大阪唯物論研究会会員 倉島伝治 井本三夫 編・著集広舎 刊2025年4月15日 発行311頁¥3,850円 編・著者である井本は、「1918年の米騒動といえば富山の漁師の妻たちが、米の移出阻止に結束して起こした騒擾だと長く考えられてきた。しかしそれは『古い見かけ』であり、労働者の争議・消費者運動主導という『新しさ』を見誤らせてきた。この誤解の起点は、資料蒐集を1918年8月からの動静に置いた細川嘉六や、その細川資料を使った井上清らの『米騒動の研究(全5巻)(有斐閣)』が権威的研究とみなされてきたことにある。」として、井上清の誤りを指摘することに力点をおいている。 井上清の「米騒動論」は、岩波新…