映画『ターナー、光に愛を求めて』 ――太った身体で、光の中を歩くターナーから目が離せない。 マイク・リー監督の『ターナー、光に愛を求めて』(2014年) J・M・W・ターナー(19世紀のイギリス・ロマン主義を代表する画家)という偉大な画家の伝記映画。 しかし、この映画を観終わって強く残ったのは、「ターナーについて知った」という感覚ではない。 むしろ、語られたターナーではなく、ターナーその人を観たような気がする。 その最大の功労者が、主演のティモシー・スポールだと思う。 スポールのターナーは、いかにも「偉大な芸術家」という姿ではない。太っていて、ずんぐりしていて、歩き方もどこか不格好。声を荒らげ…