北海道に入って二日目、早朝に起きて窓から外を見ると、湿った雪が重く降っていた。 この日は函館本線を辿って小樽に至る予定だが、朝食を済ませても乗るべき列車にはまだ間があり、夕暮れ時と朝、それぞれの景色を対照させてもみたかったので、今一度近くの名所を観ておこうと宿を出た。 が、陽射しがあればともかく、いずれも灰色の空の下では、当然と言えば当然ながらはっきりしたコントラストは感じられなかった。 これには些か落胆したものの、各景物がより強く胸に印象されたことは確かだ。 宿から駅までも市電などには乗らず徒歩で。 その際にもあちこちに目を向け、写真も少なからず撮ったため、思いの外時間を要してしまった。 函…