あのとき、自分がされた言葉に傷ついた。 あの態度が嫌だった。 もう、あんな思いはしたくない――そう思ったはずだったのに。 いつの間にか、私自身が、誰かに同じことをしてしまっていた。そのことに気づいた瞬間、心の奥にチクリとした痛みが走る。 「ごめんね」と、言えるだろうか。「そんなつもりはなかった」と、言い訳してしまいたくなる自分もいる。 介護の現場にいると、日々、人と人との関係の中で自分の行動が問われます。入居者様との関わりはもちろん、同僚や上司との関係、家族との関係。 そのどれもが繊細で、だからこそ、ちょっとした言葉や態度が思いがけず誰かを傷つけてしまうことがある。 私にも、忘れられない体験が…