twilight Zone)の脚本を数多く書き、レイ・ブラッドベリに「自分に最も近い作家」として名前を挙げられたチャールズ・ボーモントは、一九六七年に三十八歳の若さで亡くなりました。 そのせいか、単行本の数は少なく、日本では第一短編集の『残酷な童話』、第三短編集の『夜の旅その他の旅』、そして日本オリジナルの『トロイメライ』(写真)の三冊しか出版されていません。『トロイメライ』は、「予期せぬ結末」という叢書の一冊として刊行されました。 この叢書は結局、三冊しか出ませんでしたが、早川書房の「異色作家短篇集」の姉妹版のよう…
国語の教科書が配られると真っ先にページをめくってどんな作品が収録されているのか確認していた皆さんこんにちは!鷹クラーケンです。 いきなりですが、今の高校生は大学入試の制度変更の煽りによって現代文の授業で物語に触れることがとても少なくなったそうです。 そしてそれは小中学生であっても同じだとか。 note.com やけどするのが怖いので制度変更の是非については口をつぐみますが、山月記や羅生門のような優れた作品に触れる機会を知らず識らずの内に失っている高校生がいると思うと悲しくなります。 そこで!今回は小説を中心とした国語の教科書を編纂してみようと思います! 新しい歴史教科書を作る会とは無関係に! …
『幻想と怪奇 13 H・P・ラヴクラフトと友人たち』(牧原勝志編 新紀元社 2013/3月刊) http://www.shinkigensha.co.jp/book/978-4-7753-2078-5/ 装画 ひらいたかこ 装丁 YOUCHAN 旧『幻想と怪奇』誌(三崎書房/歳月社1973~74)の全12号をついに超えて13号の刊行成った新編『幻想と怪奇』。今号は満を持しての初特集となるラヴクラフト&アーカム・ハウスをテーマとし かの特殊書肆の意義を実作品群によって掘り下げている点が特筆。ラヴクラフトおよび親しい友人作家たち/歿後HPL書を刊行し作家としても後継したダーレスとワンドレイ/その流…
こんばんは、読子です。 とうとう病院の貸し出し本の本棚で出会ってしまいました。気になっていたあの本… 最近巷でよく見かける「5分で読める!」的なサクッと系短編集です。 コレ系は「一駅で読める!(うろ覚えで不確かな記憶)」だとか「5分後に大どんでん返し!(こっちも薄らぼんやりした記憶)」みたいなシリーズも出ていましたよね、確か。今のブームはガツッと集中型ではなく、スキマ時間の短時間読書なのでしょうか…? さてその中で、今回出会ったのはこちら 「5分で読める!怖いはなし」このスミテリーがすごい!編集部 編のホラーアンソロジーです。 存在としては認知しており、ずっと気になってはいたのですが「あまり知…
【本格ファンタジー100選】 自分の頭の中で思い付いた「本格ファンタジー」を100作、何等の整理もせずに掲げています。ただ、「本格ファンタジー」に関する議論はあるものの、自分が考える「本格ファンタジー」の事例を羅列する人は少ないようなので、とりあえず、サンプルとしてやってみたいと思います。 1:泉鏡花『天守物語』 2:倉橋由美子「アポロンの首」 3:山尾悠子『ラピスラズリ』 4:井上雅彦「デザート公」 5:恒川光太郎「夜市」 6:小林泰三『アリス殺し』 7:ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』 8:レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』 9:ロード・ダンセイニ『ペガーナの神々』 10:イタロ・…
「幻想と怪奇6 夢境彷徨―種村季弘と夢想の文書館」(新紀元社 2021年) 幻想系雑誌としてはいちばん新しい部類でしょうか。初めて読みます。こういう雑誌はずっと続いていって欲しいですね。ぶ厚いですが、活字が大きく読みやすいのはありがたい。昔の雑誌は、ページ当たりの活字を増やしてお得感を出すために、小さな活字にしていて、ひどいのになると3段組4段組というのもありました。 特集は、「夢境彷徨」となっていますが、はっきり夢をテーマや舞台にしているのは、「種村季弘とドイツ夢幻譚」に収められた諸篇と、「メデュウサ」、「金の鋏」、「アルバート・モアランドの夢」、「静かに!夢を見ているから」ぐらいで、全体の…
