私しか触れない犬が亡くなって1週間が過ぎた。寒くないようにと、遺骨は私の横に置いてある。歳をとるたび、大切な誰かが亡くなったり、自殺してしまった友達たちとの別れを繰り返し経験しているうちに、私はどんどん人の死に対して鈍感になったというより、その痛みを避けるようになっている。今回もそうで、犬の死を全力で受け止めてあげられずに、痛みと悲しみを避け続けている。 子供の頃、大切な誰かが死んでしまって、一目も憚らずにわんわん泣いていた自分を羨ましくも感じる。 犬軸だった生活と人生が一変し、私主体の人生が戻り、私は自分の主体性を未だに取り戻せずに、何から手をつけようか、何をしようか、これからどう生きていこ…