博士の愛した数式は、小川洋子による日本の小説、またそれを原作とする映画。
交通事故の後遺症で記憶が80分しかもたない数学者と、彼の家に家政婦として派遣された「私」、そして「私」の息子「√(ルート)」との交流を描いた作品。
2004年、第55回読売文学賞および第1回本屋大賞を受賞。
2006年、新春ロードショー。渋谷東急、全国松竹・東急系にて公開。
アインシュタインは、ふたつのどろだんごをくっつけて1+1=1と言った。 でも、困るのは、どろだんご、いくつくっつけても、1になっちゃうところ。と言うのは、もう、お話しましたね。 さらに、ここから発想を広げると、ひとつのどろだんごから、いくつひけば、ゼロになるかは、それぞれ。という事。 例えば、ひとつのどろだんごから、ひとつのどろだんごをひいてもゼロになるし、 ひとつのどろだんごから、ふたつひいてもゼロになる場合がある事。 この考え方を反映したものに、「アリス・イン・ワンダーランド」、「博士の愛した数式」や、東洋哲学、禅の教えにも共通しているらしい。 また、ひとつのどろだんごに、いくつどろだんご…
随分長い間が空いてしまった。 12月以降、他界した伯父の後始末であったり、年末年始のごたごたであったりで、すっかり無沙汰になってしまった。気付けばクリスマスもとうに過ぎ去り、早くも新年である。皆様、明けましておめでとうございます。どうぞ今年も、本ブログをよろしくお願いいたします。 聞くところによると、今年のお正月は(人によっては)9連休だそうで、そういう方々はどのように過ごしたのだろうと想像する。実家に帰ったり、初詣に行ったり、紅白を見たりしたのだろうか? 残念ながら私は世間と逆行する9連勤で、あまり年を越したという実感がない。紅白も初詣もなく、出来合いのおせちをちまちまと摘まんだ程度である。…
小川洋子著『博士の愛した数式』 ― ― ― 一言で表すのなら、チョコレートクッキーの缶の中にあめ玉がひとつ転がり込んでいるようだ、とでも言えばいいのでしょうか。茶色に統一されたクッキー缶に鮮やかなあめ玉が入り込む事で、どことなく華やかさと親近感が生まれているようでした。 俘虜の事故に遭い、脳に障害を負ってしまい、八十分しか記憶を保持できなくなってしまった博士。数学をこよなく愛し、数とともに生きる。そんな彼と、彼が所持する数学に関するすべてがチョコレートクッキーの缶。そして、そんな博士のもとへ家政婦としてやってきた“私”とその息子のルートがあめ玉です。 博士は八十分しか記憶を保持する事ができませ…
こんにちは、皆さん!今日は小川洋子さんの名作『博士の愛した数式』について語りたいと思います。この本は、数学と人間の絆を描いた感動的な物語で、読んだ後に心が温かくなる一冊です。 『博士の愛した数式』の魅力まず、この物語の中心にいるのは、記憶が80分しか持たない数学者の博士と、彼を支える家政婦とその息子です。博士の記憶は短いけれど、彼の数学への愛は無限大。彼が数式を通じて見せる世界は、まるで魔法のようです。 博士が愛した数式の一つに「友愛数」があります。これは、二つの数が互いの約数の和と等しくなるという不思議な関係を持つ数です。この数式を通じて、博士と家政婦、そしてその息子の間に生まれる絆は、まさ…
数学の先生との再会 「小説を読むように、数学の勉強をしたらいいんだよ」 高校生の時、数学が苦手だった文芸部の私に、先生はそう話されました。 それから数十年経たのち、その数学の先生と、SNS で再会しました。 「あなたのこと、覚えてますよ」 そして、先の言葉を言ったのだと、一番に教えてくれました。 ごめんなさい、先生。 私、その言葉を覚えてませんでした... 担任だったこともなく、教科担任でもなかったのです。 誰か他の人と間違えているのではないだろうか… それから、また年を経た今。 この歳になったから、わかります。 誰かに何かしたことを忘れることがあっても。 誰かに何かを言った。何かをした。それ…
