「米澤屋書店」で知った、泡坂妻夫さんの「しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術」を読んだ。正確には、「泡」の「己」は「巳」だそうである。本名が、厚川昌男(あつかわ・まさお)なので、ペンネームはアナグラムだ。存在そのものがトリック好きという感じだ。マジシャンという一面もあるらしい。 しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫) 作者:妻夫, 泡坂 新潮社 Amazon トリックは明かすな、と書いてあるのでもちろん触れない。読んだときは、筒井康隆さんの「ロートレック荘事件」みたいな話かと警戒していたが違う筋のトリックだった。考えてみれば、1987年に出ているこの本に似たトリックを筒井…