世界のクロサワを知るきっかけとなった作品との30年ぶりの再会は圧巻の、そして至福の三時間だった(評価 88点) 泣く子も黙る世界のクロサワの集大成は、豊穣かつ絢爛たる色彩の洪水だった。 1979年は一つの事件だった。あの山が動いたのだ。その山とは他でもない、日本が世界に誇る巨匠、黒澤明。そんなクロサワがホームグラウンドの時代劇、それもエピックといっていい大作時代劇をカラーで撮るという。その告知に日本のみならず、世界までもがどよめいた。1979年とは、そんなトピックが駆け巡った年でもあった。 さて、そんな時代のこの負け犬はといえば、そんな時があったのか、と言いたくなるほどの、まだ尻の青い十代の頃…