次は「卍」 樋口可南子と高瀬春奈の映画「卍」1983 年を見ている、単に二人のベッドシーン を見に行ったようなものだが、wikiを見 ると小説とは設定がまったく違う。 谷崎が単に同性愛そのものを書いたとは 思えない、人間の恋愛の複雑さ、女女、 男女、夫婦の駆け引き、とくに一番まと もだった弁護士の夫が崩れていく終盤が 読ませる。全文が告白文というのか、女 性の大阪弁ばかり、しばらく住んでいた だけに懐かしくたのしく、谷崎が阪神間 に住いを移しての収穫が頼もしい。 これも、あほらしいけどおもしかった。 そういえば辻原登「卍どもえ」はこれの オマージュだったか。 卍(まんじ) (新潮文庫) 作者:…