あのとき売った本、売れた本 作者:小出和代 光文社 Amazon 「あのとき売った本、売れた本」 小出和代(著) 光文社 内容 売れる本の影に書店員さんあり! まとめ こんな人にオススメ こんにちは、ちわぷ〜です! 私の様な読書家にとって、とっても有難い存在が、書店員さん。 本日は実績ある書店員さんが、思い出の本の販促時のエピソードをまとめた書籍をご紹介いたします! なかなか懐かしい作品が多く、エモいです☆ 「あのとき売った本、売れた本」 小出和代(著) 光文社 内容 「夜は短し歩けよ乙女」第一回本屋大賞受賞作の「博士の愛した数式」など、 経験ある書店員さんが退職の挨拶をしに行った際に、編集者…
あらすじ 物語の主人公は、ある数学者の博士。彼は、交通事故によって頭部に大きな損傷を負い、記憶が80分しか続かないという障害を持っています。そのため、彼の記憶は過去80分の出来事までしか保持できず、80分ごとに新たに知り合った人々や出来事を忘れてしまいます。博士は、記憶が続かないことを逆手に取って、数式や数学に対する愛情を深め、数学の美しさを探求し続けています。 博士の生活は、彼を支える家政婦の女性とその息子、そして博士が好んで見るテレビのニュースキャスターとの関わりを通じて描かれます。家政婦の女性は、博士の特殊な状態に理解を示し、彼の生活を支えることに献身的に取り組んでいます。博士の生活に新…
「博士の愛した数式」 小川洋子 新潮文庫(初版2003年) 評価 ★(読んでよかった。あるいは、損なし) ★は最高で三つです。 〈登場人物〉 私・・・・・家政婦。シングルマザー。 ルート・・・博士がつけたあだ名。主人公の息子、小学生。阪神ファン。 博士・・・・数学者。記憶が80分しかもたない。古い記憶の中の阪神ファン。 〈あらすじ〉 「私」の新しい仕事場は、事故に遭って記憶に障害のある数学者。80分しか覚えていられない、頭の中は数学のことばかり、通常の生活能力も怪しい(今ならコミュ障と呼ぶのか)、そんな博士と少しずつ意志を通わせる「私」とルート。この3人の結びつきに、数学と阪神の話題が絡んで細…
寺尾聰さん。浅丘ルリ子さん。深津絵里さん。齋藤隆成さん。吉岡秀隆さん…が、訳ありの5人の人物たちを好演。これは嬉しい裏切りであり、パッケージの第一印象から…とある数学博士の夫婦の物語かと単純に想像していたので反省する。都会の雑踏から離れた…移動手段は最低でも自転車。そんなイメージの長閑な場所が舞台。(原作では杏子=「私」の目線で描かれていると言うが)今作では…杏子の息子(ルート少年と数学の教師になったルート先生)の目線で描かれている。「数式は日常のあらゆる場所に溢れている」…と。それでいて、人の繋がりや罪、罰…喜怒哀楽…の中で今を受け入れながら、美しい数式に目を向け穏やかに生きるという……
博士の愛した数式不慮の交通事故で、天才数学者の博士は記憶がたった80分しかもたない。 何を喋っていいか混乱した時、言葉の代わりに数字を持ち出す。それが、他人と話すために博士が編み出した方法だった。 博士のもとで働くことになった家政婦の杏子と、10歳の息子。博士が教えてくれる数式の美しさ、キラキラと輝く世界。 母子は、純粋に数学を愛する博士に魅せられ、次第に、数式の中に秘められた、美しい言葉の意味を知る―。 1時間57分2006年 『博士の愛した数式』(はかせのあいしたすうしき)は、小川洋子による日本の小説。 美しい数式の世界を織り交ぜ、記憶が80分しか持続しない数学者と母子の交流を描く。第1回…