『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』を読んだ記録。 日記のような、エッセイのような、文芸のような、ガイドブックのような、インタビューのような、何とカテゴリ分けできない、不思議な感触のある本だ。 軽いタッチの文章ながら、読むのにえらく時間がかかった。 その理由は三つある。 一つには、その「カテゴリ分けのできなさ」に由来している。先に挙げたようなさまざまな表現スタイルと内容が次々にスイッチしていく。一定ではない。 各章はだいたい美術館ごとになっているので、訪問した美術館での鑑賞体験が核にはなっているのだが、そこに至るまでにあちこちにスイッチしていくので、「ええっと、今なんの話だっけ」と混乱し…