暦変わって6月。最近は紙の値段が上がって書籍の価格も値上がりしてると聞きますし、ちょっと売れてもなかなか重版できないとかいう噂もちらほら。本は在庫があるうちに早めに買っておけということですね。 いつまでも あると思うな 出版社在庫 というわけで5月分の新刊チェックです。 エレクトリック 作者:千葉 雅也 新潮社 Amazon 『デッドライン』『オーバーヒート』に続く、千葉雅也の小説第3作。今回は90年代の宇都宮が舞台。表紙は前2作と同じくウォルフガング・ティルマンスによる。 ニジンスキーは銀橋で踊らない 作者:かげはら 史帆 河出書房新社 Amazon 『ベートーヴェン捏造』『ベートーヴェンの…
5月1日読書 韓国併合 森万佑子 (中公新書) 80p〜90p 2日購入 ローズマリーのあまき香り 島田荘司 (講談社) 口訳 古事記 町田康 (講談社) 時計泥棒と悪人たち 夕木春央 (講談社) 英国の幽霊城ミステリー 織守きょうや (株式会社エクスナレッジ) 一泊なのにこの荷物 本上まなみ・澤田康彦 (ミシマ社) 読書 ローズマリーのあまき香り 島田荘司 (講談社) 1p〜81p 3日読書 ローズマリーのあまき香り 島田荘司 (講談社) 82p〜203p 雪の練習生 多和田葉子 (新潮文庫) 46p〜59p 4日読書 ローズマリーのあまき香り 島田荘司 (講談社) 204p〜287p 5日…
毎週日曜日は、この一週間に週刊誌などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPをご覧ください。 今週の書評本 表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者 出版社 税込価格 書評掲載回数(2回以上のもの) ◆週刊朝日「週刊図書館」: 5/26 号 6 冊愛媛県新居浜市上原一丁目三番地 鴻上尚史 講談社 2,090 ②文明交錯 ローラン・ビネ 東京創元社 3,300ユートピアとしての本屋 暗闇のなかの確かな場所 関口竜平 大月書店 1,870 ②K-POP現代史 韓国大衆音楽の誕生からBTSまで 山本浄邦 ちくま新書 946 ②反戦川柳人 鶴彬…
家に海外SFが積まれている ●『玩具修理者』(小林泰三) 第2回日本ホラー小説大賞短編集を受賞した表題作と、小長編「酔歩する男」を併せて収録した、著者の第一作品集。 「玩具修理者」の方は、〔ホラー大賞受賞作品・タイトル・「玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも……死んだ猫だって」のあらすじ〕から苦手方面の予感しかしないので、塩谷さんにいただいたコメントを参考にすっぱり諦める事にして、以下「酔歩する男」のみの感想になります(単純なページ数では、「酔歩する男」が全体の4/5)。 ある晩わたしは、飲み屋で出会った見知らぬ男から、「わたしを覚えておいでじゃありませんか?」と…
怖いこわい京都 (新潮文庫) 著者 : 入江敦彦 新潮社 (2010年5月28日発売) f.2023/5/5 p.2010/6/15 from amazon site そないに怖がらんと、ねき(近く)にお寄りやす。千二百年の闇が生む、美しくて怖い京都「百物語」。 微笑みに隠された得体のしれぬ怖さ──それこそが、京都の魅力であり真骨頂だ。千年の情念が積もり積もった都で飄々と暮す人々だけが知る恐怖を、京都話の名手が案内する。都の魔と人の業が結晶した《異形》、大路小路にひそむ《伝説》、京都人も畏れる《寺院》。ほか《神社》《奇妙》《人間》《風景》《幽霊》《妖怪》の九章からなる京都奇譚。『怖いこわい京都…
予約購読して購入した訳ですけどさ。何しろこの企画。SFマガジン始まって以来の大増刷が社内会議で決まったという。 SFマガジン 2023年 06 月号 [雑誌]早川書房Amazon特集 藤子・F・不二雄のSF短編 日本コミック界において数々のマスターピース作品を生み出してきた藤子・F・不二雄氏。そのなかでも「SF・異色短編」「少年SF短編」と呼ばれる、短編作品群にスポットを当てた特集。約110作の作品総解説に加えて本誌に掲載された名作の再録、識者による対談、実写ドラマ情報などを掲載。●特別再録 ・「ヒョンヒョロ」藤子・F・不二雄●作品総解説 少年SF短編&SF・異色短編 逢坂冬馬/縣丈弘/柞刈湯…