司馬遼太郎の『竜馬がゆく』の中に「東山三十六峰」という章がある。そこでは出羽庄内出身の浪人清河八郎が描かれている。 幕末好きな人にはお馴染みの人物で、図らずも新選組を生む切っ掛けをつくった人である。司馬さんの評価を並べたい。 《幕末に出た群雄のなかでも、その才覚の点では超一流の人物である。ただ「百才あって一誠足らず」というところがあり、人徳の点で万人が清河を押したてて死地におもむく、というところがない。》 《端倪すべからず、という漢語は、清河八郎のような男とその行動のためにできたものかとさえおもわれる。》 「端倪すべからず」とは、「推し量ることのできない」という意味ですね。幕府にすり寄ったり、…