寝酒に一杯、なんぞと一人前の口をきいたところで、かつての自分に較べれば、下戸も同然といったところ。台所での、寝る前のほんのいっときだ。 バーボンお湯割り。と云っても、これも生意気か。割り過ぎである。小ぶりのオンザロック・グラスの底に、酒を一センチ足らず。小鍋に沸かした湯をたっぷり注ぐ。なんのことはない、わずかに色と香りがついた湯である。 グラスを小ぶりにするのは、あまりにちびちびと、まさしく舐めるようにしか飲まぬから、丈のあるグラスやマグカップでは、湯が冷めてしまう。ロックグラスが空になったら、まめに小鍋の登場となる。 一杯目は、チーズと梅干にて。冷蔵庫から出すだけだから、即座に用意できる。ま…