元禄15年12月29日。運上奉行吉田七太夫に縫殿の屋敷で申し渡しがある。役を召し放たれ、馬廻となる。委細は弥次右衛門が申し渡すと云々。逼塞するようにと云々。七太夫は運上ごとに贔屓し、私欲もあると云々。七太夫は所々の川に昨年まこも(真菰)を植えさせ、そこの百姓に藻も取らせなかった。このため魚も多くなり、運上金も多くなったと。泰心院様(綱誠)のお考えの通りと申し上げれば、その通りにしておればよいと。しかし、まこもなどが生え茂り、思うように水が流れなくなり、田は水害にあっていた。また藻を取らないので糞に不自由していた。そのためその地から運上を受けようと願い出るも許さなかった。代官等との詮議があり、近…