京柱(きょうばしら)峠(570m)と祭文(さいもん)峠(590m)は伊久美川右岸尾根上にあって、いずれも伊久美の谷と川根・身成の谷を繋ぐ峠道であった。藤枝側から蔵田や桧峠を経由して伊久美ヘと入った山の交易路は、これらの峠を越え上河内、一色の身成谷へ、さらにそこから阿主南寺(あずなじ)峠などを越えて大井川中流域の川根筋へと入っていった。 京柱峠・祭文峠の陰影地形図(『スーパー地形』作成) 大井川上流部は行き止まりの閉塞谷で、中流部に至るまで両岸には山が迫っている。その上、江戸時代には架橋、通船が禁じられていた。……生活に必要な物資はすべて峠越えで求めなければならなかったし、産物もまた峠越えで出さ…