既にほとんど解決し、語られ尽くした感のある4,630万円の誤振込についての備忘をいまさら書こう。税理士であることを忘れないためにも。 今回の国税徴収法に基づく差押えはかなり強引で、差押処分について行政訴訟を起こされるリスクがあったはずだ。もちろん相手方の決済業者の後ろ暗さを突くことで、オンラインカジノなどよりも余程勝算の明らかな賭けだったのだろう。この弁護士の辣腕を称賛したいし、国税徴収法という税理士の試験科目中のギャグ要員*1が面目躍如を果たしたことも祝いたい。だが、公権力に対してこれほど強力な規定が配備されていて、私法上の債権を回収するために転用されたことも忘れてはいけない。 回収できた分…